一般社団法人 青空朗読
青空朗読
インターネット上の図書館「青空文庫」の作品を朗読する「青空朗読」は、プロのアナウンサーによる社会貢献活動としてスタートし、最近は、朗読を学ぶ一般の方々からも作品を提供していただいています。2016年5月に一般社団法人となりました。
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Episódios
ばべるの塔 著者:沖野 岩三郎 読み手:小川 幸香 時間:6分54秒 23.09.2025 6:54
ばべるの塔 著者:沖野 岩三郎 読み手:小川 幸香 時間:6分54秒 まだ、電話も電信も、なんにもない、五六千年も、まへのおはなしです。 ひろいひろい、のはらを、みつけた男がありました。あまり、けしきがよいので、そのまんなかに、一けんの家を、たてました。すると、いつのまにか、われ もわれもと、そこへ、何十万の人が、あつまつて来て、五六年めには、たいへん大きな、町になつて、しまひました。 ところが、ここ...
捨児 著者:芥川 龍之介 読み手:齊藤 雅美 時間:20分47秒 22.09.2025 20:47
捨児 著者:芥川 龍之介 読み手:齊藤 雅美 時間:20分47秒 「浅草の永住町に、信行寺と云う寺がありますが、――いえ、大きな寺じゃありません。ただ日朗上人の御木像があるとか云う、相応に由緒のある寺だそうです。その寺の門前に、明治二十二年の秋、男の子が一人捨ててありました。それがまた生れ年は勿論、名前を書いた紙もついていない。――何でも古い黄八丈の一つ身にくるんだまま、緒の切れた女の草履を枕に、捨ててあっ...
朝 著者:太宰 治 読み手:三田 朱美 時間:10分18秒 21.09.2025 10:18
朝 著者:太宰 治 読み手:三田 朱美 時間:10分18秒 私は遊ぶ事が何よりも好きなので、家で仕事をしていながらも、友あり遠方より来るのをいつもひそかに心待ちにしている状態で、玄関が、がらっとあくと眉をひそめ、口をゆがめて、けれども実は胸をおどらせ、書きかけの原稿用紙をさっそく取りかたづけて、その客を迎える。 「あ、これは、お仕事中ですね。」 「いや、なに。」 そうしてその客と一緒に遊びに出る。 けれ...
赤い魚と子供 著者:小川 未明 読み手:緒方 朋恵 時間:9分54秒 20.09.2025 9:54
赤い魚と子供 著者:小川 未明 読み手:緒方 朋恵 時間:9分54秒 川の中に、魚がすんでいました。 春になると、いろいろの花が川のほとりに咲きました。木が、枝を川の上に拡げていましたから、こずえに咲いた、真紅な花や、またうす紅の花は、その美しい姿を水の面に映したのであります。 なんのたのしみもない、この川の魚たちは、どんなに上を向いて、水の面に映った花をながめてうれしがったでありましょう。 「なんと...
じゅりあの・吉助 著者:芥川 龍之介 読み手:水野 久美子 時間:12分14秒 18.09.2025 12:14
じゅりあの・吉助 著者:芥川 龍之介 読み手:水野 久美子 時間:12分14秒 一 じゅりあの・吉助は、肥前国彼杵郡浦上村の産であった。早く父母に別れたので、幼少の時から、土地の乙名三郎治と云うものの下男になった。が、性来愚鈍な彼は、始終朋輩の弄り物にされて、牛馬同様な賤役に服さなければならなかった。 その吉助が十八九の時、三郎治の一人娘の兼と云う女に懸想をした。兼は勿論この下男の恋慕の心などは顧...
毒草 著者:江戸川 乱歩 読み手:福井 慎二 時間:21分6秒 17.09.2025 21:06
毒草 著者:江戸川 乱歩 読み手:福井 慎二 時間:21分6秒 よく晴れた秋の一日であった。仲のよい友達が訪ねて来て、一しきり話がはずんだあとで、「気持のいい天気じゃないか。どうだ、そこいらを少し歩こうか」ということになって、私とその友達とは、私の家は場末にあったので、近くの広っぱへと散歩に出掛けたことであった。 雑草の生い茂った広っぱには、昼間でも秋の虫がチロチロと鳴いていた。草の中を一尺ばかりの小...
子供に化けた狐 著者:野口 雨情 読み手:室 由美子 時間:8分36秒 16.09.2025 8:36
子供に化けた狐 著者:野口 雨情 読み手:室 由美子 時間:8分36秒 子供に化けて、大人をだます悪い狐がをりました。 三五郎と云ふ百姓が、馬を曳いて帰つて来ますと、道の端に七八つ位の一人の子供が泣いてゐました。 三五郎は、狐が化けてゐるのだと気づきましたから、わざと知らない振りをして通りすぎようとしました。子供は三五郎の方を見い見い余計に泣きました。 どこまでも知らない振りをして三五郎が通つて来ま...
パナマ運河を開いた話 著者:鈴木 三重吉 読み手:谷岡 理香 時間:16分29秒 15.09.2025 16:29
パナマ運河を開いた話 著者:鈴木 三重吉 読み手:谷岡 理香 時間:16分29秒 一 パナマの運河といへば、だれにもおわかりのとほり、南北アメリカのまん中の、一とうせまい、約五十マイルの地峡をきりひらいて、どんな大きな軍艦でもとほれるやうにこしらへたほりわりです。これは今から十五年まへに出来上つたのですが、最初アメリカ合衆国政府が、パナマ共和国に同意させて、あのほりわりをひらく計画をたてたのは五十...
つめたい メロン 著者:小川 未明 読み手:小川 幸香 時間:2分5秒 14.09.2025 2:05
つめたい メロン 著者:小川 未明 読み手:小川 幸香 時間:2分5秒 おかあさんが、れいぞうきの ふたを おあけなさると、いい においが しました。 「二郎ちゃん、メロンが つめたく なって いますよ。にいさんが かえったら、きって あげましょうね。」 と おっしゃいました。 二郎さんは じぶんも、にいさんの しゃせいに いって いる、ぼくじょうへ いって みようかと おもって いると、おばさんが、き...
食糧騒動について 著者:与謝野 晶子 読み手:宮崎 文子 時間:18分16秒 13.09.2025 18:16
食糧騒動について 著者:与謝野 晶子 読み手:宮崎 文子 時間:18分16秒 このたびの三府一道三十余県という広汎な範囲にわたって爆発した民衆の食糧騒動は天明や天保年間の飢饉時代に起ったそれよりは劇烈を極めて、大正の歴史に意外の汚点を留めるに到りました。私はこれについて浮んだいろいろの感想の一部を順序もなく書きます。 誰も知る通り、この騒動の直接の原因は物価の暴騰で、就中米価の法外な暴騰にあるのですが...
花子 著者:岡本 かの子 読み手:池戸 美香 時間:3分34秒 12.09.2025 3:34
花子 著者:岡本 かの子 読み手:池戸 美香 時間:3分34秒 花子には二人の男と二人の女の兄弟があります。花子はそのまんなかに生れました。五つの部屋の真中に花子は眠ります。 晴れ晴れとした春の野辺。ひばりが空高く啼きお陽さまの裳裾がゆらゆらとゆれかがやいて居ます。そして咲き乱れた花が一ぱい! 人は花子のほか誰れも居ません。おかしいとおもいました。少し淋しくありました。が花子は直ぐそれを忘れました。...
リイズ 著者:太宰 治 読み手:西村 文江 時間:12分12秒 11.09.2025 12:12
リイズ 著者:太宰 治 読み手:西村 文江 時間:12分12秒 杉野君は、洋画家である。いや、洋画家と言っても、それを職業としているのでは無く、ただいい画をかきたいと毎日、苦心しているばかりの青年である。おそらくは未だ、一枚の画も、売れた事は無かろうし、また、展覧会にさえ、いちども入選した事は無いようである。それでも杉野君は、のんきである。そんな事は、ちっとも気にしていないのである。ただ、ひたすらに、い...
ざしき童子のはなし 著者:宮沢 賢治 読み手:畠山 有香 時間:7分32秒 09.09.2025 7:32
ざしき童子のはなし 著者:宮沢 賢治 読み手:畠山 有香 時間:7分32秒 ぼくらの方の、ざしき童子のはなしです。 あかるいひるま、みんなが山へはたらきに出て、こどもがふたり、庭であそんでおりました。大きな家にたれもおりませんでしたから、そこらはしんとしています。 ところが家の、どこかのざしきで、ざわっざわっと箒の音がしたのです。 ふたりのこどもは、おたがい肩にしっかりと手を組みあって、こっそり行っ...
画の悲み 著者:国木田 独歩 読み手:齊藤 雅美 時間:22分1秒 08.09.2025 22:01
画の悲み 著者:国木田 独歩 読み手:齊藤 雅美 時間:22分1秒 画を好かぬ小供は先ず少ないとしてその中にも自分は小供の時、何よりも画が好きであった。(と岡本某が語りだした)。 好きこそ物の上手とやらで、自分も他の学課の中画では同級生の中自分に及ぶものがない。画と数学となら、憚りながら誰でも来いなんて、自分も大に得意がっていたのである。しかし得意ということは多少競争を意味する。自分の画の好きなことは...
秋草 著者:島崎 藤村 読み手:三田 朱美 時間:8分14秒 07.09.2025 8:14
秋草 著者:島崎 藤村 読み手:三田 朱美 時間:8分14秒 過日、わたしはもののはじに、ことしの夏のことを書き添えるつもりで、思わずいろいろなことを書き、親戚から送って貰った桃の葉で僅かに汗疹を凌いだこと、遅くまで戸も閉められない眠りがたい夜の多かったこと、覚えて置こうと思うこともかなり多いと書いて見た。この稀な大暑を忘れないため、流しつづけた熱い汗を縁側の前の秋草にでも寄せて、寝言なりと書きつけよ...
幽霊の足 著者:相馬 御風 読み手:福井 一恵 時間:3分42秒 06.09.2025 3:42
幽霊の足 著者:相馬 御風 読み手:福井 一恵 時間:3分42秒 或小学校に於ける手工の時間に、Fといふ教師の経験した話。 その日Fは生徒一同に同じ分量の粘土を与へて、各自勝手な物を作らせて見ようと企てた。生徒は皆大いに喜んで各自思ひ/\に、馬だの牛だの人形だの茄子だの胡瓜だのを作つた。 ところが、中にたゞ一人時間が過ぎても、ぼんやり何か考へ込んでゐて何も作らない生徒があつた。彼はもと/\其の級第一...
北斗と南斗星 著者:田中 貢太郎 読み手:齋藤 こまり 時間:9分57秒 05.09.2025 9:57
北斗と南斗星 著者:田中 貢太郎 読み手:齋藤 こまり 時間:9分57秒 趙顔という少年が南陽の平原で麦の実を割っていると、一人の旅人がとおりかかった。旅人は管輅という未来と過去の判る人であった。その旅人は少年の顔を見て、 「お前さんは、なんという名だ、気の毒なことだ」 と言った。少年は気になるので麦を割ることを止めて訊いた。 「なにが気の毒ですか、私は趙顔というのですが」 「そうかな、お前さんは、二十...
日本の全ての方々へ 著者:マハトマ・ガンジー/The Creative CAT 訳 読み手:二宮 正博 時間:12分51秒 04.09.2025 12:51
日本の全ての方々へ 著者:マハトマ・ガンジー/The Creative CAT 訳 読み手:二宮 正博 時間:12分51秒 始めに告白せざるを得ません。あなた方を敵視しているわけではありませんが、私はあなた方の中国に対する攻撃を激しく憎悪しています。あなた方は立派な高みから帝国の野望へと落ちてしまったのです。あなた方がその野望を実現することはできないでしょうし、あるいはアジアを分断した張本人となるかもしれません。かよう...
朝のヨット 著者:山川 方夫 読み手:水野 久美子 時間:8分32秒 03.09.2025 8:32
朝のヨット 著者:山川 方夫 読み手:水野 久美子 時間:8分32秒 曙の色がほのかに東の空を染めて、間もなくその日の最初の太陽の光が、はるかな海面を錫箔のように輝かせた。洋上はまだ薄暗く、空と海の境もはっきりしなかったが、とにかく、海には朝が来ていた。 鴎が一羽、そのヨットの上空で、ゆるやかに翼を上下していた。鴎は、まるでどこまでも離れない決心をしたもののように、そのヨットと方向と速度を一つにして、朝...
森の中の犬ころ 著者:小川 未明 読み手:室 由美子 時間:8分56秒 02.09.2025 8:56
森の中の犬ころ 著者:小川 未明 読み手:室 由美子 時間:8分56秒 町のある酒屋の小舎の中で、宿無し犬が子供を産みました。 「こんなところで、犬が子を産みやがって困ったな。」と、主人は小言をいいました。これも、小僧たちが、平常小舎の中をきれいに片づけておかないからだと、小僧たちまでしかられたのであります。 「この畜生のために、おれたちまでしかられるなんて、ばかばかしいこった。犬の子を河へ流してきてし...
女の魚売り 著者:小川 未明 読み手:宮崎 文子 時間:14分24秒 01.09.2025 14:24
女の魚売り 著者:小川 未明 読み手:宮崎 文子 時間:14分24秒 ある空の赤い、晩方のことであります。 海の方から、若い女が、かごの中にたくさんのたいを入れて、てんびん棒でかついで村の中へはいってきました。 「たいは、いりませんか。たいを買ってください。」と、若い女はいって歩きました。 この村に、一軒の金持ちが住んでいました。その家はすぎの木や、葉の色の黒ずんだ、かしの木などで取り囲まれていました...
アインシュタイン 著者:寺田 寅彦 読み手:湯浅 真由美 時間:50分27秒 31.08.2025 50:27
アインシュタイン 著者:寺田 寅彦 読み手:湯浅 真由美 時間:50分27秒 この間日本へ立寄ったバートランド・ラッセルが、「今世界中で一番えらい人間はアインシュタインとレニンだ」というような意味の事を誰かに話したそうであ る。この「えらい」というのがどういう意味のえらいのであるかが聞きたいのであったが、遺憾ながらラッセルの使った原語を聞き洩らした。 なるほど二人ともに革命家である。ただレニンの仕事はど...
熊 著者:久米 正雄 読み手:福井 慎二 時間:11分16秒 30.08.2025 11:16
熊 著者:久米 正雄 読み手:福井 慎二 時間:11分16秒 北海道で生れた私の友達が、或日私の近所の子供たちの前でこういう熊の話をして行きました。 一 熊といいますと、いうまでもなく恐しい猛獣ですが、熊だって何も好き好んで人を殺すのではありません。人が熊を恐しがるように、矢張熊の方でも人が恐いのです。そして人が来るのを知れば、熊の方で先逃げてくれるのです。けれども両方がふいに出合うか、どうしても...
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