一般社団法人 青空朗読
青空朗読
インターネット上の図書館「青空文庫」の作品を朗読する「青空朗読」は、プロのアナウンサーによる社会貢献活動としてスタートし、最近は、朗読を学ぶ一般の方々からも作品を提供していただいています。2016年5月に一般社団法人となりました。
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一般社団法人 青空朗読
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11 de jul. de 2026
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Episodios
【青空朗読】良夜 著者:饗庭 篁村 読み手:ヨシオカ ミエコ 時間:34分40秒 11.07.2026 34:40
良夜 著者:饗庭 篁村 読み手:ヨシオカ ミエコ 時間:34分40秒 予は越後三条の生れなり。父は農と商を兼ねたり。伯父は春庵とて医師なり。余は父よりは伯父に愛せられて、幼きより手習学問のこと、皆な伯父の世話なりし。自ら言うは異な事なれど、予は物覚えよく、一を聞て二三は知るほどなりしゆえ、伯父はなお身を入れてこの子こそ穂垂という家の苗字を世に知らせ、またその生国としてこの地の名をも挙るものなれとて、いよ...
【青空朗読】ウグヒスブエヲ フケバ 著者:新美 南吉 読み手:都築 洋子 時間:3分2秒 10.07.2026 3:02
ウグヒスブエヲ フケバ 著者:新美 南吉 読み手:都築 洋子 時間:3分2秒 ムラノ コドモタチガ ウグヒスブエヲ フキマシタ。 ミンナデ イツシヨニ ニギヤカニ フキマシタ。 「ケキヨケキヨケキヨ、ヨ、 ケキヨケキヨ、ヨ」 ミンナハ アタタカク ナツテ クルト ハヲリヲ ヌイデ フキマシタ。 スルト モリヤ ヤブノ ナカニ ヰタ ウグヒスタチハ ソレヲ キキマシタ。 ソコデ、ウグヒスタチハ ミン...
【青空朗読】流言蜚語 著者:寺田 寅彦 読み手:宮澤 賢吉 時間:9分47秒 09.07.2026 9:47
流言蜚語 著者:寺田 寅彦 読み手:宮澤 賢吉 時間:9分47秒 長い管の中へ、水素と酸素とを適当な割合に混合したものを入れておく、そうしてその管の一端に近いところで、小さな電気の火花を瓦斯の中で飛ばせる、するとその火花のところで始まった燃焼が、次へ次へと伝播して行く、伝播の速度が急激に増加し、遂にいわゆる爆発の波となって、驚くべき速度で進行して行く。これはよく知られた事である。 ところが水素の混合の...
【青空朗読】うぐいす 著者:原 民喜 読み手:池戸 美香 時間:4分34秒 08.07.2026 4:34
うぐいす 著者:原 民喜 読み手:池戸 美香 時間:4分34秒 梅の花が咲きはじめました。学校の門のところにある梅も、公園の池のほとりにある梅も、静かに花をひらきました。雄二の家の庭の白梅も咲きました。花に陽 があたると、白い花はパッとうれしそうにかがやきます。日蔭の枝にある花は静かに青空をながめています。梅の花はみんなじっと何かを待っているようでし た。 雄二の家の庭さきに、ある朝、うぐいすがやって来...
【青空朗読】竜 著者:芥川 龍之介 読み手:水野 久美子 時間:39分28秒 07.07.2026 39:28
竜 著者:芥川 龍之介 読み手:水野 久美子 時間:39分28秒 一 宇治の大納言隆国「やれ、やれ、昼寝の夢が覚めて見れば、今日はまた一段と暑いようじゃ。あの松ヶ枝の藤の花さえ、ゆさりとさせるほどの風も吹かぬ。いつもは涼しゅう聞える泉の音も、どうやら油蝉の声にまぎれて、反って暑苦しゅうなってしもうた。どれ、また童部たちに煽いででも貰おうか。 「何、往来のものどもが集った? ではそちらへ参ると致そう。...
【青空朗読】浮世絵画家の肉筆 ―花は霞を透してひとしおの風情があるもの― 著者:上村 松園 読み手:坂井 あきこ 時間:7分38秒 06.07.2026 7:38
浮世絵画家の肉筆 ―花は霞を透してひとしおの風情があるもの― 著者:上村 松園 読み手:坂井 あきこ 時間:7分38秒 浮世絵画家の肉筆というものは、錦絵とはちがった別の味わいがあるものですが、こんど蒐集陳列されたものは、屏風、掛物、巻、画帖など種々な形のものがあって、しかも何しろ二百点ばかりもあったろうと思いますから、こういう展覧会としても、なかなか見ごたえのあるものでした。私も一覧いたしまして、少な...
【青空朗読】律子と貞子 著者:太宰 治 読み手:齋藤 こまり 時間:21分19秒 05.07.2026 21:19
律子と貞子 著者:太宰 治 読み手:齋藤 こまり 時間:21分19秒 大学生、三浦憲治君は、ことしの十二月に大学を卒業し、卒業と同時に故郷へ帰り、徴兵検査を受けた。極度の近視眼のため、丙種でした、恥ずかしい気がします、と私の家へ遊びに来て報告した。 「田舎の中学校の先生をします。結婚するかも知れません。」 「もう、きまっているのか。」 「ええ。中学校のほうは、きまっているのです。」 「結婚のほうは、自信無し...
【青空朗読】魚河岸 著者:芥川 龍之介 読み手:左 璃寛 時間:11分 04.07.2026 11:00
魚河岸 著者:芥川 龍之介 読み手:左 璃寛 時間:11分 去年の春の夜、――と云ってもまだ風の寒い、月の冴えた夜の九時ごろ、保吉は三人の友だちと、魚河岸の往来を歩いていた。三人の友だちとは、俳人の露柴、洋画家の風中、蒔画師の如丹、――三人とも本名は明さないが、その道では知られた腕っ扱きである。殊に露柴は年かさでもあり、新傾向の俳人としては、夙に名を馳せた男だった。 我々は皆酔っていた。もっとも風中と保...
【青空朗読】りこうもののエルゼ 著者:グリム/矢崎 源九郎 訳 読み手:こがわ めいすい 時間:17分44秒 03.07.2026 17:44
りこうもののエルゼ 著者:グリム/矢崎 源九郎 訳 読み手:こがわ めいすい 時間:17分44秒 あるところに、ひとりの男がおりました。男には、ひとりのむすめがありました。このむすめは〈りこうもののエルゼ〉という名まえでした。 さて、このむすめがすっかり大きくなりましたので、おとうさんはおかあさんにいいました。 「もうむすめをよめにやろうじゃないか。」 すると、おかあさんはこたえました。 「ええ、およめ...
【青空朗読】ヴィヨンの妻 著者:太宰 治 読み手:二宮 正博 時間:1時間12分36秒 02.07.2026 1:12:36
ヴィヨンの妻 著者:太宰 治 読み手:二宮 正博 時間:1時間12分36秒 一 あわただしく、玄関をあける音が聞えて、私はその音で、眼をさましましたが、それは泥酔の夫の、深夜の帰宅にきまっているのでございますから、そのまま黙って寝ていました。 夫は、隣の部屋に電気をつけ、はあっはあっ、とすさまじく荒い呼吸をしながら、机の引出しや本箱の引出しをあけて掻きまわし、何やら捜している様子でしたが、やがて、ど...
【青空朗読】利休と遠州 著者:薄田 泣菫 読み手:入江 安希子 時間:23分42秒 01.07.2026 23:42
利休と遠州 著者:薄田 泣菫 読み手:入江 安希子 時間:23分42秒 一 むかし、堺衆の一人に某といふ数寄者がありました。その頃の流行にかぶれて、大枚の金子を払つて出入りの道具屋から、雲山といふ肩衝の茶入を手に入れました。太閤様御秘蔵の北野肩衝も、徳川家御自慢の初花肩衝も、よもやこれに見勝るやうなことはあるまいと思ふにつけて、某はその頃の名高い茶博士から、何とか折紙つきの歎賞の言葉を得て、雲山の...
【青空朗読】ミチコサン 著者:新美 南吉 読み手:根津 恵美子 時間:2分53秒 30.06.2026 2:53
ミチコサン 著者:新美 南吉 読み手:根津 恵美子 時間:2分53秒 ミチコサンガ、コトリヤノ マヘマデ クルト、シラナイ オバサンガ、ウバグルマノ ナカノ ニモツヲ ナホシテ ヰマシタ。アカチヤンガ ノツテ ヰテ、カキマハシタノデシタ。 アカチヤンハ、ブウブウ イヒナガラ、カアチヤンノ ジヤマシテ ヰマシタ。 ミチコサンハ、オバサンノ ソバニ ヨツテ、 「アカチヤン ダイテテ アゲマセウカ。」ト イ...
【青空朗読】ひつじさんとあひるさん 著者:村山 籌子 読み手:寺尾 麻希 時間:4分10秒 29.06.2026 4:10
ひつじさんとあひるさん 著者:村山 籌子 読み手:寺尾 麻希 時間:4分10秒 あひるさんのうちの きんじよに、ひつじのやうふくやさんがありました。あひるさんは、がくかうからかへると、まいにち、ひつじさんのおみせへいって、ひつじさんが、ミシンでやうふくをぬふのを、みてゐました。 ひつじさんは、あひるさんが、まいにちきてうるさいので、おしまひには、あひるさんが、はなしかけても、へんじをしなくなりました・...
【青空朗読】水汲み 著者:徳冨 蘆花 読み手:横山 宜夫 時間:9分14秒 28.06.2026 9:14
水汲み 著者:徳冨 蘆花 読み手:横山 宜夫 時間:9分14秒 玉川に遠いのが第一の失望であつた。井の水が悪いのが差当つての苦痛であつた。 井は勝手口から唯六歩、ぼろ/\に腐つた麦藁屋根が通路と井を覆ふて居る。上窄りになつた桶の井筒、鉄の車は少し欠けてよく綱がはずれ、釣瓶は一方しか無いので、釣瓶縄の一端を屋根の柱に結はへてある。汲み上げた水が恐ろしく泥臭いのも尤、錨を下ろして見たら、渇水の折からでもあ...
【青空朗読】びっこのお馬 著者:小川 未明 読み手:中田 真由美 時間:12分28秒 27.06.2026 12:28
びっこのお馬 著者:小川 未明 読み手:中田 真由美 時間:12分28秒 二郎は、ある日、外に立っていますと、びっこの馬が、重い荷を背中につけて、引かれていくのでありました。 二郎は、その馬を見て、かわいそうに思いました。どんなに不自由だろう。そう思うと、達者な馬は、威勢よく、はやく歩いていくのに、びっこの馬はそれに負けまいとして、汗を流していっしょうけんめいに歩いているけれど、どうしてもおくれがちに...
【青空朗読】水草 著者:久生 十蘭 読み手:金勝 陽子 時間:5分10秒 26.06.2026 5:10
水草 著者:久生 十蘭 読み手:金勝 陽子 時間:5分10秒 朝の十時ごろ、俳友の国手石亭が葱とビールをさげてやってきた。 「へんな顔をしていますね。どうしました」 「田阪で池の水を落とすのが耳について眠れない。もう三晩になる」 「あれにはわたしもやられました。池を乾して畑にするんだそうです」 「それはいいが、そのビールはなんだね」 「あい鴨で一杯やろうというのです。尤もあひるはこれからひねりに行くのですが...
【青空朗読】尾生の信 著者:芥川 龍之介 読み手:土屋 由美子 時間:8分50秒 25.06.2026 8:50
尾生の信 著者:芥川 龍之介 読み手:土屋 由美子 時間:8分50秒 尾生は橋の下に佇んで、さっきから女の来るのを待っている。 見上げると、高い石の橋欄には、蔦蘿が半ば這いかかって、時々その間を通りすぎる往来の人の白衣の裾が、鮮かな入日に照らされながら、悠々と風に吹かれて行く。が、女は未だに来ない。 尾生はそっと口笛を鳴しながら、気軽く橋の下の洲を見渡した。 橋の下の黄泥の洲は、二坪ばかりの広さを剰...
【青空朗読】水菓子屋の要吉 著者:木内 高音 読み手:まあき、マナミン、ジョン酒巻 時間:19分12秒 24.06.2026 19:12
水菓子屋の要吉 著者:木内 高音 読み手:まあき、マナミン、ジョン酒巻 時間:19分12秒 一 要吉は、東京の山の手にある、ある盛り場の水菓子屋の小僧さんです。要吉は、半年ばかり前にいなかからでてきたのです。 要吉の仕事の第一は、毎朝、まっさきに起きて、表の重たい雨戸をくりあけると、年上の番頭さんを手伝って、店さきへもちだしたえんだいの上に、いろんなくだものを、きれいに、かざりたてることでした。...
【青空朗読】眉山 著者:太宰 治 読み手:アン荻野 時間:26分11秒 23.06.2026 26:11
眉山 著者:太宰 治 読み手:アン荻野 時間:26分11秒 これは、れいの飲食店閉鎖の命令が、未だ発せられない前のお話である。 新宿辺も、こんどの戦火で、ずいぶん焼けたけれども、それこそ、ごたぶんにもれず最も早く復興したのは、飲み食いをする家であった。帝都座の裏の若松屋という、バラックではないが急ごしらえの二階建の家も、その一つであった。 「若松屋も、眉山がいなけりゃいいんだけど。」 「イグザクトリイ。...
【青空朗読】みずかきジェマイマのはなし 著者:ベアトリクス・ポッター/大久保 ゆう訳 読み手:塚田 悦子 時間:14分54秒 22.06.2026 14:54
みずかきジェマイマのはなし 著者:ベアトリクス・ポッター/大久保 ゆう訳 読み手:塚田 悦子 時間:14分54秒 ラルフと ベッツィに おくる まきばの はなし ほんと おかしな えづらですよね。 ほら、 あひるのこが めんどりと いっしょに いるんですよ! ―― いまから はなすのは、 みずかきジェマイマの ものがたり。 このあひるさん、 まきばの おくさんが じぶんに たまごを かえさせてくれないと、...
【青空朗読】卑怯者 著者:有島 武郎 読み手:岡本 茂 時間:19分26秒 21.06.2026 19:26
卑怯者 著者:有島 武郎 読み手:岡本 茂 時間:19分26秒 青黄ろく澄み渡った夕空の地平近い所に、一つ浮いた旗雲には、入り日の桃色が静かに照り映えていた。山の手町の秋のはじめ。 ひた急ぎに急ぐ彼には、往来を飛びまわる子供たちの群れが小うるさかった。夕餉前のわずかな時間を惜しんで、釣瓶落としに暮れてゆく日ざしの下を、彼らはわめきたてる蝙蝠の群れのように、ひらひらと通行人にかけかまいなく飛びちがえてい...
【青空朗読】蜜柑 著者:芥川 龍之介 読み手:土屋 房枝 時間:13分28秒 20.06.2026 13:28
蜜柑 著者:芥川 龍之介 読み手:土屋 房枝 時間:13分28秒 或曇った冬の日暮である。私は横須賀発上り二等客車の隅に腰を下して、ぼんやり発車の笛を待っていた。とうに電燈のついた客車の中には、珍らしく私の外に一人も乗客はいなかった。外を覗くと、うす暗いプラットフォオムにも、今日は珍しく見送りの人影さえ跡を絶って、唯、檻に入れられた小犬が一匹、時々悲 しそうに、吠え立てていた・・・ 【青空朗読】とは 青空...
【青空朗読】卑怯な毒殺 著者:小酒井 不木 読み手:齊藤 雅美 時間:24分10秒 19.06.2026 24:10
卑怯な毒殺 著者:小酒井 不木 読み手:齊藤 雅美 時間:24分10秒 病室の一隅には、白いベッドの掛蒲団の中から、柳の根のように乱れた毛の、蒼い男の顔が、のぞいていた。その顔の下半分には、口だけが孔となって、厚い繃帯がかけられてあった。 ベッドの脇には干物のように痩せた男が立っていた。彼は兀鷹のように眼をぎょろつかせて、病人の不思議な感じのする顔をじっと睨んでいた。床頭台上に点ぜられた台附電灯の光が...
【青空朗読】身代り 著者:土田 耕平 読み手:岡田 百合子 時間:21分11秒 18.06.2026 21:11
身代り 著者:土田 耕平 読み手:岡田 百合子 時間:21分11秒 五月雨がしよぼ/\と降りつゞいて、うすら寒い日の夕方、三郎さんは、学校からかへつて、庭向きの室でおさらひをしてゐますと、物置の方で、 「三郎や、ちよいと来てごらん。」といふお母さんの声がしました。障子をあけて見ますと、庭さきの物置小屋の軒下に、白手拭を姉さんかぶりにしたお母さんの姿が見えました。足もとに何か居ると見えて、お母さんは俯し目...
【青空朗読】ピアノ 著者:芥川 龍之介 読み手:富田 美苗 時間:7分5秒 17.06.2026 7:05
ピアノ 著者:芥川 龍之介 読み手:富田 美苗 時間:7分5秒 或雨のふる秋の日、わたしは或人を訪ねる為に横浜の山手を歩いて行つた。この辺の荒廃は震災当時と殆ど変つてゐなかつた。若し少しでも変つてゐるとすれ ば、それは一面にスレヱトの屋根や煉瓦の壁の落ち重なつた中に藜の伸びてゐるだけだつた。現に或家の崩れた跡には蓋をあけた弓なりのピアノさへ、半ば壁に ひしがれたまゝ、つややかに鍵盤を濡らしてゐた・・・...
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