ナマケもん
ナマケもん戦略研究所 ラジオ
『ナマケもん戦略研究所 ラジオ』は、著者がこれまでに執筆してきた思想・社会批評・経営論を耳から味わえるかたちで届ける試みです。現代社会を覆う「効率」「競争」「正しさ」といった規範に対し、ナマケモノのように「小さく・深く・しなやかに」生きる知恵を語り直します。番組では、『ナマケもん戦略』『MBA的常識の限界』『絶滅の巨人』に示した経営論から、『ブラックなホワイト社会』『優しい全体主義』に描かれた社会批評、さらに『嘘の社会学』『死の社会学』によるメキシコ社会研究まで、多彩な著作のエッセンスを紹介します。本ラジオは、資本主義の限界や制度の疲労と再生、無条件の承認、共同体的秩序の可能性、そして文化や倫理の...
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Episodes
「危険な国」メキシコに生きる 第6章 25.11.2025 5:49
文化生態学・風土論で読むメキシコの社会 カルテルは地域社会に深く根付き、文化的・風土的要因に支えられる。人間関係を重視する社会では「面子を保つ関係」が暴力支配と並存し、祝祭や地域イベントを通じカルテルは共感を得る。非公式ネットワークは行政の代替として機能し、地理的多様性は地域自律性を強め外部介入を拒む。暴力は歴史的に交渉手段として用いられ、秩序維持の文脈で容認されやすい。カルテルは「静」と「動」の...
勝ち残るより、生き残るキャリア 終章 24.11.2025 5:30
自分に合った企業を探す ― 巨人に依存しない方法 人気企業の物語は過去の幻想であり、若者はランキングや知名度ではなく「自分が持続できる企業」を選ぶ必要がある。形式的な制度や待遇の情報では巨人の影を見抜けないため、検索や調査の切り口を工夫し、制度疲労や株主資本主義の影響を理解することが重要だ。国内メガバンク、国内大手航空会社、大手総合商社の事例が示すように、光の裏側には必ず影がある。判断には直感も大切で...
【週刊】ナマケもんマガジン 第10回 23.11.2025 18:22
(2025-11-23) 週刊「ナマケもんマガジン」は、NOTEで過去1週間で投稿された連載記事の解説とオリジナル音楽を融合した思想系エンターテインメントです。 テーマは“どう勝つか”ではなく“どう続くか”。拡大量と効率至上を超え、Non-Exhaustive Growth(消耗しない成長)を語ります。 後半では『ブラックなホワイト社会』『制度敗戦』などの著作をモチーフに制作した楽曲を公開。 NOTE、Youtube、Spotify、Apple Podcastと連動し、思...
制度敗戦Ⅰ 第4章 22.11.2025 6:21
日本の金融自由化と制度的敗戦 1980~90年代、日本は金融自由化を進め、メインバンク制や持株制が崩壊した。株主主権が導入され、企業は短期利益を追求する構造へ転換した。外資流入も進み、国家自らが国際資本規律に従う姿勢を示した。ステークホルダー主義は議論されず、雇用安定や地域社会より株主利益が優先された。制度を自ら改良せず外圧に従った結果、社会的合意を伴わない「制度的敗戦」が生じたのである。
やさしい全体主義 第8章 21.11.2025 5:27
変化の条件 主体性を保つ未来には三つの条件がある。第一に多元的基準の確立で、一元的正しさを打破する環境が必要である。第二に批判的思考を支える教育とメディア環境を整え、情報の背後にある利害を可視化する。第三に主体性を行使できる場を確保し、地域コミュニティや協同組合などが制度外の実験場となる。さらにテクノロジーを再設計し、制度を定期的に更新する仕組みが不可欠である。これらの条件は日常の選択と行動の積み...
ナマケもん戦略入門書 第9章 19.11.2025 6:17
知識経営・学習する組織を問い直す 知識経営や学習する組織は人間的要素を重視したが、やがて知識は数値化され効率の論理に吸収され、創造性や柔軟性を奪った。ナマケもん戦略は知識を蓄積するのではなく「疲れない学習」を重視。情報共有でなく物語共有を通じて信頼資本を築く。学習は正答の積み重ねでなく、曖昧さや失敗を許容する余白を含むべきである。知識は資産ではなく「関係と余白のリズム」として捉え、組織は「疲れずに...
「危険な国」メキシコに生きる 第5章 18.11.2025 5:25
アメリカ需要という外部要因 メキシコの麻薬産業を根底から支えるのは世界最大の消費国アメリカである。50年代の「物はあるが魂が満たされない」中産階級モデルや、ベトナム戦争後の虚無感が薬物需要を形成。現代ではSNS承認依存と薬物消費が同じ「精神的報酬依存」に基づき拡大している。カルテルは需要変化に応じて薬物種類や輸送経路を柔軟に適応させ、不可逆的な構造を作り上げている。需要が続く限り供給は途絶えず、国内努力...
勝ち残るより、生き残るキャリア 第4章 17.11.2025 5:49
勝ち残りから生き残りへ 「勝ち残り」を前提とした社会は、絶え間ない競争によって人を消耗させる。人気企業に入社しても内部競争は激しく、昇進や評価、ノルマに追われる働き方は長期的に持続不可能である。これに対して「生き残り」とは、他者に勝つことではなく、自分の消耗を抑え、環境に適応しながら持続することを重視する働き方だ。その鍵は「小さく・深く・しなやかに」という原則にある。競争に依存しない承認の形を見い...
【週刊】ナマケもんマガジン 第9回 16.11.2025 29:51
(2025-11-16) 週刊「ナマケもんマガジン」は、NOTEで過去1週間で投稿された連載記事の解説とオリジナル音楽を融合した思想系エンターテインメントです。 テーマは“どう勝つか”ではなく“どう続くか”。拡大量と効率至上を超え、Non-Exhaustive Growth(消耗しない成長)を語ります。 後半では『ブラックなホワイト社会』『制度敗戦』などの著作をモチーフに制作した楽曲を公開。 NOTE、Youtube、Spotify、Apple Podcastと連動し、思...
制度敗戦Ⅰ 第3章 15.11.2025 6:20
ドイツの選択と比較視点 ドイツは共同決定制度や産業別協約を維持し、賃金と生産性の協調を重視した。これにより長期的研究開発が可能となり、製造業競争力を保持した。一方日本は制度を解体し外圧に順応したため短期資本に呑み込まれた。制度持続性は単なる経済効率ではなく社会的安定を支える資本であり、自由化への対応力を左右する。日独比較からは、制度的バッファーの有無が歴史を分けたことが浮かび上がる。
やさしい全体主義 第7章 14.11.2025 5:35
抵抗のための視点 やさしい全体主義に抗うには、その作動原理を見抜く必要がある。基準の供給源を分析し、誰の利害に奉仕しているかを把握する。同調圧力の経路を意識化し、内面化された監視を問い直すことが求められる。情報環境を多様化し、異なる価値観に触れることは無意識の同調から距離を取る手段となる。また市場価値化された理念の経済的誘因を可視化し、自発的市民活動や独立したメディアを育てることも重要だ。抵抗は小...
ナマケもん戦略 入門書 第8章 12.11.2025 5:30
第8章 戦略論の再定義 20世紀の戦略は効率・規模・競争優位を追求したが、21世紀の不確実性時代には企業と社会を消耗させる。ナマケもん戦略は「どう勝つか」でなく「どう続くか」を問う。規模拡大を止めNon-Exhaustive Growthを選び、顧客とは条件でなく物語共有を通じて信頼資本を築く。戦略は数値管理ではなく余白を資本とする柔軟性を基盤に再定義される。企業は安さや速さでなく「意味で選ばれる存在」へ進化することが21世...
「危険な国」メキシコに生きる 第4章 11.11.2025 5:06
政治・制度・汚職の構造 カルテルの存続を支える背景には政治制度の弱点がある。短期任期と再選禁止により長期政策が困難で、政権交代ごとの全面人事刷新は治安戦略の継続性を断ち切る。汚職は低賃金や脆弱な監視体制により根強く、カルテルは金銭・安全保障・地域投資を通じて政治家や警察を取り込む。制度は権力分散を意図しても現実には行政を不安定化させ、カルテルに有利な環境を生む。他国と比べても制度的脆弱性が際立ち、...
勝ち残るより、生き残るキャリア 第3章 10.11.2025 5:41
絶滅の巨人 ― 巨人化がもたらす必然的な没落 巨人化は必然的に没落を内包する成長モデルである。大手コーヒーチェーンは均質化によって特別感を失い、効率化の圧力で地域や従業員との関係が希薄化した。国内大手モールは利便性を提供したが、地域商店街を衰退させ持続可能性を損なった。大手自動車メーカーは短期利益を追求する改革の裏で士気と技術力を失い、長期的に弱体化した。グローバルECプラットフォーマーは当初の理想を忘...
【週刊】ナマケもんマガジン 第8回 09.11.2025 27:21
(2025-11-09) 週刊「ナマケもんマガジン」は、NOTEで過去1週間で投稿された連載記事の解説とオリジナル音楽を融合した思想系エンターテインメントです。 テーマは“どう勝つか”ではなく“どう続くか”。拡大量と効率至上を超え、Non-Exhaustive Growth(消耗しない成長)を語ります。 後半では『ブラックなホワイト社会』『制度敗戦』などの著作をモチーフに制作した楽曲を公開。 NOTE、Youtube、Spotify、Apple Podcastと連動し、思...
制度敗戦Ⅰ 第2章 08.11.2025 6:08
金融自由化の衝撃と制度の転換点 オイルショック後、日米は金融自由化に舵を切り、資本の短期化が進んだ。日本は外為法改正やプラザ合意を契機に長期資本主義の基盤を失い、バブル崩壊へ至った。アメリカは株主資本主義を確立し、ウォール街の力が強まった。両国は異なる出発点を持ちながら、最終的には短期志向資本の支配に収斂した。もし日本がステークホルダー資本主義を選んでいれば異なる歴史もあり得た。
やさしい全体主義 第6章 07.11.2025 6:04
やさしい全体主義が壊すもの この支配は自由・判断・倫理を静かに侵食する。選択肢が存在しても実質的には制度が望む行動に収束し、自由は形骸化する。評価基準に依存することで自ら判断する機会を失い、倫理も「内面の熟慮」から「制度的遵守」へと置き換わる。自由の形骸化は判断力を奪い、倫理の空洞化を招くという悪循環が進行する。社会は一見安定しているようで、実際には変化への適応力を失い硬直化する。日常の中で問い直...
ナマケもん戦略 入門書 第7章 05.11.2025 6:58
BCGマトリクスとポートフォリオ経営を問い直す BCGマトリクスは事業を数値で分類し資源配分の合理性を提供したが、短期的判断で将来性を潰し、花形集中で競争を激化させ、地域や社員の物語を切断した。ナマケもん戦略は規模を追わず「疲れないところで止まる」勇気を重視。数値でなく物語共有に基づく信頼資本を築き、事業を「切り捨て」ではなく「未来につなぐ」視点で捉える。硬直したポートフォリオ管理を超え、余白を持ち再生...
「危険な国」メキシコに生きる 第3章 04.11.2025 5:07
主要カルテルのプロフィール 現在の中心はシナロア・カルテルとCJNGの二大勢力である。シナロアは緩やかなネットワーク型で物流力に優れ、合法分野にも投資して地域支持を確保する。CJNGは軍事色が強く、燃料窃盗や資源密売など多角経営を行い、恐怖とソーシャル投資を併用して支配を強化する。さらに、グアナファト州で台頭したサンタ・ローサ・デ・リマは燃料窃盗で勢力を伸ばし、CJNGとの抗争が治安悪化を招く。他にも湾岸カル...
勝ち残るより、生き残るキャリア 第2章 03.11.2025 7:23
人気企業の光と影 ― ケース分析 人気企業は高待遇やブランド力といった光を放つ一方で、必ず影を抱えている。国内メガバンクは制度整備やESGへの取り組みで評価されるが、現場ではノルマや残業が多く、制度疲労に直面している。国内大手航空会社は華やかな国際的イメージを持ちながら、不規則勤務や外的ショックに脆弱である。大手総合商社は給与水準や安定性が魅力だが、若手の裁量不足や多様性の課題を抱える。これらの事例が示...
【週刊】ナマケもんマガジン 第7回 02.11.2025 26:49
(2025-11-02) 週刊「ナマケもんマガジン」は、NOTEで過去1週間で投稿された連載記事の解説とオリジナル音楽を融合した思想系エンターテインメントです。 テーマは“どう勝つか”ではなく“どう続くか”。拡大量と効率至上を超え、Non-Exhaustive Growth(消耗しない成長)を語ります。 後半では『ブラックなホワイト社会』『制度敗戦』などの著作をモチーフに制作した楽曲を公開。 NOTE、Youtube、Spotify、Apple Podcastと連動し、思...
制度敗戦Ⅰ 第1章 01.11.2025 4:19
高度成長と制度的枠組みの形成 1950~60年代、日本は輸出主導の高度成長を遂げ、護送船団方式やメインバンク制、企業間持株により長期志向の投資を可能とした。アメリカも大量生産と公共投資で繁栄したが、株主市場主導の統治が特徴だった。両国の制度は繁栄をもたらしたが、硬直化が後に柔軟な対応を妨げた。成功が制度の臨界点を内包し、後の自由化と制度変容への布石となった。
やさしい全体主義 第5章 31.10.2025 6:16
「正しさ」の市場価値化 理念は資本と結びつき、ESG投資やマーケティングに取り込まれ、経済的利益を生む資源に変貌する。企業は実質よりも基準達成の形式を重視し、広告は「正しく見えること」を目的化する。補助金や税制優遇も制度遵守を促し、理念は市場競争の条件として固定化される。異議は倫理的逸脱だけでなく経済的リスクとも見なされ、批判は困難となる。正しさは「倫理」から「経済条件」に変質し、社会全体が「正しさの...
ナマケもん戦略 入門書 第6章 29.10.2025 4:20
アンゾフの成長マトリクスを問い直す アンゾフの成長マトリクスは市場浸透・製品開発・市場開拓・多角化を示し「成長の地図」となったが、拡大量を前提とし消耗を招いた。価格競争や研究開発負担、失敗による疲弊が頻発した。ナマケもん戦略は拡大量でなくNon-Exhaustive Growthを強調。条件拡張ではなく物語深化を通じた信頼資本が持続を生む。硬直化を避け、立ち止まる余白を持つことが適応力となる。企業は「どこへ拡大するか」...
「危険な国」メキシコに生きる 第2章 28.10.2025 5:09
カルテルの歴史と進化 カルテルは1970年代以前の非合法経済に起源を持ち、グアダラハラ・カルテルが国際麻薬物流を統括した。創設者逮捕後、シナロアやティフアナなどが分裂独立し抗争が激化。2000年代には自ら生産・精製にも進出し、NAFTA後は合法物流網を利用して密輸を拡大した。2006年以降の軍事作戦は逆に分散化を招き、暴力が局地的に激化。2010年代後半にはCJNGが台頭し、シナロアと並ぶ「双巨頭」となる。歴史を通じ、カル...
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