タナカ・ナリタ
ホンタナ
書評番組『ホンタナ』!本好き会社員タナカと本読みたい学者ナリタが、読書の楽しみやオススメ本について行きあたりばったりで話を繰り広げます。毎週火曜日配信中!(収録日と配信日は異なる場合があります)
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Episodes
新本格の現在・過去・未来 ~「霧越邸殺人事件」の感想から~ 30.01.2012
どうだまいったか――という声が聞こえそうなほど、本格推理小説への愛と情熱にあふれる本書に満足のナリタ。随所に現れる二項対立の構図は何を意味しているのか。”ミステリ”を”本格”たらしめる要素とは何か。現在・過去・未来までも暗示する、新本格の金字塔的傑作についてたっぷり語ってみました。
「霧越邸殺人事件」綾辻行人 23.01.2012
都心でも雪が降るほど、冬も本番になってまいりました。今回はそんな季節にぴったりな”吹雪の山荘もの”をとりあげます。怪しげな洋館、招かれざる客、外界との遮断、そして・・・と、推理小説のド定番でありながら、ひときわ上質の輝きを放つ本書の魅力とは何か。綾辻作品初期の傑作、満を持して紹介させてもらいます!
見えないものが当たり前にいる風景 ~「ぎんぎつね」の感想から~ 17.01.2012
神社系マンガ「ぎんぎつね」の感想回です。落合さよりさんの溢れ出る神社愛が絵のタッチや物語の描き方などに如実に現れている作品でした。目に見えない信仰の対象をあえて愛くるしいぬいぐるみのような姿の神使たちによって擬人化させるというのは神社愛好家としては冒険的な試みだったのだろうと想像しますが、そのようにして描かれた見えざるものが当たり前のように人間とともに悩んだり迷ったり泣いたりしながら生きているのを...
「ぎんぎつね」 落合さより 09.01.2012
新年の幕開けとなる一作目は、連載中の神職系マンガ「ぎんぎつね」を取り上げます。主人公の現役女子高生、冴木(さえき)まことは冴木神社の十五代目跡取。宮司の父、友人たち、そして”神使(しんし)”との交流をへて、まことは神社・神職の意義について考えを深めていく。日常の中にある神社、または神社の日常を親しみやすく描き、何気なくお参りしている寺社仏閣への意識を改めさせてくれる、そんな作品です。青少年たちの成長...
年末忘年回 27.12.2011
激動の2011年も残りわずか。5月から始まったホンタナも配信30回を超え、タナカとナリタ自身にもいろいろな変化がありました。今年最後の回は、ホンタナはもちろん、二人の私生活も含めての”2011年末”に思うことを(ノンアルコールで)語り合います。長々としたトークにお付き合い頂き、本当にありがとうございました。来年も引き続きお楽しみ頂けるよう、精進してまいります。それでは、よいお年を!タナカ&ナリタ
差別化の効能 ~「ナポレオン狂」の感想から~ 20.12.2011
短編で恐怖を描くというスタイルは、アイデアありきの話と受け取られ面白みが薄れてしまう両刃の剣でもあります。それでもなお著者が”短編”を愛用する理由とは、その効果とは何か。マジシャン、お笑い芸人、実験的映画など、王道ではなくあえて路地裏に見える面白さの話題を織り交ぜつつ、他と差別化する奥深さと難しさに迫ってみました。
「ナポレオン狂」阿刀田高 12.12.2011
師走も中旬となり、いつも以上にささくれ立っているタナカが今回おすすめするのは、ブラックユーモアの第一人者にして短編の名手である阿刀田氏の代表作です。不安や狂気を奇抜なアイデアで抽出した作品群は、ホラーとも怪談とも違う怖ろしさを持っていると同時に、どこかニヤリとしてしまう面白さをかねそなえているのはなぜか。いろんな意味で心配しているナリタとともに、恐怖の描き方とその楽しみ方についてあれこれ語ってみま...
”間”と”雰囲気” ~「かもめ食堂」の感想から~ 05.12.2011
ゆるやかながらも独特の世界観をもつ「かもめ食堂」。すっ、と心に届く作風を共有しつつも、小説と映画それぞれの特徴を生かした作品に仕上がっていることに感心するナリタとタナカ。文章と映像、登場人物とそれを演じる俳優といった違いだけではない、”間”や”雰囲気”をつくりだす要素とは何なのか?関連作品を交えながらその魅力に迫ります。
「かもめ食堂」群ようこ 29.11.2011
女流作家続きで今回は群ようこ「かもめ食堂」の紹介回をお送りします。北欧旅行から帰ってきたばかりのタナカですが、その旅行の際にちょうどフィンランドはヘルシンキを訪れていました。北欧の街並みの雰囲気に思いを馳せつつ、ほっと一息つけるようなハートウォーミングな物語を紹介します。2006年にこちらを原作とした映画も公開されましたのでそちらもあわせてお楽しみ下さい。
優しく生きるとは何か ~「小暮写真館」の感想から~ 22.11.2011
『小暮写眞館』の帯には「数かぎりない伏線の終着駅 小説史上最高に愛おしいラストにあなたは何を思う、誰を想う?」とありますが、この物語で描かれる数々の伏線はそれぞれが人々の優しさのあり方と、それぞれが優しくあろうとするが故のすれ違いや摩擦を巡るストーリーを綴っていると思います。言いたいことをあえてぐっと飲み込む優しさ、誰かを傷つけようともあえて立ち上がって想いを吐き出す優しさ、約束を貫く優しさとあえ...
「小暮写眞館」宮部みゆき 14.11.2011
久しぶりに女流作家の作品を紹介します。ユニークな花菱一家が移り住んだ「写眞館」。そこから広がる様々な出来事が、人間の強さと弱さ、優しくすること、傷つけることを丹念に描き、かつ丁寧に収束していく構成が見事な、著者ならではの力作。「物語のすべてが詰まった700ページの宝箱」といわれるのも納得です。フリートークがやや長めになって申し訳ありません。
人間の生き様を描く ~「神々の山嶺」の感想から~ 07.11.2011
久々のナリタ大絶賛!上下巻の長さを感じさせない展開、圧倒的な描写力、そして「人が生きること」を問いかけるメッセージ性、これぞ小説といえる作品に出会えたことを喜ぶ二人。自分にしかできないことに気づいてしまったらそれを表現せざるをえないという人間の性(さが)、伝説的な偉業に隠された不器用な人間味など、それぞれの視点からこの物語の奥深さに迫っていきます。
「神々の山嶺」夢枕獏 31.10.2011
今回ご紹介するのは夢枕獏の長編山岳小説「神々の山嶺」です。20年来の構想を余すことなく描ききった意欲作です。この作品以前もこの作品以降も夢枕氏は山岳小説を手がけておりませんが、特に彼はこの作品をして「書き残したこと・書き足りないことはありません。書きたいことはすべて書きました。どうだ、まいったか」とまで言い放っています。そんな唯一無二の、エヴェレストに挑戦を続ける男たちを取り巻く壮大なサスペンス・ド...
選択肢としての田舎暮らし・都会暮らし ~「軽井沢うまいもの暮らし」の感想から~ 24.10.2011
玉村さんの軽井沢うまいもの暮らしに羨望の眼差しを向けると同時に一社会人として都会生活を送る自らの日々を振り返るタナカ・ナリタ。それは何も自家栽培・採取や保存食・調理のあり方などの食生活の豊かさに限ったことではなく、隣人とのつきあい方や(積極的/消極的)自由時間のあり方など、生活のいろいろな側面に田舎暮らし・都会暮らしのコントラストが波及しているのだなと気付かされます。秋の夜長に今の自分が送っている...
「軽井沢うまいもの暮らし」玉村豊男 17.10.2011
風は涼しく空は高く、すっかり秋めいてきた今日この頃ですが、いかがお過ごしでしょうか。装いも新たにお送りする今回は、食欲の秋にふさわしい「うまいもの」にまつわるエッセイを紹介します。都会育ちで食通の著者が軽井沢で出会った、新鮮でシンプルなおいしい生活。四季折々の自然がもたらす大いなる恵み、それと共に生きる人々との交流などなど、驚きと喜びに満ちた田舎暮らし一年目の出来事をまとめた一冊です。著者自身によ...
第20回 SFをたっぷり語ろうスペシャル 11.10.2011
2週間のお休みを巻き返す勢いの長大な回でお送りする20回記念企画は「SFをたっぷり語ろうスペシャル」です。映画「ローレライ」と「SPACE BATTLESHIP ヤマト」の感想戦から始まり、タナカは「老ヴォールの惑星」の感想回(13回)から持ち越している宿題を表現する機会を伺いながら、そしてナリタはタナカのSF愛が堰を切って押し寄せてくるのをいまかいまかと待ちながら、話はいろいろな方向に進んでいきます。果たして2時間にも及ば...
第19回「ローレライ」樋口真嗣 19.09.2011
映画原作の「終戦のローレライ」ではなく、あえて映画版の「ローレライ」を紹介したいと思います。第二次世界大戦末期、極秘に用意された潜水艦によって起死回生の大作戦に挑む人々を、斬新なアイデアを盛り込んで描いた意欲作。終戦を目前にそれぞれの思惑が交差しつつ、”大切なものを守ること”をつらぬく魅力的な人間描写は、一見の価値ありです。そして最近公開された映画版「SPACE BATTLESHIP ヤマト」との意外に多い共通点と...
第18回 ”自由”研究 ~「北極海へ」の感想から~ 12.09.2011
カヌーに近いあるモノを初体験し、なんとなく著者の目線が分かったような気がするタナカとナリタ。しかし、”俺は自由である”という感覚までもリアルに想像するのはなかなか難しい。「自由って、なんなんですかね」というナリタの素朴で深い問題提起を発端に、『鞄(安倍公房)』や『パタゴニア(椎名誠)』などを参考にして、自由であること、自由を追い求めることの重要性について、自由に語り合ってみました。
第17回 「北極海へ」野田知佑 05.09.2011
今回は「発作的座談会」でゲスト出演していたカヌーイストの野田知佑氏の著作の中から一冊紹介したいと思います。国内外の川をカヌーで下ってきた野田氏は本作によってカナダ・アラスカの大河に魅せられていき、以後このアラスカ通いは著者のライフワークとなっていきます。蚊の大群、変わりばえのしない風景、熊の危険、無愛想な原住民・・・およそ日本の川のもつ繊細さとは全く異なる環境。それでも、この河に戻ってきたくなる、...
第16回 緊急企画!ぼくの夏休み最終週スペシャル 29.08.2011
八月も終わりということで、今回は誰もが経験したであろう「夏休みの宿題の嫌な思い出ワースト1(注1)」について取り上げたいと思います。スペシャル仕様にすべくタナカの秘蔵資料をなぜか本邦初公開!そして文集に初採用されたナリタの作品についてなどなど、ぼくらの学生時代における文章力とその情熱について、恥ずかしげもなくたっぷり語ってみました。(注1)http://www.j-cast.com/kaisha/2011/08/10104109.html
第15回 得難き空気感と脱線力 ~「発作的座談会」の感想から~ 22.08.2011
迷走・珍走をくりひろげる座談会に鼻白むナリタ。こんなんでいいのか!冷静に考えればよくないはずの展開が、なぜかこの四人の中では許容されうる不思議。個性と友情の絶妙なバランスに支えられた「空気感と脱線力」がいかに得難いものか、高校時代の妙な思い出など踏まえながら考察していきます。
第14回 「発作的座談会」 椎名誠 沢野ひとし 木村晋介 目黒考二 15.08.2011
残暑お見舞い申し上げます。節電もあいまってひときわ夏の暑さを身近に感じるこの頃ですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。タナカとナリタの対談形式をとっているこのホンタナですが、「かたくるしすぎる」という気がしてきたタナカ。より面白くスリリングな討論を求め、今回は参考書として椎名誠らによる「発作的座談会」を紹介します。ひとクセもふたクセもある男たち四人が「茶わん蒸しはおつゆかおかずか」「美しい昼寝とは...
第13回 眠れなくなるSFの話(個人的に) ~「老ヴォールの惑星」の感想から~ 08.08.2011
SFでありながらエンターテイメント性に甘んじない、むしろ人間性を深くえぐる小川作品に感銘を受けると同時に、短編『老ヴォールの惑星』の評価に苦しむナリタ。SFだからこそ表現できる面白さとは何か?そこにサイエンスは本当に必要なのか?フィクションとファンタジーの違いとは?もどかしさにあえぎつつSF独自の面白さを感覚的に主張するタナカは、珍しくもついに「カチンと」きてしまい・・・。SFというジャンルの包容力、そし...
第12回「老ヴォールの惑星」小川一水 01.08.2011
今回取り上げるのは新進気鋭のSF作家小川一水氏による短編SF小説集「老ヴォールの惑星」です。SF的非現実的舞台装置を通してこそ描きうるような、人間性へのあくなき洞察の一端を垣間見ることができる作品です。今回は特にその中に収められた最終章であり、特殊な漂流を経験する軍人の苦悩を通して「隣人」や「会話」の意義を問うた「漂った男」を中心に紹介します。
第11回 省略と強調のあいだ ~「眠れなくなる宇宙のはなし」の感想から~ 25.07.2011
スペシャルウィークを終え、今回からまた通常回でお送りします。分かりやすい話をしたい!そのとき人は、何を強調し、何を省略するのか?この解説本では語りきれなかった情報をもとに、ナリタが逆探知した著者の「省略」とは。伝えたい情報を取捨選択するセンス、そしてその難しさに迫ります。これを聞いたらもっと分かりやすくプレゼンができるようになるかも・・・?(当方では責任を負いかねます)
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