roudoku iqunity

朗読のアナ 寺島尚正

Arts JA ↓ 306 episodes

100万再生突破!ありがとうございます。 ラジオアナウンサーは言葉を読み語る表現者。 文化放送から、四十年にわたってリスナーに語りかけている寺島尚正アナウンサーがさまざまな作品を朗読します。 その声が紡ぎ出す物語に耳をすませ、語りから無限に広がる想像力、日本語の奥深さをご堪能ください。  朗読のお仕事がございましたらお声かけください。

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Arts

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Jul 10, 2026

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Episodes

坂口安吾 「屋根裏の犯人」 06.07.2023

 吝嗇なのか節約なのか、どちらにしてもケチな発言や行動は、はたから見ると滑稽に思えることがあります。そこに思い込みが加わった自己主張されてしまうと、理窟は通じず周囲は振り回されてしまいます。人間描写にたけた井原西鶴の作品をもとに、坂口安吾が書きかえた作品です。

島崎藤村 「並木」 02.07.2023

 まだ自分はこんなものではない、自分はこんなことをしている人間ではない、そんな思いを抱えながら意に反する日々を送っている中年男性が主人公です。知人たちが年齢を受け入れているのを見て、自分はまだ何かが出来る若さであると思い込もうとする姿を、皆さんはどう思われるでしょうか。藤村が知人たちを題材に書き、当時は「モデル論争」を起こしました。

岡本綺堂 「落城の賦」 27.06.2023

 江戸時代に岡っ引きとして数々の難事件を解決した三河町の半七親分には、三浦さんという下谷に住む友人がいました。この三浦さんが明治になって新宿に住むようになってから、話を聞きにいってまとめた(という設定になっている)のが三浦老人昔話という短編集です。その中の作品の一つで、岡本綺堂が熟れた技術を駆使し、外連をおさえて、語り口と筋立ての面白さで先へ先へと導いてくれます。

山本周五郎 「青竹」 24.06.2023

 武士として自分の成すべきことを成す、功名を求めず弁明もしない、評価は恬淡と受け止める、山本周五郎らしい芯の通った侍が主人公です。”我ことにおいて後悔せず”を地で行くような侍ですが、ただひとつ心の奥底に深い情に根差した思いを抱えています。戦場で大手柄をあげても、間違った筋論で非難をされても、揺るがなかった男の心を動かしたものは・・・。ジワリと沁みてくる作品です。

小山清 「日々の麺麭(パン)」 22.06.2023

 幼い子と過ごす日々は、親にとっても自分の幼少期を再び繰り返すことだという人がいます。日々の糧を得ながら暮らす男が、幼い娘を男手一人で育てることになっていきます。暮らしに折り合いをつけながら幼子を慈しみ、時に不安や悲しみに出逢い、時に小さな歓びを与えようとします。その時、男はふと自分の幼少期を思い起こします。市井に生きる人々を慰めに満ちた暖かい筆致で描き、太宰治に愛された小山清の作品です。

芥川龍之介 「父」 20.06.2023

 子どもにとって友だちを笑わせる話術は、仲間を増やし一目置かれるための大きな武器になります。笑いものにする材料を見いだして、面白可笑しく料理するのは、笑う方にとっては娯楽であり快事です。しかし笑われる方は、不幸でみじめな気持ちになるかもしれません。芥川龍之介は学生たちの悪気ない世間話を通じて、その機微を浮かび上がらせます。日常の小さな断片の中から、若者の自我や近代以降の家族のありかたまで浮かんでく...

久生十蘭 「藤九郎の島」 17.06.2023

 遭難して絶海の孤島に流され、気の遠くなるほどの長い年月を過ごした男たちの日々が描かれます。江戸時代に残された二つの資料をあわせて、一つの話に組み立てなおしたものです。創作作品ですが事実に基づきながら、ノンフィクション風に仕立てられており、記録文学の趣があります。内容の興味深さはもちろんのこと、劇的な状況を大仰なドラマにするのではなく、淡々とすすめてリアリティを高めていく久生十蘭の技術の高さも魅力...

豊島与志雄 「泥棒」 13.06.2023

 働くのがいやで泥棒になろうと考えた五右衛門の前に、術を一つ授けてくれるという仙人が現れます。フランス文学の翻訳者で、小説家としても大学教授としても知られた豊島与志雄は、戦前から戦後にかけて100篇以上の童話を発表しています。自分が生まれ育った備前福岡の郷土色や、祖母が話聞かせてくれた昔話が、その根幹にあると言われています。術を授かったなまけ者の五右衛門は、うまくやれるのでしょうか。

江戸川乱歩 「かいじん二十めんそう」 09.06.2023

 少年探偵団の小林少年VS怪人二十面相。江戸川乱歩が昭和三十年代に、子供向けに発表した作品です。とにかく子供たちを楽しませ、面白がらせ、驚かせ、興奮させようとした乱歩の気持ちが、ぐいぐい伝わってくる作品です。ツッコミどころは満載ですが、現在のエンタメ小説にあるような緻密なプロットや論理的合理性はいったん脇に置き、ひたすら愉しみたい作品です。”ものがたり”の面白さ、読む娯楽としての小説の魅力を味わえます...

太宰治 「葉櫻と魔笛」 06.06.2023

 年老いた女性は、かつて余命宣告を受けて病床に伏していた妹が隠していたものをみつけ、思わずとった行いについて語り始めます。太宰治の得意とする女性一人称告白体で書かれた短編です。輝く青春への憧れと、現実には淡々と過ぎていく日々にはギャップがあります。若い頃、それを空想で補うことはよくあることではないでしょうか。短い話のなかに虚実が入り混じり、さまざまな受け止めかたがなされている作品です。太宰は亡きあ...

山之口貘 「私の青年時代」 31.05.2023

 山之口貘は、戦後も若い世代の間で繰り返しブームとなってきた沖縄の詩人です。およそ百年前に沖縄から上京すると、住所不定無職の極貧放浪生活ながら、自暴自棄になることなく、どこかそんな自分を楽しむ風に日々を過ごしました。故郷に対する誤解と差別を受けとめながら、詩人のプライドを持ち、都会を生きるマイノリティとして言葉を生み出していきます。その視点や感性は、現代社会においても共感する点が多いように思えます...

菊池寛 「勝負事」 28.05.2023

 受け継いだ多大な財産を賭け事ですべて失った祖父を持つ男の話です。競馬愛好家として名高かった菊池寛が、勝負事に魅入られた人間を書いています。鉄火場を渡り歩いているような人物ではなく、たまたま財産を引き継いだどこにでもいるような旧家の婿養子が、家族への迷惑を顧みず、負ける博打を打ち続けてすべてを失ってしまいます。家父長が絶対的存在であった時代の家族の有り様や、人間の性がうかがい知れる興味深い作品です...

横光利一 「街の底」 25.05.2023

 今の言い方ならミクスチャー?マッシュアップ?ジャンルを横断した新感覚派の横光利一作品です。主人公は、街の最底辺で、働いては搾取され、救いのない日々を繰り返しています。そんな主人公の見る街の出来事と浮かび上がる幻想が折り重なり、独特の感覚を体験させてくれます。

山本周五郎 「夕靄の中」 23.05.2023

 怨みを抱えて江戸にやって来た半七は、誰かに後をつけられていることに気づく。狙い狙われる男がいよいよ修羅場を迎えようというとき、見知らぬ老婆が現れて事態は急変する。1、2時間であろうかという短い時間設定のなかに、さまざまな人間の機微を凝縮し、山本周五郎ならではの見事な手際で展開する短編。夕靄の中を歩くように生きている半七の迎えた結末は…。

宮沢賢治 「注文の多い料理店」 14.05.2023

 宮沢賢治が生前に唯一出版した童話集が「注文の多い料理店」です。あまりにも有名な作品で読まれた方も多いでしょうが、久しぶりに触れるとまた新たな発見があるかもしれません。当時、盛岡で農業テキストの出版をはじめていた光原社が、たまたま賢治から見せられた原稿を、ジャンル違いにもかかわらず出版に踏み切りました。当時は全く売れなかったそうですが、このとき出版しなかったら、この作品の運命も変わっていたかもしれ...

芥川龍之介 「猿蟹合戦」 10.05.2023

 昔話のさるかに合戦は、サルに騙されたうえに、柿をぶつけられて死んだしまったカニの子供たちが、サルに敵討ちをするお話です。これを事件としてとらえた芥川が書いた後日談です。近代化によって変化した日本の価値観、感情に流される社会の大衆化、かつてはあっ晴れといわれたカニの仇討ちの価値もまったく違うものになってしまいました。

森鴎外 「じいさんばあさん」 06.05.2023

 仲の良い老夫婦は、若き頃のとある事件で離れ離れに生きてきました。森鴎外が53歳の時に発表した短編小説です。家庭を持ち仕事に励む人生の充実期が、二人にとって空白の時間になってしまいました。鴎外は、一般的には生きる価値と見られているものを失った老夫婦の人生を成熟した視点で見つめます。

梶井基次郎 「檸檬」 29.04.2023

 梶井基次郎が学生(三高/京大)時代の体験をもとに書き、日本の近代文学のなかでも屈指の名作といわれています。得体のしれない不安感のなかに登場する檸檬の鮮やかさが、作品に独特のムードを生み出します。檸檬の重さや色彩の美しさ、そして主人公のとった行動の意味については百人百様の解釈があります。読者一人一人に「私なりの檸檬」を考えさせるところが、長く愛されている理由かも知れません。

芥川龍之介 「杜子春」 23.04.2023

 芥川のなかでも有名な作品で、教科書で読まれた方も多いと思いますが、大人になると意外に話の筋を忘れていたりもします。教訓的な内容にみえて、杜子春と仙人とのやりとりや展開がとても面白く、あらためて触れても十分に楽しめるお話です。 To everyone learning Japanese. This is a masterpiece of modern Japanese literature read in Japanese with correct pronunciation. Ryunosuke Akutagawa.

和辻哲郎 「土下座」 23.04.2023

 和辻哲郎は哲学者、戦前のベストセラーで今も読まれ続けている「古寺巡礼」の著者としても有名です。この作品では、実利的な考え方をする主人公が、古い風習に従って形式的な行動をしてみたところ、それまで気づかなかった内なるものを発見します。西洋哲学を出発点とした和辻が、日本思想史と融合していく過程を思わせる短編です。 To everyone learning Japanese. This is a masterpiece of modern Japanese literature read i...

野村胡堂 「猟色の果」 17.04.2023

 馬に食わせたいほど金を持っているという若主人は、これまで好き放題に女と結びつき、飽いては捨てるを繰り返してきました。そんな若主人の身に不気味な出来事が起こります。銭形平次を生んだ作家の野村胡堂が持つもう一つの顔、伝奇幻想小説の名手としての胡堂に触れることができます。

坂口安吾 「私は海を抱きしめていたい」 15.04.2023

 自分を諦めた男は、一緒にいる頭の悪いうぬぼれ屋で貞操観念のない女だけが、自分を安心させると言います。諦観し生きている二人は、離れられず一緒にいますが、その関係はとても虚無的です。女とともに鬱々とした日々を送る男は、荒れた海を見たときに、自らが望んでいるものがそこにあるように感じます。いかにも坂口安吾らしい短編です。

片山廣子 「或る国のこよみ」 13.04.2023

 片山廣子は歌人および随筆家で、松村みね子名義でアイルランド文学翻訳家としても活躍しました。芥川龍之介は「或る阿呆の一生」のなかでその才気の高さに触れ、堀辰雄の小説に登場する女性のモデルにもなっています。75歳で唯一の随筆集「燈火節」を刊行し、一人残された晩年の心境を描いたこの作品は、今でも高く評価されています。その中の一篇です。

酒井嘉七  「スタディオ・マーダー・ケース 撮影所殺人事件」 10.04.2023

 アメリカ帰りの映画のエキストラが撮影中に殺人を犯して逃げます。しかし誰が誰で誰を殺したのか、進んでいくうちに入り組んでわからなくなってしまう不思議な作品です。戦前に先鋭的な作品を残した作者の酒井嘉七は、経歴が判明したのが没後半世紀を経てからということもあり、幻の本格派探偵作家といわれていました。上質で先進的な娯楽雑誌であった「新青年」でデビューしただけあって、当時のハイカラな香り漂う作品です。

山本周五郎 「砂と柘榴」(「青べか物語」より) 09.04.2023

 当時は辺鄙な漁村であった浦安に、失意を抱え移り住んだ若き日の山本周五郎は、その地の暮らしを題材に出世作となる連作短編集「青べか物語」を執筆します。そこに収められている短編です。商家の跡取り息子は、都会から娶った妻と折り合えず別れたため、近隣で猥雑な噂話の的となります。やりなおすことになったその息子は、より猥雑な話でその噂に対抗します。田舎町に住む人々の人情と背中合わせの口さがなさは、日本が激変し...

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