roudoku iqunity

朗読のアナ 寺島尚正

Arts JA ↓ 316 episodes

100万再生突破!ありがとうございます。 ラジオアナウンサーは言葉を読み語る表現者。 文化放送から、四十年にわたってリスナーに語りかけている寺島尚正アナウンサーがさまざまな作品を朗読します。 その声が紡ぎ出す物語に耳をすませ、語りから無限に広がる想像力、日本語の奥深さをご堪能ください。  朗読のお仕事がございましたらお声かけください。

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Oct 10, 2026

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Episodes

太宰治 「新釈諸国噺 裸川」 22.01.2023

 この「新釈諸国物語」は、太宰治が尊敬する井原西鶴の作品を翻案したもので、戦時中に執筆し発表された作品です。作品検閲が厳しい戦時下の状況と折り合いをつけながら、太宰らしい批判精神を巧妙に埋め込んでいるとも言われます。「裸川」はもっともらしい建て前を振り回す侍と、いいように使われる人足のやり取りが滑稽に描かれます。体制の建て前に対抗する人足の考えを、最後まで小賢しい知恵のように描きながらも、鵜呑みに...

正宗白鳥 「奇怪な客」 16.01.2023

 その客は確かにホテルに泊まっているのに、ホテルにいる誰にも姿をみせません。そんな話から、正宗白鳥は人の不思議や奇怪について思いを巡らせていきます。権威ある批評家であった正宗ですが、つむじまがりで喧嘩の逸話も多く残しています。ニヒリストでどこか人生を冷ややかに見ているような正宗の、人生観や人間観の一片がうかがい知れる作品です。

葛西善蔵 「おせい」 15.01.2023

 実話をもとにした私小説です。葛西善蔵は、踏み倒して逃げた借金を取りに来た二十歳の娘と同棲するようになります。作家として身を立てるほどの稼ぎもなく、かといって働かず、病弱で、女性にもだらしない、絵にかいたような破滅型の作家でした。その処し方は、自らを偽ることのない芸術への献身と受け取られることもあれば、不道徳と強く非難されたりもしました。しかし作品にふれ葛西善蔵に対して、書かれて百年以上をも経た今...

山本周五郎 「死處」 12.01.2023

 「死處」は昭和16年に執筆されたのち未発表のまま保管され、77年ののちに発見された短編小説です。徳川家康の最大の敗戦といわれる三方ヶ原の戦いを題材としています。敗北濃厚な戦いで家康の家臣たちは誰もが先陣を切りたがりましたが、夏目は留守城の守りを買って出て周囲から謗られます。名より実の働きを心に秘めて状況を見極めていた夏目は、絶対説明の場面で家康を救い、味方を守るために討ち死にします。 To everyone lea...

芥川龍之介 「蜜柑」 01.01.2023

 不機嫌な主人公は乗った汽車の中での出会いで、ますます不機嫌になって行きます。しかしそれから起きた出来事が、主人公の不機嫌を一転させます。文学は日本近代文化の華で、芥川はそのトップランナーでした。細やかな心の移りかわりの描写も素晴らしいですが、文学のライバルとして映画が登場した時代に、視覚描写の鮮やかさでも新しい存在だったと実感します。 It is a beautiful recitation read with correct Japanese pronu...

森鴎外 「高瀬舟」 23.12.2022

 高瀬舟は、江戸時代の京都奉行所の与力が残した随筆集を元にして書かれた小説です。船の上での会話という限られた設定のなかで、安楽死の問題、人間の欲について、そして貧困層を生む社会の歪みなど、深いテーマが入り組んで展開します。また情景の静寂と、緊迫した死の場面で鮮やかなコントラストを印象付ける鷗外の筆致の素晴らしさにもうたれます。不朽の名作です。 It is a beautiful recitation read with correct Japanese...

宮沢賢治 「革トランク」 20.12.2022

 宮沢賢治の発表されている作品のほとんどは、亡くなった後に残された革トランクに詰め込まれていたものです。のちの世から見れば革トランクは賢治にとって特別なものだったように思えます。その革トランクを題材に、賢治はナンセンスギャグをちりばめたユニークな作品を残しました。地方の坊ちゃんが自分の冒したとんでもないヘマを直視できず、都会に逃げていきます。そんな坊ちゃんが里帰りします。賢治の違う一面が見られる作...

NYの新聞社説 「サンタクロースはいるのでしょうか?」 16.12.2022

 1897年9月21日に大衆向け新聞「ザ・サン」(ニューヨーク・サン)に掲載された社説欄です。8歳の少女から寄せられた質問に記者のフランシス・チャーチが答えました。この社説の反響は大きく長く続き、1920年代には読者の要望に応えて、クリスマスの時期になると繰り返し掲載されるようになったそうです。そして今でもクリスマスが近づくと、世界中でとりあげられています。

北条民雄 「すみれ」 15.12.2022

 人里離れた山奥で暮らしている老人は、妻を亡くして3年が経ち、つくづく孤独な暮らしに嫌気がさして、息子の住む町に移り住むことを考えます。老人の孤独を癒すものはどこにあるのでしょうか。作者の北条民雄は病魔と戦いながら文学と向き合いましたが、作品は深い苦悩を抱えながらも、健やかな心で生き命をつくす心を感じさせます。

直木三十五 「大岡越前の独立」 10.12.2022

 名奉行の誉れ高い大岡越前が、「政治の思惑」と「真実」と「法の執行者としての在り方」の3つが相反する難題をさばきます。さすがの立ち回りともいえますが、清濁併せ呑むこのやり方に、現代人は違和感も感じるかもしれません。それも含めて日本の官僚組織に古くから根付いた価値観がみてとれ、今にも通じていて興味深くもあります。時代小説を高めたと言われる直木三十五の作品です。

豊島与志雄 「市郎の店」 07.12.2022

 少年は夜店で貝がらを売ることを考えましたが、思ったように売れずに悔しい思いをします。悩んでいたところに画家のおじさんから助言を与えられます。豊島与志雄は太宰治からの信頼された人物です。翻訳家としても成功し、作家としては大人向けの小説から児童文学まで数多くの作品を残したうえで、文壇での活動も精力的に行いました。文学の領野で幅広く活躍し、芥川、川端をも恐れさせたといわれています。そんな才人の小さな愛...

山本周五郎 「嫁取り二代記」 30.11.2022

 子供のいない国家老は、跡継ぎと考えている要領の良い甥っ子から、美しい娘を預けられます。甥っ子の魂胆を見抜きつつ、故あって厳しく接するものの、根が人情家のためついつい情にほだされていきます。ところがそこにもうひと騒動…。山本周五郎の滑稽ものは、楽しく後味も良く、幸せな気分にさせてくれます。

小泉八雲 「鳥取の布団の話」 24.11.2022

 広く知られる怪談です。小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)はギリシャで生まれ、アイルランドで育ち、イギリスとフランスで教育を受け、アメリカで文筆業の道に入り、1890年に40歳で日本にやってきて、島根県松江で英語教師となりました。その翌年に妻となるセツと鳥取を旅しています。これは八雲がセツから聞かされた昔話を採話したものです。

芥川龍之介 「煙草と悪魔」 20.11.2022

 愛煙家であった芥川龍之介が、日本に西洋煙草が広まった端緒を、キリスト教にからめて創作した短編小説。ヒマな悪魔が園芸をはじめたり、ちょっとマヌケな取引をしたりと、どことなくユーモアを感じさせますが、その実、物事が(宗教を含めて)広まっていくというのは、あながちこんなことなのかもしれないと思わせられもします。

吉川英治 「鬼」 18.11.2022

藩の窮状を救うために、鬼となって農民達を酷使し、開墾事業をやり遂げた侍の本懐、昭和の国民的作家といわれた吉川英治の吉川節が横溢する短編です。セカンドチャンスのない武家社会のなかで失敗した侍は、武士の役割とは何かを自らに問い、それをやり遂げます。大きな目的のために非情に徹した男は、自らのけじめも忘れていませんでした。 It is a beautiful recitation read with correct Japanese pronunciation. This program...

室生犀星 「汽車で逢った女」 16.11.2022

 男は汽車の中でたまたま同席した女性を訪ねて行きます。行ってみるとそこは女郎屋で、訪ねた男もまともな人生を歩んできていないことが徐々にわかってきます。「故郷は遠きにありて思ふもの」の室生犀星は、美しい叙情のみならず、浮世の底で日々をしのいで繋ぐ人々の心情をすくい取ります。様々なカタチの女性の優しさを取り上げましたが、これもそのひとつです。

菊池寛 「竜」 14.11.2022

 ある日突然、お宅の池には竜がいるから、私につかまえさせてくれ、金は払う・・・そんな申し出をしてきた男がいます。短編の名手でもある菊池寛が、今昔物語から題材を得た時代小説です。いつも時代も大衆は、お金には弱く、好奇心が旺盛で、風評や噂が好き。そんな庶民気質が浮かび上がる楽しく可笑しな作品です。

小酒井不木 「遺伝」 13.11.2022

 小酒井不木は医師であるとともに、大正時代に日本に探偵小説を広めた功労者でもあります。海外の探偵小説を翻訳することで新しい潮流を知り、科学の視点と病理的な世界観を持った作品を生み出しました。新人だった江戸川乱歩を高く評価した人物でもあります。この「遺伝」にも、猟奇の匂いのなかに推理の楽しみがちりばめられています。

久生十蘭 「予言」 11.11.2022

 小説の魔術師と言われた久生十蘭の技巧を凝らした怪奇推理小説です。「僕」の一人称以外のみで、「彼」や「彼女ら」といった人称代名詞を使わずに書かれ、時制も前後しており、聴いていて捉えずらいと感じられるかもしれません。そのわかりずらさも、不思議な味わいを生み出す仕掛けと考えて、聞き流しながら楽しんでいただければと思います。

芥川龍之介 「カルメン」 10.11.2022

 二人の男はロシアからやって来た一流歌劇団の主役女優にぞっこんで、彼女を愉しみに「カルメン」を観劇に出かけます。しかし、彼女の姿は舞台ではなく客席にありました。彼女になにがあったのでしょうか?彼女に情熱的な魔性の女カルメンを重ね合わせて、男たちの想像は膨らんでいきます。鋭い幕切れの、前衛的な短編小説です。

窪田空穂 「冬至の南瓜 / 花」 09.11.2022

 歌人の窪田空穂の季節を感じる随筆を2編。「冬至の南瓜」は当たり前に思っていた年末の行事習慣を、人に聞いたり、考えたりしていくうちに、知らなかったことに出会っていきます。「花」はいわゆる名の知れた有名な花ではない、野の花の魅力と季節ごとの味わいについて触れています。どちらの当たり前のようですが、日々の暮らしを楽しもうとしているからこそ見えてくるものです。

佐藤垢石 「父の俤(おもかげ)」 06.11.2022

 雑誌「つり人」の初代編集長だった佐藤垢石(こうせき)は、幅広い題材を扱う随筆家として、高く評価された人です。釣りや趣味の随筆は、今でいうライフスタイル・エッセイを先取りしていたともいえるのではないでしょうか。この作品は、垢石の生涯の趣味となった釣りの始まりの記憶を想いかえしています。初夏の冷ややかな空気が張り詰める早朝に、父親の釣りのお供をして出かけた情景が鮮やかに浮かび、そして宝物のような時間...

野村胡堂 「銭形平次捕物控 ガラッ八祝言」 04.11.2022

 銭形平次捕物控に登場する脇役で最も愛されているのがガラッパチこと子分の八五郎ですよね。惚れっぽくてあわてん坊、空威張りするわりに平次親分には忠実なところにも可愛気があります。結婚したいのに、なかなかお相手が見つからない八に、平次親分が無理やり祝言をあげさせます。ただし真っ当な祝言ではありません。ガラッ八が無理やり祝言をあげさせられるところからはじまる捕物の行方やいかに?

木内高音 「水菓子屋の要吉」 30.10.2022

 いくつかの児童文学作品を残した木内高音は優秀な編集者でもありました。宮沢賢治の才能をいちはやく認めた人です。高音(たかね)は本名で、生まれたときの産声が大きかったことから名づけられたそうです。名前とは違い普段は(酒さえ飲まなければ)声を荒らげたりしない人だったと言われています。鈴木三重吉に私淑して赤い鳥社に入社し、編集をしながら作品執筆に取り組みました。これもその一つです。

グリム童話 「死神の名づけ親」 28.10.2022

 落語の「死神」の原案となった作品です。設定の骨子等はかなり似通っていますが、人物造型や展開にはまた違った面白さがあります。「死神」を得意とした六代目三遊亭圓生も、名人だった圓朝が明治時代にグリム童話を元にして作ったという旨を書き記していますが、イタリアのオペラが原案という説もあります。また初演は園左だったこともあり、諸説あることを付け加えておきます。

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