翻訳文学試食会実行委員会
翻訳文学試食会
翻訳された海外の短編小説を毎回1編読んで、関西のおっちゃん2人がやいのやいのしゃべるポッドキャストです。話題の新作から古典的名作、怪作・珍作までいろいろ味見していきます。次に読む本選びのきっかけに、外国文学についてのトリビアの仕入れにご活用ください。毎週水曜20時に更新します。 【パーソナリティ】大東和重(おおひがし・かずしげ) 比較文学者(日中比較文学)。兵庫県出身。好きな小説はバルガス=リョサ『都会と犬ども』、ゾラ『制作』、ロバート・クーヴァー『ユニヴァーサル野球協会』 干場達矢(ほしば・たつや) 勤め人。大阪府出身。好きな小説はスティーヴン・キング『クージョ』、トレヴェニアン『ワイオミングの惨...
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Oct 28, 2026
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Episodes
#43 ジブ・I・ミハエスク「夢」〜ルーマニア・フェティシズム・病気 09.08.2023 47:54
【この作品が入っている本】『東欧怪談集』(沼野充義編、「夢」は住谷春也訳、河出文庫、1995年) 【作家のプロフィール】1894-1935。オルテニア地方のドラガシャニで、町長も務めた弁護士の家に生まれた。母ヨアナはある尼僧の私生子で、ジブはその優しい、ロマンチックな気質を受け継いだとされる。大学在学中に参戦した東部戦線での体験や、地方の生活を舞台にして、強迫観念や幻覚の支配を描き、長編『ロシア女』(33)によっ...
#42 フラナリー・オコナー「田舎の善人」〜天国に持って行けるものは 02.08.2023 53:40
【この作品が入っている本】『フラナリー・オコナー全短篇〈上〉』(横山貞子訳、ちくま文庫、2009年) 【作家のプロフィール】1925‐1964。アメリカの作家。アメリカ南部ジョージア州で育つ。O・ヘンリー賞を4回受賞し、短篇の名手として知られる。短篇集に『善人はなかなかいない』(1955年)、『すべて上昇するものは一点に集まる』(1965年)、長編小説に『賢い血』(1952年)、『激しく攻むる者はこれを奪う』(1960年)、エ...
#41 シーヴァー・アラストゥーイー「アトラス」〜熱に浮かされたときに見る悪夢のような 25.07.2023 52:20
【この作品が入っている本】『天空の家 イラン女性作家選』(藤元優子訳、段々社、2014年) 【作家のプロフィール】1962年テヘラン生まれ。対イラク戦争で看護活動に従事。大学では英語を専攻。91年に作家デビューしたが、詩人、災害救助ボランティア、女優、ボディビルディングのコーチなど多才な顔をもつ。短編集『太陽と月はまた廻る』(1998)で2003年ゴルシーリー文学賞、ヤルダー文学賞受賞。長編『ビービー・シャハルザー...
#40 ジョン・チーヴァー「泳ぐ人」〜アメリカという若者、あるいは老いについて 19.07.2023 49:26
【この作品が入っている本】ジョン・チーヴァー『泳ぐ人』(村上春樹訳、新潮社、2018年) 【作家のプロフィール】1912‐1982。米国マサチューセッツ州クインシー生まれ。高校中退後に書き上げた小説が批評家マルカム・カウリーの文芸誌「ニュー・リパブリック」に掲載されデビュー。1940年代から「ザ・ニューヨーカー」誌に東部の郊外住宅地に暮らす中産階級の人々を描いた短篇を数多く発表、J・D・サリンジャーと同時代に都会派の...
#39 ヘラ・S・ハーセ「ウールフ、黒い湖」〜某世界文学全集が取りこぼした佳品 12.07.2023 47:19
【この作品が入っている本】ヘラ・S・ハーセ『ウールフ、黒い湖』(國森由美子訳、作品社、2017年) 【作家のプロフィール】1918年2月2日、旧オランダ領東インド・バタヴィア(現インドネシア共和国ジャカルタ)生まれ。父親の仕事の関係で20歳までを同地で過ごす。1938年、大学進学のため単身オランダへ渡り、アムステルダムで生活を開始。翌年第二次世界大戦が勃発、1940年5月からはナチスドイツ占領下となった同地で暮らしつつ、...
#38 ディー・レスタリ「珈琲の哲学」〜あの起業家も登場の人生論的風俗小説 05.07.2023 39:40
【この作品が入っている本】ディー・レスタリ『珈琲の哲学』(福武慎太郎監修、加藤ひろあき・西野恵子訳、上智大学出版、2019年) 【作家のプロフィール】1976年、ジャワ・バンドゥン生まれ。95年に女性3人のバンド「リダ・シデ・デヴィ」でデビュー。2001年に発表した長編小説『スーパーノバ:騎士と王女と流星』(未邦訳)でベストセラー作家となった。『珈琲の哲学』は2006年に刊行した最初の短編集。 【今回のトピック】 ・コ...
#37 テレーザ・ヴェイガ「植民地のあとに残ったもの」〜よくわかる「衰亡する国の悲哀」 28.06.2023 46:33
【この作品が入っている本】ルイ・ズィンク、黒澤直俊編『ポルトガル短篇小説傑作選』(上智大学出版会、2019年) 【作家のプロフィール】1945年にリスボンに生まれる。寡作でありこれまで発表した作品は7冊のみであるが、各作品の評価が非常に高くポルトガル文学の最高の短編作家の1人と目されており、カミーロ・カステロ・ブランコ短編文学賞を3度受賞している。インタビュー等を受けず、私生活を秘しているため作家についてほと...
#36 チョ・セヒ「こびとが打ち上げた小さなボール」〜〝主人持ちの文学〟考 21.06.2023 56:23
【この作品が入っている本】チョ・セヒ『こびとが打ち上げた小さなボール』(斎藤真理子訳、河出書房新社、2016年) 【作家のプロフィール】1942年、京畿道加平生まれ。ソラボル芸術大学(現・中央大学)文芸創作科、慶熙大学国文科に学ぶ。65年、「京郷新聞」新春文芸欄に「帆柱のない葬船」が当選して作家デビュー。その後10年の沈黙を経て75年より「こびと」連作を発表し始める。78年、『こびとが打ち上げた小さなボール』を刊...
#35 ミラン・クンデラ「誰も笑いはしない」〜どうでもいいことと、譲れないこと 14.06.2023 44:52
【この作品が入っている本】ミラン・クンデラ『微笑を誘う愛の物語』(西永良成ほか訳、集英社、1992年) 【作家のプロフィール】1929年チェコスロヴァキアのブルノ生まれ。52年、プラハの音楽芸術大学映画学部を卒業。この頃から、詩を発表し始め、評論、戯曲にも手を染めている。60年代に入ると小説を書き始める。68年のソ連のチェコへの軍事介入とその後の粛清により、チェコ語での作品発表の機会と大学助教授の職を失い、すべ...
#34 テッド・チャン「あなたの人生の物語」〜大事なことは宇宙人が教えてくれた 07.06.2023 47:09
【この作品が入っている本】テッド・チャン『あなたの人生の物語』(公手成幸ほか訳、ハヤカワ文庫SF、2003年) 【作家のプロフィール】1967年、ニューヨーク州ポート・ジェファーソン生まれ。ブラウン大学でコンピュータ・サイエンスを専攻し、1989年に卒業。現在はワシントン州シアトル近郊で、フリーランスのテクニカル・ライターをつとめながら創作活動を続けている。大学卒業の年に、有名なSF創作講座クラリオン・ワークショ...
#33 トレヴァー・モリス「紅毛嬌街」〜ホームズのパロディで知る香港 31.05.2023 43:34
【この作品が入っている本】トレヴァー・モリス『辮髪のシャーロック・ホームズ』(舩山むつみ訳、文芸春秋、2022年) 【作家のプロフィール】1965年香港生まれ。ケンブリッジ大学で法律を学ぶ。2001年に帰国。映画会社に勤務し、ドキュメンタリー性がやアニメーション映画の製作にあたり。香港大学法律系客員副教授も務めた。2017年に刊行された本書が初めての小説作品である。(本書の著者略歴より) 【今回のトピック】 ・英国...
#32 アーシュラ・K・ル=グィン「セムリの首飾り」〜〝アメリカの栗本薫〟と呼ばせていただきます 24.05.2023 45:13
【この作品が入っている本】アーシュラ・K・ル=グィン『風の十二方位』(小尾芙佐訳、ハヤカワ文庫、1980年) 【作家のプロフィール】1929‐2019。米国の作家。ラドクリフ大学とコロンビア大学でフランスとイタリアのルネサンス文学を専攻。SFとファンタジーの大作を書き継ぎ、文学賞の受賞多数。著書に『ゲド戦記』『闇の左手』『所有せざる人々』など。 【今回のトピック】 ・ファンタジーは「名付け」が9割? ・写実主義よりも...
#31 ディミトリ・フェルフルスト「美しい子ども」〜少女が酒を飲み、道端で用を足す問題作 17.05.2023 39:51
【この作品が入っている本】 ディミトリ・フェルフルスト『残念な日々』(長山さき訳、新潮社、2012年) 【作家のプロフィール】 1972年、ベルギーのオランダ語圏、フランダース生まれ。大学のゲルマン語学科に進むがほどなく退学。ピザの宅配、市役所職員などのかたわら創作にとりくむ。1999年「隣の部屋」でデビュー。以後、毎年新作を発表。2006年刊行の『残念な日々』は、自身の子ども時代に材をとった連作短篇集。ベルギー、...
#30 イアン・マキューアン「蝶々」〜この人、どうしてこんなことを書いたんでしょうねえ…… 10.05.2023 39:29
【この作品が入っている本】 イアン・マキューアン『最初の恋、最後の儀式』(宮脇孝雄訳、早川書房、1999年) 【作家のプロフィール】 1948年生まれの英国の作家。サセックス大学で英文学と仏文学を学んだ後、イースト・アングリア大学で創作を学ぶ。1983年、英文芸誌「Granta」の特集で新人作家ベスト20の一人に選ばれ、7作目の長編『アムステルダム』でブッカー賞を受賞。代表作に『愛の続き』『贖罪』など。 【今回のトピック...
#29 ブッツァーティ「神を見た犬」〜見た目は怖いがとんだ良い人だった件 03.05.2023 38:29
【この作品が入っている本】 ブッツァーティ『神を見た犬』(関口英子訳、光文社古典新訳文庫、2007年) 【作家のプロフィール】 1906‐1972。イタリアの作家。魔術的幻想文学の書き手として世界的に名高い。新聞記者としてスタートし、小説も次々と発表。社会批評、絵画製作、舞台美術などでも活躍する。短編集『六十物語』で、イタリア文学界最高の賞とされるストレーガ賞を受賞。(文庫の著者略歴より) 【今回のトピック】 ・最...
#28 パク・ソルメ「じゃあ、何を歌うんだ」〜この小説が日本人に難しい理由 26.04.2023 35:53
【この作品が入っている本】パク・ソルメ『もう死んでいる十二人の女たちと』(斎藤真理子訳、白水社、2021年) 【作家のプロフィール】1985年、韓国・光州広域市生まれ。韓国芸術総合学校芸術経営科卒業。2009年に長編小説「ウル」で子音と母音社の新人文学賞を受賞してデビュー。14年、「冬のまなざし」で第4回文学と知性文学賞、短編集『じゃあ、何を歌うんだ』で第2回キム・スンオク文学賞を受賞。19年、キム・ヒョン文学牌を...
#27 リング・ラードナー「弁解屋(アリバイ)アイク」〜ふたたびクリエイティブライティングを考える 19.04.2023 40:19
【この作品が入っている本】リング・ラードナー『ラードナー傑作短篇集』(加島祥造訳、福武文庫、1989年) 【今回のトピック】野球とサッカー/漫才/メージャーリーグとアメリカンドリーム/メルヴィル「書写人バートルビー」/F・スコット・フィッツジェラルド/文学のコンテンツ化/新聞小説/フィリップ・ロス『素晴らしいアメリカ野球』/ロバート・クーヴァー『ユニヴァーサル野球協会』/バーナード・マラマッド『ナチュラ...
#26 スティーヴン・キング「刑務所のリタ・ヘイワース」〜なぜ人々は映画「ショーシャンクの空に」が大好きなのか(完全ネタバレVer.) 12.04.2023 40:01
【この作品が入っている本】スティーヴン・キング『ゴールデンボーイ』(浅倉久志訳、新潮文庫、1988年) 【作家のプロフィール】1947年米国メイン州ポートランド生まれ。高校教師を経て、74年に長編小説『キャリー』で作家デビュー。以後『呪われた町』『シャイニング』『IT』『ミザリー』など次々とベストセラーを生み出し、モダン・ホラーの第一人者となる。 【今回のトピック】映画「ショーシャンクの空に」/アレクサンドル・...
#25 トーマス・マン「ヴェネツィアに死す」〜死ぬまでに一度は読みたい、でも一度読めばいい名作 05.04.2023 38:17
【この作品が入っている本】トーマス・マン『ヴェネツィアに死す』(岸美光訳、光文社古典新訳文庫、2007年) 【作家のプロフィール】1875‐1955。リューベックの富裕な家庭に生まれたドイツの作家。ヴァーグナー、ニーチェなどの影響を受ける。ミュンヘンに移住後、長編小説『ブデンブローク家の人々』を発表(1901年)、注目を浴びる。1929年、ノーベル文学賞受賞。1933年、旅行中にスイスで亡命生活に入り、ナチスに対してつねに反...
#24 プラープダー・ユン「バーラミー」〜タイ産メタフィクションから政治を考える 29.03.2023 39:37
【この作品が入っている本】プラープダー・ユン『鏡の中を数える』(宇戸清治訳、タイフーン・ブックス・ジャパン、2007年) 【作家のプロフィール】1973年バンコク生まれ。中学を卒業後に渡米し、NYのクーパーユニオン大学で美術を学ぶ。98年にタイへ帰国すると2冊の短編小説集を出版し、ともにベストセラーを記録、「プラープダー現象」と言われる。以後、作家、脚本家、評論家、編集者、グラフィックデザイナー、アーティストな...
【番外編】大江健三郎の思い出 22.03.2023 1:39:40
今月3日、大江健三郎氏が88歳で亡くなりました。試食会の2人にとっても、特別な思いのある作家です。数々の名作と問題作を残した大江氏を偲び、個人的な思いや作品論などをおしゃべりしました。100分の拡大版でお送りします。 ※先週予告していたプラープダー・ユン「バーラミー」の回は来週配信します。 ▼リスナーのみなさんからのメールをお待ちしています。ご意見、ご感想、試食会で取り上げてほしい作品のご提案などお寄せくだ...
#23 アルフィアン・サアット「誕生日」〜光と影のシンガポール 15.03.2023 37:13
【この作品が入っている本】アルフィアン・サアット『サヤン、シンガポール』(幸節みゆき訳、段々社、2015年) 【作家のプロフィール】1977年生まれのマレー系シンガーポーリアン。シンガポール随一の名門中等学校からジュニア・カレッジへと進み、シンガポール国立大学医学部へ入学するが卒業はせず創作活動に専念。詩、劇、短編小説の各分野で幅広く活動し、数々の賞を受賞。1998年に第一詩集『荒ぶる時』(One Fierce Hour)、99...
#22 ガッサーン・カナファーニー「ハイファに戻って」〜「ナクバ」を書く 08.03.2023 34:27
【この作品が入っている本】ガッサーン・カナファーニー『ハイファに戻って/太陽の男たち』(奴田原睦明訳、河出文庫、2017年) 【作家のプロフィール】1936‐1972。パレスチナに生まれ、12歳のときユダヤ人武装組織による虐殺を生き延び難民となる。パレスチナ解放運動で重要な役割を果たすかたわら、小説、戯曲などを執筆。36歳の若さで自動車に仕掛けられた爆弾により暗殺される。遺された作品は現代アラビア語文学を代表する傑...
#21 フアン・ルルフォ「アナクレト・モローネス」〜山師はいかに熟女たちを蕩けさせたか 01.03.2023 31:25
【この作品が入っている本】フアン・ルルフォ『燃える平原』(杉山晃訳、岩波文庫、2018年) 【作家のプロフィール】1917〜86年。メキシコ・ハリスコ州サユラ生まれ。孤児院で少年時代を過ごし、メキシコシティに移ってからは内務省やタイヤ会社で働きながら執筆した。著作に短編集『燃える平原』、長編『ペドロ・パラモ』。 【今回のトピック】フォークナー/トールテール/暴力と性/中上健次/ヤクザ/宗教/女性の髭 ▼リスナー...
#20 オリガ・スラヴニコワ「チェレパーノフの姉妹」〜女は強し、ロシア女はなお強し 22.02.2023 35:45
【この作品が入っている本】ポスト・ソヴィエト文学研究会編著『現代ロシア文学入門』(東洋書店新社、2022年)。「チェレパーノフの姉妹」は岩本和久訳。 【作家のプロフィール】1957年、ウラル地方のエカテリンブルク生まれ。現代社会にタイする鋭い批判精神の一方で、比喩を多用した複雑な文体、「マジックリアリズム」と呼ばれる幻想性を特徴している。 【今回のトピック】鉄道/マジックリアリズム/宮崎駿/官僚制/男性批判...
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