翻訳文学試食会実行委員会

翻訳文学試食会

Arts JA ↓ 220 episodes

翻訳された海外の短編小説を毎回1編読んで、関西のおっちゃん2人がやいのやいのしゃべるポッドキャストです。話題の新作から古典的名作、怪作・珍作までいろいろ味見していきます。次に読む本選びのきっかけに、外国文学についてのトリビアの仕入れにご活用ください。毎週水曜20時に更新します。 【パーソナリティ】大東和重(おおひがし・かずしげ) 比較文学者(日中比較文学)。兵庫県出身。好きな小説はバルガス=リョサ『都会と犬ども』、ゾラ『制作』、ロバート・クーヴァー『ユニヴァーサル野球協会』 干場達矢(ほしば・たつや) 勤め人。大阪府出身。好きな小説はスティーヴン・キング『クージョ』、トレヴェニアン『ワイオミングの惨...

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Oct 21, 2026

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Episodes

#106 マ・サンダー「ラングーン駅四時三五分発」〜検閲下で「市井もの」が書かれる理由 18.12.2024

【この作品が入っている本】『欠けている所を埋めて下さい』(堀田桂子訳、井村文化事業社、1986年)      【作家のプロフィール】1947年生まれの女性作家。父もミャンマーで著名な作家。大学入学前のボランティア経験を書いた短編「私の先生」でデビュー。著書に「幼いので、わからない」「雲翳り、月冴えぬ」など。(本書の著者略歴を編集)      【今回のトピック】   竹山道雄『ビルマの竪琴』/ビルメロ/高野秀行『アヘン国...

#105 ポール・オースター「ナショナル・ストーリー・プロジェクト」〜米国とはどんな国か 11.12.2024

【この作品が入っている本】『ナショナル・ストーリー・プロジェクト』(柴田元幸ほか訳、新潮社、2005年)      【作家のプロフィール】 1947年、ニュージャージー州ニューアーク生まれ、コロンビア大学卒業後、石油タンカー乗組員、山荘管理人などの職を転々としながら翻訳、詩作に携わる。82年、初めての散文作品『孤独の発明』を書いた後、85年から86年にかけて刊行された「ニューヨーク三部作」で小説家となる。以後着々と秀...

#104 ジャック・ロンドン「火を熾す」〜神なき世界の歩き方 04.12.2024

【この作品が入っている本】『火を熾す』(柴田元幸訳、スイッチ・パブリッシング、2008年)      【作家のプロフィール】 1876年、サンフランシスコの貧しい家に生まれ、十代で漁船の乗組員として世界を転々とする。やがてゴールドラッシュにわくカナダ北西部のクロンダイク地方へ金鉱探しの旅に出る。そのときの越冬の経験が、後に高い評価を得る『野生の呼び声』や極北の自然を舞台にした小説の背景となっていく。『白い牙』や...

#103 ソン・ウォンピョン「アーモンド」〜「綺麗事を書かない」という綺麗事 27.11.2024

【この作品が入っている本】『アーモンド』(矢島暁子訳、祥伝社、2019年)      【作家のプロフィール】1979年、ソウル生まれ。大学校で社会学と哲学を学び、韓国映画アカデミー映画科で映画演出を専攻。「人間的に情の通じない人間」、「あなたの意味」など多数の短編映画の脚本、演出を手掛ける。2016年、初の長編小説『アーモンド』で第10回チャンビ青少年文学賞を受賞。2017年、長編小説『三十の反撃』で第5回済州4・3平和...

#102 カフカ「皇帝の使者」〜被害者意識が世界を動かす 20.11.2024

【この作品が入っている本】『変身ほか(カフカ小説全集4)』(池内紀訳、白水社、2001年)      【作家のプロフィール】1883〜1924。プラハ生まれのドイツ語による小説家。実存主義文学の先駆者で、第二次世界大戦後の文学に大きな影響を及ぼした。小説「変身」「審判」「城」「アメリカ」など。(広辞苑の項を編集)      【今回のトピック】   日本比較文学会関西支部シンポの話/「選ばれてあることの恍惚と不安」/太宰治/兵...

#101 オーシャン・ヴオン「地上で僕らはつかの間きらめく」〜作家のサステナビリティについて 13.11.2024

【この作品が入っている本】『地上で僕らはつかの間きらめく』(木原善彦訳、新潮社、2021年)      【作家のプロフィール】1988年、ベトナム・ホーチミン市生まれ。幼少時に母や祖母とともにアメリカに移住。ニューヨーク市立大学ブルックリン校にて、詩人で小説家のベン・ラーナーのもとで学ぶ。2021年8月現在はマサチューセッツ大学アマースト校で創作を教えている。詩作では早くから高く評価され、T.S.エリオット賞を受賞。「...

#100 カズオ・イシグロ「夕餉」〜フェイク・ジャパンと秋の蟬 06.11.2024

【この作品が入っている本】『集英社ギャラリー 世界の文学(5)』(「夕餉」は出淵博訳、集英社、1990年)      【作家のプロフィール】1954年長崎生まれ。60年に渡英。イースト・アングリア大学卒。89年に『日の名残り』でブッカー賞。2017年にノーベル文学賞。      【今回のトピック】   ハン・ガン/ノーベル文学賞/ふぐ/日本とアメリカ/オリエンタリズム/ゴシック小説/要素の編集/クリエイティブライティング/戦争/...

#99 ヤロスラフ・ヴァイス「片肘だけの六ヶ月」〜レノン・近代法・オリエンタリズム 30.10.2024

【この作品が入っている本】『チェコSF短編小説集2』(平野清美訳、平凡社ライブラリー、2023年)      【作家のプロフィール】 1946-。SF作家。ジャーナリスト。アレクサンドル・クラメルとの共作『第三惑星のための実験』『パンドラの箱』が人気を把握した。長年、上院議長の顧問を務める。SFジャンルの普及に努め、ファンダム設立に貢献したほか、英語圏の作品の翻訳も手がけている。『チェコSF短編集』に「オオカミ男」が収録...

#98 キム・チュイ「満ち足りた人生」〜恋は人をアホにする 23.10.2024

この作品が入っている本】『満ち足りた人生』(関未玲訳、彩流社、2023年)      【作家のプロフィール】ベトナム系カナダ人作家。1968年、ベトナムのサイゴン(現ホーチミン市)に生まれる。10歳でカナダに移民。モントリオール大学で学んだ後、裁縫師、通訳、弁護士、レストラン経営者などを経て、作家に。現在はモントリオールに在住し、執筆活動に専念している。2018年、自伝的小説である『小川』で「ニュー・アカデミー文学賞」...

#97 金薫「火葬」〜内心の自由という話 16.10.2024

【この作品が入っている本】『火葬』(金薫訳、クオン、2023年)      【作家のプロフィール】1948年ソウル生まれ。長編小説『狐将』、『月の向こうに走る馬』、『ハルピン』、小説集『そこにひとりで』、散文集『鉛筆で書く』などがある。(本書の著者略歴より)      【今回のトピック】   李箱文学賞/延世大学/蓮池薫/兵役/犬の安楽死/大江健三郎『個人的な体験』/劣情か思慕か/高橋和巳『悲の器』/芥川賞/フロベール...

#96 エリナー・ファージョン「ムギと王さま」〜子供は子供の本を喜ぶか 09.10.2024

【この作品が入っている本】『ムギと王さま:本の小べや1』(石井桃子訳、岩波少年文庫、2001年)      【作家のプロフィール】 1881〜1965。イギリスの詩人・作家。父は流行作家、母はアメリカの有名な俳優の娘だった。芸術的な雰囲気にみちた家庭で本に埋もれて育ち、正規の教育は受けなかった。『りんご畑のマーティン・ピピン』で作家としての地位を確立。D.H.ロレンス、デ・ラ・メアなどと交流を深め、みずみずしい感性と想像...

#95 ケン・リュウ「文字占い師」〜コンテンツvs.母の手紙 02.10.2024

【この作品が入っている本】『紙の動物園』(古沢嘉通訳、早川書房、2015年)      【作家のプロフィール】1976年中華人民共和国甘粛省生まれ。弁護士、プログラマーとしての顔も持つ。2002年、短篇 “Carthaginian Rose” でデビュー。その後も精力的に短篇を発表し、この4月には初となる長篇 The Grace of Kings も刊行された。また、創作以外に、中国SFの英訳紹介もおこなっている。(本書の著者略歴より)      【今回のトピ...

#94 アナトール・フランス「ユダヤの太守」〜職業生活の終わりに向かって 25.09.2024

【この作品が入っている本】『百年文庫57 城』(「ユダヤの太守」は内藤濯訳、ポプラ社、2010年)      【作家のプロフィール】 フランスの作家、評論家。パリ生まれ。1881年の出世作『シルヴェストル・ボナールの罪』以降、『タイス』『赤い百合』『現代史』『神々は渇く』など、次々と名作を発表。その文章は最も完璧なフランス語といわれ、1904年に死去した際には国葬が執り行われた。(本書の著者略歴を編集)      【今回の...

#93 カレル・チャペック「二度のキスのあいだに」〜兵庫県知事を語るなど 18.09.2024

【この作品が入っている本】『カレル・チャペック短編集』(田才益夫訳、青土社、2007年)      【作家のプロフィール】 1890〜1937。チェコの小説家、劇作家。随筆、コラムなども多い。現代社会への批判をSF的手法で描く。ロボットという語を考案した。また、童話も多い。代表作、戯曲「R.U.R」、小説「山椒魚戦争」、童話「長い、長いお医者さんの話」など。(「精選版 日本国語辞典」より)      【今回のトピック】   壊れた人...

【番外編】私の好きな3冊の話(後編) 11.09.2024

パーソナリティが好きな小説をご紹介します。前編は干場さんご愛読の3冊。 (1)デイヴィッド・ベニオフ『卵をめぐる祖父の戦争』(田口俊樹訳、早川書房、2010年) (2)トレヴェニアン『ワイオミングの惨劇』(雨沢泰訳、新潮文庫、2004年) (3)スティーヴン・キング『クージョ』(永井淳訳、新潮文庫、1983年)

#92 ヴォルテール「カンディード」〜いま防災について考える 04.09.2024

【この作品が入っている本】『カンディード』(晶文社版は堀茂樹訳、岩波文庫は植田祐次訳)      【作家のプロフィール】 1690年にパリで公証人の息子として生まれ、20歳を過ぎた頃から83歳(1778年)で没するまで、詩、韻文戯曲、散文の物語、思想書など多岐にわたる著述により、ヨーロッパ中で栄光に包まれたり、ひどく嫌われたりした。文人哲学者。 著書に『エディップ(オイディプス)』『哲学書簡』『寛容論』『哲学辞典』など...

【番外編】私の好きな3冊の話(前編) 28.08.2024

パーソナリティが好きな小説をご紹介します。前編は大東さんが愛する3冊。 (1)エミール・ゾラ『制作』(上・下、清水正和訳、岩波文庫、1999年) (2)マリオ・バルガス=リョサ『都会と犬ども』(杉山晃訳、新潮社、1987年) (3)ロバート・クーヴァー『ユニヴァーサル野球協会』(越川芳明訳、新潮文庫、1990年)

#91 シルビナ・オカンポ「ポルフィリア・ベルナルの日記」〜どこかで読んだような話 21.08.2024

【この作品が入っている本】『ラテンアメリカ怪談集』(「ポルフィリア・ベルナルの日記は鈴木恵子訳、河出文庫、2017年)      【作家のプロフィール】1903〜93年。 ブエノスアイレスの貴族的家庭に生まれる。1900年に渡欧、20年代には美術を学ぶが、32年にビオイ・カサーレスと知り合ってのちは文学に専念。短編小説に本領を発揮した。      【今回のトピック】   ガルシア=マルケス『百年の孤独』/ボルヘス/ヘンリー・ジェイ...

#90 ヘンリー・ジェイムズ「ねじの回転」〜身分・性規範・男性優位主義 14.08.2024

【この作品が入っている本】『ねじの回転』(小川高義訳は新潮文庫[2017年]、土屋政雄訳は光文社古典新訳文庫[2012年])      【作家のプロフィール】1843〜1916年。 アメリカの小説家、批評家。祖父が18世紀末にアイルランドから移住して大きな資産を築き、父は文人らと交わった。子供時代にヨーロッパの各地を転々とするが、1805年にヨーロッパ永住を決意。フロベールやツルゲーネフらと交わり小説作法を学ぶ。1807年を過ぎ...

#89 イーディス・ウォートン「あとになって」〜ふつうの幽霊譚あるいはFIRE民の悲哀 07.08.2024

【この作品が入っている本】『怪奇小説傑作選3 英米編Ⅲ』(「あとになって」は橋本福夫訳、創元推理文庫、新版2006年)      【作家のプロフィール】1862〜1937年。ニューヨークの名家の出で、1907年行こうはフランスに住む。上流社会に入ろうとして挫折する女性の悲劇『楽しみの家』(1905年)で名声を確立。ほかに『イーサン・フロム』(1911年)、『無垢の時代』(1920年)など。    【今回のトピック】   神霊学/幽霊/マナ...

#88 カン・ファギル「湖 他の人」〜男たちはどうすればいいか 31.07.2024

【この作品が入っている本】『大丈夫な人』(小山内園子訳、白水社、2022年)      【作家のプロフィール】1986年、全州市生まれ。2012年、短篇小説「部屋」でデビュー。2016年に短篇集『大丈夫な人』、2017年に初の長篇『別の人』(小山内園子訳、エトセトラブックス、2021年)で第22回ハンギョレ文学賞を受賞。2020年には短篇小説「飲福」で第11回若い作家賞大賞を受賞した。本作に収録された「手」は、英国の翻訳家デボラ・スミス...

#87_陳春成「李茵の湖」〜洗い出しコンクリート文学 24.07.2024

【この作品が入っている本】『夜の潜水艦』(大久保洋子訳、アストラハウス、2023年)      【作家のプロフィール】1990年中国福建省寧徳市生まれ。土木系学部に進学し、専門を学ぶかたわら詩や散文を書く。卒業後、造園技師として地元の植物園に勤務しながらSNSや文芸誌で小説を発表。2019年、「音楽家」が文芸誌『収獲』中篇小説賞を受賞。本書『夜の潜水艦』は著者のデビュー短編集で、中国で出版されるや大胆なイマジネーショ...

【番外編】翻訳詩について語るときに僕たちが語ること(2/2) 17.07.2024

翻訳詩について語る雑談回の後編。今回は干場さんが主にフランス詩についてお話しします。リスナーからご所望があった短歌についても解説するスペシャル回です!

【番外編】翻訳詩について語るときに僕たちが語ること(1/2) 10.07.2024

雑談回です。リクエストにお応えして翻訳詩についてお話しします。まず前編は大東さんが好きな詩について解説。「詩はわからない」そうですが、とっておきの愛誦詩も披露してくれます。

#86_グロリア・サワイ「私がイエス様とポーチに……」〜乳房とは何か 03.07.2024

【この作品が入っている本】『世界文学のフロンティア2 愛のかたち』(「私がイエス様とポーチに座っていると風が吹いてキモノの胸元が開き、イエス様が私の乳房を御覧になった日のこと」は栩木玲子訳、1996年)      【作家のプロフィール】 1932〜2011年。カナダの作家。サワイという日本姓は夫のものと思われるが、個人的なプロフィールについて詳しいことはわからない。生まれ育ち、教育を受け、働いてきた場所は、すべてアメ...

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