一般社団法人 青空朗読

青空朗読

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インターネット上の図書館「青空文庫」の作品を朗読する「青空朗読」は、プロのアナウンサーによる社会貢献活動としてスタートし、最近は、朗読を学ぶ一般の方々からも作品を提供していただいています。2016年5月に一般社団法人となりました。

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一般社団法人 青空朗読

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Arts

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29 ott 2026

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Episodi

I can speak 著者:太宰 治 読み手:伊藤 和 時間:8分33秒 21.02.2026

I can speak 著者:太宰 治 読み手:伊藤 和 時間:8分33秒  くるしさは、忍従の夜。あきらめの朝。この世とは、あきらめの努めか。わびしさの堪えか。わかさ、かくて、日に虫食われゆき、仕合せも、陋巷の内に、見つけし、となむ。  わが歌、声を失い、しばらく東京で無為徒食して、そのうちに、何か、歌でなく、謂わば「生活のつぶやき」とでもいったようなものを、ぼそぼそ書きはじめて、自分の文学のすすむべき路すこしず...

かえるの王さま 著者:グリム兄弟/楠山 正雄 訳 読み手:田中 真稚子 時間:19分53秒 20.02.2026

かえるの王さま 著者:グリム兄弟/楠山 正雄 訳 読み手:田中 真稚子 時間:19分53秒    一  むかしむかし、たれのどんなのぞみでも、おもうようにかなったときのことでございます。  あるところに、ひとりの王さまがありました。その王さまには、うつくしいおひめさまが、たくさんありました。そのなかでも、いちばん下のおひめさまは、それはそれはうつくしい方で、世の中のことは、なんでも、見て知っていらっしゃるお...

愛 著者:宮本 百合子 読み手:源馬 ちか子 時間:4分36秒 19.02.2026

愛 著者:宮本 百合子 読み手:源馬 ちか子 時間:4分36秒  愛ということばは、いつから人間の社会に発生したものでしょう。愛という言葉をもつようになった時期に、人類はともかく一つの飛躍をとげたと思います。な ぜなら、人間のほかの生きものは、愛の感覚によって行動しても、愛という言葉の表象によってまとめられた愛の観念はもっていませんから。  更に、その愛という言葉が、人間同士の思いちがいや、だましあいの媒...

蛙 著者:林 芙美子 読み手:駒形 ゆう 時間:10分40秒 18.02.2026

蛙 著者:林 芙美子 読み手:駒形 ゆう 時間:10分40秒  暗い晩で風が吹いていました。より江はふと机から頭をもちあげて硝子戸へ顔をくっつけてみました。暗くて、ざわざわ木がゆれているきりで、何だか淋しい晩でした。ときどき西の空で白いような稲光りがしています。こんなに暗い晩は、きっとお月様が御病気なのだろうと、より江は兄さんのいる店の間へ行ってみました。兄さんは帳場の机で宿題の絵を描いていました。 「ま...

あゝ二十年 ―やっと御下命画を完成した私のよろこび― 著者:上村 松園 読み手:宮崎 文子 時間:7分11秒 17.02.2026

あゝ二十年 ―やっと御下命画を完成した私のよろこび― 著者:上村 松園 読み手:宮崎 文子 時間:7分11秒    雪  とうとう二十年来の肩の重荷をおろしましてほっといたしました。ふりかえってみますと、私が十五歳の折り、内国勧業博覧会に「四季美人図」を初めて出品いたしまして、一等褒状を受け、しかもそれが当時御来朝中であらせられた英国皇太子コンノート殿下の御買上げを得た時のことを思い合わせまして、今度皇太后...

蛙 著者:芥川 龍之介 読み手:太田 賢治 時間:8分3秒 16.02.2026

蛙 著者:芥川 龍之介 読み手:太田 賢治 時間:8分3秒  自分の今寝ころんでゐる側に、古い池があつて、そこに蛙が沢山ゐる。  池のまはりには、一面に芦や蒲が茂つてゐる。その芦や蒲の向うには、背の高い白楊の並木が、品よく風に戦いでゐる。その又向うには、静な夏の空があつて、そこには何時も細い、硝子のかけのやうな雲が光つてゐる。さうしてそれらが皆、実際よりも遙に美しく、池の水に映つてゐる。  蛙はその池の中...

ああ東京は食い倒れ 著者:古川 緑波 読み手:野村 洋二 時間:9分25秒 15.02.2026

ああ東京は食い倒れ 著者:古川 緑波 読み手:野村 洋二 時間:9分25秒  戦争に負けてから、もう十年になる。戦前と戦後を比較してみると、世相色々と変化の跡があるが、食いものについて考えてみても、随分変った。  ちょいと気がつかないようなことで、よく見ると変っているのが、色々ある。  先ず、戦後はじめて、東京に出来た店に、ギョーザ屋がある。  以下、話は、東京中心であるから、そのつもりで、きいていただきた...

快走 著者:岡本 かの子 読み手:大栗 幸子 時間:19分9秒 14.02.2026

快走 著者:岡本 かの子 読み手:大栗 幸子 時間:19分9秒  中の間で道子は弟の準二の正月着物を縫い終って、今度は兄の陸郎の分を縫いかけていた。 「それおやじのかい」  離れから廊下を歩いて来た陸郎は、通りすがりにちらと横目に見て訊いた。 「兄さんのよ。これから兄さんも会社以外はなるべく和服で済ますのよ」  道子は顔も上げないで、忙がしそうに縫い進みながら言った。 「国策の線に添ってというのだね」 「だか...

ああしんど 著者:池田 焦園 読み手:池戸 美香 時間:2分40秒 13.02.2026

ああしんど 著者:池田 焦園 読み手:池戸 美香 時間:2分40秒  よっぽど古いお話なんで御座いますよ。私の祖父の子供の時分に居りました、「三」という猫なんで御座います。三毛だったんで御座いますって。  何でも、あの、その祖父の話に、おばあさんがお嫁に来る時に――祖父のお母さんなんで御座いましょうねえ――泉州堺から連れて来た猫なんで御座いますって。  随分永く――家に十八年も居たんで御座いますよ。大きくなって...

蚊 著者:牧野 信一 読み手:イトー ゲンヤ 時間:15分41秒 12.02.2026

蚊 著者:牧野 信一 読み手:イトー ゲンヤ 時間:15分41秒  若しも貴方が妾に裏切るやうな事があれば、妾は屹度貴方を殺さずには置きませんよ、と常に云つてゐた女が、いざとなつたら他愛もなく此方を棄てゝ行つた。此方こそかうして未練がましくも折に触れては女の事を思ひ出して居るが向うでは……妾は自分の将来を考へなければなりません。貴方のやうな全く取得のない不真面目なさうして涙を持たぬ人はつくづく愛想が尽きたの...

ア、秋 著者:太宰 治 読み手:中村 昭代 時間:6分52秒 11.02.2026

ア、秋 著者:太宰 治 読み手:中村 昭代 時間:6分52秒  本職の詩人ともなれば、いつどんな注文があるか、わからないから、常に詩材の準備をして置くのである。 「秋について」という注文が来れば、よし来た、と「ア」の部の引き出しを開いて、愛、青、赤、アキ、いろいろのノオトがあって、そのうちの、あきの部のノオトを選び出し、落ちついてそのノオトを調べるのである。  トンボ。スキトオル。と書いてある。  秋になる...

小ぐまさんのかんがへちがひ 著者:村山 籌子 読み手:小川 幸香 時間:4分57秒 10.02.2026

小ぐまさんのかんがへちがひ 著者:村山 籌子 読み手:小川 幸香 時間:4分57秒  ある日小ぐまさんが路ばたであそんでゐますと、お猫さんが通りがゝりました。お猫さんは、ふところから 赤いものをとりだして 「小ぐまさん、これなんだか知つてる?」とききました。小ぐまさんは 一目みて、それがほゝづきだとわかりましたので、 「あら、いゝのね。ひとつでいいから下さいな。」といひました。 「まあ、ひとつ下さいですつて...

武ちゃんと昔話 著者:小川 未明 読み手:田中 淑恵 時間:8分4秒 09.02.2026

武ちゃんと昔話 著者:小川 未明 読み手:田中 淑恵 時間:8分4秒  この夏休みに、武ちゃんが、叔父さんの村へいったときのことであります。  ある日、村はずれまで散歩すると、そこに大きな屋敷があって、お城かなどのように、土塀がめぐらしてありました。そして、雨風にさらされて古くなった門が、しめきったままになって、内には、人が住んでいるとは思われませんでした。 「どうしたんだろうか。」と、武ちゃんは、不思議...

小説の面白さ 著者:太宰 治 読み手:なべさん 時間:4分27秒 08.02.2026

小説の面白さ 著者:太宰 治 読み手:なべさん 時間:4分27秒  小説と云うものは、本来、女子供の読むもので、いわゆる利口な大人が目の色を変えて読み、しかもその読後感を卓を叩いて論じ合うと云うような性質のものではないのであります。小説を読んで、襟を正しただの、頭を下げただのと云っている人は、それが冗談ならばまた面白い話柄でもありましょうが、事実そのような振舞いを致したならば、それは狂人の仕草と申さなけ...

サルト サムライ 著者:新美 南吉 読み手:室 由美子 時間:3分1秒 07.02.2026

サルト サムライ 著者:新美 南吉 読み手:室 由美子 時間:3分1秒  五ニンノ サムライガ タビヲ シテ アル ヒ ヤマミチヲ トホリカヽルト、木ノ 下ニ 一ピキノ サルガ ヰマシタ。 「アノ サルヲ キラウ。」 「サウダ、ワタシガ キル。ワタシハ モウ 一ツキアマリ カタナヲ ヌカナイノデ、ウデガ ムヅムヅスル。」 「イヤ、ワタシガ キル。ワタシノ カタナハ ヨク キレル。」 「ダメダ ダメダ、キミラ...

心は大空を泳ぐ 著者:小川 未明 読み手:池戸 美香 時間:7分26秒 06.02.2026

心は大空を泳ぐ 著者:小川 未明 読み手:池戸 美香 時間:7分26秒  いまごろ、みんなは、たのしく話をしながら、先生につれられて、知らない道を歩いているだろうと思うと、勇吉は自分から進んで、いきたくないと、こんどの遠足にくわわらなかったことが、なんとなく残念なような気がしました。  しかし、家のようすがわかっているので、このうえ、父や母に、心配をかけたくなかったのでした。 「おまえがいきたいなら、お父...

女の学校 著者:宮本 百合子 読み手:宮崎 文子 時間:11分2秒 05.02.2026

女の学校 著者:宮本 百合子 読み手:宮崎 文子 時間:11分2秒  女学校しか出ていない日本の女性に、「学生生活」の思い出というようなものがあるだろうか。女学校というところは、中学校とさえもちがって、いかにも只少女時代という大ざっぱな思い出の中にくり入れられてしまうような気がする。卒業してからの生活も、私たちの時代の娘たちはみんな夫々親の選択による結婚で、すっかり事情がちがってしまうから、友情さえも永...

茄子畑 著者:片山 廣子 読み手:齋藤 こまり 時間:6分30秒 04.02.2026

茄子畑 著者:片山 廣子 読み手:齋藤 こまり 時間:6分30秒  はがきを出さうと思つて、畑道を通つて駅前のポストの方に歩いて行つた。まだこの辺は家が二三軒建つただけで以前のままの畑である。夕日が真紅く空をそめて、高井戸駅の方から上り電車が走つてくる音がする。いつも通るうら道なのだが、今日はどうしたはづみか五年前のある夕方を思ひ出してしまつた。  昭和二十一年ごろの初秋であつたらうか、茄子の畑の出来事で...

期待と切望 著者:宮本 百合子 読み手:福井 一恵 時間:4分59秒 03.02.2026

期待と切望 著者:宮本 百合子 読み手:福井 一恵 時間:4分59秒  音楽に対しては全く素人であって、しかも音楽についてはある興味をもっているものの一人として、私は日本の将来の音楽的発達について少なからず希望を抱い ております。音楽上の創造力も技術も、これから十五年の後はおどろくべき進歩があるでしょう。然し、この期待の一面には、今日の音楽のおかれている複雑な 社会の事情や音楽界の伝統習慣が、既に十分その...

ならずもの 著者:グリム/矢崎 源九郎 訳 読み手:水野 久美子 時間:9分23秒 02.02.2026

ならずもの 著者:グリム/矢崎 源九郎 訳 読み手:水野 久美子 時間:9分23秒  オンドリがメンドリにいいました。 「もうクルミがうれる時期になったよ。どうだい、いっしょに山へいって、思いきり食べてこようじゃないか。まごまごしていると、リスのやつにみんなもっていかれちまうからね。」 「けっこうね。」 と、メンドリがこたえました。 「いきましょうよ。ふたりでたのしんできましょうね。」  そこで、ふたりはいっ...

生まれ変った赤坂離宮 著者:中井 正一 読み手:吉江 美也子 時間:5分55秒 01.02.2026

生まれ変った赤坂離宮 著者:中井 正一 読み手:吉江 美也子 時間:5分55秒  二つの足で立つようになるために、人間は二十万年もころんでは立ち、ころんでは立ちしたんだろう。そして、手が自由になったとき、どんな気持ちがしただろう。  ものをつかんで、土の上に立った人間のすがた。今はあたりまえのことだが、このあたりまえのことを、何十万年も努力した人間の勝利の記録であることを思ってみる人が、今地球上で何人いる...

子どものすきな神さま 著者:新美 南吉 読み手:緒方 朋恵 時間:4分14秒 31.01.2026

子どものすきな神さま 著者:新美 南吉 読み手:緒方 朋恵 時間:4分14秒  子どものすきな小さい神さまがありました。いつもは森の中で、歌をうたったり笛をふいたりして、小鳥やけものと遊んでいましたが、ときどき人のすんでいる村へ出てきて、すきな子どもたちと遊ぶのでした。  けれどこの神さまは、いちどもすがたをみせたことがないので、子どもたちにはちっともわかりませんでした。  雪がどっさりふったつぎの朝、子...

箱の中のあなた 著者:山川 方夫 読み手:松岡 初子 時間:13分53秒 30.01.2026

箱の中のあなた 著者:山川 方夫 読み手:松岡 初子 時間:13分53秒  「あの、失礼ですが」  なめらかな都会ふうの男の声がいった。彼女は、臆病と疑惑とがいっしょになったようなぎごちない様子で、立ち止った。  丘の上は、すばらしい夕焼けで赤く染っていた。馬の背のような地面に、まばらな木が細長い影をつくっていた。 「いい景色ですねえ、ほんとに。……これ、なんの木です?」  なれなれしく、この地方だけに生えてい...

どろぼう猫 著者:夢野 久作 読み手:水谷 ケイコ 時間:5分10秒 29.01.2026

どろぼう猫 著者:夢野 久作 読み手:水谷 ケイコ 時間:5分10秒  お天気のいい日に斑猫が縁側に坐ってしきりに顔を撫で廻しておりました。この猫は鼠を一匹も捕らぬくせに泥棒猫で、近所から嫌われていましたが、「ニャーニャーゴロゴロ」とおべっかを使うのが上手なので、この家の人に可愛がられていました。  ちょうどこの家の赤犬が通りかかって、この猫を見ると声をかけました。 「ブチ子さん今日は」  猫はふり返って、...

夕靄の中 著者:山本 周五郎 読み手:福井 慎二 時間:43分4秒 28.01.2026

夕靄の中 著者:山本 周五郎 読み手:福井 慎二 時間:43分4秒    一  彼は立停って、跼み、草履の緒のぐあいを直す恰好で、すばやくそっちへ眼をはしらせた。  ――間違いはない、慥かに跟けて来る。  その男はふところ手をして、左右の家並を眺めながら、悠くりとこちらへ歩いて来る。古びた木綿縞の着物に半纒で、裾を端折り、だぶだぶの長い股引に、草履をはいている。仕事を休んだ紙屑買い、といった、ごくありふれた風...

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