Takashi Jome

考える塾 in TAIPEI

哲学や思想や歴史や心理や脳や倫理などについてのエッセーです。

Autor

Takashi Jome

Categoría

Society

Web del podcast

toshin10.michikusa.jp

Último episodio

31 de may. de 2025

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Episodios

倫理記号の恣意性⑥「自由って何」-4<自由とは普遍的な立法> 31.05.2025

前回は、カントが『純粋理性批判』で示した<アプリオリな総合判断>や、それを成立させる感性と悟性のアプリオリな形式とその必然性・再現性についてお話しました。感性には時間と空間を生み出す形式があり、悟性には感性を通過してきたものを4分野それぞれ3種類ずつ合計で12種類とされるカテゴリーによって仕分けるという形式があり、それはヒュームが言うような偶然的な単なる習慣ではなく、必然的で再現性のある仕組み、アプリ...

倫理記号の恣意性⑥「自由って何?」-3<アプリオリな総合判断> 31.05.2025

前回に引き続き「自由って何?」の感想の続きです。 前回はカントが『純粋理性批判』で示した「4つのアンチノミー」についてお話しましたが、そこで明るみになった理性の限界を踏まえて、今回は「アプリオリな総合判断」や、それを可能にするアプリオリな「感性」と「悟性」の形式、その形式によって人間の前に偶然ではなく必然的に表れる「現象」について話しています。デカルトやヒュームやルソーの話も交えながら、カントが考え...

倫理記号の恣意性⑥「自由って何?」-2 <四つのアンチノミーについて> 06.03.2025

前回のテーマ「自由って何?」についての感想です。ここでは、カントの自由論を理解する上で重要となる、四つのアンチノミーを巡る哲学的議論について、話しています。

倫理記号の恣意性⑥「自由って何?」-1 01.01.2025

倫理記号の恣意性 第6回 「自由って何?」 現代の国際社会は、人権を守ることが最大の正義とされています。そして、人権の中でも第一に尊重されるのは自由権ですが、そもそも自由とは何なのでしょう。 一般的には、誰かに強制されることなく自分の思うように行動することが自由だと考えられています。あらゆる価値よりも自由を貴ぶことを正義と考えるリバタリアン≪自由至上主義者≫は、自由についてのこうした考え方を徹底し、特に...

倫理記号の恣意性⑤の感想の続き 14.08.2023

仏教の十二縁起と、キリスト教の楽園追放の類似性              イヴの原罪とアダムの原罪                                ジョン・スチュアート・ミルの質的功利主義、ベンサムの功利主義からの逸脱                             異なる3つの論理体系

倫理記号の恣意性⑤効率・自由 vs 道徳・公平、『歴史の終わり』と民主主義vsAI独裁主義、ヴィットゲンシュタインの『論理哲学論考』、ゲーデルの不完全性定理、ジョン・スチュアート・ミルの質的功利主義 14.08.2023

 ポンペオ米国務長官が七月二十三日に、中国の人権抑圧・領土拡張・経済的不公正と、その理念的基盤であるマルクス・レーニン主義に対し、宣戦布告とも解釈できる演説を行ったことで、新型コロナウィルスで混乱の中にある世界は新冷戦時代へ突入することになりました。現代の世界には、エリート階級が政策決定の権限を独占する体制と、自由と民主主義を標榜する体制の二種類の国家に分類することができますが、中国は前者、アメリカ...

倫理記号の恣意性④リバタリアニズム 22.06.2023

 歴史の教科書には、国王や貴族に奴隷的拘束を強いられていた民衆が、自らの選択と決断によって生きる「自由」を求めて革命を起こす姿が記されています。イギリスの市民革命やアメリカ独立戦争やフランス革命は、近代社会の誕生を象徴する出来事ですが、これらの革命で人々が獲得を目指した最も重要な権利は「自由」でした。そして、権力によって奴隷的に拘束される牢獄のような状態は否定され、自らの意志で行動できることが、現...

倫理記号の恣意性③最大多数の最大幸福 28.04.2023

 イギリスの道徳哲学者ジェレミー・ベンサムは、道徳の至高の原理とは苦痛に対する快楽の割合を最大化することだという、功利主義の原理を確立しました。人間がとるべき正しい行いとは、快楽や幸福を増やし、苦痛や苦難を減らす、「効用」の最大化であるというわけです。  1884年、ミニョネット号というイギリス船が沈没し、ボートで漂流していた四人の船乗りたちが、水も食料もない限界状況に追い込まれた結果、悲惨な効用...

倫理記号の恣意性②正義の色分け 28.04.2023

 電磁波の中の十兆分の一に満たない可視光を、周波数の高い方から赤、橙、黄、緑、青、紫など更に色分けして、私たち動物は周辺環境を把握するのに活用しています。しかし、人間が「赤」と呼ぶ波長と、「橙」と呼ぶ波長の間には明確な境界線がありません。赤と黄、橙と緑など明らかに違う波長の光を反射する物体であれば誰もが同じように色分けできますが、どこまでが「青」でどこからが「紫」なのか決めるのは悩むところで、人に...

倫理記号の恣意性①言葉と倫理の恣意性&雑談「宗教2世問題」 23.03.2023

 「言語記号の恣意性」という言葉があります。19世紀のスイスの言語学者ソシュールの考えで、言葉とは、それを表す音声・文字(シニフィアン)と、それによって表される意味・概念(シニフィエ)が、合理的な必然性を必要とせずに結び付いて出来ているという考えです。  例えば、「イス」という音声は、「人が座るための台」のことではなく、「食事や仕事や勉強をするための台」のことであってもよく、「ツクエ」という音声は「体を...

意識と神経とアルゴリズム フリートーク雑談回2『意識とは苦しみ』デイビッド・イーグルマン「あなたの脳の話」より 02.03.2023

今回のフリートークは、私の世界観として、存在の用具生と他者性、記号的実在と記号前の神々の実在、科学的実在と文学的実在などについて話し、その後、AIに意識を持たせることや、仏教の執着とキリスト教の罪の対応関係などについて話しています。同じようなことに関心のある方は聞いてください。         なお、雑音が多くなってしまった上、音声が小さくなりました。すみません…、

意識と神経とアルゴリズム 第十二回『意識の棲み家』デイビッド・イーグルマン「あなたの脳の話」より 22.02.2023

 遠い未来の技術で甦ることを期待する人々のため、アルコー延命財団では、顧客の死後その肉体を凍結保存しています。全身凍結ではなく、頭部だけ保存する人々もいます。  凍結した肉体や脳を復活させる技術が登場するかしないかは分かりませんが、脳のデータをコンピューターにコピーして保存しておくことは不可能ではないかもしれません。人間の脳は860億のニューロンで出来ており、各ニューロンには1万の接続があるため、...

意識と神経とアルゴリズム 第十一回『感覚の代行と拡張』デイビッド・イーグルマン「あなたの脳の話」より 21.02.2023

 2007年、ラムッスン脳炎による発作で苦しんでいたキャメロン・モットという少女が、12時間の神経外科手術のすえ、脳の半分を摘出されました。しかし、手術後も彼女は体の片側が弱いだけで、他の子どもたちと同じように言語、音楽、数学、物語を理解でき、スポーツにも参加することが出来ました。脳の残り半分が失われた機能を引き受け、神経の配線をし直し、ほぼ全ての働きが半分のスペースに押し込まれたのです。このよう...

意識と神経とアルゴリズム 第十回『外集団と内集団』デイビッド・イーグルマン「あなたの脳の話」より 16.02.2023

 私たちは隣人の微細な表情の変化を見てそれを自分の顔にコピーし、その表情に対応した痛み、悲しみ、怒り、喜びといった感情を自分の中に再現するミラーリングという能力を先天的に持っています。この共感こそが人間社会の道徳の根源で、無意識の集団的共感の連鎖が「見えざる手」となって人間を社会秩序に従わせるのだと、倫理学者で経済学の祖アダム・スミスも『道徳感情論』において説いています。  隣人に共感し、同時に隣...

意識と神経とアルゴリズム 第九回『他者と共感』デイビッド・イーグルマン「あなたの脳の話」より 06.02.2023

 現在のスマートフォンは、小さくなったコンピューターと言える性能を持っています。しかし、これがインターネットに接続していなかったら、私たちが重宝しているその能力のほとんどは消えてしまうでしょう。一方、世界中のスマートフォンが接続していないSNSというのは想像できるでしょうか。個々の端末が接続していない時、そこにはインターネットも存在していません。  人間も、個々の大脳等の神経ネットワークの働きだけ...

意識と神経とアルゴリズム 第八回『選択と生理』デイビッド・イーグルマン「あなたの脳の話」より 20.01.2023

 目の前の幾つかの選択肢から一つを選ばなければならない時は、現在の生理的な状態が決断の決め手となります。純粋な情報の比較計算しかできないと、考えられる可能性は無限にあるため、いつまでも決められないのです。では、選択の結果が未来に関わる問題の場合どうでしょう。  今日は日曜日。最近ハマっているゲームをなんとかクリアしたい。でも、二週間後に中間テストが迫っていて、準備を始めないと間に合わない。だが、十...

意識と神経とアルゴリズム 第七回『ジレンマと決断』デイビッド・イーグルマン「あなたの脳の話」より 17.01.2023

 脳外科医は手術中に患者の脳に電極を当て、ニューロン間の電気信号のやり取りをスピーカーに流し、電圧の微小な変化を音声に変換して、それを頼りに手術を行います。電極を当てる場所によって「ポンポンポンポン」になったり、「ポン…ポンポン…ポン」になったり、音のテンポが変化しますが、流れる情報の内容によっても神経ネットワークはそれぞれ異なる音を発します。  脳には痛みの受容体がないので、手術中でも患者と話をす...

意識と神経とアルゴリズム フリートーク雑談回『意識とは苦しみ』デイビッド・イーグルマン「あなたの脳の話」より 10.01.2023

意識とは何かについての仮説(あくまでもこれって私の感想ですが)について話しています。普段は原稿の音読ですが、今回は初めての、原稿無しのフリートークになりました。内容は、「意識とは、苦しみのこと」という仮説の検証を、以下のような仏教の話を交えながら進めています。 仏陀の説いた「一切皆苦」の謎。 世界には、苦しいことも、楽しいこともともにあるではないか? → サンスクリット語、古代パーリ語で言う「一切皆苦」...

意識と神経とアルゴリズム 第六回『統合情報と自由意志』デイビッド・イーグルマン「あなたの脳の話」より 27.12.2022

 1987年5月23日の夜、自宅でテレビを見ながら眠りに落ちたケン・パークスは、妻の実家で仲の良かった義父と義母を殺害した後、最寄りの警察署に出頭し「僕は誰かを殺した気がする」と告げました。遺伝的な睡眠障害のあった彼は、後に夢遊病であることが裁判で認められ、釈放されることになります。人は意識のない状態で車を運転し、殺人を犯すことも出来てしまうようです。  20世紀初頭の科学者フロイトは、それまで悪魔...

意識と神経とアルゴリズム 第五回『意識と無意識』デイビッド・イーグルマン「あなたの脳の話」より 19.12.2022

 カップに入ったコーヒーをひと口すする、そんな単純な行動も何兆という電気インパルスが支えています。視覚系がコーヒーカップを捉えるためにその場を見渡すと、過去の同じ状況の記憶がよみがえり、前頭皮質から運動皮質へ信号が送られ、胴体・腕・前腕・手の筋肉収縮を正確に連係させてカップをつかみます。カップに触れると、神経はカップの重さ・位置・温度・取っ手のすべりやすさなどの情報を送り返し、その情報が脊髄を通って脳に...

意識と神経とアルゴリズム 第四回『内部モデルと共感覚』デイビッド・イーグルマン「あなたの脳の話」より 05.12.2022

 ハンナ・ボスレーという女性は、アルファベットの文字を見ると色を感じるそうです。Jには紫を感じますが、Tは赤く見えます。Hannahという名前なら夕日のように見えます。黄色で始まり、だんだん赤色になったあと、雲のような色になり、また赤と黄色へと戻るという具合です。一方で、Iainという名前などは嘔吐物のように見えてしまいます。これは共感覚と呼ばれる現象で、感覚や概念が混ざり合って経験される状態です...

意識と神経とアルゴリズム 第三回『感覚神経と外界』デイビッド・イーグルマン「あなたの脳の話」より 22.11.2022

 事業家であり、パラリンピックのスキー滑降金メダリストでもあるマイク・メイは、3歳で角膜が傷つき失明しながら、視覚を使うことなくスポーツでも事業でも超一級の結果を出していました。その彼が角膜手術を受けて、約40年を経て再び光を取り戻した時に見たものは、目の前に広がるただの光の大洪水に過ぎませんでした。色も形も無い光のシャワーの中に、ぼんやりとした暗い部分が散在するだけで、彼には物体が何かが分からず...

意識と神経とアルゴリズム 第ニ回『心身二元論』 デイヴィッド・イーグルマン「あなたの脳の話」より 25.10.2022

 近代合理主義の父である哲学者ルネ・デカルトは、魂が身体の一部である脳とは別に存在すると主張しました。脳の要素のほとんどは左右一対ずつあるのに対し、二つの大脳の間、脳の正中線上にある松果腺は肉体と精神をつなぐ特別な器官であり、感覚器官からの入力はこの魂の入り口に流れ込み、非物質的な魂の思考に作用する、というのが彼の説明です。松果腺は、概日リズムを調整するホルモン、メラトニンを分泌する内分泌器だと現...

意識と神経とアルゴリズム 第一回『不規則な脳波』 デイヴィッド・イーグルマン「あなたの脳の話」より 03.10.2022

 もし人類が意識を持たなかったら、この世界は存在していると言えるのでしょうか。もしある人が生涯を無意識のまま終えるとしたら、それは人生と言えるのでしょうか。私たちを取り囲む空間も時間も、私たちの意識無しには有り得ないものかもしれません。  一般に、意識は脳が作り出していると考えられています。確かに脳がなければ意識は生まれようがないでしょう。でも、脳だけで意識が生まれるとも言えません。何かが意識され...

サピエンスの揺り籠 第十二回「揺籠の幸福」 ユヴァル・ノア・ハラリ著『サピエンス全史』より 18.08.2022

 人類の歴史は、その幸福にどんな意味を持っているのでしょうか。農業革命は大量の余剰食糧を生み、人口増加と文明化をもたらしました。しかし、人々は農耕可能な限られた土地に縛られ、穀物に依存して栄養状態は偏り、厳しい身分制や国家による戦争と殺戮を受け入れなければならず、狩猟採集時代の行動の自由や多彩な栄養を得る機会は失われました。  近代科学革命と資本主義により、人類の富は指数関数的に増大し、小児死亡率...

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