一般社団法人 青空朗読

青空朗読

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インターネット上の図書館「青空文庫」の作品を朗読する「青空朗読」は、プロのアナウンサーによる社会貢献活動としてスタートし、最近は、朗読を学ぶ一般の方々からも作品を提供していただいています。2016年5月に一般社団法人となりました。

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19 okt 2026

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【青空朗読】てがみ 著者:アントン・チェーホフ/鈴木 三重吉 訳 読み手:イトー ゲンヤ 時間:15分55秒 24.09.2026

てがみ 著者:アントン・チェーホフ/鈴木 三重吉 訳 読み手:イトー ゲンヤ 時間:15分55秒  ユウコフは年はまだやつと九つです。せんには、お母さんと一しよに、ゐなかの村のマカリッチさまといふ、だんなのうちにおいてもらつてゐました。お母さんはそのうちの女中になつて、はたらいてゐたのです。そのお母さんが死んでしまつたので、ユウコフもそのお家にゐられなくなり、人の世話で、三月まへから、この靴屋の店へ、奉公...

【青空朗読】世界記録と私 著者:人見 絹枝 読み手:米澤 裕美 時間:8分18秒 23.09.2026

世界記録と私 著者:人見 絹枝 読み手:米澤 裕美 時間:8分18秒  年の暮れまでにはまだ一月あるが、神宮の大会が終ると私はなんだか自分の生活の一年が終ったような気がする。  あわただしい一年ではあった。それだけになんだか今年はいつもの二倍の仕事をしたような気持もする。  去年九月、オランダのオリンピック大会から帰って来て年の暮れるまで旅のつかれと二度の遠征による体のつかれでふたたび競技場に立てるかと心...

【青空朗読】月謝の袋を失くしたあひるさん 著者:村山 籌子 読み手:西川 美映子 時間:4分12秒 22.09.2026

月謝の袋を失くしたあひるさん 著者:村山 籌子 読み手:西川 美映子 時間:4分12秒  あひるさんは泣きながら学校から帰つて来て、お母さんに申しました。 「お母さん、先生から頂いた月謝の袋を落したの。先生に叱られるといや」  お母さんはおつしやいました。 「あひるさんや、カバンの中をしらべて見て、なかつたら、明日、先生によくお話しをなさい」  そしてお八つの牛乳を下さいました。けれどもあひるさんは一口も飲...

【青空朗読】結婚 著者:中 勘助 読み手:小林 きく江 時間:25分33秒 21.09.2026

結婚 著者:中 勘助 読み手:小林 きく江 時間:25分33秒  姉の死と同時に私のところの家庭はもう久しく予期された行きづまりに到著した。残されたのは頭が悪くてもののいえない七十をこした兄と六十に手のとどく私、どうにもならない。病中は私が主婦の代役をし、お見舞にきて下さる親戚やお知合いの婦人の好意に頼って凌いできたもののそれは余儀ない窮余の窮策で、いつまでも続くものでなく、続けるべきものでもない。で、私...

【青空朗読】ゲタニ バケル 著者:新美 南吉 読み手:都築 洋子 時間:3分50秒 20.09.2026

ゲタニ バケル 著者:新美 南吉 読み手:都築 洋子 時間:3分50秒  ムラガ アリマシタ。ムラノ ソトヲ ヲガハガ ナガレテ ヰマシタ。カハノ キシニハ ハンノキガ シゲツテ ヰマシタ。  ハンノキノ シタデ オカアサンノ タヌキガ コドモノ タヌキニ バケル コトヲ ヲシヘテ ヰマシタ。 「オテラノ コゾウサンニ バケル トキハ コロモヲ ツケテ デルノダヨ。オサムラヒニ バケル トキハ マゲヲ ツ...

【青空朗読】永日小品 猫の墓 著者:夏目 漱石 読み手:みきさん 時間:13分2秒 19.09.2026

永日小品 猫の墓 著者:夏目 漱石 読み手:みきさん 時間:13分2秒  早稲田へ移ってから、猫がだんだん瘠せて来た。いっこうに小供と遊ぶ気色がない。日が当ると縁側に寝ている。前足を揃えた上に、四角な顎を載せて、じっと庭の植込を眺めたまま、いつまでも動く様子が見えない。小供がいくらその傍で騒いでも、知らぬ顔をしている。小供の方でも、初めから相手にしなくなった。この猫はとても遊び仲間にできないと云わんばか...

【青空朗読】永日小品 過去の匂い 著者:夏目 漱石 読み手:滝沢 久恵 時間:8分25秒 18.09.2026

永日小品 過去の匂い 著者:夏目 漱石 読み手:滝沢 久恵 時間:8分25秒  自分がこの下宿を出る二週間ほど前に、K君は蘇格蘭から帰って来た。その時自分は主婦によってK君に紹介された。二人の日本人が倫敦の山の手の、とある小さな家に偶然落ち合って、しかも、まだ互に名乗り換した事がないので、身分も、素性も、経歴も分らない外国婦人の力を藉りて、どうか何分と頭を下げたのは、考えると今もって妙な気がする。その時...

【青空朗読】永日小品 下宿 著者:夏目 漱石 読み手:榎本 美智子 時間:8分2秒 17.09.2026

永日小品 下宿 著者:夏目 漱石 読み手:榎本 美智子 時間:8分2秒    下宿  始めて下宿をしたのは北の高台である。赤煉瓦の小じんまりした二階建が気に入ったので、割合に高い一週二磅の宿料を払って、裏の部屋を一間借り受けた。その時表を専領しているK氏は目下蘇格蘭巡遊中で暫くは帰らないのだと主婦の説明があった。  主婦と云うのは、眼の凹んだ、鼻のしゃくれた、顎と頬の尖った、鋭い顔の女で、ちょっと見ると、...

【青空朗読】永日小品 火鉢 著者:夏目 漱石 読み手:みきさん 時間:13分6秒 16.09.2026

永日小品 火鉢 著者:夏目 漱石 読み手:みきさん 時間:13分6秒  眼が覚めたら、昨夜抱いて寝た懐炉が腹の上で冷たくなっていた。硝子戸越に、廂の外を眺めると、重い空が幅三尺ほど鉛のように見えた。胃の痛みはだいぶ除れたらしい。思い切って、床の上に起き上がると、予想よりも寒い。窓の下には昨日の雪がそのままである。  風呂場は氷でかちかち光っている。水道は凍り着いて、栓が利かない。ようやくの事で温水摩擦を...

【青空朗読】永日小品 柿 著者:夏目 漱石 読み手:加藤 純子 時間:8分18秒 15.09.2026

永日小品 柿 著者:夏目 漱石 読み手:加藤 純子 時間:8分18秒  喜いちゃんと云う子がいる。滑らかな皮膚と、鮮かな眸を持っているが、頬の色は発育の好い世間の子供のように冴々していない。ちょっと見ると一面に黄色い 心持ちがする。御母さんがあまり可愛がり過ぎて表へ遊びに出さないせいだと、出入りの女髪結が評した事がある。御母さんは束髪の流行る今の世に、昔風の髷 を四日目四日目にきっと結う女で、自分の子を喜...

【青空朗読】永日小品 蛇 著者:夏目 漱石 読み手:貝瀬 晶子 時間:6分58秒 14.09.2026

永日小品 蛇 著者:夏目 漱石 読み手:貝瀬 晶子 時間:6分58秒  木戸を開けて表へ出ると、大きな馬の足迹の中に雨がいっぱい湛っていた。土を踏むと泥の音が蹠裏へ飛びついて来る。踵を上げるのが痛いくらいに思われた。手桶を右の手に提げているので、足の抜き差に都合が悪い。際どく踏み応える時には、腰から上で調子を取るために、手に持ったものを放り出したくなる。やがて手桶の尻をどっさと泥の底に据えてしまった。危...

【青空朗読】永日小品 元日 著者:夏目 漱石 読み手:黒沢 ちゑ子 時間:6分54秒 13.09.2026

永日小品 元日 著者:夏目 漱石 読み手:黒沢 ちゑ子 時間:6分54秒  雑煮を食って、書斎に引き取ると、しばらくして三四人来た。いずれも若い男である。そのうちの一人がフロックを着ている。着なれないせいか、メルトンに対して妙に遠慮する傾きがある。あとのものは皆和服で、かつ不断着のままだからとんと正月らしくない。この連中がフロックを眺めて、やあ――やあと一ツずつ云った。みんな驚いた証拠である。自分も一番あ...

【青空朗読】化粧 著者:神西 清 読み手:中村 昭代 時間:6分7秒 12.09.2026

化粧 著者:神西 清 読み手:中村 昭代 時間:6分7秒  これは昔ばなしである。――  二人はおさない頃から仲よしだつた。家は大和の国の片ほとり、貧しい部落に、今ならばさしづめ葭簀ばりの屋台で、かすとり焼酎でも商なふところか、日ごとに行商をして暮らしを立てる、隣どうしであつた。  幼い二人は背戸の井筒のほとりで、ままごとや竹馬あそびをしてゐた。遊びにあきると二人で井筒に寄り添つて丈くらべをした。年は少年が...

【青空朗読】外科室 著者:泉 鏡花 読み手:伊藤 靖 時間:33分12秒 11.09.2026

外科室 著者:泉 鏡花 読み手:伊藤 靖 時間:33分12秒    上  実は好奇心のゆえに、しかれども予は予が画師たるを利器として、ともかくも口実を設けつつ、予と兄弟もただならざる医学士高峰をしいて、某の日東京府下の一病院において、渠が刀を下すべき、貴船伯爵夫人の手術をば予をして見せしむることを余儀なくしたり。  その日午前九時過ぐるころ家を出でて病院に腕車を飛ばしつ。直ちに外科室の方に赴くとき、むこうよ...

【青空朗読】競馬 著者:吉川 英治 読み手:真喜屋 智美 時間:5分31秒 10.09.2026

競馬 著者:吉川 英治 読み手:真喜屋 智美 時間:5分31秒  競馬場がふえ、競馬ファンもふえてきた。応接間の座談として、競馬が語られる時代がきた。その中で、時々、知人のあいだにも、“楽しみを楽しまざる人”がまま多い。――競馬を苦しむ方の人である。  このあいだも、某社の、記者としても人間としても、有能な若い人だが、競馬に熱中して、社にも負債を生じ、家庭にも困らせている人があるという話が出て――僕はその若い有...

【青空朗読】経験派 著者:織田 作之助 読み手:宮松 大輔 時間:1分36秒 09.09.2026

経験派 著者:織田 作之助 読み手:宮松 大輔 時間:1分36秒 彼は小説家だった。下手な小説家だった。その証拠に実感を尊重しすぎた。  彼は掏摸の小説を構想した。が、どうも不安なので、掏摸の顔を見たさに、町へ出た。  ところが、一人も掏摸らしい男に出会わなかった。すごすご帰りの電車に乗って、ふと気がつくと、財布がない。掏られていたのだ。彼は悲しむまえに喜んだ。 「これで掏摸の小説が書ける」  彼は飛ぶよう...

【青空朗読】路上 著者:梶井 基次郎 読み手:新道 改 時間:14分30秒 08.09.2026

路上 著者:梶井 基次郎 読み手:新道 改 時間:14分30秒  自分がその道を見つけたのは卯の花の咲く時分であった。  Eの停留所からでも帰ることができる。しかもM停留所からの距離とさして違わないという発見は大層自分を喜ばせた。変化を喜ぶ心と、も一つは友人の許へ行くのにMからだと大変大廻りになる電車が、Eからだと比較にならないほど近かったからだった。ある日の帰途気まぐれに自分はEで電車を降り、あらましの...

【青空朗読】雪の女王 ―七つのお話からできている物語― 著者:ハンス・クリスチャン・アンデルセン/矢崎 源九郎 訳 読み手:山城 美奈 時間:2時間29分52秒 07.09.2026

雪の女王 ―七つのお話からできている物語― 著者:ハンス・クリスチャン・アンデルセン/矢崎 源九郎 訳 読み手:山城 美奈 時間:2時間29分52秒    さいしょのお話  鏡と、鏡のかけらのこと  さあ、いいですか、お話をはじめますよ。このお話をおしまいまで聞けば、わたしたちは、いまよりも、もっといろいろなことを知ることになります。それは、こういうわけなのですよ。  あるところに、ひとりのわるいこびとの妖魔が...

【青空朗読】老境 著者:河井 酔茗 読み手:加納 恵美子 時間:1分31秒 06.09.2026

老境 著者:河井 酔茗 読み手:加納 恵美子 時間:1分31秒 吾老いぬれど 仙家に入らず 茶烟軽く 紅塵の裡に住む 柴門を守るは 吾家の月 竹窓に吹くは 隣家の風 人来れば 迎へて会ふ 人去れば 吾座にもどる 眠り足りて 夢なく 起きて 倦むことなし 昼には 昼に書くことあり 夜には 夜に語ることあり 世にあづけたる わが寿は 時来らば 世に返さむ・・・ 【青空朗読】とは 青空朗読はインターネット上の図書館「青空文庫」の作品を...

【青空朗読】雪に埋れた話 著者:土田 耕平 読み手:池戸 美香 時間:6分4秒 05.09.2026

雪に埋れた話 著者:土田 耕平 読み手:池戸 美香 時間:6分4秒  お秋さんは、山へ柴刈に行つたかへりに、雪に降りこめられました。こん/\と止めどなく降つてくる雪は、膝を埋め、腰を埋め、胸を埋める深さにまで積つてきました。お秋さんは、大きな柴の束を背負つたまゝ、立ちすくんでしまひました。 「もう助かりやうはない。」 と思つて、目をつぶつて静かにしてゐますと、だん/\気が遠くなりました・・・ 【青空朗読】...

【青空朗読】檸檬 著者:梶井 基次郎 読み手:藤田 利和 時間:19分39秒 04.09.2026

檸檬 著者:梶井 基次郎 読み手:藤田 利和 時間:19分39秒  えたいの知れない不吉な塊が私の心を始終圧えつけていた。焦躁と言おうか、嫌悪と言おうか――酒を飲んだあとに宿酔があるように、酒を毎日飲んでいると宿酔に相当した時期がやって来る。それが来たのだ。これはちょっといけなかった。結果した肺尖カタルや神経衰弱がいけないのではない。また背を焼くような借金などがいけないのではない。いけないのはその不吉な塊だ...

【青空朗読】友人 著者:上村 松園 読み手:水野 礼子 時間:3分4秒 03.09.2026

友人 著者:上村 松園 読み手:水野 礼子 時間:3分4秒  私にはこれという友人がなく、つきあいらしい交際もしたことがない。  昔から独りぼっちといった感じである。  女の人で当時絵を進んでやるという人もほとんどと申してよいくらい少なく、たまたまあったところで自分よりも歳下の女性と話し合う気もおこらず、また男の方だと、画学校や絵画の集会などではとにかくとして、親しく交際するということは思いも寄らなかった...

【青空朗読】烈婦 著者:高田 保 読み手:宮澤 賢吉 時間:5分2秒 02.09.2026

烈婦 著者:高田 保 読み手:宮澤 賢吉 時間:5分2秒  「世界情勢吟」と題して川柳一句をお取次ぎする。   国境を知らぬ草の実こぼれ合い  なんと立派なものではないか。ピリッとしたものが十七字の中に結晶している。ところでこれがなんと、八十三歳のお婆さんのお作なのだ、驚いていただきたい。  井上信子、とだけではわかるまい。が井上剣花坊の未亡人だといったら、なるほどと合点なさるだろう。「婦人朝日」誌上で紹...

【青空朗読】雪だるま 著者:小川 未明 読み手:中田 真由美 時間:8分12秒 01.09.2026

雪だるま 著者:小川 未明 読み手:中田 真由美 時間:8分12秒  いいお天気でありました。もはや、野にも山にも、雪が一面に真っ白くつもってかがやいています。ちょうど、その日は学校が休みでありましたから、次郎は、家の外に出て、となりの勇吉といっしょになって、遊んでいました。 「大きな、雪だるまを一つつくろうね。」  二人は、こういって、いっしょうけんめいに雪を一処にあつめて、雪だるまをつくりはじめました...

【青空朗読】列車 著者:太宰 治 読み手:凧野 頓太 時間:13分14秒 31.08.2026

列車 著者:太宰 治 読み手:凧野 頓太 時間:13分14秒  一九二五年に梅鉢工場という所でこしらえられたC五一型のその機関車は、同じ工場で同じころ製作された三等客車三輛と、食堂車、二等客車、二等寝台車、各々一輛ずつと、ほかに郵便やら荷物やらの貨車三輛と、都合九つの箱に、ざっと二百名からの旅客と十万を越える通信とそれにまつわる幾多の胸痛む物語とを載せ、雨の日も風の日も午後の二時半になれば、ピストンをはた...

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