一般社団法人 青空朗読

青空朗読

Arts JA ↓ 454 episódios

インターネット上の図書館「青空文庫」の作品を朗読する「青空朗読」は、プロのアナウンサーによる社会貢献活動としてスタートし、最近は、朗読を学ぶ一般の方々からも作品を提供していただいています。2016年5月に一般社団法人となりました。

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一般社団法人 青空朗読

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Arts

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Episódios

蠅のはなし  著者:小泉 八雲/大谷 正信 訳 読み手:水谷 ケイコ 時間:7分59秒 30.12.2025

蠅のはなし 著者:小泉 八雲/大谷 正信 訳 読み手:水谷 ケイコ 時間:7分59秒  二百年ばかり前に、京都に飾屋九兵衞という商人が居た。店は島原道の少し南の、寺町通という町にあった。下女に――若狭の国生れの――玉というが居た。  玉は九兵衞夫婦に親切に待遇されていて、誠に二人を好いているように見えていた。が、玉は他の女の子のように綺麗な著物を著ようとはしないで、休暇を貰うと、美しい著物を数敷貰っていながら、...

月日の話  著者:坂口 安吾 読み手:吉江 美也子 時間:3分2秒 29.12.2025

月日の話 著者:坂口 安吾 読み手:吉江 美也子 時間:3分2秒  歳末にコヨミをもらってページをくりつゝ新しい年を考える。  今月の歴史というところを読むと、異様な気がするのである。このことは一般の人々は気付かないことで、それが普通なのだが、小説家、特に歴史小説を書いている私などから見ると、大変奇妙に思われることが多い。  たとえば、義士の討入はころは元禄十四年極月(十二月)十四日とナニワ節にうたわれて...

寺田寅彦  著者:和辻 哲郎 読み手:宮崎 文子 時間:4分32秒 28.12.2025

寺田寅彦 著者:和辻 哲郎 読み手:宮崎 文子 時間:4分32秒 (昭和十一年)   寺田さんは有名な物理学者であるが、その研究の特徴は、日常身辺にありふれた事柄、具体的現実として我々の周囲に手近に見られるような事実の中に、本当に研究すべき問題を見出した点にあるという。ところで日常身辺の事実が示しているのは単に物理学的現象のみではなく、化学的・生理学的・動植物学的等の諸現象の複雑な絡み合いである。  寺田...

うた時計  著者:新美 南吉 読み手:西村 文江 時間:16分34秒 27.12.2025

うた時計 著者:新美 南吉 読み手:西村 文江 時間:16分34秒  二月のある日、野中のさびしい道を、十二、三の少年と、皮のかばんをかかえた三十四、五の男の人とが、同じ方へ歩いていった。  風がすこしもないあたたかい日で、もう霜がとけて道はぬれていた。  かれ草にかげをおとして遊んでいるからすが、ふたりのすがたにおどろいて、土手をむこうにこえるとき、黒い背中が、きらりと日の光を反射するのであった。 「坊、...

父 著者:芥川 龍之介 読み手:水野 久美子 時間:15分3秒 26.12.2025

父 著者:芥川 龍之介 読み手:水野 久美子 時間:15分3秒  自分が中学の四年生だった時の話である。  その年の秋、日光から足尾へかけて、三泊の修学旅行があった。「午前六時三十分上野停車場前集合、同五十分発車……」こう云う箇条が、学校から渡す謄写版の刷物に書いてある。  当日になると自分は、碌に朝飯も食わずに家をとび出した。電車でゆけば停車場まで二十分とはかからない。――そう思いながらも、何となく心がせく...

てかてか頭の話 著者:小川 未明 読み手:池戸 美香 時間:8分6秒 25.12.2025

てかてか頭の話 著者:小川 未明 読み手:池戸 美香 時間:8分6秒  ある田舎に、おじいさんの理髪店がありました。おじいさんは、もうだいぶ年をとっていまして、脊が曲がっていました。いいおじいさんなものですから、みんなに、おじいさん、おじいさんと慕われていました。  ちょうど、夏の昼過ぎのことであります。お客が一人もなかったので、おじいさんは、居眠りをしていました。  家の外には、きらきらとして暑そうに日...

博多人形  著者:竹久 夢二 読み手:松岡 初子 時間:6分38秒 24.12.2025

博多人形 著者:竹久 夢二 読み手:松岡 初子 時間:6分38秒  お磯は、可愛い博多人形を持っていました。その人形は、黒い眼と薔薇色の頬を持った、それはそれは可愛らしい人形でありましたから、お磯はどの人形よりも可愛がっていました。どこへゆく時にも傍をはなしませんでした。夜寝る時でさえ、そっと傍へ寝かしてやるほどでした。  ある日お磯は、牧場へ茅花を摘みにゆきました。やはりいつものように右の手には御気に入...

赤ずきんちゃん  著者:グリム兄弟/楠山 正雄 訳 読み手:福井 一恵 時間:15分50秒 23.12.2025

赤ずきんちゃん 著者:グリム兄弟/楠山 正雄 訳 読み手:福井 一恵 時間:15分50秒  むかし、むかし、あるところに、ちいちゃいかわいい女の子がありました。それはたれだって、ちょいとみただけで、かわいくなるこの子でしたが、でも、たれよりもかれよりも、この子のおばあさんほど、この子をかわいがっているものはなく、この子をみると、なにもかもやりたくてやりたくて、いったいなにをやっていいのかわからなくなるくら...

寒桜の話 著者:牧野 富太郎 読み手:二宮 正博 時間:13分17秒 22.12.2025

寒桜の話 著者:牧野 富太郎 読み手:二宮 正博 時間:13分17秒  カンザクラというサクラの一種があって、学名をプルーヌス・カンザクラ(prunus Kanzakura, Makino)と称する。落葉喬木で多くの枝を分かち、繁く葉をつける。高さはおよそ一丈半くらいにも成長し、幹はおよそ一尺余にも達する。  このカンザクラは、ふつうのサクラよりはずっと早く開花する。寒いときに早くも花が咲くというので、寒桜の名がある。彼岸ザクラ...

キューピー  著者:夢野 久作 読み手:室 由美子 時間:2分56秒 21.12.2025

キューピー 著者:夢野 久作 読み手:室 由美子 時間:2分56秒  アメリカ生まれのキューピーがいなくなったので、おもちゃ箱の中は大変なさわぎがはじまりました。日本のダルマさんが向う鉢巻でタワシ細工の熊に乗っていの一番に飛び出す。あとから独逸生まれのブリキの兵隊が木造りの自動車で駈け出す。仏蘭西生まれの道化人形は英国生まれのねむり人形と一緒にそのあとから走り出す。みんな出て行っておもちゃ箱は空っぽにな...

北へ行く  著者:宮本 百合子 読み手:堀江 令子 時間:5分15秒 20.12.2025

北へ行く 著者:宮本 百合子 読み手:堀江 令子 時間:5分15秒  斜向いの座席に、一人がっしりした骨組みの五十ばかりの農夫が居睡りをしていたが、宇都宮で目を醒した。ステイションの名を呼ぶ声や、乗客のざわめきで、眠りを醒されたという工合だ。窓の方を向いて窮屈に胡座をくんでいた脚を下駄の上におろしながら、精力的な伸びをした。二人づれの国学院の学生がその時入って来て、座席を物色した。車内は九分通り満員だ。...

ろくろ首  著者:小泉 八雲/田部 隆次 訳 読み手:福井 慎二 時間:31分59秒 19.12.2025

ろくろ首 著者:小泉 八雲/田部 隆次 訳 読み手:福井 慎二 時間:31分59秒  五百年ほど前に、九州菊池の侍臣に磯貝平太左衞門武連と云う人がいた。この人は代々武勇にすぐれた祖先からの遺伝で、生れながら弓馬の道に精しく非凡の力量をもっていた。未だ子供の時から劒道、弓術、槍術では先生よりもすぐれて、大胆で熟練な勇士の腕前を充分にあらわしていた。その後、永享年間(西暦一四二九―一四四一)の乱に武功をあらわし...

ひとつの火  著者:新美 南吉 読み手:緒方 朋恵 時間:3分22秒 18.12.2025

ひとつの火 著者:新美 南吉 読み手:緒方 朋恵 時間:3分22秒  わたしが子どもだったじぶん、わたしの家は、山のふもとの小さな村にありました。  わたしの家では、ちょうちんやろうそくを売っておりました。  ある晩のこと、ひとりのうしかいが、わたしの家でちょうちんとろうそくを買いました。 「ぼうや、すまないが、ろうそくに火をともしてくれ。」 と、うしかいがわたしにいいました。  わたしはまだマッチをすったこ...

火事とポチ 著者:有島 武郎 読み手:宮崎 文子 時間:31分24秒 17.12.2025

火事とポチ 著者:有島 武郎 読み手:宮崎 文子 時間:31分24秒  ポチの鳴き声でぼくは目がさめた。  ねむたくてたまらなかったから、うるさいなとその鳴き声をおこっているまもなく、真赤な火が目に映ったので、おどろいて両方の目をしっかり開いて見たら、戸だなの中じゅうが火になっているので、二度おどろいて飛び起きた。そうしたらぼくのそばに寝ているはずのおばあさまが何か黒い布のようなもので、夢中になって戸だな...

家霊  著者:岡本 かの子 読み手:松岡 初子 時間:37分9秒 16.12.2025

家霊 著者:岡本 かの子 読み手:松岡 初子 時間:37分9秒  山の手の高台で電車の交叉点になっている十字路がある。十字路の間からまた一筋細く岐れ出て下町への谷に向く坂道がある。坂道の途中に八幡宮の境内と向い合って名物のどじょう店がある。拭き磨いた千本格子の真中に入口を開けて古い暖簾が懸けてある。暖簾にはお家流の文字で白く「いのち」と染め出してある。  どじょう、鯰、鼈、河豚、夏はさらし鯨――この種の食品...

美味い豆腐の話  著者:北大路 魯山人 読み手:吉江 美也子 時間:7分32秒 15.12.2025

美味い豆腐の話 著者:北大路 魯山人 読み手:吉江 美也子 時間:7分32秒  美味い湯豆腐を食べようとするには、なんといっても豆腐のいいのを選ぶことが一番大切である。いかに薬味、醤油を吟味してかかっても、豆腐が不味ければ問題にならない。  そんなら、美味い豆腐はどこで求めたらいいか? ズバリ、京都である。  京都は古来水明で名高いところだけに、良水が豊富なため、いい豆腐ができる。また、京都人は精進料理な...

ツイテ イッタ テフテフ  著者:新美 南吉 読み手:室 由美子 時間:4分4秒 14.12.2025

ツイテ イッタ テフテフ 著者:新美 南吉 読み手:室 由美子 時間:4分4秒  マチカドデ フウセンウリノ ヂイサンガ フウセンヲ ウツテ ヰマシタ。アカヤ アヲヤ キイロヤ ムラサキヤ、イロイロナ フウセンダマハ ホホヲ スリヨセナガラ カゼノ フク ハウヘ ナビイテ ヰマシタ。  イツピキノ シロイ テフテフガ フウセンダマノ トコロヘ マイニチ トンデ キテ、イチンチヂユウ アソンデ イクノデシタ...

藤の実  著者:寺田 寅彦 読み手:水野 久美子 時間:11分4秒 13.12.2025

藤の実 著者:寺田 寅彦 読み手:水野 久美子 時間:11分4秒  昭和七年十二月十三日の夕方帰宅して、居間の机の前へすわると同時に、ぴしりという音がして何か座右の障子にぶつかったものがある。子供がいたずらに小石でも投げたかと思ったが、そうではなくて、それは庭の藤棚の藤豆がはねてその実の一つが飛んで来たのであった。宅のものの話によると、きょうの午後一時過ぎから四時過ぎごろまでの間に頻繁にはじけ、それが庭...

火の玉を見たこと  著者:牧野 富太郎 読み手:福井 一恵 時間:5分16秒 12.12.2025

火の玉を見たこと 著者:牧野 富太郎 読み手:福井 一恵 時間:5分16秒  時は、明治十五、六年頃、私はまだ二十一、二才頃のときであったろうと思っているが、その時分にときどき、高知(土佐)から七里ほどの夜道を踏んで西方の郷里、佐川町へ帰ったことがあった。  かく夜中に歩いて帰ることは当時すこぶる興味を覚えていたので、ときどきこれを実行した。すなわちある時はひとり、またある時は二人、三人といっしょであった...

鼻  著者:芥川 龍之介 読み手:西村 文江 時間:22分55秒 11.12.2025

鼻 著者:芥川 龍之介 読み手:西村 文江 時間:22分55秒  禅智内供の鼻と云えば、池の尾で知らない者はない。長さは五六寸あって上唇の上から顋の下まで下っている。形は元も先も同じように太い。云わば細長い腸詰めのような物が、ぶらりと顔のまん中からぶら下っているのである。  五十歳を越えた内供は、沙弥の昔から、内道場供奉の職に陞った今日まで、内心では始終この鼻を苦に病んで来た。勿論表面では、今でもさほど気...

どんぐり  著者:寺田 寅彦 読み手:齊藤 雅美 時間:19分36秒 10.12.2025

どんぐり 著者:寺田 寅彦 読み手:齊藤 雅美 時間:19分36秒  もう何年前になるか思い出せぬが日は覚えている。暮れもおし詰まった二十六日の晩、妻は下女を連れて下谷摩利支天の縁日へ出かけた。十時過ぎに帰って来て、袂からおみやげの金鍔と焼き栗を出して余のノートを読んでいる机のすみへそっとのせて、便所へはいったがやがて出て来て青い顔をして机のそばへすわると同時に急に咳をして血を吐いた。驚いたのは当人ばかり...

食通  著者:太宰 治 読み手:緒方 朋恵 時間:2分9秒 09.12.2025

食通 著者:太宰 治 読み手:緒方 朋恵 時間:2分9秒  食通というのは、大食いの事をいうのだと聞いている。私は、いまはそうでも無いけれども、かつて、非常な大食いであった。その時期には、私は自分を非常な食通だとばかり思っていた。友人の檀一雄などに、食通というのは、大食いの事をいうのだと真面目な顔をして教えて、おでんや等で、豆腐、がんもどき、大根、また豆腐というような順序で際限も無く食べて見せると、檀君...

哀れなトンマ先生  著者:坂口 安吾 読み手:吉江 美也子  時間:8分 08.12.2025

哀れなトンマ先生 著者:坂口 安吾 読み手:吉江 美也子  時間:8分  「漫画」という変な雑誌へオツキアイするせいではありませんが、私は、どうも、ブンナグラレルかも知れませんが、帝銀事件というものを、事の始めから、それほど凄味のある出来事だと思っていませんでした。  私が、ヒドイ奴だと思ったのは小平という先生で、この先生はイヤだった。どうにも、むごたらしくて、救いがない。まるで、それがオキマリのように...

接吻  著者:江戸川 乱歩 読み手:福井 慎二 時間:28分53秒 07.12.2025

接吻 著者:江戸川 乱歩 読み手:福井 慎二 時間:28分53秒    一  近頃は有頂天の山名宗三であった。何とも云えぬ暖かい、柔かい、薔薇色の、そして薫のいい空気が、彼の身辺を包んでいた。それが、お役所のボロ机に向って、コツコツと仕事をしている時にでも、さては、同じ机の上でアルミの弁当箱から四角い飯を食っている時にでも、四時が来るのを遅しと、役所の門を飛び出して、柳の街路樹の下を、木枯の様にテクついて...

赤いくつ  著者:ハンス・クリスティアン・アンデルセン/楠山 正雄 訳 読み手:宮崎 文子 時間:26分 06.12.2025

赤いくつ 著者:ハンス・クリスティアン・アンデルセン/楠山 正雄 訳 読み手:宮崎 文子 時間:26分  あるところに、ちいさい女の子がいました。その子はとてもきれいなかわいらしい子でしたけれども、貧乏だったので、夏のうちははだしであるかなければならず、冬はあつぼったい木のくつをはきました。ですから、その女の子のかわいらしい足の甲は、すっかり赤くなって、いかにもいじらしく見えました。  村のなかほどに、年...

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