TOKYO FM
yes!~明日への便り~ presented by ホクトプレミアム 霜降りひらたけ
風も、雨も、自ら鳴っているのではありません。 何かに当たり、何かにはじかれ、音を奏でているのです。 誰かに出会い、誰かと別れ、私たちは日常という音を、共鳴させあっています。 YESとNOの狭間で。 今週、あなたは、自分に言いましたか? YES!ささやかに、小文字で、yes!明日への希望の風に吹かれながら、自分にyes!と言ったひとたちの物語をお聴きください。
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Episodes
第五十話『ポジティブであること』-【山口篇】 写真家 林忠彦- 13.08.2016 10:21
山口県の東南部に位置する、周南市。 その街中にある周南市美術博物館には、ある写真家の記念室が設けられています。 林忠彦。 戦後の焼け跡にたくましく生きる子供たちをとらえた写真や、太宰治や坂口安吾など文豪の写真でもその名をとどろかせた、名写真家です。 彼は我が国の写真文化発展のためにも、尽くしました。 日本写真家協会設立に加わり、昭和28年には二科会に写真部を創設。 全国のアマチュア写真家の資質向上に、尽力...
第四十九話『志を貫く』-【山口篇】 吉田松陰- 06.08.2016 10:09
本州の最も西に位置する山口県。 三方を海に囲まれ、歴史と文化に彩られたこの場所は、明治維新以降、多くの政治家を輩出したところでもあります。 その流れの源にいる長州の偉人が、吉田松陰です。 山口県萩市には、今も松陰ゆかりの場所がいくつもあります。 松陰神社、誕生の地、墓地、そして国の指定史跡になっている松下村塾。 わずか8畳から始まったこの塾こそが、のちの日本をリードする多くの人物を生み出した原点になりま...
第四十八話『マイナスをプラスに転じる』-【高知篇】 ジョン万次郎- 30.07.2016 10:51
四国、高知県の最南端、足摺岬に銅像が立っています。 袴、羽織姿のその人物は、ジョン万次郎こと、中濱万次郎。 手には、コンパスと三角定規を持っています。 彼が見つめるのは、太平洋。海の先には、アメリカ大陸があります。 もともと彼は、好き好んで大好きな母がいる土佐を離れ、アメリカに渡りたいとは思っていませんでした。 海での漁を許される満14歳、初めての航海に出て、いきなり遭難してしまったのです。 無人島に流れ...
第四十七話『泥をかぶる』-【高知篇】 坂本龍馬- 23.07.2016 11:19
高知県の桂浜に立つ、坂本龍馬像は、今日も海の向こうを見つめています。 かつて土佐を治めていた、長曾我部家の最後の居城、浦戸城の本丸跡地に建てられた、龍馬の銅像に会いに来るひとは、後を絶ちません。 でも一説によれば、彼は桂浜に来たことがないのではないか、と言われています。 当時、海水浴、という風習はありませんでした。 桂浜からおよそ13キロ離れた場所に生まれ育った龍馬が、わざわざこの海岸に来る理由はなかっ...
第四十六話『弱きもののために』-【高知篇】 実業家 岩崎弥太郎- 16.07.2016 11:40
高知県安芸市の市街からおよそ3キロほど離れた場所、当時、井ノ口村と言われた場所に、三菱財閥の創業者、岩崎弥太郎の生まれた家が修復され、保存されています。 岩崎の生家は、決して裕福なものではありませんでした。 藁ぶきの平屋。 建坪も30坪あまりの質素なものです。 その土蔵の鬼瓦に、岩崎家の家紋、重ね三階菱が刻まれています。 これがのちの三菱のマーク、スリーダイヤの原型と言われています。 家の庭には、石が置い...
第四十五話『絶望の隣にある希望』-【高知篇】 漫画家 やなせたかし- 09.07.2016 11:33
高知県の東、香美市にある「やなせたかし記念館」。 ここにはやなせたかし自身が画いたタブローや貴重な絵本原画などを通して、「アンパンマン」の世界を体感できるアンパンマンミュージアムがあります。 訪れるたくさんの家族連れ。子供たちの笑い声が、興奮する声が、館内に響いています。 やなせたかしの父方の実家は、高知県香美市に300年続く旧家でした。 幼くして父を亡くした彼は、高知県の南国市で開業医をしている伯父の...
第四十四話『孤高であること』-【高知篇】 政治家 吉田茂- 02.07.2016 11:02
かつて5回も内閣総理大臣に任命された、宰相、吉田茂。 彼が父のふるさと高知から、初めて衆議院選挙に出馬したときのことです。 冬の冷たい風が吹いていました。 吉田は元来、選挙が嫌いで、演説も苦手だったといいます。 仕方なく街頭に立って、演説しようとすると、聴衆から野次が飛びました。 「おい!オーバーを脱げよ!」 とっさに吉田は、こう切り返します。 「うるさい!これが本当の、ガイトウ演説だ!」 このダジャレに...
第四十三話『自分の第一義を知る』-【軽井沢篇】 劇作家 岸田國士- 25.06.2016 11:34
劇作家・岸田國士(きしだ・くにお)は、1931年、41歳のときに、北軽井沢の大学村に別荘を建てました。 オランダの農家を思わせる、山荘でした。 彼は、軽井沢の自然をこよなく愛しました。 浅間山を愛で、山羊や羊を飼い、夏のみならず、一年を通して野山に戯れたのです。 彼が書いた『北軽井沢にて』という文章には、彼の想いがあふれています。 『一年の大部分を山で暮してゐる私は、季節の足音に耳をすます習慣がいつの間にか...
第四十二話『ジョン・レノンからもらったyes!』-【軽井沢篇】 ジョン・レノン- 18.06.2016 15:49
今月は、軽井沢にまつわるひとたちのyes!の便りをお届けしていますが、今週は、私、長塚圭史が軽井沢を訪ね、ジョン・レノンの足跡を辿りながらyes!に出会う旅を、お届けいたします。 ジョンが亡くなる前に、平和でおだやかで何物にも代えがたい珠玉の時間を過ごした、軽井沢。 駅に降り立った途端、他のどこでもない空気が鼻孔をくすぐります。 「ここは特別な場所だ」。なぜかそれが納得できます。 これから出会う、ジョン・レ...
第四十一話『弱さは優しさ』-【軽井沢篇】 作家 遠藤周作- 11.06.2016 12:18
作家・遠藤周作が、軽井沢に堀辰雄を訪ねたのは、昭和19年、21歳のときでした。 堀辰雄は肺を病み、入院していました。 ベッドサイドで話し込む二人。 慶應義塾大学文学部予科の学生だった遠藤にとって、堀とのひとときは、暗い戦時中での唯一の安らぎでした。 軽井沢の空気もまた、救いでした。 爽やかに吹き抜ける風。木々の匂い。野鳥のさえずり。 そしてもう一つ、遠藤周作が軽井沢に魅かれた理由があったとすれば、それはキリ...
第四十話『寄り添う心』-【軽井沢篇】 政治家 田中角栄- 04.06.2016 10:56
石原慎太郎が田中角栄に成り代わって書いたと言われている『天才』という小説が、ベストセラーになっています。 今、また巻き起こっている角栄の波。 黒い金にまみれたイメージのその一方で、戦後の日本政治を変えた稀代の政治家として、語り継がれてる人。 田中角栄は、軽井沢に3つの別荘を持っていました。 その額は、およそ4億7千万と言われています。 彼にとって軽井沢は、成功のシンボル。 軽井沢に別荘を持つことは、頂点の...
第三十九話『満身の力をこめて』-【京都篇】 作家 夏目漱石- 28.05.2016 12:52
今年、没後100年を迎えた、夏目漱石には、京都を舞台にした作品があります。 『虞美人草』。 虞美人草とは、ヒナゲシのこと。 真っ赤で妖艶な花が特徴です。 漱石は小説に出てくる、自己愛の強い利己的な女性に、その花の強烈な個性を重ね合わせました。 利己的であることと、己を律する道徳心。 その対立が物語の拮抗を生んでいます。 この小説を書いたのは、明治40年、1907年です。 この年の3月、漱石は、勤めていた東京帝国大学...
第三十八話『真似る、捨てる、遊ぶ』-【京都篇】 画家 伊藤若冲- 21.05.2016 12:03
今年、生誕300年を迎えた、江戸時代の画家、伊藤若冲。 21世紀から始まった若冲人気はとどまるところを知らず、さまざまな場所で展覧会が開かれ、連日多くのひとが訪れています。 彼は京都の中心地、錦小路の青物問屋に生まれました。 京のひとが「錦」と呼ぶ錦市場には、今もたくさんのお店が連なっています。 彼の生まれた家は、青物問屋でした。 青物問屋とは、各地の生産者から野菜や果物を買い取り、それを仲買人に売るという...
第三十七話『寄り添う心』-【京都篇】 建築家 ブルーノ・タウト- 14.05.2016 10:56
京都市西京区、桂にある『桂離宮』。 心地よい初夏の風が吹き抜けるこの場所の素晴らしさを世界に広めた外国人建築家がいます。 ブルーノ・タウト。 彼は53歳のとき、初めて日本を訪れました。 そのとき桂離宮の庭を眺め、こんなふうに書き記しました。 「ここに繰り広げられる美しさは、すぐれた芸術の美に他ならない。本当に偉大な芸術作品に巡り合うと、涙はおのずとあふれだす」 桂離宮は、江戸時代に皇族の別邸として建てられ...
第三十六話『目に見えないものを観る』-【京都篇】 物理学者 湯川秀樹- 07.05.2016 10:12
1947年、昭和22年。 戦争が終わり、統治下にあった日本において、国民を元気づけるニュースが舞い込みました。 湯川秀樹、ノーベル物理学賞受賞! 日本人初めてのノーベル賞でした。 湯川秀樹は、1907年、東京に生まれましたが、地質学者だった父が京都帝国大学の教授に就任したので、1歳で京都に移り住みます。 「私の記憶は京都に移った後から始まる。やはり京都が私の故郷ということになるのかもしれない」 そう書いています。...
第三十五話『影を濃く描く』-【京都篇】 映画監督 山中貞雄- 30.04.2016 10:47
山中貞雄という映画監督をご存知でしょうか? 黒澤明や小津安二郎、後には、山田洋次や新藤兼人にも影響を与えた映画界の宝。 1909年11月8日生まれですから、1910年3月23日生まれの黒澤明とは、同年代ですが、なぜ彼の作品があまり知られていないのか。 その理由は何より、彼が若くしてこの世を去ったことに起因しています。 1937年、山中が監督した『人情紙風船』の封切り当日に召集令状が届き、彼は中国に出征しました。 中国各...
第三十四話『昨日の自分を捨てる』-【京都篇】 アーティスト デヴィッド・ボウイ- 23.04.2016 10:44
今年1月に亡くなったイギリスのアーティスト、デヴィッド・ボウイ。 彼は相当な日本好きで知られていました。 特に京都は、彼にとって、イマジネーションの宝庫であり、心を無に戻す大切な場所だったと言われています。 1979年12月。底冷えのする京都市北区西賀茂に、彼の姿がありました。 デヴィッド・ボウイ、32歳。 比叡山を借景にした枯山水の庭を前に、静かに座る金髪の男。 この禅寺、正伝寺をCMの撮影場所に選んだのは、彼...
第三十三話『角を捨てない』-【京都篇】 芸術家 北大路魯山人- 16.04.2016 10:24
「器は、料理の着物」という有名な言葉を残した、北大路魯山人は、京都市上賀茂北大路町に生まれました。 陶芸家、画家、篆刻家、料理家、美食家。 彼を表す言葉はさまざまですが、ひとことでいえば、当代きっての芸術家。 その多様さ、作品の多さ、領域の深さは、他に類をみません。 今もなお、ひとびとをひきつけてやまない、彼のチカラ。 しかし、旺盛な創作欲の中、彼には常に悪評がつきまとっていました。 傲慢、横柄、虚栄。...
第三十二話『世界を変えるためには』-【京都篇】 作家 三島由紀夫- 09.04.2016 11:05
「世界を変貌させるのは、決して認識なんかじゃない。世界を変貌させるのは、行為なんだ。それだけしかない」。 三島由紀夫は、名作『金閣寺』の中で、主人公にそう言わせました。 まさしくこの言葉こそ、三島由紀夫の根幹だったに違いありません。 認識するより、動く、行動するということ。 京都市北区にある鹿苑寺、通称、金閣寺は、今日も春の陽射しを跳ね返し、その輝きを留めています。 鎌倉時代の公卿(くぎょう)、西園寺...
第三十一話『相反するものを留める強さ』-【京都篇】 喜劇王 チャーリー・チャップリン- 02.04.2016 11:45
「ユーモアとは、哀しみに裏打ちされたおかしみです」。 そんな言葉を残した世界の喜劇王、チャーリー・チャップリン。 彼は、親日家として知られています。 二度目に日本にやってきたのは、1936年。 そのとき、初めて京都を訪れています。 『鴨川をどり』を堪能して、円山公園を散歩し、宿泊したのは、創業1818年の『柊家』。 川端康成も定宿にしていた格式ある老舗旅館です。 宿のひとは、チャップリンの印象をこんなふうに語っ...
第三十話『軽井沢駅からの便り』-駅が見守ってきた歴史- 26.03.2016 11:40
軽井沢駅の北口に、レトロな赤い屋根の建物があります。 旧軽井沢駅舎記念館。 長野新幹線開通にともない、取り壊された旧駅舎を再建したものです。 1階は展示室。2階には歴史記念館があり、かつての1番線ホームには、電気機関車が展示してあります。 明治26年に碓氷峠を越えて開通した信越本線。 トンネルが26個もあるので、機関車では煤煙被害が深刻でした。 明治45年に、ようやく電化して走るようになったのが、このEC40型電気...
第二十九話『自分を掘りだす』-作家・志賀直哉- 19.03.2016 10:11
軽井沢が、今のような避暑地として注目されてから、今年でおよそ130年。 明治から大正、昭和と、数々の作家、芸術家がこの地に足を踏み入れ、愛しました。 古くは、森鴎外や正岡子規が、歩いて、あるいは馬車がひく鉄道で碓氷峠を越えてきました。 1893年、明治26年に電気機関車が走るようになると、さらに多くの文人がやってきました。 徳富蘆花、尾崎紅葉、田山花袋。そしてその中に、志賀直哉もいました。 彼は、最初は旅人とし...
第二十八話『書き続ける力』-作家・辻邦生- 12.03.2016 11:06
作家、辻邦生の軽井沢の別荘は、軽井沢高原文庫に寄贈されました。 旧軽井沢にあった木造の家を設計したのは、磯崎新。 彼の作品の中でも名作の誉れが高い建築で知られています。 フランス文学者であり、西欧の影響を受けた芸術性の高い小説で有名な作家・辻邦生は、軽井沢を愛しました。 フランス留学から帰国した、39歳の夏。 初めて訪れて以来、夏は必ず貸別荘で過ごすようになりました。 51歳のとき、ついに別荘を購入。執筆は...
第二十七話『自然に映るもの』-詩人・北原白秋- 05.03.2016 10:52
軽井沢の森に響く、鳥のさえずり。 そして湯川のせせらぎの音。ここには、静謐(せいひつ)な風が吹いています。 星野温泉の入口あたりに、ある詩が刻まれた石碑があります。 「からまつの林を過ぎて、からまつをしみじみと見き。 からまつはさびしかりけり。たびゆくはさびしかりけり」 『落葉松』というその詩を書いたのは、日本の近代文学に多大な影響を与えた詩人、北原白秋。 彼は、1921年の夏、星野温泉で開かれた自由教育夏...
第二十六話『人がやらぬことをやる』-実業家・政治家 堤康次郎- 27.02.2016 10:59
軽井沢、千ヶ滝温泉。 この地の別荘を見渡す丘に、ある銅像があります。 千光稲荷神社の近く、参道横の並木道の先にあるのは、堤康次郎の像です。 台座に刻まれた文字は、元総理大臣の佐藤栄作によるもの。 緑の中に威厳を持って立っている銅像は、右手にステッキを持ち、左手はポケットに入れています。 西武グループの創始者にして、衆議院議員、「ピストル堤」の異名を持つ、日本の風雲児。 異名を知っている人には、左手のポケ...
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