TOKYO FM
yes!~明日への便り~ presented by ホクトプレミアム 霜降りひらたけ
風も、雨も、自ら鳴っているのではありません。 何かに当たり、何かにはじかれ、音を奏でているのです。 誰かに出会い、誰かと別れ、私たちは日常という音を、共鳴させあっています。 YESとNOの狭間で。 今週、あなたは、自分に言いましたか? YES!ささやかに、小文字で、yes!明日への希望の風に吹かれながら、自分にyes!と言ったひとたちの物語をお聴きください。
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Episodes
第百二十五話『理解して、共感する』-【三重篇】国学者 本居宣長- 20.01.2018 12:35
伊勢国松坂に、日本人の古き良き心を大切にした、国学者がいました。 本居宣長(もとおり・のりなが)。 彼は『古事記』の研究に取り組み、三十有余年、注釈書『古事記伝』をまとめあげました。 それ以外にも『源氏物語』の中の「物のあはれ」という価値観に着目。 日本人が決して忘れてはならないものを必死で守ろうとしたのです。 彼が生きた江戸時代中期は、仏教や儒教などの外来文化が、盛んに取り入れられていきました。 外の...
第百二十四話『全力で投げ込む』-【三重篇】元巨人軍投手 沢村栄治- 13.01.2018 14:02
伊勢神宮にもほど近い、近鉄・宇治山田駅。 そのほぼ正面に位置するのが、明倫商店街です。 この商店街で生まれた、伝説の野球選手がいます。 球速160キロにも及ぶ剛速球でベーブ・ルースを三振にとり、巨人軍創成期のエースとして活躍、27歳で戦争に散った悲劇のヒーロー、沢村栄治。 その背番号『14』は、今も永久欠番として語り継がれ、毎年素晴らしい投手に贈られる「沢村賞」という名誉ある賞に、その名を留めています。 昨年...
第百二十三話『日本人が忘れてはならないこと』-【三重篇】映画監督 小津安二郎- 06.01.2018 12:23
今年は、日本映画を牽引した名匠・小津安二郎監督の、生誕115年、没後55年にあたります。 日本人のささやかで優しい心を丁寧に描いた映画は、いつの時代にも古びてしまうことがなく、むしろ日本人の原点を気づかせてくれます。 小津は、映画監督になる前、1年だけ代用教員をしていました。 場所は、三重県松阪市。父は、伊勢商人「小津三家」のひとつの6代目でした。 映画監督になりたいという息子の目を覚まさせようと、実家に住...
第百二十二話『探し続ける』-【鹿児島篇】脚本家・作家 向田邦子- 30.12.2017 13:24
来年1月、向田邦子原作の『春が来た』が、再びドラマ化されます。 1982年に松田優作も演じたこの作品は、51歳で亡くなった彼女の絶筆と言われています。 飛行機事故で突然この世を去った向田邦子。 彼女の遺品は、かごしま近代文学館に寄贈されました。 寄贈を決めた時、彼女の母はこう言いました。 「鹿児島に、嫁入りさせよう」 保険会社に勤める父の転勤で全国を転々としましたが、向田にとって、小学3年生から小学5年生までの...
第百二十一話『感動は心の扉を開く』-【鹿児島篇】児童文学作家 椋鳩十- 23.12.2017 12:42
今年、没後30年を迎えた、鹿児島県にゆかりのある児童文学作家がいます。椋鳩十(むく・はとじゅう)。 小学校の教科書に今も採用されている『大造じいさんとガン』は、年老いた狩人と、ガンという鳥の頭脳戦を描いた童話です。 大造じいさんは、いつも正々堂々と戦おうとするガンの頭領に感動して、姑息な戦略を仕掛けていた自分を恥じます。 この物語の舞台は、椋鳩十が愛した鹿児島。 彼は、鹿児島で暮らすことで、動物や自然と...
第百二十話『人を愛し、運命を呼び込む』-【鹿児島篇】西郷隆盛- 16.12.2017 13:51
来年、明治維新から150年を迎えます。 幕末の動乱を生き抜いた偉人は数多くいますが、今あらためて、最も注目を集めそうな人物のひとりに、鹿児島出身の西郷隆盛がいます。 最後の侍と言われる西郷は、実に謎の多い人物です。 まず、写真嫌い、あるいは写真を撮る機会がなかったので、姿かたちがわからない。 彼を知る人物が描いた肖像画が、頼りなのです。 身長178センチ、体重110キロ、目はギョロっとしていて、黒目が大きい、犬...
第百十九話『自分の人生に決着をつける』-【鹿児島篇】歴史小説家 海音寺潮五郎- 09.12.2017 13:28
今年、没後40年を迎えた、鹿児島県出身の直木賞作家がいます。 海音寺潮五郎(かいおんじ・ちょうごろう)。 上杉謙信の魅力を世に知らしめた傑作『天と地と』は、1969年、NHK大河ドラマの初めてのカラー作品の原作になりました。 石坂浩二演じる謙信は、圧倒的な存在感を放ち、最高視聴率32.4%。 海音寺の歴史小説家としての地位も、不動のものと思われました。 ところがそんな絶頂期、「私は今後一切、仕事は受けません」と、突...
第百十八話『独自のスタイルを貫く』-【鹿児島篇】画家 東郷青児- 02.12.2017 13:58
鹿児島県出身の画家、東郷青児(とうごう・せいじ)は、今年、生誕120周年を迎えました。 柔らかい曲線と独特の色使いで描かれた美人画は、オリジナリティにあふれ、ひと目見ただけで、それが東郷青児の作品であることがわかります。 彼は、わかりやすさを大切にしました。 夢見るように目を閉じる女性の絵は、本や雑誌の表紙を飾り、包装紙や喫茶店のマッチにまで採用され、「この絵は、芸術なのか?」と揶揄されたこともありまし...
第百十七話『子どもの心を取り戻す』-【青森篇】絵本作家 馬場のぼる- 25.11.2017 15:11
青森県三戸町は、県の南に位置する、のどかな城下町です。 紅玉リンゴの産地として知られるこの町に生まれた、絵本作家がいます。 馬場のぼる。 彼の大人気シリーズ『11ぴきのねこ』は、今年、誕生50周年を迎えました。 とらねこ大将と10ぴきののらねこたちの愉快な冒険物語は、世代を超え、多くのひとに愛され続けています。 三戸町の文化福祉複合施設、通称 アップルドームには、『ほのぼの館』という馬場のぼるの記念館がありま...
第百十六話『見えない目で、見る』-【青森篇】板画家 棟方志功- 18.11.2017 14:04
青森県青森市にある棟方志功記念館は、青森が生んだ世界に誇る板画家、棟方志功の文化勲章受章を讃え、その偉業をのちのひとたちに伝えるために、1975年、昭和50年に開館しました。 建物は、校倉づくり。大切な宝物を後世に残す東大寺正倉院と同じつくりです。 記念館を校倉づくりにしたことに、青森のひとたちが、いかに棟方志功の作品を大事にしているかがわかります。 棟方にとって、青森に生まれ育ったということは、とても大...
第百十五話『哀しみに向き合う』-【青森篇】画家 シャガール- 11.11.2017 12:56
青森県にある日本最大級の縄文時代の集落跡地「三内丸山遺跡」。 その広大な草原に隣接するのが、白い瀟洒(しょうしゃ)な建物、青森県立美術館です。 青森の豊かな自然が育んだ、個性的な作家たちの作品がゆっくり味わえます。 その美術館の、ある有名なホール。 それを観るためだけに全国、いや世界中からひとがやってくる、知る人ぞ知る稀有な展示室です。 その名は、「アレコホール」。 20世紀を代表する画家、ロシア出身のマ...
第百十四話『一秒の退屈もいらない!』-【青森篇】劇作家 寺山修司- 04.11.2017 14:16
先月公開された映画『あゝ、荒野』は、前編と後編を合わせると5時間にも及ぶ大作でした。 映画の舞台は、東京オリンピックが終わったあとの、2021年の新宿。 少年院あがりの主人公と、吃音(きつおん)で対人恐怖症の男が、共にボクシングの世界にのめり込んでいく話には、現代の日本が抱える闇が赤裸々に描かれていました。 この原作を書いたのは、寺山修司。 寺山が、1966年に書いた唯一の長編小説です。 50年以上の時を経て、自...
第百十三話『自分の五感を信じる』-【大阪篇】作家 司馬遼太郎- 28.10.2017 14:09
この夏公開された映画『関ケ原』の原作者は、国民的な作家、司馬遼太郎です。 複雑な人間関係や入り組んだ政治や軍事を、わかりやすい平易な文体で描き、壮大な人間ドラマを具現化しました。 『竜馬がゆく』『坂の上の雲』『街道をゆく』など、数多くの名作を世に残した司馬は、大阪府大阪市に生まれました。 東大阪市にある司馬遼太郎記念館は、彼のかつての自宅と、安藤忠雄設計の建物で構成されています。 司馬が愛した雑木林の...
第百十二話『自分の中に毒を持つ』-【大阪篇】芸術家 岡本太郎- 21.10.2017 13:14
大阪の吹田市にある万博記念公園は、日本万博博覧会、いわゆる大阪万博の跡地です。 万博が開かれたのは、1970年。 183日という開催期間に、大阪、千里丘陵に訪れたひとは、のべ6千万人以上。 1964年の東京オリンピックに次ぐ、日本高度経済成長の象徴でした。 テーマは「人類の進歩と調和」。 しかし、このテーマに真向から反対したひとがいました。 しかもそのひとは、大阪万博のシンボルのデザインを担っていたのです。 彼の名...
第百十一話『震える弱いアンテナを大切にする』-【大阪篇】詩人 茨木のり子- 14.10.2017 13:42
1926年、大正15年に大阪で生まれた詩人、茨木のり子(いばらぎ・のりこ)は、マスコミ嫌いで、ラジオやテレビへの出演をほとんど断っていました。 当時、NHKのアナウンサーだった山根基世は、自らが担当していた『土曜ほっとタイム』というラジオ番組の最終回に、茨木のり子に出てほしいと思いました。 山根は憧れのひとに手紙を書きました。 「詩の朗読をはさみつつ、ぜひ、お話を聞かせていただきたい」。 茨木は、出演を快諾し...
第百十話『負けず嫌いという才覚』-【大阪篇】将棋棋士 坂田三吉- 07.10.2017 13:31
毎年秋に開催されている、大阪新世界・通天閣の将棋まつり。 将棋を指す子どもたちの真剣な表情。 盤をのぞき込む大人たちの優しい眼差し。 中学生、藤井聡太四段の活躍は将棋界の追い風になり、将棋を習う子どもたちも増えたと言われています。 今から130年以上前に、将棋の虜になった少年がいました。 反骨の棋士、坂田三吉。 彼は貧しさの中から、天賦の才と努力により大阪将棋界の英雄になりました。 その破天荒で、エピソード...
第百九話『弱気は最大の敵』-【広島篇】元広島カープ投手 津田恒美- 30.09.2017 13:54
9月18日、プロ野球セ・リーグでは、広島東洋カープが2年連続8度目の優勝を決めました。 カープの連覇は37年ぶりで2度目。 セ・リーグで複数回の連覇は、巨人に次いで2球団目で、2年続けることがいかに困難であるかを物語っています。 優勝を決めた阪神甲子園球場は、カープを応援する「赤」で埋め尽くされていました。 原爆によって焦土と化した広島という街に、わずか4年でつくりあげられた球団は、「広島市民に元気と勇気を届け...
第百八話『未知の領域を目指す』-【広島篇】小説家 松本清張- 23.09.2017 13:56
今年、没後25年を迎えた作家・松本清張には、北九州市小倉生まれという説と、広島県広島市生まれという説の二つがあります。 真偽のほどは藪の中ですが、自身のインタビューで、出生届が出されたのは小倉だが、生まれたのは広島だと答えたと言われています。 松本清張の父は、鳥取県生まれ。 郷里を出て広島県の警察部長の家で書生になったり、広島の病院で看護助手をするなど、職を転々としていました。 母は広島生まれで、紡績工...
第百七話『志をつなぐということ』-【広島篇】児童文学者 鈴木三重吉- 16.09.2017 13:52
日本児童文学の父と呼ばれる、鈴木三重吉(すずき・みえきち)は、広島市に生まれました。 生誕の場所には現在、大手家電量販店の本店が建っていますが、三重吉への敬意を表し、壁面にここが生誕の地であるというプレートが飾られています。 さらに原爆ドームの近くには、彼の文学碑があり、彫像の左肩には、小さな鳥がのっています。 『赤い鳥』は、彼が後半生の魂を込めた文学史に残る児童文学雑誌。 彼は、夢の翼を持った赤い鳥...
第百六話『垣根を取り払う』-【広島篇】革命家 チェ・ゲバラ- 09.09.2017 14:27
8月、東京・恵比寿で、ある写真展が開催されていました。 『写真家 チェ・ゲバラが見た世界』。 キューバ革命の立役者、チェ・ゲバラは、革命家であるとともに、文筆家であり、写真家でした。 その写真展の中で、ひときわ多くのひとが集まる写真。 それは、ゲバラが31歳のときに撮影した、広島の原爆ドームです。 遠景の中央に位置する原爆ドームは、一見、風景の一部に溶け込んでいるようにも見えますが、ゲバラの特別な思いが感...
第百五話『己を信じる』-【広島篇】女優 杉村春子- 02.09.2017 14:19
広島市出身の大女優が、今年、没後20年を迎えました。 日本演劇界を支え続けてきたカリスマ的女優、杉村春子。 広島に生まれ、広島に育った彼女は、築地小劇場の入団試験を受けたとき、試験官の演出家・土方与志(ひじかた・よし)にこう言われました。 「キミは、ひどい広島訛りだねえ」。 自分では気づかぬほど、ふるさとの言葉は体に沁みついていました。 試験に落ちたと思いましたが、 「使い物になるかどうかはわからないけど...
第百四話『自分にできることを追い求めて』-【盛岡篇】宮沢賢治- 26.08.2017 14:23
岩手県盛岡市を流れる北上川。 その向こうにそびえる岩手山の美しい稜線は、観るひとの心にやすらぎを与えます。 北上川に架かる旭橋を渡ると、「いーはとーぶアベニュー」があります。 イーハトーブ。岩手に存在すると考えられた理想郷。 それを考えたのが、明日8月27日が誕生日の、宮沢賢治です。 この通りは、詩人、童話作家、教師、農業指導者、地質学者、音楽家、さまざまな肩書を持つ、岩手が生んだ唯一無二の存在、宮沢賢治...
第百三話『かぶりついて仕事せよ!』-【盛岡篇】彫刻家 舟越保武- 19.08.2017 14:30
岩手県盛岡市にある『盛岡てがみ館』では、10月9日まで、岩手が誇る芸術家の企画展が行われています。 「舟越保武(ふなこし・やすたけ)の手紙」。 無数の書簡には、日本を代表する彫刻家、舟越保武の創作への苦悩や情熱、意気込みや逡巡が綴られています。 注文を受けても、なかなか思うように制作が追い付かないことを詫びる手紙には、彼の誠実で繊細な人柄が偲ばれます。 『お手紙いただきました。大変ご迷惑をおかけしている...
第百二話『失敗を尊ぶ』-【盛岡篇】画家 萬鐵五郎- 12.08.2017 14:06
岩手県盛岡駅から車で10分ほどのところに、近代的な美術館があります。 岩手県立美術館。 ひとたび中に入れば、そこは欧米のミュージアムのような佇まい。 広いエントランスに緩やかなスロープは、開放的な空間を演出しています。 庭に敷き詰められた芝の緑、そして、ひっそりと置かれたテーブルや椅子は、まるでそれ自体がオブジェのように、来館するひとを待っています。 美術館の中には、郷土ゆかりの作家たちの作品。 夭折(よ...
第百一話『覚悟を持つということ』-【盛岡篇】言語学者 金田一京助- 05.08.2017 14:02
岩手県盛岡市の中心部を流れる、中津川。 その川沿いにユニークな施設があります。 『盛岡てがみ館』。 盛岡にゆかりのある作家や著名人の直筆の手紙や原稿、日記などが展示されています。 字は、ひとを表す。 宮沢賢治や後藤新平の字を見ていると、彼らのひととなりが見えてくるような気がします。 展示された手紙の中で、ひときわ異彩を放つ書簡があります。 3メートルにも及ぶ、長い長い手紙。 それを書いたのは、盛岡に生まれ...
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