一般社団法人 青空朗読
青空朗読
インターネット上の図書館「青空文庫」の作品を朗読する「青空朗読」は、プロのアナウンサーによる社会貢献活動としてスタートし、最近は、朗読を学ぶ一般の方々からも作品を提供していただいています。2016年5月に一般社団法人となりました。
Where to listen?
Podcasts in the app Replaio Radio Coming soonPodcasts are coming to the app soon. Install now and be the first to see a whole new take on podcasts
Episodes
ア、秋 著者:太宰 治 読み手:中村 昭代 時間:6分52秒 11.02.2026 6:52
ア、秋 著者:太宰 治 読み手:中村 昭代 時間:6分52秒 本職の詩人ともなれば、いつどんな注文があるか、わからないから、常に詩材の準備をして置くのである。 「秋について」という注文が来れば、よし来た、と「ア」の部の引き出しを開いて、愛、青、赤、アキ、いろいろのノオトがあって、そのうちの、あきの部のノオトを選び出し、落ちついてそのノオトを調べるのである。 トンボ。スキトオル。と書いてある。 秋になる...
小ぐまさんのかんがへちがひ 著者:村山 籌子 読み手:小川 幸香 時間:4分57秒 10.02.2026 4:57
小ぐまさんのかんがへちがひ 著者:村山 籌子 読み手:小川 幸香 時間:4分57秒 ある日小ぐまさんが路ばたであそんでゐますと、お猫さんが通りがゝりました。お猫さんは、ふところから 赤いものをとりだして 「小ぐまさん、これなんだか知つてる?」とききました。小ぐまさんは 一目みて、それがほゝづきだとわかりましたので、 「あら、いゝのね。ひとつでいいから下さいな。」といひました。 「まあ、ひとつ下さいですつて...
武ちゃんと昔話 著者:小川 未明 読み手:田中 淑恵 時間:8分4秒 09.02.2026 8:04
武ちゃんと昔話 著者:小川 未明 読み手:田中 淑恵 時間:8分4秒 この夏休みに、武ちゃんが、叔父さんの村へいったときのことであります。 ある日、村はずれまで散歩すると、そこに大きな屋敷があって、お城かなどのように、土塀がめぐらしてありました。そして、雨風にさらされて古くなった門が、しめきったままになって、内には、人が住んでいるとは思われませんでした。 「どうしたんだろうか。」と、武ちゃんは、不思議...
小説の面白さ 著者:太宰 治 読み手:なべさん 時間:4分27秒 08.02.2026 4:27
小説の面白さ 著者:太宰 治 読み手:なべさん 時間:4分27秒 小説と云うものは、本来、女子供の読むもので、いわゆる利口な大人が目の色を変えて読み、しかもその読後感を卓を叩いて論じ合うと云うような性質のものではないのであります。小説を読んで、襟を正しただの、頭を下げただのと云っている人は、それが冗談ならばまた面白い話柄でもありましょうが、事実そのような振舞いを致したならば、それは狂人の仕草と申さなけ...
サルト サムライ 著者:新美 南吉 読み手:室 由美子 時間:3分1秒 07.02.2026 3:01
サルト サムライ 著者:新美 南吉 読み手:室 由美子 時間:3分1秒 五ニンノ サムライガ タビヲ シテ アル ヒ ヤマミチヲ トホリカヽルト、木ノ 下ニ 一ピキノ サルガ ヰマシタ。 「アノ サルヲ キラウ。」 「サウダ、ワタシガ キル。ワタシハ モウ 一ツキアマリ カタナヲ ヌカナイノデ、ウデガ ムヅムヅスル。」 「イヤ、ワタシガ キル。ワタシノ カタナハ ヨク キレル。」 「ダメダ ダメダ、キミラ...
心は大空を泳ぐ 著者:小川 未明 読み手:池戸 美香 時間:7分26秒 06.02.2026 7:26
心は大空を泳ぐ 著者:小川 未明 読み手:池戸 美香 時間:7分26秒 いまごろ、みんなは、たのしく話をしながら、先生につれられて、知らない道を歩いているだろうと思うと、勇吉は自分から進んで、いきたくないと、こんどの遠足にくわわらなかったことが、なんとなく残念なような気がしました。 しかし、家のようすがわかっているので、このうえ、父や母に、心配をかけたくなかったのでした。 「おまえがいきたいなら、お父...
女の学校 著者:宮本 百合子 読み手:宮崎 文子 時間:11分2秒 05.02.2026 11:02
女の学校 著者:宮本 百合子 読み手:宮崎 文子 時間:11分2秒 女学校しか出ていない日本の女性に、「学生生活」の思い出というようなものがあるだろうか。女学校というところは、中学校とさえもちがって、いかにも只少女時代という大ざっぱな思い出の中にくり入れられてしまうような気がする。卒業してからの生活も、私たちの時代の娘たちはみんな夫々親の選択による結婚で、すっかり事情がちがってしまうから、友情さえも永...
茄子畑 著者:片山 廣子 読み手:齋藤 こまり 時間:6分30秒 04.02.2026 6:30
茄子畑 著者:片山 廣子 読み手:齋藤 こまり 時間:6分30秒 はがきを出さうと思つて、畑道を通つて駅前のポストの方に歩いて行つた。まだこの辺は家が二三軒建つただけで以前のままの畑である。夕日が真紅く空をそめて、高井戸駅の方から上り電車が走つてくる音がする。いつも通るうら道なのだが、今日はどうしたはづみか五年前のある夕方を思ひ出してしまつた。 昭和二十一年ごろの初秋であつたらうか、茄子の畑の出来事で...
期待と切望 著者:宮本 百合子 読み手:福井 一恵 時間:4分59秒 03.02.2026 4:59
期待と切望 著者:宮本 百合子 読み手:福井 一恵 時間:4分59秒 音楽に対しては全く素人であって、しかも音楽についてはある興味をもっているものの一人として、私は日本の将来の音楽的発達について少なからず希望を抱い ております。音楽上の創造力も技術も、これから十五年の後はおどろくべき進歩があるでしょう。然し、この期待の一面には、今日の音楽のおかれている複雑な 社会の事情や音楽界の伝統習慣が、既に十分その...
ならずもの 著者:グリム/矢崎 源九郎 訳 読み手:水野 久美子 時間:9分23秒 02.02.2026 9:23
ならずもの 著者:グリム/矢崎 源九郎 訳 読み手:水野 久美子 時間:9分23秒 オンドリがメンドリにいいました。 「もうクルミがうれる時期になったよ。どうだい、いっしょに山へいって、思いきり食べてこようじゃないか。まごまごしていると、リスのやつにみんなもっていかれちまうからね。」 「けっこうね。」 と、メンドリがこたえました。 「いきましょうよ。ふたりでたのしんできましょうね。」 そこで、ふたりはいっ...
生まれ変った赤坂離宮 著者:中井 正一 読み手:吉江 美也子 時間:5分55秒 01.02.2026 5:55
生まれ変った赤坂離宮 著者:中井 正一 読み手:吉江 美也子 時間:5分55秒 二つの足で立つようになるために、人間は二十万年もころんでは立ち、ころんでは立ちしたんだろう。そして、手が自由になったとき、どんな気持ちがしただろう。 ものをつかんで、土の上に立った人間のすがた。今はあたりまえのことだが、このあたりまえのことを、何十万年も努力した人間の勝利の記録であることを思ってみる人が、今地球上で何人いる...
子どものすきな神さま 著者:新美 南吉 読み手:緒方 朋恵 時間:4分14秒 31.01.2026 4:14
子どものすきな神さま 著者:新美 南吉 読み手:緒方 朋恵 時間:4分14秒 子どものすきな小さい神さまがありました。いつもは森の中で、歌をうたったり笛をふいたりして、小鳥やけものと遊んでいましたが、ときどき人のすんでいる村へ出てきて、すきな子どもたちと遊ぶのでした。 けれどこの神さまは、いちどもすがたをみせたことがないので、子どもたちにはちっともわかりませんでした。 雪がどっさりふったつぎの朝、子...
箱の中のあなた 著者:山川 方夫 読み手:松岡 初子 時間:13分53秒 30.01.2026 13:53
箱の中のあなた 著者:山川 方夫 読み手:松岡 初子 時間:13分53秒 「あの、失礼ですが」 なめらかな都会ふうの男の声がいった。彼女は、臆病と疑惑とがいっしょになったようなぎごちない様子で、立ち止った。 丘の上は、すばらしい夕焼けで赤く染っていた。馬の背のような地面に、まばらな木が細長い影をつくっていた。 「いい景色ですねえ、ほんとに。……これ、なんの木です?」 なれなれしく、この地方だけに生えてい...
どろぼう猫 著者:夢野 久作 読み手:水谷 ケイコ 時間:5分10秒 29.01.2026 5:10
どろぼう猫 著者:夢野 久作 読み手:水谷 ケイコ 時間:5分10秒 お天気のいい日に斑猫が縁側に坐ってしきりに顔を撫で廻しておりました。この猫は鼠を一匹も捕らぬくせに泥棒猫で、近所から嫌われていましたが、「ニャーニャーゴロゴロ」とおべっかを使うのが上手なので、この家の人に可愛がられていました。 ちょうどこの家の赤犬が通りかかって、この猫を見ると声をかけました。 「ブチ子さん今日は」 猫はふり返って、...
夕靄の中 著者:山本 周五郎 読み手:福井 慎二 時間:43分4秒 28.01.2026 43:04
夕靄の中 著者:山本 周五郎 読み手:福井 慎二 時間:43分4秒 一 彼は立停って、跼み、草履の緒のぐあいを直す恰好で、すばやくそっちへ眼をはしらせた。 ――間違いはない、慥かに跟けて来る。 その男はふところ手をして、左右の家並を眺めながら、悠くりとこちらへ歩いて来る。古びた木綿縞の着物に半纒で、裾を端折り、だぶだぶの長い股引に、草履をはいている。仕事を休んだ紙屑買い、といった、ごくありふれた風...
最初の悲哀 著者:竹久 夢二 読み手:渡邊 明美 時間:3分15秒 27.01.2026 3:15
最初の悲哀 著者:竹久 夢二 読み手:渡邊 明美 時間:3分15秒 街子の父親は、貧しい町絵師でありました。五月幟の下絵や、稲荷様の行燈や、ビラ絵を描いて、生活をしているのでありました。しかし、街子はたいそう幸福でした。というのは、父親は街子を、このうえもなく愛していたし、街子もまた父親を世の中で一番えらくて好い人だと思っていました。母親が早くなくなったので、街子は小学校を卒業すると、家にいて、父親の...
お鼻をかじられたお猫さん 著者:村山 籌子 読み手:田中 淑恵 時間:4分48秒 26.01.2026 4:48
お鼻をかじられたお猫さん 著者:村山 籌子 読み手:田中 淑恵 時間:4分48秒 あるところに、お猫さんがありました。誰もつきあつてくれません。このお猫さんは、大へんきむづかしやで、年中おこつてばかりゐるからです。 或日、椅子に腰かけて新聞をよんでゐましたが、眠くなつて寝こんでしまひました。 そこへ、この間生れたばかりで、もうチヨコ/\走りまはつてゐるネズミさんがやつてきました。お猫さんがきむづかし...
海 著者:太宰 治 読み手:小川 幸香 時間:3分24秒 25.01.2026 3:24
海 著者:太宰 治 読み手:小川 幸香 時間:3分24秒 東京の三鷹の家にいた頃は、毎日のように近所に爆弾が落ちて、私は死んだってかまわないが、しかしこの子の頭上に爆弾が落ちたら、この子はとうとう、海というものを一度も見ずに死んでしまうのだと思うと、つらい気がした。私は津軽平野のまんなかに生れたので、海を見ることがおそく、十歳くらいの時に、はじめて海を見たのである。そうして、その時の大興奮は、いまでも...
理想の女 著者:坂口 安吾 読み手:二宮 正博 時間:13分26秒 24.01.2026 13:26
理想の女 著者:坂口 安吾 読み手:二宮 正博 時間:13分26秒 ある婦人が私に言つた。私が情痴作家などゝ言はれることは、私が小説の中で作者の理想の女を書きさへすれば忽ち消える妄評だといふことを。まことに尤もなことだ。昔から傑作の多くは理想の女を書いてゐるものだ。けれども、私が意志することによつて、それが書けるか、といふと、さうはたやすく行かない。 誰しも理想の女を書きたい。女のみではない、理想の人...
三角と四角 著者:巖谷 小波 読み手:池戸 美香 時間:6分36秒 23.01.2026 6:36
三角と四角 著者:巖谷 小波 読み手:池戸 美香 時間:6分36秒 数学の中に幾何というものがある。幾何を学ぶにわ、是非とも定木が入る。その定木の中に、三角定木というのがある。――これわ大方諸君も御存じでしょう。 ところがこの三角定木、自分の体にわ、三方に尖った角のあるのを、大層自慢に致し、世間に品も多いが、乃公ほど角のあるものわあるまい、角にかけてわ乃公が一番だと、たった三つよりない角を、酷く鼻にかけ...
詩の翻訳について 著者:萩原 朔太郎 読み手:宮崎 文子 時間:28分8秒 22.01.2026 28:08
詩の翻訳について 著者:萩原 朔太郎 読み手:宮崎 文子 時間:28分8秒 宮森麻太郎氏の英訳した俳句は、外国で非常に好評ださうであるが、その訳詩を通じて、外国人が果して何を感銘したものか疑問である。おそらくは歌劇ミカドを見物して、日本人を理解したといふ程度であり、俳句を HAIKAI として解釈した程度であらう。多くの場合に、外国人に好評される日本の者は、真の純粋の日本ではなく、彼等のフジヤマやゲイシヤガー...
金めだか 著者:小川 未明 読み手:齋藤 こまり 時間:1分5秒 21.01.2026 1:05
金めだか 著者:小川 未明 読み手:齋藤 こまり 時間:1分5秒 陽の光りが、庭先の鉢のところまでとゞくようになりました。なみ/\といれた水の面へ、かあいらしい金めだかが、四つ頭をならべて、せわしそうに鰭をうごかしながら、光りを吸おうとしています。もっと大きいのも沢山いたが、冬を越す間にこれだけとなりました。 いま、芽ぐんでいる睡蓮が、やがて鉢いっぱいに葉をのばして、黄色な花を咲くころ、その間を泳ぎ...
声と食物 著者:宮城 道雄 読み手:福井 一恵 時間:6分42秒 20.01.2026 6:42
声と食物 著者:宮城 道雄 読み手:福井 一恵 時間:6分42秒 私の経験から歌についていうと、言葉と節とが調和する時と、しない時とがある。従って、外国の歌を日本語に訳した際に、訳され方によって、音と言葉とが あっていないような気がする。殊にオペラなどにおいて、そうした点に無理なところがあるのを感じるのである。そこへ行くと、長年聞き馴れた邦楽は言葉と節 とがよくそぐうているような気がする。その最もよい例...
大川の水 著者:芥川 龍之介 読み手:水野 久美子 時間:18分15秒 19.01.2026 18:15
大川の水 著者:芥川 龍之介 読み手:水野 久美子 時間:18分15秒 自分は、大川端に近い町に生まれた。家を出て椎の若葉におおわれた、黒塀の多い横網の小路をぬけると、すぐあの幅の広い川筋の見渡される、百本杭の河岸へ出るのである。幼い時から、中学を卒業するまで、自分はほとんど毎日のように、あの川を見た。水と船と橋と砂洲と、水の上に生まれて水の上に暮しているあわただしい人々の生活とを見た。真夏の日の午すぎ...
現代とは? 著者:坂口 安吾 読み手:吉江 美也子 時間:8分34秒 18.01.2026 8:34
現代とは? 著者:坂口 安吾 読み手:吉江 美也子 時間:8分34秒 伝統の否定と一口に言うけれども、伝統は全て否定しなければならぬというものではなくて、すでに実質を失いながら虚妄の空位を保って信仰的な存在をつゞけ ていることが反省され否定されなければならぬというだけだ。実質あるものは否定の要なく、又、伝統に限らず、全て、実質を失いながら虚妄の権威を保つもの は、反省され、否定される必要があるだけだ。 ...
Similar podcasts
Replaio is not a podcast publisher; show names, artwork and audio belong to their authors and are distributed through public RSS feeds.