一般社団法人 青空朗読

青空朗読

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インターネット上の図書館「青空文庫」の作品を朗読する「青空朗読」は、プロのアナウンサーによる社会貢献活動としてスタートし、最近は、朗読を学ぶ一般の方々からも作品を提供していただいています。2016年5月に一般社団法人となりました。

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Jul 11, 2026

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Episodes

【青空朗読】竹取物語 著者:和田 萬吉 読み手:駒形 ゆう 時間:29分37秒 08.03.2026

竹取物語 著者:和田 萬吉 読み手:駒形 ゆう 時間:29分37秒  むかし、いつの頃でありましたか、竹取りの翁といふ人がありました。ほんとうの名は讃岐の造麻呂といふのでしたが、毎日のように野山の竹藪にはひつて、竹を切り取つて、いろ/\の物を造り、それを商ふことにしてゐましたので、俗に竹取りの翁といふ名で通つてゐました。ある日、いつものように竹藪に入り込んで見ますと、一本妙に光る竹の幹がありました。不思議...

【青空朗読】最初の悲哀 著者:竹久 夢二 読み手:加納 恵美子 時間:4分2秒 07.03.2026

最初の悲哀 著者:竹久 夢二 読み手:加納 恵美子 時間:4分2秒  街子の父親は、貧しい町絵師でありました。五月幟の下絵や、稲荷様の行燈や、ビラ絵を描いて、生活をしているのでありました。しかし、街子はたいそう幸福でした。というのは、父親は街子を、このうえもなく愛していたし、街子もまた父親を世の中で一番えらくて好い人だと思っていました。母親が早くなくなったので、街子は小学校を卒業すると、家にいて、父親の...

【青空朗読】鷹の井戸 著者:片山 廣子 読み手:アン荻野 時間:5分 06.03.2026

鷹の井戸 著者:片山 廣子 読み手:アン荻野 時間:5分  今は世にないアイルランドの詩人イエーツが書いた舞踊劇の一つに「鷹の井戸」といふのがある。その鷹の井戸がこの世にあるとしたら、どの辺にあるのだらうか? 詩人の言葉を借りてみよう。 「はしばみの枝々うごき 日は西にしづむ  風よ 潮かぜよ 海かぜよ  いまは眠るべき時なるを  なにを求めてさまよひ歩く」  その西に沈む夕日も見られて、潮風に吹きさらさ...

【青空朗読】最初の印象 著者:大倉 燁子 読み手:加藤 純子 時間:5分47秒 05.03.2026

最初の印象 著者:大倉 燁子 読み手:加藤 純子 時間:5分47秒  江戸川先生に始めてお目にかかったのはもう二十年近くも前のことです。  池袋のお宅のお座敷で、先生をお待ちする間、私の心は好奇心と不安が交錯していました。  と、いうのは、その頃。 「江戸川乱歩先生のお書斎にはドクロがつるしてある。お化けの人形がぶら下っている、その無気味な雰囲気の中で、先生は深夜人の寝鎮るのを待って、蝋燭の灯で仕事をされる...

【青空朗読】太陽を呑む赤い老星の秘密 著者:畑中 武夫 読み手:菅野 秀之 時間:10分42秒 04.03.2026

太陽を呑む赤い老星の秘密 著者:畑中 武夫 読み手:菅野 秀之 時間:10分42秒  そろそろ夏が来る。  夏の空の星で、ぼくが一番なつかしいのは、さそり座とその主星アンタレスである。  中学初年のころ、「子供の科学」や「科学画報」の星座案内をたよりに、熊野川の川口近くの河原に立ってこの星座をながめた。  アンタレスは赤い星である。アンタレスの名は、「火星の敵」という意味だそうである。赤い星、火星に対抗する...

【青空朗読】桜の樹の下には 著者:梶井 基次郎 読み手:堀江 令子 時間:7分57秒 03.03.2026

桜の樹の下には 著者:梶井 基次郎 読み手:堀江 令子 時間:7分57秒  桜の樹の下には屍体が埋まっている!  これは信じていいことなんだよ。何故って、桜の花があんなにも見事に咲くなんて信じられないことじゃないか。俺はあの美しさが信じられないので、この二三日不安だった。しかしいま、やっとわかるときが来た。桜の樹の下には屍体が埋まっている。これは信じていいことだ・・・ 【青空朗読】とは 青空朗読はインターネ...

【青空朗読】第三者 著者:サキ/妹尾 韶夫 訳 読み手:北條 泰成 時間:12分29秒 02.03.2026

第三者 著者:サキ/妹尾 韶夫 訳 読み手:北條 泰成 時間:12分29秒  東部カルパチア山地の森の中である。  ある冬の寒い晩、一人の男が銃を片手に耳をすましていた。ちょっとみると、鳥か獣があらわれるのを待っているようだ。が、じつのところはそうでないのである。この男――ウルリッヒ・フォン・グラドウィツは、人間があらわれるのを待っているのだ。  彼が所有する山林には、野獣がたくさんいた。でも山林のはずれのこ...

【青空朗読】最後の一句 著者:森 鷗外 読み手:黒沢 ちゑ子 時間:33分25秒 01.03.2026

最後の一句 著者:森 鷗外 読み手:黒沢 ちゑ子 時間:33分25秒  元文三年十一月二十三日の事である。大阪で、船乗り業桂屋太郎兵衛というものを、木津川口で三日間さらした上、斬罪に処すると、高札に書いて立てられた。市中至る所太郎兵衛のうわさばかりしている中に、それを最も痛切に感ぜなくてはならぬ太郎兵衛の家族は、南組堀江橋際の家で、もう丸二年ほど、ほとんど全く世間との交通を絶って暮らしているのである。  ...

【青空朗読】第五氷河期 著者:海野 十三 読み手:二宮 正博 時間:54分6秒 28.02.2026

第五氷河期 著者:海野 十三 読み手:二宮 正博 時間:54分6秒    氷河狂の老博士  「氷河狂」といえば、誰も知らない者はない北見徹太郎博士は、ついに警視庁へ出頭を命ぜられた。  老博士は、銀髪銀髯の中から、血色のいい頬を耀かせ、調室の壊れかかった椅子に傲然と反り身になり、ひとり鼻をくんくん鳴らしていた。 「うむ、実にけしからん。わしをわざわざ呼んでおきながら、いつまで待たせるのか。わしを一分間、むだ...

【青空朗読】最後の一枚の葉 著者:オー・ヘンリー/結城 浩 訳 読み手:小島 香奈子 時間:24分46秒 27.02.2026

最後の一枚の葉 著者:オー・ヘンリー/結城 浩 訳 読み手:小島 香奈子 時間:24分46秒 ワシントン・スクエア西にある小地区は、 道路が狂ったように入り組んでおり、 「プレース」と呼ばれる区域に小さく分かれておりました。 この「プレース」は不可思議な角度と曲線を描いており、 一、二回自分自身と交差している通りがあるほどでした。 かつて、ある画家は、この通りが貴重な可能性を持っていることを発見しました。 例え...

【青空朗読】体格検査 著者:小酒井 不木 読み手:吉江 美也子 時間:11分49秒 26.02.2026

体格検査 著者:小酒井 不木 読み手:吉江 美也子 時間:11分49秒    一  「また入学試験で、若い人達は骨身を削っているようですねえ」  客の藤岡さんは、しんみりした口調で言いました。 「実にかわいそうなことです。心身過労の結果、高等学校などでは、折角入学してもすぐ病気になって再び起つことが出来ないものが沢山あるそうです。どうも困った現象です」と、私は答えました。 「思いつめたあまり自殺するものさえあ...

【青空朗読】西郷隆盛 著者:芥川 龍之介 読み手:水野 久美子 時間:45分20秒 25.02.2026

西郷隆盛 著者:芥川 龍之介 読み手:水野 久美子 時間:45分20秒  これは自分より二三年前に、大学の史学科を卒業した本間さんの話である。本間さんが維新史に関する、二三興味ある論文の著者だと云う事は、知っている人も多いであろう。僕は昨年の冬鎌倉へ転居する、丁度一週間ばかり前に、本間さんと一しょに飯を食いに行って、偶然この話を聞いた。  それがどう云うものか、この頃になっても、僕の頭を離れない。そこで僕...

科学が臍を曲げた話 著者:海野 十三 読み手:宮澤 賢吉 時間:16分57秒 24.02.2026

科学が臍を曲げた話 著者:海野 十三 読み手:宮澤 賢吉 時間:16分57秒  みなさん、科学だって、時には気むずかしいことがありますよ。そんなときには、臍を曲げちまいますよ、臍をネ。  童話みたいですが、昔、オーストリヤの王様が、世界最大のダイヤモンドを所有したいという欲望を持って、持っているだけのダイヤを全部坩堝に入れて融合させようと思ったところが、もともと炭素のかたまりであるダイヤは、忽ち一陣の炭酸...

愛情 著者:林 芙美子 読み手:成 文佳 時間:9分51秒 23.02.2026

愛情 著者:林 芙美子 読み手:成 文佳 時間:9分51秒  心を高めるやうな無窮の愉しみと云ふものは、いまだに何一つ身につけてはをりませんが、小説書きの小説識らずで、まして音楽にしても絵画にしましてもわたくしは一文字も解らない童児なのです。だけど、それらのものは不思議に愛情をもつて観たり聴いたりすることが出来ます。世間ではよく趣味のあるなしを論じるひともあるけれども、眼の高さ、学問の高さをとりのぞいた...

顔 著者:高村 光太郎 読み手:小川 幸香 時間:3分44秒 22.02.2026

顔 著者:高村 光太郎 読み手:小川 幸香 時間:3分44秒  顔は誰でもごまかせない。顔ほど正直な看板はない。顔をまる出しにして往来を歩いている事であるから、人は一切のごまかしを観念してしまうより外ない。い くら化けたつもりでも化ければ化けるほど、うまく化けたという事が見えるだけである。一切合切投げ出してしまうのが一番だ。それが一番美しい。顔ほど微妙 に其人の内面を語るものはない。性情から、人格から、生...

I can speak 著者:太宰 治 読み手:伊藤 和 時間:8分33秒 21.02.2026

I can speak 著者:太宰 治 読み手:伊藤 和 時間:8分33秒  くるしさは、忍従の夜。あきらめの朝。この世とは、あきらめの努めか。わびしさの堪えか。わかさ、かくて、日に虫食われゆき、仕合せも、陋巷の内に、見つけし、となむ。  わが歌、声を失い、しばらく東京で無為徒食して、そのうちに、何か、歌でなく、謂わば「生活のつぶやき」とでもいったようなものを、ぼそぼそ書きはじめて、自分の文学のすすむべき路すこしず...

かえるの王さま 著者:グリム兄弟/楠山 正雄 訳 読み手:田中 真稚子 時間:19分53秒 20.02.2026

かえるの王さま 著者:グリム兄弟/楠山 正雄 訳 読み手:田中 真稚子 時間:19分53秒    一  むかしむかし、たれのどんなのぞみでも、おもうようにかなったときのことでございます。  あるところに、ひとりの王さまがありました。その王さまには、うつくしいおひめさまが、たくさんありました。そのなかでも、いちばん下のおひめさまは、それはそれはうつくしい方で、世の中のことは、なんでも、見て知っていらっしゃるお...

愛 著者:宮本 百合子 読み手:源馬 ちか子 時間:4分36秒 19.02.2026

愛 著者:宮本 百合子 読み手:源馬 ちか子 時間:4分36秒  愛ということばは、いつから人間の社会に発生したものでしょう。愛という言葉をもつようになった時期に、人類はともかく一つの飛躍をとげたと思います。な ぜなら、人間のほかの生きものは、愛の感覚によって行動しても、愛という言葉の表象によってまとめられた愛の観念はもっていませんから。  更に、その愛という言葉が、人間同士の思いちがいや、だましあいの媒...

蛙 著者:林 芙美子 読み手:駒形 ゆう 時間:10分40秒 18.02.2026

蛙 著者:林 芙美子 読み手:駒形 ゆう 時間:10分40秒  暗い晩で風が吹いていました。より江はふと机から頭をもちあげて硝子戸へ顔をくっつけてみました。暗くて、ざわざわ木がゆれているきりで、何だか淋しい晩でした。ときどき西の空で白いような稲光りがしています。こんなに暗い晩は、きっとお月様が御病気なのだろうと、より江は兄さんのいる店の間へ行ってみました。兄さんは帳場の机で宿題の絵を描いていました。 「ま...

あゝ二十年 ―やっと御下命画を完成した私のよろこび― 著者:上村 松園 読み手:宮崎 文子 時間:7分11秒 17.02.2026

あゝ二十年 ―やっと御下命画を完成した私のよろこび― 著者:上村 松園 読み手:宮崎 文子 時間:7分11秒    雪  とうとう二十年来の肩の重荷をおろしましてほっといたしました。ふりかえってみますと、私が十五歳の折り、内国勧業博覧会に「四季美人図」を初めて出品いたしまして、一等褒状を受け、しかもそれが当時御来朝中であらせられた英国皇太子コンノート殿下の御買上げを得た時のことを思い合わせまして、今度皇太后...

蛙 著者:芥川 龍之介 読み手:太田 賢治 時間:8分3秒 16.02.2026

蛙 著者:芥川 龍之介 読み手:太田 賢治 時間:8分3秒  自分の今寝ころんでゐる側に、古い池があつて、そこに蛙が沢山ゐる。  池のまはりには、一面に芦や蒲が茂つてゐる。その芦や蒲の向うには、背の高い白楊の並木が、品よく風に戦いでゐる。その又向うには、静な夏の空があつて、そこには何時も細い、硝子のかけのやうな雲が光つてゐる。さうしてそれらが皆、実際よりも遙に美しく、池の水に映つてゐる。  蛙はその池の中...

ああ東京は食い倒れ 著者:古川 緑波 読み手:野村 洋二 時間:9分25秒 15.02.2026

ああ東京は食い倒れ 著者:古川 緑波 読み手:野村 洋二 時間:9分25秒  戦争に負けてから、もう十年になる。戦前と戦後を比較してみると、世相色々と変化の跡があるが、食いものについて考えてみても、随分変った。  ちょいと気がつかないようなことで、よく見ると変っているのが、色々ある。  先ず、戦後はじめて、東京に出来た店に、ギョーザ屋がある。  以下、話は、東京中心であるから、そのつもりで、きいていただきた...

快走 著者:岡本 かの子 読み手:大栗 幸子 時間:19分9秒 14.02.2026

快走 著者:岡本 かの子 読み手:大栗 幸子 時間:19分9秒  中の間で道子は弟の準二の正月着物を縫い終って、今度は兄の陸郎の分を縫いかけていた。 「それおやじのかい」  離れから廊下を歩いて来た陸郎は、通りすがりにちらと横目に見て訊いた。 「兄さんのよ。これから兄さんも会社以外はなるべく和服で済ますのよ」  道子は顔も上げないで、忙がしそうに縫い進みながら言った。 「国策の線に添ってというのだね」 「だか...

ああしんど 著者:池田 焦園 読み手:池戸 美香 時間:2分40秒 13.02.2026

ああしんど 著者:池田 焦園 読み手:池戸 美香 時間:2分40秒  よっぽど古いお話なんで御座いますよ。私の祖父の子供の時分に居りました、「三」という猫なんで御座います。三毛だったんで御座いますって。  何でも、あの、その祖父の話に、おばあさんがお嫁に来る時に――祖父のお母さんなんで御座いましょうねえ――泉州堺から連れて来た猫なんで御座いますって。  随分永く――家に十八年も居たんで御座いますよ。大きくなって...

蚊 著者:牧野 信一 読み手:イトー ゲンヤ 時間:15分41秒 12.02.2026

蚊 著者:牧野 信一 読み手:イトー ゲンヤ 時間:15分41秒  若しも貴方が妾に裏切るやうな事があれば、妾は屹度貴方を殺さずには置きませんよ、と常に云つてゐた女が、いざとなつたら他愛もなく此方を棄てゝ行つた。此方こそかうして未練がましくも折に触れては女の事を思ひ出して居るが向うでは……妾は自分の将来を考へなければなりません。貴方のやうな全く取得のない不真面目なさうして涙を持たぬ人はつくづく愛想が尽きたの...

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