波華〜namika〜
眠れぬ夜に安らぎを〜泉鏡花の妖し(あやかし)物語
心がざわめいて眠れない夜。そんな時には、美しい言葉の子守唄を聴いてみませんか。明治・大正・昭和初期にかけて薫り高い名作のかずかずを紡いだ作家、泉鏡花。その作品の朗読を、四季折々の自然の音に乗せて送ります。幻想的な作品から日常を描いたエッセイまで。鏡花ならではの耽美な世界と日本のたおやかな情緒をお楽しみください。ホームページでもコンテンツを公開。http://izumikyouka.com感想・リクエストなどもお待ちしています。http://izumikyouka.com/2-2/
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Episodes
龍潭譚・その1~躑躅か丘~ 02.04.2021 6:26
【鏡花怪異譚】明治29年発表。 龍潭譚その1・躑躅ヶ丘 少年・千里は優しい姉の言いつけを肯(き)かずに、こっそりと家を出て遊びに行く。 燃え盛るように赤い躑躅の繁みへと足を踏み入れると、五色にきらめく美しい「毒虫」が千里の顔をかすめる。 毒虫退治に夢中になり躑躅の迷路を駆け回っているうちに、千里の視界は赤い躑躅ばかりに塞がれ、自分がどこから来たのか、どこへ行けばよいのかわからなくなってしまう―――。
妙の宮 23.03.2021 9:34
【鏡花怪異譚】明治28年発表。 「妙の宮」と呼ばれる山中の社に夜遅く肝試しに訪れた、美しい少年士官。 空まで続くような石段を登る半ばで、懐の金時計が鎖だけ残して消えていることに気づく。 山深い古社に湧き出る山清水。月明かりに浮かび上がる石段。社を守るように現れる蟹や蛇。 社殿に至り拝すると、回廊には幼い子供が手に金時計を持って遊んでいるのだったーーー。
人魚の祠【後編】 09.03.2021 20:41
【鏡花怪異譚】大正5年発表。 桃源郷のごとく幻想的な沼辺で、工学士が目にした風景。 靄に包まれた中に現れたのは釣りをする三人の美女の姿だった。 垂れた釣り糸にかかったのは、人形のように白く小さな少女。 同じ沼辺のほとりにある祠(ほこら)には、寝乱れた天女のような女と、 その身体にまとわりつく毛むくじゃらの三俵法師(さんだらぼうし)。 三俵法師と見紛うたのは、棕櫚(しゅろ)の毛を纏った男に飛びつく幾千の蚤...
人魚の祠【前編】 22.02.2021 17:12
【鏡花怪異譚】大正5年発表。 利根川流域の池沼で怪しい光景に出会ってしまった工学士の回想譚。 「私」と友人である工学士は、東京府下渋谷で開かれた茶話会に出席した。 会場の近くには名も知れぬ真っ白い花が咲き乱れていた。 あたりは燻したような濃く甘い香りに包まれ 小さな花弁が雪のように地面に降り積もっている。 茶話会の帰途、市電の車内にその花の香りが漂うと、 そこには赤ん坊を抱いた妙齢の女性が座っている。 女...
処方秘箋 07.02.2021 28:00
【鏡花怪異譚】明治34年発表。 幼い頃の「私」が体験した、不思議にて怖ろしいはなし。 八歳の頃に住んでいた越後の紙谷町(かみやまち)は八百家後家(はっぴゃくやごけ)と呼ばれる、女所帯の多い街であった。 親しくしている近所の娘、お辻(つじ)の家に泊まりに行く途中の「私」は、怪しげな婦人(おんな)が営む薬屋の前で躓いて転んでしまう。 擦りむいた膝に薬をつけてやろうと言う婦人を振り切って逃げたその夜。 お辻と...
紅提灯・その3 07.02.2021 16:28
【鏡花怪談シリーズ】紅提灯後編。魔の世界に翻弄され、心乱れる若者・殿井の前に涼やかに現れた美女。そこで明かされる恐ろしい出来事のからくりとは——。鏡花作品の象徴ともいえる妖しの美女が登場。その冴え渡る描写は圧巻。また魔を操る美女が、護るべき美少女には厚い愛憐の情を注ぐ様に微笑みを誘われます。
紅提灯・その2 07.02.2021 11:24
【鏡花怪談シリーズ】紅提灯中編。真夜中の稲荷堂へと迷い込んだ若い郵便局員・殿井。御堂の闇から浮かび上がったのは、醜悪な容貌の不気味な老人で———…。深閑とした中で行われる張り詰めたやり取りと、突如殿井に降りかかる思いもかけない怪異の数々。異形の世界がひたひたと忍び寄ります。
眉かくしの霊・その5 24.01.2021 14:30
【完結】※眉かくしの霊・その4の続きエピソードです。 【鏡花怪異譚】大正13年発表。 愛人である画師の汚名を雪(そそ)ぐために木曽奈良井宿を訪れた芸者のお艶(つや)は 夜中に悪名高い大蒜婆(にんにくばば)の屋敷を目指す。 料理人の伊作は、旅籠の提灯でお艶を守護するように雪の中を先導した。 途中で提灯の火が消えたために伊作がお艶を残して旅籠へ戻ろうとすると 闇の中で鉄砲の音が響く。 とっさに駆け寄ると、雪中に...
眉かくしの霊・その4 20.01.2021 26:42
※眉かくしの霊・その3の続きエピソードです。 【鏡花怪異譚】大正13年発表。 木曽奈良井の旅籠に投宿した境賛吉(さかいさんきち)に、宿の料理人伊作は土地の因縁の物語を話して聞かせる。 それは一年前の冬に起こった間男(まおとこ)事件のこと。 土地の鼻つまみ者で代官婆(だいかんばば)と呼ばれる老婆と、けなげに尽くす若い嫁のもとに、老婆の息子の旧知の仲だという画師(えかき)が訪れた。 嫁と画師の不義姦通を疑い、...
眉かくしの霊・その3 08.01.2021 19:33
※眉かくしの霊・その2の続きエピソードです 【鏡花怪異譚】大正13年発表。 宿の湯殿で不思議な体験をした境賛吉(さかいさんきち)。 宿の自室へ戻るとふわりと巴紋の提灯が境の座敷へ入り込む。見ると、白鷺と見紛うなよやかな女が、座敷の鏡台に向かい化粧をしている。 女は、両眉を懐紙で隠しながら境をじっと見つめて言うのだった。 「―――似合いますか」 晩酌の相伴に訪れた料理人の伊作から語られた、因縁の物語。 昨年のちょ...
眉かくしの霊・その2 12.12.2020 30:01
※眉かくしの霊・その1の続きエピソードです 【鏡花怪異譚】大正13年発表。 木曽街道は奈良井宿に逗留することを決めた境賛吉(さかいさんきち)は、宿の母屋から長々と離れた十畳座敷へと通される。 離座敷そばの洗面所からは、幾たび閉めても止まない水音がこだまするのだった。水音がする時間に決まって庭池に現れる料理番。 そして案内された風呂場の湯殿からは、いるはずのない婦人(おんな)の声がする―――。
眉かくしの霊・その1 30.11.2020 26:16
【鏡花怪異譚】大正13年発表。信州は木曽街道、奈良井宿の旅館に投宿した境賛吉(さかいさんきち)は、宿の夕餉で出された鶫料理にまつわる不思議な話を、料理人の伊作に話して聞かせる。芸妓の口元から鶫の生き血が滴るくだりに、伊作は我を忘れた様子を見せるのであったーー。「弥次喜多」膝栗毛の引用から始まる軽妙な雰囲気が、いつしか薄暗い不気味さにすり替わっていく筆が見事。
高桟敷・その2 04.11.2020 12:41
※高桟敷・その1の続きエピソードです その1から聴く方はこちらからどうぞ https://anchor.fm/u6c34u6708/episodes/1-elo1j1 【鏡花怪異譚】大正13年発表。夕暮れ時の窪地で遭遇した、宙に吊られた如くにそびえる高桟敷の御殿。そこにはこの世の者とは思えぬ美し...
高桟敷・その1 29.10.2020 17:03
【鏡花怪異譚】大正13年発表。崖に囲まれた谷町窪地を散策していた青年教師・木崎時松は、墓地の崖下に続く汚い長屋路地に迷い込んでしまう。住人の女房たちに教えられるまま突き当たりの黒板塀に囲まれた寺の抜け道を進むと——現れたのは崖の頂辺から宙に吊られた屋敷。回り縁の欄干には、しなだれかかる妖艶な美女が——。 続きエピソードはこちら 高桟敷・...
紅提灯・その1 泉鏡花 01.10.2020 11:08
【鏡花怪談シリーズ】紅提灯前編。四谷見附から番町へと入る通りに鎮座する稲荷堂。夜半過ぎの境内に迷い込んだ若い郵便局員が遭遇する怪異の物語。この章では咲き乱れる花々が宵闇に浮かび上がる中、境内で繰り広げられる興行劇の幻妖さと、賑わいが去ったあとの物寂しさが印象的に描かれています。 ※続きエピソード:紅提灯その2/紅提灯その3
紫陽花 泉鏡花 03.07.2020 12:49
薄幸の美少年と怪しい黒髪の美女が、夏の野社(のやしろ)で出会う妖しの物語。継母に虐げられている美少年の健気さが、美しくも畏怖の念を誘う貴女の冷血さを溶かしてゆく。二者が心を通わせる一瞬のカタルシスが美文調で描かれています。
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