Takashi Jome
考える塾 in TAIPEI
哲学や思想や歴史や心理や脳や倫理などについてのエッセーです。
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Takashi Jome
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May 31, 2025
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サピエンスの揺り籠 第十一回「成長への信用」 ユヴァル・ノア・ハラリ著『サピエンス全史』より 17.08.2022 4:20
ある人が銀行を始める。そこに建設業者が一億円預金する。パン職人がその銀行から開店のため一億円を借りようとする。その将来性を信頼した銀行は一億円を融資して、パン職人の口座へ入れる。パン職人は前出の建設業者に店の建設を依頼し、建設業者の口座へ借りた一億円を振り込む。この時、建設業者の口座には二億円が入っている。しかし、この銀行に実際にある現金は一億円だけ。 資本主義社会では、このような架空のお金を...
サピエンスの揺り籠 第十回「無知の知と未知の征服」 ユヴァル・ノア・ハラリ著『サピエンス全史』より 09.08.2022 4:09
西暦一〇〇〇年頃のスペインの農夫が、五〇〇年後の同じ土地にタイムスリップしたとしても、見知らぬ人々が営むその生活にカルチャーショックは受けなかったかもしれません。しかし、コロンブスに雇われた水夫がiphone 時代のニューヨークに到達したら、そこは天国か、地獄か、全くの異世界に見えることでしょう。 人類は認知革命や農業革命の前後で、全く異なって見える社会を形成し、人口と財と消費カロリーは飛躍的...
サピエンスの揺り籠 第九回「世界帝国と普遍宗教」 ユヴァル・ノア・ハラリ著『サピエンス全史』より 06.08.2022 4:11
サピエンスの世界を統一、グローバル化していった最強の秩序は「貨幣」でした。あと二つ、これに匹敵する秩序として挙げられるものがあります。「帝国」と「宗教」です。 帝国と言えば、映画や小説の中ではたいてい悪役を演じ、多くの国々や民族を強力な軍事力によって侵略していく存在として、否定的に扱われています。しかし、文明化された社会で暮らすほとんどの人々は、何らかの帝国によって統一された文化を継承すること...
サピエンスの揺り籠 第八回「世界の統一と貨幣」 ユヴァル・ノア・ハラリ著『サピエンス全史』より 06.08.2022 4:13
農業革命以後、想像上の構造物はますます複雑になり、サピエンスの子供たちは生まれた時から既存の神話と虚構を刷り込まれ、特定の方法で考え、行動し、特定の欲望を持って、特定の秩序の中で生きるように習慣づけられました。そうした人工的な本能のネットワークを、人間は文化と呼びます。 二〇世紀前半まで学者たちは、どの文化にもそれを特徴づける普遍の本質があると考えていましたが、現代では、近隣の文化との接触や、...
サピエンスの揺り籠 第七回「書記とヒエラルキー」 ユヴァル・ノア・ハラリ著『サピエンス全史』より 06.08.2022 4:15
農業革命後、サピエンスは文明社会を築きますが、その文明には不可欠なものがありました。書記能力です。数万~数十万の人々の税や裁判の記録を全て脳の中に記憶しておくことはできません。脳の外部に記録するというデータ処理でこれを初めて可能にしたのは、古代メソポタミアのシュメール人でした。初めは、モノの名前と数量しか記すことのできない不完全なものでしたが、やがては神話や歴史、ハンムラビ法典のような法律を記録...
サピエンスの揺り籠 第六回「人工島の時間と秩序」 ユヴァル・ノア・ハラリ著『サピエンス全史』より 06.08.2022 5:04
農業革命は、サピエンスに繁栄と進歩をもたらした大きな一歩だという考えがある一方で、地獄のような苦痛との戦いをもたらしたという考えもあります。 確かに、スマートフォン一つで様々なサービスを享受できる今の私達にとっては、現代文明を築くために不可欠な革命だったと言えます。しかし、近代以前の人類の歴史において人口の9割以上を占めていた農民の長く過酷な日々を思う時、広大なエリアを住み処としていた狩猟採集...
サピエンスの揺り籠 第五回「農業革命の罠」 ユヴァル・ノア・ハラリ著『サピエンス全史』より 06.08.2022 4:22
一万年ほど前、サピエンスの一部は幾つかの動植物の生命を操作する知恵を得て、それに時間と労力のほぼ全てを傾け出しました。土を耕し、種をまき、水をやり、雑草を抜き、羊を草地に連れていき、朝から晩までそうやって働いてより多くの食料を確保する、農業革命です。 農耕は、紀元前九五〇〇年~八五〇〇年ごろ、トルコ南東部・イラン西部・レヴァント地方といった限られた範囲でゆっくり始まりました。七万年前にこの地域...
サピエンスの揺り籠 第四回「エデンの園の覇者」 ユヴァル・ノア・ハラリ著『サピエンス全史』より 06.08.2022 4:11
言語による物語、虚構の世界を手に入れる認知革命を経たサピエンスは、ネアンデルタールなど先輩の人類種が絶滅していく中で、その勢力範囲を次々と拡大していきました。7万年前にアフリカ大陸からユーラシア大陸に進出した後、4万年前にはオーストラリア大陸へ、1万6千年前にはアメリカ大陸に行き着きます。 このようにユーラシアの外、南太平洋の大海原や北極圏の大氷原を越えていくことができた人類種はサピエンスだけ...
サピエンスの揺り籠 第三回「虚構の実在」 ユヴァル・ノア・ハラリ著『サピエンス全史』より 06.08.2022 4:07
私達は言葉を、どんなことに最も多く使用しているかというと、噂話の類でしょう。学校でも職場でもテレビでも、ゴシップほど盛り上がり、人間に快感を与えるものはないのかもしれません。一説に、この快感が私たちの祖先の脳に、クジラなどの高い知能を持つ動物や、ネアンデルタールのような他の人類種を圧倒する、認知革命を引き起こしたと考えられています。噂話が人間に語る力を与え、記号と情報の世界を発展させたのです。...
サピエンスの揺り籠 第ニ回「言語と認知革命」 ユヴァル・ノア・ハラリ著『サピエンス全史』より 06.08.2022 4:06
どんな動物も、何かしらの言語を持っています。ミツバチやアリのような昆虫でさえ、複雑な意思疎通の方法を持っています。サバンナモンキーは鳴き声で「気をつけろ!ライオンだ!」と群れの仲間に警告したり、逆にライオンがいない時に「ライオンだ!」と嘘をつき、怯える仲間を騙して獲物を奪ったりします。クジラやゾウもそれに引けを取らぬ 言語能力を持っていますが、ではサピエンスの言語は、他の動物の言語と何が違うので...
サピエンスの揺り籠 第一回「取るに足らない種」 ユヴァル・ノア・ハラリ著『サピエンス全史』より 06.08.2022 4:44
ライオンは全ての草食獣を捕まえ、他の肉食獣に邪魔させないために、鋭い牙と強靭な筋力を獲得しました。動物とは、生存環境で起こる生命維持に矛盾した事態を解消するため、「動く」ことを選択した生物であり、種々の動きに伴って身体に掛かる負荷を克服しながら自己を強化して、その状況に適応した個体のみが生き残ることで、様々な種へと進化していきます。では、我らサピエンスは? 今から135億年前に物質とエネルギー...
心と脳の帳尻 第十二回「代表性ヒューリスティック」デイヴィッド・マクレイニー『思考のトラップ』より 06.08.2022 4:20
動物は自らの生命維持に矛盾する状況が立ち現れた時、その矛盾を解消しようと神経系統が働くことで「動く」生き物です。しかし、こうした感覚神経と運動神経による矛盾解消の作用が働く時、神経細胞には負荷がかかります。この負荷がかかっている状態がいわゆる意識だとすると、身体はできる限り早く負荷をなくして無意識に戻りたがるもののようです。 このように、神経の負荷をなくそうとする傾向は、身体の運動だけでなく、...
心と脳の帳尻 第十一回「消去抵抗と学習性無力感」デイヴィッド・マクレイニー『思考のトラップ』より 06.08.2022 3:35
等速直線運動をする物体の速度を大幅に速くしたり遅くしたり停止させたりするには、大きな力が必要になります。同じように、動物の習慣化した行動を大幅に変えるには、大きな荷重を神経系に加えなければなりません。人間だって、ダイエットや禁煙はそれまでの習慣を大きく変えることなので、ある一定以上の力が必要になります。それは、習慣を維持しようとする「消去抵抗」を上回る力です。 動物の習慣的行動は、条件づけによ...
心と脳の帳尻 第十回「誤情報交換と同調」デイヴィッド・マクレイニー『思考のトラップ』より 06.08.2022 4:07
友人が集まって昔話をしている。その中の二人が、ゆで卵をいくつ食べられるか挑戦し、五つ食べたところで吐き出した話で盛り上がる。が、他の一人が「それをやったのはオレだし。てゆーかオレがお前らに聞かせた話で、お前らその場にさえいなかったし。」と言い出す。そんな馬鹿な、これは確かに自分の思い出だ、いや、どうだろう・・・? 人の記憶というのはビデオのように録画されるわけではなく、録画されたテープのように...
心と脳の帳尻 第九回「カタルシス」デイヴィッド・マクレイニー『思考のトラップ』より 06.08.2022 4:04
心の中に怒りをためておくとストレスになるから、適度に放出するべきだ、とよく言われます。サンドバッグを怒りの対象に見立てて思い切り殴ってみたり、ゲームで敵を倒しまくったり、物を壊したり、時には直接大声で怒鳴ってみたり。そうやってガス抜きをしてスッキリしておかないと、怒りはどんどん膨らんで頭がおかしくなってしまう、と言われます。でも、実際は? 古代ギリシャの哲学者アリストテレスは、師のプラトンが詩...
心と脳の帳尻 第八回「自己奉仕バイアス」デイヴィッド・マクレイニー『思考のトラップ』より 06.08.2022 4:07
世界の中心はどこかと言えば、間違いなくそれは「あなた」です。世界で一番優れた人間は誰かと言えば、それも間違いなく「あなた」です。もちろん、「あなた」なんかいなくても地球は周り、「あなた」より能力の高い人はあらゆる領域で星の数ほどいるでしょう。それでも「あなた」は自分を最も高く評価する「自尊心」という生物学的仕組みを脳の中に持っています。 人は、何かに成功した時は自分の力によるとし、失敗した時は...
心と脳の帳尻 第七回「感情ヒューリステック」デイヴィッド・マクレイニー『思考のトラップ』より 06.08.2022 4:13
プラスとマイナス、○と×、「良いもの」と「悪いもの」、何かとっさに判断しなければならない時、人はこうした二項対立または、瞬間の好き嫌いで決断します。理性的で数学的で合理的で計画的な思考はコツコツ頭を使い、頭の容量を必要としますが、不合理で感情的で本能的な直観は電光石火に決断でき、時間も労力も不用です。私たちは、できるなら全て楽に済ませたいので、二項対立的な思考、二進法的な行動に傾くようです。 ネ...
心と脳の帳尻 第六回「集団思考」デイヴィッド・マクレイニー『思考のトラップ』より 06.08.2022 4:25
霊長類である人間は、生きるために群れをなします。そして外部からの攻撃や危険からその集団を守ろうとして団結し、その結束に傷がつくことを恐れます。傷をつける言動をする者がいれば、「空気を読め」と同調を求めます。それは、群れの中で群れに結びつけられた個々の神経のごく自然な反応であり、学校も会社も隣近所も、そうした神経の同調作用で平穏が保たれています。 しかし、このような集団が合議を行う時は、「複数の...
「心と脳の帳尻」第五回<主観的評価> デイヴィッド・マクレイニー『思考のトラップ』より 06.08.2022 4:11
あなたの性格を占います。あなたは他者から好かれたい、称賛されたいと思っていますが、自分自身に対しては批判的になりがちですね。性格的な弱点がありますが、たいていはそれをうまく補っているようです。また、充分に活用されていない大きな能力を眠らせていますね。ときに自分が正しい決断を下したか悩むことがあるようです。ある程度の変化や彩りは好ましいと考え、規則や制限に囲まれていると不安に感じることもあります。...
「心と脳の帳尻」第四回<分離脳と作話>デイヴィッド・マクレイニー『思考のトラップ』より 06.08.2022 3:57
人間の脳は右脳と左脳に分かれており、一般に右脳は左半身を、左脳は右半身を統率しています。また、それぞれの脳には得意分野があり、ふつう右脳は感覚情報を、左脳は言語情報を処理しています。そして、二つの脳は脳梁という神経線維の束でつながっています。 突発的な全身痙攣に襲われ、薬物療法で改善の見られない難治性てんかんの患者に対し、この脳梁を離断して痙攣を抑制する手術があります。脳梁を離断されると右脳と...
「心と脳の帳尻」第三回<公正世界仮説>デイヴィッド・マクレイニー『思考のトラップ』より 06.08.2022 4:03
因果応報という言葉があります。世の中のたいていの人は、悪いことをすれば当然罰せられるべきだと思います。また、誰かが失敗したり、敗北したリするのを見ると、そうなって当然のことをその人はしたのだと考えます。犯罪や事故には、必ず原因があると信じています。 スウェーデンにあるリンショーピン大学のソーンバーグとクヌートセンが2010年に発表した研究によると、学校でのいじめの原因について生徒に尋ねたところ...
「心と脳の帳尻」第二回<藁人形論法>デイヴィッド・マクレイニー『思考のトラップ』より 06.08.2022 3:45
あまり仲の良くないAさんとBさんが天気の話をしていました。Aさんは「私は雨の日が嫌いだ」と言います。それに対してBさんは「雨が降らなかったら干ばつで農作物は枯れるし、ダムは枯渇する。食べるものも飲むものもなくなって人間は餓死するが、君はそれでも雨が無くなった方が良いと言うのか」と答えました。 Bさんのこのような議論の仕方を「藁人形論法」と言います。Aさんは「雨が嫌いだ」と言っただけで、「雨は無...
「心と脳の帳尻」第一回〈ブランド忠誠心〉デイヴィッド・マクレイニー『思考のトラップ』より 06.08.2022 3:32
アメリカのベイラー大学で、無印のコップにコカコーラとペプシを注いで被験者に飲ませ、脳をスキャナーで測定する実験を行いました。すると、スキャナーの表示からはペプシをおいしく感じたと判断されたのに、今飲んだのはペプシだと告げられると、脳から快感の信号が消え、どちらがおいしかったかという質問には、コカコーラの方がおいしいと答えた人たちがいたそうです。彼らコカコーラの愛好者たちは、初めの快感に対しては嘘...
物語を読む⑧「走れメロス」本文 18.07.2022 44:46
太宰治 作
物語を読む⑧中2国語「走れメロス」 12.04.2022 4:11
文章を書くには動機が必要です。それは、何かを伝えたい相手であり、誰かに伝えたい何らかの思いです。作文を書けない子が作文を書けない最大の理由は、大抵この動機が欠けていることにありますが、物語も、作家には書くべき動機、つまり、想定する読者や、その読者に伝えたい何かが必要です。 中二国語教科書に掲載されている「走れメロス」は、友情や信頼の尊さを伝える作品として広く知られています。アニメ作品になったり...
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