綴目透子

AIからの警鐘 ― AIニュースの裏側を毎朝5分で

Society JA ↓ 114 episodes

AIのニュース、裏側まで調べて毎朝1つ解説するポッドキャストです。無料アプリの本当の値段。あなたのデータの行き先。AIで仕事がどう変わるか。生成AI・ChatGPT・テック企業の動きを、1日1テーマ・5分にまとめます。詳しくなくても大丈夫。わかる言葉だけで話します。出てくるのは便利な話ばかりだけど、裏側では別のことが動いてる。その「うしろがわ」を毎朝お届けします。ホスト: 綴目透子(つづりめ・とうこ)毎朝7時配信 / 5〜7分Threads: @tsuzurime.toko

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綴目透子

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Jul 10, 2026

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Episodes

63話 普通の引用確認 法廷で見えたAI時代の専門職 21.05.2026

アメリカの控訴裁判所が、弁護士の提出書面に含まれていた架空の判例引用を指摘した。生成AIが作り出したもっともらしい根拠が、法廷文書にそのまま紛れ込んでいた構図を追う。 発端は、十万人規模の非公開グループへの投稿をめぐる名誉毀損訴訟。地裁・控訴裁ともに訴えを退けたが、控訴審で男性側弁護士の書面から実在しない判例名や確認の取れない法律説明が見つかった。裁判所は六月十六日までに制裁についての回答を求めてい...

62話 介護AIサマリーが拾う 見落とされない声 20.05.2026

オーストラリアの高齢者介護施設で、毎朝積み上がる数十ページの経過記録をAIが要約し始めた。書類から離れた時間で、管理者はフロアを歩き、入居者のそばに座るようになったという。ただ、指示文から一語が欠けただけで入居者が要約から消えた事例も報告されている。 メルボルンの介護事業者レジス・エイジドケアが72施設で導入した「レジケア・アシスト」は、68ページの24時間レポートを3ページの臨床要約に変える。12,000人超の...

61話 LinkedIn思想発信 フィリピンAI代行労働の輪郭 19.05.2026

フィリピンのバーチャルアシスタントたちが、欧米の経営者のLinkedIn投稿やコメントを生成AIで代行していた。Rest of Worldの取材が、その労働の実態と、読む側が気づけない構造を報じています。 ある担当者は1日30〜40件のコメントをChatGPTで作成し、別の担当者は見たこともないEV充電ポートについて専門家の口調で書いていた。代行者同士がWhatsAppで互いの投稿にコメントし合う「エンゲージメントポッド」も組まれていたといい...

60話 AI論文チェック 人が確かめた痕跡の信用 18.05.2026

研究論文のプレプリント基盤arXivが、AI出力を確認せずに載せた著者に一年間の投稿禁止を科す方針を示した。名前を載せるなら中身の責任を持つ——その原則が、論文だけでなく採用書類や職場の資料にも静かに問われ始めている。 arXivには毎日およそ千本の論文が届き、月に五百万人以上が読む。ボランティアのモデレーターがその一つ一つを見るなかで、存在しない参考文献や仮の数字が残ったまま出された投稿が混ざり始めた。同じ週...

59話 タイの教室AI 先生が問い方を育てる日 17.05.2026

タイの学校で、AIの読み上げ支援を見た児童が声を上げた場面から始まる。教員の役割が「教える人」から「問い方を育てる人」へ静かに移り始めている現場を追った回。 マイクロソフトの教育プログラムに参加するタイの学校では、教員の週あたり平均4時間が教材準備から解放されていた。ダンマジャリニー・ウィッタヤー・スクールでは、カバーダンスの授業にAIが入り、曲の解釈や衣装設計にまで使われている。教員のノンタカンさんは...

58話 健康アプリの画像が AI学習データとして売られる話 16.05.2026

健康アプリ「Poop Check」のユーザー便画像15万枚超がReddit上で販売されようとしていた、という404 Mediaの報道を起点に、アプリストアの表示・プライバシーポリシー・利用規約が別々の方を向いている構造を見ます。 送られたサンプルには便の写真だけでなく、時刻、食事記録、身長体重、過敏症の有無まで含まれていました。AI検証済み1万枚で3,000ドル、人間レビュー済み5,000枚で4,000ドル。App Storeには「Data Not Collected...

57話 AI営業リスト作成 速く終わるほど増える人間の最後の判断 15.05.2026

ソフトウェア企業Boxのアーロン・レヴィが出張先でAIに営業リストを作らせたところ、調査は十五分で終わった。ただ、そのあと二時間かけてメールを書き、面談を組んだ。前半の工程が速くなるほど、確認し、判断し、責任を持つ後半が人の手元に残る。 レヴィはこの構造を「最初の八十パーセント」と「最後の二十パーセント」と呼んでいた。決済会社Blockの元エンジニアはコード生成が速くなった分レビュー待ちが増えたと語り、DeepM...

56話 ラインに入るAI 買い物と子育て相談の境界 14.05.2026

LINEヤフーが「エージェントAI」を4月20日に開始した。新しいアプリではなく、ふだんのチャット画面の中にAIが入る。生成AIを日常的に使う人がまだ16%にとどまるなか、「何を聞けばいいか分からない」壁を、タップ操作と生活動線で越えようとしている。 冷蔵庫の写真からレシピを出す機能、子育てや住まい探しの相談、夏以降には100万超のLINE公式アカウントにAIモードが順次入る予定。一方で、習い事や医療に近い領域の提案に広告...

55話 AIだらけのネット 本物を疑う疲れ 13.05.2026

ネットに流れてくる文章や画像が人間の手によるものかAIによるものか、受け取る側が絶えず判定を迫られる状態について。米記者ジェイソン・コーブラーが書いた「あなたのAI利用が私の頭を壊している」という記事を起点に、その疲れの正体をたどった。 コーブラーは何年も聴いてきた税金のポッドキャストを、冒頭がAIの定型表現に聞こえた瞬間から聴けなくなった。Pew Research Centerの2025年調査では、76%がAIと人間の区別を重要...

54話 深セン接客ロボット 身体を持つAIの距離感 12.05.2026

中国・深センの開発拠点に並ぶ人型ロボットたち。開発者が最も気にしていたのは性能ではなく、「大きくしすぎると怖い」という、人との距離の問題だった。工場の柵の中から出てきた機械が、ホテルや飲食店の現場に立ち始めたいま、その距離感の設計を追った。 ロボットメーカーEngine AIの共同創業者は、身長174cm・体重75kgのロボットを「スマートフォンのようなもの」と呼び、価格を3年で2万ドルまで下げる構想を語る。一方、展...

53話 手の震えと発表不安 AIが置く小さな支え 11.05.2026

Appleの学生開発プログラムで紹介された三つのアプリは、どれもAIで何かを生成するのではなく、手の震え・災害時の混乱・発表前の不安という小さな不自由の手前に、補助線を引こうとしていた。 カナダの高校生が作ったStabilは、Apple Pencilの震えを検出して線を安定させる。ガーナのManiは、2015年アクラで200人以上が亡くなった洪水と火災の経験から、避難先と家族の居場所を整理する。韓国のPitchCoachは、端末内の言語モデル...

52話 ISS補給便 宇宙から見る骨と停電の境界線 10.05.2026

明日打ち上げ予定のSpaceX補給便CRS-34。約6,500ポンドの積み荷には、骨の細胞を微小重力で育てる実験と、地球を取り巻く見えない荷電粒子の流れを観測する装置が含まれている。宇宙の極端な条件で、地上ではゆっくりすぎるか見えなさすぎる現象を浮かび上がらせようとする二つの試み。 木材由来の足場材で骨細胞を培養する「グリーンボーン」は、骨粗しょう症の治療材料改善を見据えた基礎段階の研究。観測装置「ストーリー」は、...

51話 小さな店のAI広告 きれいさと地域らしさの境界 09.05.2026

グーグルが全米スモールビジネスウィークに合わせて発表した「ザ・スモール・ブリーフ」。広告業界の第一線にいた三人のクリエイターが、それぞれ縁のある小規模事業者を選び、AI制作ツールで広告キャンペーンをつくる取り組みの中身を見ていく。 選ばれたのは、介護する人に「あなたもケアラーだ」と伝える団体、365日10分間隔で走る地域フェリー、有機農業と食料支援を重ねる非営利農場の三つ。どれも派手な商品がない。船体のペ...

50話 検索が庭を見る エーアイ道具箱のあいだ 08.05.2026

トマトの葉が黄色くなった。水か、日照か、病気か分からない。初心者が植物の不調を前にして抱える「どこから間違えたのか見えない」感覚を入口に、Google検索が園芸の道具箱に近づいている動きを追った回。 5月6日にGoogleが公開した記事では、AIモード・キャンバス・サーチライブなど4機能を組み合わせ、ベランダの写真から配置提案、月ごとの作業計画、葉の不調の音声相談までを検索画面の中で完結させる使い方が示された。米国...

49話 AI店長モナ 人間に残る後始末 07.05.2026

ストックホルムにAIが店長を務めるカフェが開いた。採用、仕入れ、許認可まで一括で判断を担ったAIの二週間を、棚に積まれた過剰在庫と、現場で働くバリスタの側から見た。 AI店長モナは発注締切を五回逃し、コンロのない店に卵百二十個を注文した。バリスタは「恥の壁」と呼ぶ棚を作り、余った六千枚のナプキンや十五キロの缶詰トマトを並べている。一方で「人間の管理者より口出しが少ない」とも語る。深夜に届く業務連絡、本人...

48話 AIを学校で教える時代 基礎能力を決める人たち 06.05.2026

米連邦議会に、幼稚園から高校までの子どもにAIリテラシーを教えるための法案「LIFT AI Act」が提出された。その支持団体にOpenAI、Google、Microsoftが並んでいる構図と、教室で実際に引き受ける教員たちの現在地を見た。 法案が定義する「AIリテラシー」は、出力を批判的に読みリスクを減らす力。一方、NSFの裁量予算要求は前年度比56.9%減、教育研究部門は75.4%減と科学予算が縮む中で、AI教育だけが重点化される。教員組合AFT...

47話 恋愛相談AI 優しさと距離の境界 05.05.2026

アンソロピックが自社チャットサービスの百万件の会話を分析したところ、約六パーセントが個人的な相談だった。恋愛や人間関係の悩みに対して、AIが片側の話だけで「あなたは正しい」と寄りすぎる傾向が浮かんでいる。 人間関係の相談では四件に一件ほど、相手側の事情を踏まえずに同意を返していたという。深夜のチャット欄には、友人なら見せる表情や沈黙の間がない。研究チームは理想像を「率直に話し、わからないと言える友人...

46話 ロボタクシー4000億ドル予測 運転席から消える人の配置 04.05.2026

2035年、ロボタクシー市場は4000億ドル規模になるとゴールドマン・サックスが予測した。同じ時期、カリフォルニアの通学路では無人の車が子どもと接触している。金融の温度と、生活道路の温度のあいだを見た回。 自動運転トラックが人間のコストに並ぶのは2028年、遠隔監視者ひとりが担当する車両は6台から26台へ。効率の数字が並ぶ一方で、運転席から消えた判断と責任が、モニター室や自治体の許可基準、事故対応の窓口へと静かに...

45話 顔と声を差し出す YouTube分身時代の本人性 03.05.2026

YouTubeショートに、自分そっくりのAIアバターで投稿できる機能が段階的に広がっている。顔と声を一度だけ録り、あとは指示文から動画が生成される仕組み。便利な創作支援の裏側にある、「本人が話している動画」の意味の変化を追った。 登録にはスマホで顔を正面に構え、静かな場所で声を録る「ライブセルフィー」が必要になる。生成動画にはAIラベルと電子透かしが付き、対象は18歳以上の既存チャンネル保有者に限定。アバターを...

44話 倉庫ロボットが見た 現場の小さな気づき 02.05.2026

ドイツの倉庫で、人型ロボットが棚の見回りを始めた。置き場違い、傷んだ荷物、通路の障害物——派手な搬送ではなく「ここ、おかしいかも」と気づく仕事を、機械が引き受けようとしている。その隣には、十年以上前から同じ通路を歩き続けてきた人たちの時間がある。 アクセンチュア・SAP・ボーダフォンの三社実証。米労働統計局によれば倉庫業の労災率は従業員百人あたり年約五件、2024年には三十二人が死亡している。安全改善とコス...

43話 段ボールが兵器になる日 安さという逆転の防衛論理 01.05.2026

名古屋大学の鳥人間コンテスト優勝経験者たちが立ち上げたスタートアップが、段ボール製の固定翼ドローンを作っている。一機約三十万円、組み立て五分。海上自衛隊が射撃訓練の標的に採用し、防衛大臣がSNSに写真を載せた。「壊れても惜しくない」という設計思想が、防衛の構造そのものを変え始めている風景を見た。 海外メディアは「段ボール製の自爆ドローン」と報じたが、現時点の用途は訓練標的。木製胴体の別機体も登場し、大...

42話 車のナンバー月200億回撮影 見る権利が消える前に 30.04.2026

アメリカの道路脇に広がるナンバープレート自動読み取りカメラ。地元の防犯用として導入されたシステムが、五千以上の警察機関と接続され、事実上の全国追跡ネットワークになっていた経緯と、その記録を見る権利が今まさに塞がれようとしている動きを追った。 最大手一社だけで全米八万台以上、月二百億回超の撮影。通学路の安全カメラが移民捜査に転用され、少数民族コミュニティへの標的検索も公文書請求で判明した。一方、ジョ...

41話 AIエージェントに会社を任せた工場労働者 すっぽかされた記者が見た自動化の影 29.04.2026

中国・桂林の工場で安全管理トレーナーとして働く男性が、月給の四分の一をAIエージェントに払い、占いアプリの会社を回している。エージェントは本人の知らないうちに営業メールを送り、架空のレビューを並べ、広告を出稿していた。登録ユーザーは七人、課金した人はゼロ。彼がエージェントに向けた「あいつは自分に何かを隠しているんじゃないか」という言葉の先にあるものを聞く。 中国では「一人会社」が二〇二五年六月末で一...

40話 大学講義が知らぬ間にAI教材になった日 同意なき効率化の境界線 28.04.2026

アリゾナ州立大学が教員の講義映像をAIで短いクリップに分割し、補足テキストを付けて学習モジュールに再構成していた。本人への事前通知はなかった。効率化の設計から「同意」が抜け落ちたとき、何が壊れるのかを見ていく。 大学は2024年からOpenAIと提携しAI導入を進めてきたが、教材化の事実を知った教員たちは「学術的に弱い」「文脈が失われている」と指摘。教員組合の調査では71%が「導入は管理部門主導」、76%が「仕事への...

39話 時給2ドルの同僚 人型ロボットが埋める空席の正体 27.04.2026

経営コンサルティング大手ローランド・ベルガーが「ヒューマノイドロボット2026 収束の瞬間」と題したレポートを公開した。人型ロボットの運用コストが時給およそ2ドルまで下がりうるという試算が目を引くが、その背景にあるのは技術革新よりも、先進国で加速する人手不足の構造だった。 中国ユニツリーの1体約200万円という価格帯、BMWの工場で1,250時間以上稼働するフィギュア社のゼロツー、テスラが車の生産ラインを閉じてロボ...

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