roudoku iqunity

朗読のアナ 寺島尚正

Arts JA ↓ 316 episoder

100万再生突破!ありがとうございます。 ラジオアナウンサーは言葉を読み語る表現者。 文化放送から、四十年にわたってリスナーに語りかけている寺島尚正アナウンサーがさまざまな作品を朗読します。 その声が紡ぎ出す物語に耳をすませ、語りから無限に広がる想像力、日本語の奥深さをご堪能ください。  朗読のお仕事がございましたらお声かけください。

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10. okt 2026

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Episoder

永井荷風 「寝顔」 10.10.2026

 父を亡くしたあと静かに暮らす母娘。娘は年ごろとなり、十八歳違いのまだ若い母がいます。荷風らしく娘の心理や家庭内の微妙な空気を流麗な筆致ですくい上げた叙情的な作品です。大正の終りに発表された作品です。

江戸川乱歩 「日記帳」 03.10.2026

 成就しなかった恋愛に秘められた謎を、江戸川乱歩らしく暗号で解き明かします。兄は遺品の中にあった日記帳を開いて、それまで知らなかった弟の姿を知ることになります。弟が心のうちに隠していたものは何だったのでしょうか?

芥川龍之介 「片恋」 18.09.2026

 現代の推し活にも通じる大正時代の恋愛の話です。久しぶりに再会したかつて馴染みだった女は、手の届かない相手に恋をしていました。一方的な恋心のエゴと儚さが、可笑し味をもって描かれます。

山本周五郎 「麦藁帽子」 12.09.2026

 山本周五郎が昭和9年に発表した作品で、時代ものではなく書いた時代を舞台とした当世小説です。旅の滞在先で知り合った老人の話から、人生のかけ違いや、もしかするとありえたもう一つの人生について、しみじみと考えさせられる作品です。

小酒井不木 「被尾行者」 03.09.2026

 貴金属店に勤める清三は、仕事を終えた帰り道、男に尾行されているような気がする。徐々にそれは確信に変わる。なぜなら清三には心当たりがあった。尾行されているうちに、やましい思いに追い詰められ、清三は一つの決心をして行動に出ますが・・・。

山川方夫 「はやい秋」 26.08.2026

 夏の海岸の岩かげにいると、別れ話が聞こえてきます。別れを言い渡す女が気になり、その姿をかげからのぞき見ると、あまりにも魅力的で、忘れられなくなってしまう。夏の休暇が終わり戻った街で、思わぬ時に、思わぬ場所で女と再会します。その女の正体こそ、最も思いかけないものでした。

宮沢賢治 「とっこべとら子」 15.08.2026

 狐が化けて人を騙す話は日本各地に残されています。昔からおかしなことに出くわすと、人は狐のせいだといいますが、本当にそうなのでしょうか?正々堂々まっすぐに生きていれば、狐は寄ってこないともいわれます。人間はどんな時に、狐に騙されるのでしょうか?

芥川龍之介 「一夕話」 04.08.2026

 粋人の旦那に囲われ、そのおかげで芸事に通じ教養を身につけて一流の芸者になったものの、彼女の幸せはそこに無く、つまらぬことで恵まれた環境から逃げてしまいます。その出来事を題材に話し合う大正時代のインテリたちの会話に、高踏的な憂鬱が感じられる作品で、当時の芥川の心境を映し出した作品とも言われています。

山川方夫 「十三年」 25.07.2026

 各地が焦土と化した敗戦から、日本はわずか十数年で高度成長の波に乗り復興を成し遂げます。終戦直後は一家の支柱を喪失した家族も多く不安のなかで道徳も乱れましたが、復興とともに家族の幸福も取り戻されていました。戦後の混乱期に秘密の出来事を共有した二人が、偶然再会し探り合うようなやりとりをはじめます。

芥川龍之介 「おぎん」 16.07.2026

 芥川龍之介の切支丹物と言われるジャンルの作品です。処刑場に引き出されたキリシタンの少女は、崇高な信仰心と俗世を生きる人間の現実との間で揺れ動きます。宗教の殉じた少年を描き傑作と評される「奉教人の死」と対をなす作品で、時を経るにつれ再評価の声が高まっている短編です。

平林初之輔 「夏の夜の冒険」 10.07.2026

 大正時代の東京。夜遅くまで働き会社を出たあと、終電の時間が過ぎるまで同僚と飲んでしまった。そんな時間に駅の片隅のうずくまっているやせ細った少年を発見する。そこからちょっとした善意と正義感で、少年を家に届けることになったのだが、どうやら家庭は複雑で、子供への愛情のかけらも感じられない。そして善意と正義感は思わぬ結果をもたらすことになる。

久生十蘭 「湖畔」 02.07.2026

 小説の魔術師、多面体作家と言われた久生十蘭の面目躍如。小説のジャンルを横断して、人間の愛の本質に触れながら、サスペンスのように読ませていく不思議な味わいの短編小説です。歌手で作家としても評価されているさだまさしさんが、強く印象に残っている作品のひとつと語っています。

山川方夫 「カナリヤと少女」 24.06.2026

 言葉を話せない少女の純粋な初恋を描いた短編小説です。自分の分身のようなカナリヤとともに生きてきた少女は、若い船乗りにはじめて恋をしますが、行き違う運命が待ち構えていました。その純粋で一途な思いは、恐ろしくも残酷な結末へと進んでいきます。

山本周五郎 「内蔵充留守」 30.05.2026

 徳川家光より剣の師範に招かれるほどの達人ながら、在野で暮らすことを選んだ別所内蔵充(くらのすけ)のもとには、教えを乞おうと多くの武士たちが訪れます。しかし内蔵充は何処へ行ったものやら、長らく留守の続けています。帰りを待つ侍たちは思い思いに日々を過ごします。

新美南吉 「久助君の話」 21.05.2026

 新美南吉には久助君という少年が登場する<久助もの>と呼ばれる少年小説の作品群があります。その一つです。大きな事件が起こるわけではありませんが、なにげない日常の出来事のなかで、揺れ動く少年の心の綾が描かれ、自らの子どもの頃を思い出しジワリと沁みてくる作品です。

久生十蘭 「黄泉から」 15.05.2026

 美術史の研究をするためにフランスに渡った光太郎は、戦争終結期の混乱に乗じて、美術品仲買商に転身し抜け目なく立ち回って成功を手にします。それから商売以外のことはすべて色褪せて見え、かつての人との繋がりなどを忘れて過ごしていました。ところがある日、自分の身近にいた一人の女性のことを思い出したことで、不思議な体験をします。

芥川龍之介 「貉(むじな)」 08.05.2026

 貉は不思議な存在で、アナグマのことといわれますが、それに近い容貌の生き物全般の曖昧な総称のようであり、人を化かしたり驚かせたりする話が各地に伝わっています。本当にいるのか、本当にそんなことをするのかは問題ではなく、話が信じられて伝わることは、貉と同じように人の世も不思議に満ちていることを教えてくれます。

菊池寛 「祝盃」 01.05.2026

 久しぶりに上京してきた男は、かつて仲間内で一目も二目も置かれた才気に溢れた存在でした。今は田舎の小さな町で頭角を現すこともなく、埋もれて暮らしています。迎えた二人の男は、今では東京で成功をおさめ始めており、かつて自分たちのはるか先にいて羨望の的であった男のさえない姿を見て…。

吉川英治 「下頭橋由来」 25.04.2026

 箸の下に住み着いた物乞いの男は、頭を下げて施しを受けて暮らしてながら、近隣の誰からも嫌われないどころか、なにかと人の役に立っているようで、地域に馴染み好かれていました。しかし、ある侍があらわれて、この男には人には言えぬ過去があったことがわかります。

山川方夫 「予感」 18.04.2026

 主人公はなにか嫌な予感がしています。彼は自分の予感は当たると信じていますが、妻はそれを信じてはくれないだろうと言い出せずにいます。そして二人で旅に出ます。彼のなかで嫌な予感が膨らんでいきます。若い夫婦はどうなるのでしょうか?

梶井基次郎 「蒼穹」 11.04.2026

 梶井基次郎の創作のなかでも高く評価されているボードレールの影響を受けた掌編です。春の終わりの晴れ渡った日に、山と渓谷が描き出す造形と上空で形を変えていく雲。その空を眺めているうちに、闇夜の記憶が蘇ります。明と暗を繋いだものはなんだったのでしょう。

横光利一 「笑われた子」 03.04.2026

 子の行く末を考えない親はいません。悩んだ末、わずかな行動や会話から、子をその道に導いた話を耳にすることはよくあります。ここに登場するのは、親がちょっと心配するような子供です。親は日ごろの行動を見て、とにかく自分の力で暮らして欲しい思い、大きな可能性までに考えが及びません。短い作品ですが、横光利一のなかでも重視されている一作です。

野上豊一郎 「北信早春賦」 21.03.2026

 碓氷峠を越えて佐久平と向かっていくと、寒さのなかに春の気配を感じます。そして長野から湯田中へ信州の奥へと向かうほど、漂う風情は春がまだ遠いことを感じさせます。わずかな旅の間に自然の中で季節を行き来する心情を描いた随筆です。

芥川龍之介 「老年」 11.03.2026

 芥川龍之介の処女作です。大正3年、東京帝国大学在学中の22歳の時に「新思潮」に掲載されました。現代とは違い江戸に生まれ暮す若者にとって浄瑠璃や芸が身近ではあったとはいえ、このような老成した題材を高い技巧で描いた若き天才の登場は衝撃的であったことでしょう。

南部修太郎 「女盗」 05.03.2026

 列車で鼻持ちならない男たちや人目を引く派手な女と乗り合わせた男は、不快になりながらも彼らの振る舞いをつい観察してしまいます。作者の南部修太郎は大正から昭和の初めにかけて創作活動に取り組んだ小説家で、芥川龍之介に師事し「龍門の四天王」の一人とされていました。「三田文学」の編集主幹を務めるとともに、三田派の作家として多くの作品を残しました。

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