本と舍

本と人にめぐりあうラジオ

Society JA ↓ Επεισόδια: 51

毎週木曜20時更新。本と舍(ほんとあらか)は、島根県・温泉津にある無人のシェア文庫です。このポッドキャスト「本と人にめぐりあうラジオ」では、本との出会いをめぐる小さな物語や、町に生きる人びとの声をそっと届けていきます。朗読、本棚紹介、石見神楽の担い手との対話、暮らしに根ざす器と出会う、やきもの祭りのご案内など、日々の営みと季節の風景もおすそわけ。耳からめぐる、懐かしい町と、物語の向こうに広がる見知らぬ風景を行き来する旅へ。

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Τελευταίο επεισόδιο

22 Οκτ 2026

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Επεισόδια

屋根が直りました。そして、たったひとりのための本屋のこと 22.10.2026

本と舍の屋根修繕工事が、終わりました。 1階の庇には、もともとの瓦に加えて現象舎に残っていた古い瓦も葺き直され、軒先に新旧の瓦が並んでいます。 今日はチョン・ジヘ『私的な書店 ―たったひとりのための本屋―』を。予約制で一対一、その人のための本を「処方」する韓国の本屋の話です。本と舍をつくっていたとき、これは自分がやろうとしていることの真逆だな、と笑って眺めていた本でした。

見上げるたび、ちがう空。——塀の中から見上げた、一行の詩 15.10.2026

本と舍に、秋の選書が届きました。テーマは「見上げるたび、ちがう空。」。 秋ほど、空の表情がくるくる変わって面白い季節はないのではないか——そんなお題を司書の大賀さんに渡したところ、「空を見る目線」の本棚が返ってきました。 今回はその中から一冊だけ、『空が青いから白をえらんだのです』をご紹介します。奈良少年刑務所の詩の授業で生まれた57編。表題は、ある少年が書いた一行の詩、その全文です。

右手と左手、ヒトと蟲——硤合先生のノーベル賞と『蟲師』 08.10.2026

昨日10月7日(水)、東京理科大学名誉教授の硤合憲三先生がノーベル化学賞を受賞されました。生命をつくる分子は、なぜ右手と左手のうち片方だけなのか。 今回はこのニュースを入口に、漆原友紀の漫画『蟲師』を読み直します。 動物でも植物でもない、生命の原生体「蟲」。本来は隔てられた世界に棲むヒトと蟲が、重なるとき——。同じ根から出て、重ならないもの同士の話です。

飲まないけれど、酒場が好き——『「酔っぱらい」たちの日本近代』 01.10.2026

私はお酒を飲みません。でも、お酒を飲む場は嫌いではないし、お酒がこれまでつくり上げてきたロマンやノスタルジーは、むしろ大好きです。今回は、昨年末に角川新書から出た右田裕規さんの『「酔っぱらい」たちの日本近代 酒とアルコールの社会史』をご紹介します。 近世まで、祝宴では酔いつぶれることこそが「マナー」だった。それが工業化とともに、翌日の仕事のために酔いを管理する飲み方へと変わっていく。「デキる奴ほど...

入り口は狭く、奥行きは深い——『旅する日常』と、温泉津のページ 24.09.2026

真鶴出版から発売された新刊『旅する日常』をご紹介します。まちを一つの宿と見立てる「まちやど」を営む人たちが、自分の町で普段から通っている店を案内する一冊です。 28地域・145店舗。 編集を手がけた真鶴出版の川口瞬さんは、温泉津100年会議でも事例を話してくださった方です。この本を片手に、一人旅に出たくなりました。

判断を手放さないこと——『火の鳥 未来編』と、2026年9月のAI 17.09.2026

今月、AI開発の最前線にいる人たちが、そろって「速すぎる」と言い始めました。そのニュースを読みながら、私は手塚治虫『火の鳥』の「未来編」を思い出していました。1968年に描かれたこの物語が問うているのは、機械の暴走ではなく、人間の思考停止のほうだったのかもしれません。

茶を摘み、土をいじって老いたい——『へうげもの』という夢の出どころ 03.09.2026

いつか、茶を摘み、土をいじって老年を生きたい。そんな夢が私にはあります。その出どころをたどっていくと、一冊の漫画に行き着くのかもしれません。山田芳裕(やまだよしひろ)の『へうげもの』。戦国武将であり茶人であり、途方もない物欲の人でもあった古田織部(ふるたおりべ)を描いた作品です。今回はこの漫画の話をしながら、実は私自身がこの作品にほんのわずかだけ関わったことがある、という昔話もさせてください。

何を遺し、何を築くか——温泉津に、小さな公園をつくる話 27.08.2026

温泉津の港のそばに、小さな公園をつくろうとしています。温泉津100年会議で113名の町民が話し合ったなかから生まれた、「公園が欲しい」というシンプルな声が出発点です。私もメンバーとして関わっている温泉津地域経営協議会のプロジェクト。クラウドファンディングは8月31日(月)23時59分まで、残りわずかとなりました。 https://camp-fire.jp/projects/939776/view 100年先も、帰りたい町であるために。どうかお力を貸してく...

敷居と鳥居——現代民俗学入門と、境界はどこにあるのか 20.08.2026

なぜ敷居を踏んではいけないのか。島村恭則先生の編著『現代民俗学入門』は、そんな身近な「なぜ」を民俗学の視点から解き明かす一冊です。 敷居は、部屋の外と内を分ける横木。つまり、どちらにも属さない「どっちつかずの場所」。その曖昧さこそが危ういのだと、この本は教えてくれます。 緩やかに仕切るという感覚について、温泉津の風景と重ねながら考えます。

あの音は、誰かを思う時間だった——温泉津の盆踊りと『忘れられた日本人』 13.08.2026

明日から二日間、温泉津の盆踊りです。 盆踊りは私にとって「夏の終わりの音楽」でしかありませんでした。輪の外から聞くばかりで、それが何のためのものなのか、考えてみたこともなかった。 温泉津に移り住み、踊りの輪に加わるようになって、その思い込みは静かに覆されました。 いつのまにか本来の意味から離れていたことに気づかされた夜のことと、そのとき思い出した宮本常一『忘れられた日本人』について、お話しします。

クラウドファンディングのお礼と、文化コモンズとしての本と舍 30.07.2026

熊本県で最大震度7の地震が発生しました。亡くなられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災されたすべての皆さまに心よりお見舞いを申し上げます。強い揺れはしばらく続くおそれがあるとも報じられています。どうかご無事で。一日も早く、安心して眠れる夜が戻りますように。 本日7月30日(木)23時59分をもって、屋根修繕クラウドファンディングが終了します。当初の目標200万円、ネクストゴール222万円を、どちらも上...

風と土が交じり合って、風土になる——クラウドファンディング、残り7日 23.07.2026

屋根修繕クラウドファンディング、残り7日となりました。 目標の200万円まで、あと310,500円です。今回はラストスパートの回として、このプロジェクトに込めてきた思いをあらためてお話しします。 https://camp-fire.jp/projects/954180/view 無料で誰でも使える文化施設を地域に残すこと、明治の建物を次の世代へ手渡していくこと。 残り7日、どうか最後まで見守ってください。そして、お力を貸してください。

太陽は燃え、水は揺れる——大賀まきさんの夏の選書(後編) 16.07.2026

大賀さんによる夏の選書「まぶしくて、深くて、夏。」後編をお届けします。 今回は太陽をテーマにした絵本を中心に3冊ご紹介します。ネイティブ・アメリカンの神話をモチーフにした『太陽へとぶ矢』、詩人・まど・みちおと絵本作家・nakabanが組んだ『水はうたいます』、そして夏の一日をまるごと閉じ込めた『なつのいちにち』。光と水のあいだで息をするこの夏の本棚は、大人にも子どもにも、きっと何かを届けてくれると思います...

まぶしくて、深くて、夏。——大賀まきさんの夏の選書(前編) 09.07.2026

クラウドファンディング「明治の町家の灯りを守りたい」、支援総額1,401,500円、達成率70%、支援者数117人となりました。本当にありがとうございます。残り21日、引き続きよろしくお願いします。 今回から2回にわたって、大賀まきさんによる夏の選書「まぶしくて、深くて、夏。」をご紹介します。 太陽は燃え、水は揺れ、夜はいつか明ける——そんな夏の光と水をテーマにした本棚です。前編では、湖の夜明けを描いた絵本の古典『よあ...

鬼は、悪魔ではなかった——「オニ」という言葉が隠しているもの 02.07.2026

クラウドファンディングが66%、108人の支援者を迎えました。ありがとうございます。 https://camp-fire.jp/projects/954180/view 今日のメインテーマは「鬼」です。 石見神楽を見た外国人の方が、舞台上の鬼を見て「あれは悪魔(デーモン)ですか?」と聞いてくることがあります。でも「demon」という英語は、鬼を表すのに根本的に間違った言葉です。鬼の語源をたどると、「隠れたもの」——つまり死者の霊であり、神に近い存在でし...

雨漏りが、9カ所になりました。それでも、前に進めています。 25.06.2026

梅雨の時期に入り、本と舍の雨漏りが9カ所に達しました。畳に広がる茶色い染み、天井から壁へと流れ落ちた雨のシミ、カビの気配。時間が経つほどに、被害は静かに、しかし確実に拡がっていきます。それでも今日は、少し正直な報告とともに、前に進めていることもお伝えしたいと思います。 おかげさまで、クラウドファンディングの支援総額が1,000,000円に届きました。 https://camp-fire.jp/projects/954180/view 88名の方々のご支...

川、あなたに会いに行く——谷川俊太郎『女に』のこと 18.06.2026

クラウドファンディング「明治の町家の灯りを守りたい」、おかげさまで700,000円を超え、750,000円に近づいています。本当にありがとうございます。 https://camp-fire.jp/projects/954180/view 今回のメインテーマは、谷川俊太郎の詩集『女に』。佐野洋子のエッチング画と詩が織りなす、一人の女の誕生から死後までを描いた愛の詩集です。読んでいるうちに、モーパッサンの小説『女の一生』と奇妙に重なるものを感じました。 後半...

暖簾の向こうに、続く技がある——筒描藍染の手ぬぐいのこと 11.06.2026

クラウドファンディング「明治の町家の灯りを守りたい」、現在657,000円、達成率32%、支援者数68人となりました。 https://camp-fire.jp/projects/954180/view たくさんの方に応援していただいていること、心から感謝しています。 今回は新しく追加したリターンについてご紹介します。出雲市・長田染工場の5代目、長田匡央(ながたまさお)さんに制作いただく、本と舍ロゴ入りの筒描藍染(つつがきあいぞめ)の手ぬぐいです。 本と...

56人の灯り、そして温泉津が雑誌になった——さんいんキラリ61号のこと 04.06.2026

クラウドファンディング「明治の町家の灯りを守りたい」、おかげさまで開始から数日で56人、559,000円のご支援をいただいています。ありがとうございます。 https://camp-fire.jp/projects/954180/view 今回はその途中経過のご報告と感謝をお伝えした後、山陰の暮らしとたびを紹介する雑誌「さんいんキラリ」61号の温泉津特集についてご紹介します。 数年ぶりに訪れた書き手が感じた「温泉津に何があったのか」という問いは、この...

明治の町家の灯りを守りたい——本と舎、屋根修繕のクラウドファンディングについて 28.05.2026

本と舎は、令和7年6月に開業から1年を迎えました。無料で誰でも使えるこの場所を、これからも続けていくために、今回、屋根修繕のためのクラウドファンディングを6月1日よりスタートすることになりました。 https://camp-fire.jp/projects/954180/preview?token=2xatlpfc&utm_campaign=cp_po_share_c_msg_projects_show 建物は明治時代に建てられた町家で、重要伝統的建造物群保存地区の対象物件です。開業当初からじわじわと...

本日、雑談会 21.05.2026

出張につき、いつもと異なる環境からのポッドキャスト録音をしております。お聞き苦しいところもあろうかと思いますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

山そのものが神様だった——柳田国男(やなぎたくにお)『山の神とヲコゼ』のこと 12.05.2026

山道を歩いていると、人里から離れた場所に、ひっそりと小さな祠や鳥居が立っているのを見かけることがあります。あれは何のためにあるのか。 民俗学者・柳田国男は、著書の中で「山の神」という信仰の不思議な姿を記録しています。山の神は醜い女神であり、嫉妬深く、美しい女性が山に入ることを嫌うとされてきました。だからこそオコゼという醜い魚を供えると神が安堵する、という伝承が各地に残る。 そしてこの信仰は、島根の奥...

最初の神様はたった一音だった——島田正路『古事記と言霊』のこと 07.05.2026

古事記の冒頭に、天之御中主神という神様が登場します。姿も事績も語られず、名前だけ現れてすぐ身を隠す、不思議な存在です。言霊学者・島田正路は著書『古事記と言霊』の中で、この神様の正体は「ウ」という一音であると説いています。宇宙の中に初めて意識が動き出した、その一点。 何もない広がりの中で、心の息吹がそっと芽を吹き出そうとする瞬間。古事記はそれを神様の名前として記した、というのです。神話として読んでい...

海を越えた男の話——『海賊とよばれた男』と今この瞬間のこと 30.04.2026

2026年4月28日、出光興産のタンカー「出光丸」が、事実上の封鎖状態にあるホルムズ海峡を通過しました。サウジアラビア産原油200万バレルを積み、名古屋へ向けて航行しているこのニュースは、今から73年前に起きたある出来事と、深く重なります。 1953年、出光興産の創業者・出光佐三が、当時のイギリスの海上封鎖をくぐり抜け、タンカー「日章丸」をイランに送った「日章丸事件」。その物語を小説として描いたのが、百田尚樹の『...

この日、この場所でしか出会えない——海神楽2026のこと 23.04.2026

毎年、温泉津の福光海岸で一度だけ開かれる「海神楽」。 夕陽が沈む日本海をバックに、石見神楽の神々の物語が立ち上がるこの光景は、関係者やファンの間で長く「奇跡の光景」と呼ばれてきました。 今回は、2026年5月23日(土)開催の「海神楽2026 〜奇跡の光景〜」の告知をお届けします。 実は私自身、温泉津に移住してからまだ一度も「海で神楽」を見ることができていません。だからこそ今年は、初めて見る人と同じ気持ちで、こ...

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