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Arts JA ↓ 50 Folgen

“名前は知ってるけど読んでない”文豪の名作を、ミナ&文哉の2人がやさしく解説する対談番組。あらすじ・時代背景・読みどころをネタバレ控えめで。原作は青空文庫を使用しています。

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10. Jul 2026

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D坂の殺人事件|明智小五郎が疑われる?乱歩が仕掛けた驚愕の逆転推理 10.07.2026

江戸川乱歩の短編『D坂の殺人事件』は、名探偵・明智小五郎が初めて登場する記念碑的な一作です。 古本屋の細君が絞殺された謎の夜、犯人は表からも裏からも逃げた形跡がない。 目撃者の証言は食い違い、指紋の謎も深まるばかり。 さらに衝撃的なことに、事件を解こうとする「私」が、親友の明智小五郎その人を犯人として追い詰めていく展開に。 論理の積み重ねと心理の深淵、そして人間の暗い欲望が交差する乱歩ミステリーの原点...

『弟子』中島敦|孔子に喧嘩を売りに行った男が、なぜ命を捨てたのか 10.07.2026

中島敦の短編小説『弟子』は、孔子の門人・子路(仲由)の生涯を描いた作品です。 雄と豚を引き提げて孔子に喧嘩を売りに行った乱暴者が、たった一度の問答で完全に心酔し、師のために生き、師のために死ぬまでを濃密に描きます。 学問より義侠、礼儀より本音——そんな不器用な男の純粋さが胸を打つ傑作。 孔子という「完成された人間」のそばで、子路はいったい何を見つけたのか。 中島敦が戦時中に書き残した、命と信義をめぐる問...

『月夜と眼鏡』小川未明|蝶が人間に化ける?日本のアンデルセンが描いた夜の魔法 09.07.2026

小川未明の短編童話『月夜と眼鏡』は、静かな月夜に独り針仕事をするおばあさんのもとへ、謎めいた眼鏡売りの男と、深夜に血を流した少女が訪ねてくる幻想的な物語です。 新しく手に入れた眼鏡を通して見えてきたもの——それは現実なのか、夢なのか。 読み終えたあとに、月の光の見え方が変わるような、やさしくて不思議な余韻が残ります。 「日本のアンデルセン」と呼ばれた小川未明が、なぜ童話の世界にたどり着いたのか。 その転...

白痴|戦火の東京で白痴の女と逃げた男が見た「人間の本当の姿」とは 09.07.2026

坂口安吾の短編小説『白痴』は、1946年に発表された戦中・戦後文学の傑作です。 舞台は空襲が迫る東京の路地裏。 映画の演出助手として無気力な日々を送る青年・伊沢は、ある夜、隣に住む「白痴」の女が押し入れに潜り込んでいるのを発見します。 言葉も通じない、感情も読み取れない——それでも二人は奇妙な共同生活を始め、やがて東京大空襲の業火の中を共に逃げ惑うことになります。 「堕落論」で知られる安吾が、戦争・芸術・人...

芋粥|夢が叶った瞬間に人はなぜ萎えるのか?芥川が描く欲望の正体 08.07.2026

芥川龍之介の初期短編『芋粥』は、平安朝を舞台に、ひとつの小さな夢を胸に生きる男の物語です。 誰にも相手にされない冴えない五位の侍が、ただひとつ「芋粥に飽くほど食いたい」という願いを抱いて生きている。 その夢が、ある豪快な武人の手によって突然、叶えられてしまう——そこから物語は、思わぬ方向へ転がっていきます。 夢の実現が必ずしも幸福とは限らない。 叶う前の「欲望そのもの」に、人はひそかな生き甲斐を見出して...

猫の事務所|職場いじめを童話に?宮沢賢治が突きつけた組織の残酷さ 08.07.2026

宮沢賢治の童話『猫の事務所』は、猫たちが働く小さな職場を舞台に、理不尽ないじめと組織の空虚さを描いた異色の作品です。 主人公・かま猫は、生まれつきの体質ゆえに煤だらけになってしまう四番書記。 誰よりも勤勉に働くのに、同僚からは蔑まれ、信じていた事務長にも裏切られ、孤独の中でひとり泣き続けます。 ラストに突然現れる「獅子」の一喝は、読む人の胸に深く刺さります。 可愛らしい童話の体裁をとりながら、職場のヒ...

心理試験|完全犯罪を企んだ天才犯人が、なぜ自ら墓穴を掘ったのか 07.07.2026

江戸川乱歩の初期傑作『心理試験』は、完全犯罪を緻密に計画した大学生・蕗屋清一郎と、心理学を武器に真相へ迫る探偵・明智小五郎の息詰まる頭脳戦を描いた短編ミステリー。 犯人も捜査側も、互いの「心の読み合い」に全知全能を賭ける。 なぜ準備万端のはずの天才が、ほんの一言で追い詰められてしまうのか。 百年前に書かれた物語でありながら、心理学・法学・人間の本性といったテーマは今もまったく色褪せない。 ネタバレなし...

ヴィヨンの妻|「人非人でもいいじゃないの」妻が選んだ生き方に震える太宰の傑作 07.07.2026

太宰治の短編小説『ヴィヨンの妻』は、1947年(昭和22年)に発表された戦後文学の傑作です。 飲んだくれて借金を重ねる夫・大谷に振り回されながら、ある夜の事件をきっかけに、妻さっちゃんが自らの手で生活を切り開いていく物語。 夫に寄りかかるのでも、恨むのでもなく、「生きていさえすればいい」と笑いながら歩み出す妻の姿は、読む者の胸を強く揺さぶります。 太宰が敬愛したフランスの詩人フランソワ・ヴィヨンの名を冠し...

阿部一族|殉死を「許されなかった」男の一族が、なぜ滅亡へ向かったのか 06.07.2026

森鴎外の歴史小説『阿部一族』は、江戸初期の熊本を舞台に、殉死という制度をめぐって一族が滅亡へと追い詰められていく過程を描いた傑作です。 主君の死に殉じることを「許可制」にした時代の空気の中で、唯一許しを得られなかった阿部弥一右衛門とその子供たちの誇り、怒り、そして悲劇的な結末を、鴎外は驚くほど冷静な筆致で記録します。 「なぜ彼だけ許されなかったのか」という問いが、物語全体を貫く静かな爆弾として機能し...

やまなし|「クラムボン」って何者?宮沢賢治が水の底に隠した世界の秘密 06.07.2026

宮沢賢治の短編『やまなし』は、谷川の底に住む小さな蟹の兄弟が語り手の、わずか数ページの掌編小説です。 「クラムボンはわらったよ」——この謎めいた一文を、一度は教科書で目にしたことがあるはず。 でも「クラムボンって結局なんだったの?」 と首をかしげたまま大人になった人も多いのでは。 五月と十二月、二つの場面に描かれるのは、死と再生、恐怖と安らぎ、そして命がめぐる川の底の世界。 ネタバレなし・難しい解説なし...

押絵と旅する男|乱歩が描いた「別の世界」への扉、その正体とは 05.07.2026

江戸川乱歩の傑作短編『押絵と旅する男』は、蜃気楼を見た帰りの汽車で出会った謎の老人が語る、「別の世界」への扉を開く物語です。 老人が大切に抱える一枚の押絵には、生きているとしか思えない人物が描かれており、そこに隠された数十年前の秘密が、静かに、しかし確実に語られていきます。 逆さに覗いてはいけない双眼鏡、幻のように消えた兄、そして押絵の中で老いてゆく男——乱歩がこの作品に込めた「見ること」の魔力と、時...

『女生徒』太宰治|なぜ男が書いた「私」が、100年後の女性にも刺さるのか 05.07.2026

太宰治の『女生徒』は、ある一人の少女の朝の目覚めから夜眠りにつくまでの一日を、鮮烈な一人称で描いた短編小説です。 1939年(昭和14年)発表。 実在の女性ファンの日記をもとに書かれたというエピソードでも知られ、少女の自意識・孤独・美しさへの憧れ・大人になることへの戸惑いが、驚くほどみずみずしい言葉で綴られています。 「朝は灰色」「私は王子さまのいないシンデレラ姫」——80年以上前の作品なのに、まるで今の自分...

地獄變|娘を燃やした絵師の「狂気」は本物か?芥川が問う芸術と倫理の深淵 04.07.2026

芥川龍之介の傑作短編『地獄変』は、平安時代を舞台に、日本一の絵師・良秀が「地獄変相図」を描くために払った、想像を絶する代償を描いた物語です。 権力者・堀川の大殿に命じられた屏風絵を完成させるため、良秀は弟子を鎖で縛り、梟を嗾け、蛇を飼い、悪夢の中に獄卒を見る——その狂気じみた創作の果てに待っていたのは、あまりにも残酷な「実体験」でした。 「見ずして描けぬ」という芸術家の業と、それを利用する権力者の闇。...

草枕|「智に働けば角が立つ」人生の逃げ場を求めた漱石が描いた、究極の美の旅 04.07.2026

夏目漱石の異色作『草枕』は、「智に働けば角が立つ。 情に棹させば流される」という冒頭の一文があまりにも有名な、明治39年発表の小説です。 主人公の画工が俗世を離れ、山里の温泉宿へ逃げ込む——ただそれだけの「筋らしい筋のない」物語ながら、随所に詩・俳句・絵画論・哲学が織り込まれた、世界でも類を見ない「非人情の美」を追い求めた作品。 漱石自身が「詩的小説」と呼んだこの一冊には、現代を生きる私たちが今こそ必要...

一房の葡萄|盗みを犯した少年に先生が渡したもの——有島武郎が描く赦しの奇跡 03.07.2026

有島武郎の短編小説『一房の葡萄』は、横浜の外国人学校に通う内気な少年が、友人の絵の具を盗んでしまうところから始まります。 発覚し、泣き崩れる少年を待っていたのは、罰でも説教でもなく、窓から摘んだひと房の葡萄でした。 百年以上前に書かれた小品でありながら、「赦し」と「人への信頼」という普遍的なテーマが静かに心を揺さぶります。 子どもの頃の罪の感覚、憧れ、恥——読み終えたとき、自分の中の忘れかけた何かがや...

赤い蝋燭と人魚|人魚が町を滅ぼした理由――小川未明が問う「やさしさ」の代償 03.07.2026

小川未明の名作童話『赤い蝋燭と人魚』は、北の海に棲む人魚が我が子の幸福を願って陸に産み落とすところから始まる切なくも恐ろしい物語です。 蝋燭屋の老夫婦に育てられた人魚の娘は、赤い絵を描いた蝋燭で人々を守る存在になりますが、やがて「金」と「欲」が人の心を変えていきます。 童話でありながら読後に重くのしかかる問い――人間はほんとうに「やさしい」のか。 日本児童文学の父とも呼ばれる未明が、100年以上前に書いた...

山椒大夫|母と子が引き裂かれた日、少女はなぜ沼に消えたのか 02.07.2026

森鴎外の名作『山椒大夫』は、母と子が人身売買によって無惨に引き裂かれ、再び出会うまでの壮絶な物語です。 「安寿と厨子王」として民話でも知られるこの話を、鴎外は1915年(大正4年)に格調高い文語体で書き上げました。 姉の安寿が弟・厨子王のためにすべてを犠牲にする場面は、読む者の胸を深く揺さぶります。 人身売買という理不尽な暴力、それでも消えない家族への愛、そして権力が社会を変える可能性——現代にも鋭く刺さる...

名人伝|極めた先に弓を忘れた男――中島敦が問う「本当の達人」とは 02.07.2026

中島敦の短編小説『名人伝』は、弓の天下一を目指した男・紀昌が、究極の修行の末にたどり着いた「不射之射」の境地を描いた作品です。 瞬きをなくす訓練に二年、虱を馬ほどの大きさに見る視力修行に三年――積み重ねた技術が頂点を超えたとき、名人は何を失い、何を得るのか。 老師・甘蠅が素手で鳶を落とす場面、そして晩年の紀昌が弓の名前さえ忘れてしまう衝撃のラストは、「極めるとはどういうことか」という問いを現代の私たち...

桜の森の満開の下|なぜ美しい女は鬼になった?安吾が描く孤独の正体 01.07.2026

坂口安吾の短編小説『桜の森の満開の下』は、1947年(昭和22年)に発表された幻想的な傑作です。 鈴鹿峠に住む荒々しい山賊が、ある日出会った絶世の美女に魂ごと絡めとられていく——その先に待ち受けるのは、桜の森という「孤独の聖域」との対峙でした。 誰もが知っている「桜の怖さ」を語りながら、実は人間の欲望・孤独・魂の在り処を問いかける深い物語。 読み終えたあと、桜の花が以前とは違って見えるはずです。 戦後の焼け跡...

風立ちぬ|死を前にしても「生きたい」と思える理由を、堀辰雄は書き残した 01.07.2026

堀辰雄の代表作『風立ちぬ』は、結核を患う婚約者・節子とともにサナトリウムで過ごした日々を描いた、日本文学屈指の純愛小説です。 「風立ちぬ、いざ生きめやも」——フランスの詩人ヴァレリーのこの一句が作品全体を貫くテーマになっています。 死の影が漂う療養所という極限の場で、二人が互いに寄り添いながら見出した「生きることの美しさ」。 ネタバレなしで、作品の世界観と堀辰雄という人物の素顔に迫ります。 読んだことが...

人間椅子|あなたが座っているその椅子に…乱歩が仕掛けた究極の恐怖 30.06.2026

江戸川乱歩の短編『人間椅子』は、椅子の中に潜む男の告白という、読み始めた瞬間から鳥肌が止まらない怪奇小説です。 1925年に発表されたこの作品、有名なのに意外と「最後まで読んだ」人は少ない。 美貌の女流作家・佳子のもとに届いた一通の手紙。 そこには、ある職人が数ヶ月にわたって椅子の中に潜み続けた「告白」が綴られていました。 恐ろしいのに目が離せない。 気持ち悪いのに美しい。 乱歩にしか書けない「触覚の文学」...

手袋を買いに|子狐が町へ行った夜、母さん狐がつぶやいた一言の意味 30.06.2026

新美南吉の名作童話『手袋を買いに』は、雪の降る夜に子狐がひとり町へ手袋を買いに行く、ただそれだけの物語です。 でも読み終えたとき、胸に残るのは「ほんとうに人間はいいものかしら」という母さん狐のつぶやき。 子供向けと思いきや、恐れと信頼、善意と不信の間で揺れる感情が静かに描かれています。 童話でありながら大人の心にしっかり刺さる、新美南吉29年の短い生涯が生んだ珠玉の一篇。 ネタバレなしで作品の魅力と背景...

蜜柑/芥川龍之介|たった5つの蜜柑が、どんよりした心を一瞬で変えた理由 29.06.2026

芥川龍之介の短編『蜜柑』は、冬の夕暮れ、どんよりした倦怠感を抱えた「私」が横須賀線の二等車に乗り込むところから始まります。 薄汚れた身なりの小娘に苛立ちながら過ごしていた「私」が、あるトンネルを抜けた瞬間に目撃する光景——たった五つ六つの蜜柑が空から降るだけで、なぜ人の心はこんなにも動くのか。 わずか2000字に満たないこの作品は、芥川が書いた「最も短くて最も美しい」小説のひとつとも言われます。 ネタバレ...

藪の中|真実はひとつじゃない?芥川が仕掛けた「嘘と記憶」の迷宮 29.06.2026

芥川龍之介の短編小説『藪の中』は、一人の武士の死をめぐって、盗賊・妻・死者の霊まで、関わった全員がまったく異なる「真実」を語るという衝撃の構成で知られる名作です。 誰が嘘をついているのか、それとも全員が自分なりの真実を語っているのか——100年経った今も答えは出ていません。 「やぶの中」という言葉が「真相不明」を意味する慣用句になったほど、この作品が文化に与えた影響は絶大。 謎解きとしてのスリル、人間の自...

桜の樹の下には|あの美しさの正体を梶井基次郎はこう見た 29.06.2026

梶井基次郎の短編小説『桜の樹の下には』は、桜の圧倒的な美しさに「信じられない」と感じた語り手が、その不安の正体をある衝撃的な想像によって解き明かしていく作品です。 わずか数ページの掌編でありながら、読み終えると桜の見え方が根底から変わってしまう——そんな恐ろしい力を持つ一篇。 「美しいものの裏には何かある」という感覚を、梶井はこれほどまでに鮮烈な言葉で切り取りました。 毎年花見のたびに思い出す人が後を...

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