森雪之丞
森雪之丞 Poetry Readingの世界『感情の配線』
1976 年作詞作曲家としてデビュー以来、昭和・平成・令和の3 世代でジャンルを超えてヒットチューンを生み出し続ける森雪之丞が、自選詩集『感情の配線』の発売を記念して詩を朗読する番組。メロディーを脱ぎ捨てた諧謔とエロスと波動(グルーヴ)詩人・森雪之丞の言葉の軌跡を是非ご体感ください。森雪之丞 自選詩集『感情の配線』2024年1月14日(日)発売特設サイト:https://www.mori-yukinojo.com/emotional_wiring/ハッシュタグ:#感情の配線 #推詩森雪之丞スタッフX: https://x.com/yukinojo_news
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Episodes
同義語 <連弾詩集「扉のかたちをした闇」より> 06.10.2025 0:34
同義語 <連弾詩集「扉のかたちをした闇」より> 想えば近づいてくる気がして 思考の外に追いやってきた 悲しみを伴うその響きを 寄せつけないだけの若さがあった 祖母が叔父が友人が 生き物としての約定(やくじょう)に従って消えても 違う世界の出来事だと思い込んでいた だからとても時間が掛かった それが『生』と同義語だと分かるまで 1976 年作詞作曲家としてデビュー以来、昭和・平成・令和の3 世代でジャンルを超えてヒ...
反抗期の天使 <連弾詩集「扉のかたちをした闇」より> 22.09.2025 0:24
反抗期の天使 <連弾詩集「扉のかたちをした闇」より> あぁ気にしないで ヒマだったからさ ヒマだと色んなこと考えちゃうんだよね 存在…理由…みたいなこと だって誰もボクを必要としないんだもの だから気にしないで 黒いタイツ穿(は)いてシッポ生えてても 1976 年作詞作曲家としてデビュー以来、昭和・平成・令和の3 世代でジャンルを超えてヒットチューンを生み出し続ける森雪之丞が、自選詩集『感情の配線』の発売を記念し...
ヤドカリと十二月 <連弾詩集「扉のかたちをした闇」より> 08.09.2025 1:56
ヤドカリと十二月 <連弾詩集「扉のかたちをした闇」より> 虫カゴで飼っていたヤドカリが 脱皮するために次の貝殻を探している ヤツはいつ気づくのだろう 未来を運んでくるはずの波が もう随分と来ないことに 抽斗(ひきだし)に残っていた線香花火を ベランダの暗がりに咲かせた 咲きかけた瞬間 橙色(だいだいいろ)の玉を北風に掠め取られて実感したのだ 花火と私が季節に置き忘れられたことを 1年は12ヵ月 いつ教えられたの...
十一月の旅人には翼がある<連弾詩集「扉のかたちをした闇」より> 25.08.2025 1:38
十一月の旅人には翼がある<連弾詩集「扉のかたちをした闇」より> 探し続けていたのか? 逃げ回っていたのか? 華氏77℉の空港で虹を見つけた朝も 霞(かすみ)という町の路地で息を潜めた夜も 旅の途中だった 何処へ行こうとしたのか? 何処(ドコ)へ行っても其処(ソコ)がまた此処(ココ)になる その騙し絵の中で生きて死ぬのが人だと言うのに なぜ旅に憧れる? 晩秋の月はさめざめと青く 地面を濡らす寡黙な影が 男の背中に...
怪盗セプテンバー <連弾詩集「扉のかたちをした闇」より> 11.08.2025 1:35
怪盗セプテンバー <連弾詩集「扉のかたちをした闇」より> 「朝日は夕陽にして返す 涙は夢見薬(ゆめみぐすり)に調合して枕元に樅いておく」 怪盗の言業は揺るぎない 義賊としての威厳に満ちている 「盗まれたいものは他にないか?」 怪盗は訊ねる 去年と同じ口調で 「あのぅ…」 「ドーナツの穴は盗めない」 「いえ恋人の記憶なんですが…」 ——そう 彼女は堤防にいた 波に生まれた光の蝶が 麦わら帽子と戯れていた夏の午後 ——彼...
孤独の旗、七月の風。<連弾詩集「扉のかたちをした闇」より> 28.07.2025 1:14
孤独の旗、七月の風。<連弾詩集「扉のかたちをした闇」より> あなたが潔(いさぎよ)く 自らの孤独を旗と呼ぶのなら 私はその旗を勇壮に揺らす 七月の風になろう 淋しさのデザインや痛みの配色 あなたが誇らしく あなただけの旗を掲げる限り 私もまた真摯な風であり続けよう 情熱は煽(あお)りあうもの 歓びは響きあうもの 憧憬は混ざりあうもの けれど孤独は決して 分かちあえないもの 不可侵な孤独だけが旗となり 雑駁(ざっ...
日曜日の天使は退屈、特に三月は。<連弾詩集「扉のかたちをした闇」より> 14.07.2025 1:42
日曜日の天使は退屈、特に三月は。<連弾詩集「扉のかたちをした闇」より> 日曜日の天使は退屈 だって誰もボクを必要としないんだもの 特に三月はね バレンタインデーまでは大忙し 月曜日に求愛の弓を磨き 火曜日は腕立伏せで筋力アップ 水曜には街中の図書館を回って すべての本から『絶望』という言業を消した さて下準備が整ったら 木曜に片想い真っ最中の彼女を見つけ 金曜日は探偵気取りで彼氏の身辺調査 無愛想だけど悪い奴...
そして1年が過ぎ 〜 時の配達人さんへ <連弾詩集「扉のかたちをした闇」より> 30.06.2025 2:39
そして1年が過ぎ 〜 時の配達人さんへ <連弾詩集「扉のかたちをした闇」より> そして1年が過ぎ 庭先の薔薇は少し小振りになった トネリコの枝に残る巣の主は旅立ったままだ 1年が過ぎ 私は2人の友を天国に見送り 妻は3kgのダイエットに成功し 4歳の娘には人生5つ目の秘密ができた 1年が過ぎたが あの日と同じように 誰かの声に いや どうせ風なのだろうけれど 呼ばれた気がしてつい空を見上げる 四つの季節が巡る国では 記憶に...
生きる、あなたに泣いてほしくて。 16.06.2025 3:43
生きる、あなたに泣いてほしくて。 生きる 答えを知りたくて 生きる 答えがでるまで 生きる 答えがないので 生きる 答えをでっちあげて 生きる うずまきの貝殻を三つ あなたの胸に並べたら 命の音が夜に零(こぼ)れた 砂の丘 打ち棄てられた手漕ぎのボート 時はまた無感情に 水平線から鼠色(ねずみいろ)の朝を 引き上げようとしている 生きる 死にたいと言いながら 生きる 死ねない訳だから 生きる 死んだフリしてみたりして 生...
夢と旅の図式 (全員)<代官山 蔦屋書店スペシャルSeason.1より> 02.06.2025 4:22
夢と旅の図式 (全員)<代官山 蔦屋書店スペシャルSeason.1より> 女:私達は出逢う それが運命のように 男:僕達は恋に落ちる すべてを運命のせいにしながら 天使1:ひとりになると分かるんだ 誰かが隣にいることは 天使2:36°Cの静かな炎に 心が照らされていること 男:僕達は見つめあう もっと素敵なあなたを知りたくて 女:でも私はふと目...
カーニバルの魔術師(魔術師=猪塚、旅人=森) <代官山 蔦屋書店スペシャルSeason.1より> 19.05.2025 2:29
カーニバルの魔術師(魔術師=猪塚、旅人=森) <代官山 蔦屋書店スペシャルSeason.1より> 魔術師:「 私のせいにすればいい。」 旅人:と怪しげな魔術師が言う 旅人:三角テントの中の青い闇を吸い込むと 水晶玉に心が映し出されてしまいそうで 私は脅えている 魔術師:「おまえが人間である以上 絶望の霧が晴れることはない。 だが胸に秘めた情熱を解き放つ カーニバルの夜は必ず...
Art of HeArt(天使1=牧野、天使2=礒部)<代官山 蔦屋書店スペシャルSeason.1より> 05.05.2025 0:36
Art of HeArt(天使1=牧野、天使2=礒部)<代官山 蔦屋書店スペシャルSeason.1より> 天使1:ね?気づいた? heartの中にはartがある 天使2:詩情(ポエジー)には姿がないけど 指先が動いたらそれは絵になる 唇からこぼれたらそれは歌になる 天使1:石を削れば彫刻に 天使2:布と遊べば洋服に 天使1:光を集めて写真にと ほら少しずつ見えてくるよ 天使達:心の中にあるartが あ...
哲学するピーターパン(ピーター=猪塚、触れたモノ達=他の3人)<代官山 蔦屋書店スペシャルSeason.1より> 21.04.2025 5:06
哲学するピーターパン(ピーター=猪塚、触れたモノ達=他の3人)<代官山 蔦屋書店スペシャルSeason.1より> ピーター:眠りから醒め 瞳(め)を開けたまま夢を見ようとした時 そこには太陽があった まぶしさに触れたくて手を伸ばしたら 突然気がついた 光が影を作っていたんだ と 太陽のある国で生きていく限り 憂鬱な影が纏わりつくのは仕方ないんだ と...
太陽のある国(女=牧野、影=森) <代官山 蔦屋書店スペシャルSeason.1より> 07.04.2025 4:45
太陽のある国(女=牧野、影=森) <代官山 蔦屋書店スペシャルSeason.1より> 女:涙に色があって もし真っ赤だったら 今の私は血だらけの惨殺死体だろう 影:女は台所の闇に転がっている 冷蔵庫から洩れる光が 胸に刺さった物語の破片に 小さく反射する 女:あなたは太陽の匂いがした 男だけが暮らす真昼だけの王国で 獰猛な自分の影と闘う戦士だけが持つ匂い あなたの背中に指を這わせ 一...
SOKO に居た(森雪之丞)<代官山 蔦屋書店スペシャルSeason.1より> 24.03.2025 3:16
SOKO に居た(森雪之丞)<代官山 蔦屋書店スペシャルSeason.1より> 俺は S O K Oに居た 1 9 9 0 年のイタリアに居た 異端者達の集うカフェで イタチゴッコを繰り返す警官とスリの間に居た 委託された若さを使い切れずにいた 痛みがコメカミを襲うたび 徒(いたずら) に白い粉を買いあさり 傷んだホテルの階段で売女(ばいた)を抱いた 俺は S O K Oに居た 蒸し暑い午後の伊丹空港に居た 板谷佐織という女が隣に居た 自分の身体には...
腐らない果実(礒部花凜)<代官山 蔦屋書店スペシャルSeason.1より> 10.03.2025 3:52
腐らない果実(礒部花凜)<代官山 蔦屋書店スペシャルSeason.1より> 安心していい おまえが飛び込んだ午後 12時38分のプールに 哀しみはひとかけらも紛れ込んではいない 粉々に割れた太陽が水飛沫(みずしぶき)に変わり 白いスイミングキャップが再び水面に現れた時 夏は見事に完成した パティオに繚乱と咲く原色の草花 パンの屑を啄(つい)ばみながら食卓(テーブル)を闊歩(かっぽ)する小鳥 銀の皿に盛られた果実の中から 奔放に熟...
例えば闇を太陽の形に切り取ること(猪塚健太) <代官山 蔦屋書店スペシャルSeason.1より> 24.02.2025 2:08
例えば闇を太陽の形に切り取ること(猪塚健太) <代官山 蔦屋書店スペシャルSeason.1より> 絵画館から続くこの舗道(みち) は いつ未来に繋がったんだろう 暗闇で触れた君の唇は 新しい生き物のように 七月の恋を呼吸していた 傘は捨てよう 湿った空気が雨を予感させるけれど 僕達の手は ぬくもりを囁きあうのに忙しい 立ち竦(すく)むほどの 夜の重さ 自分を責めるだけの 夜の長さ 寂しさに溺れるための 夜の深さ ひとりきりじゃ...
二月の文学(牧野由依)<代官山 蔦屋書店スペシャルSeason.1より> 10.02.2025 1:25
二月の文学(牧野由依)<代官山 蔦屋書店スペシャルSeason.1より> やがて雨が雪に変わると あなたは睫毛を街燈に向け微笑む またひとつ 世界の秘密を見つけたように そんなとき私は 空気として吸い込んでいた言葉が 感情の輪郭を現すのに気づく あわく いびつに ずっしりと それは二月の 文学 物語が舗道に降り積もる そうだったものをそうだと言い直したり 見えないものをあると言い切ったり 言葉にならなかったものを やはり言...
逃亡のような追跡(森雪之丞)<代官山 蔦屋書店スペシャルSeason.1より> 27.01.2025 2:20
逃亡のような追跡(森雪之丞)<代官山 蔦屋書店スペシャルSeason.1より> 魂がまた逃亡した 残された身体はまず溜息をつき 愛する人に短い手紙を書いてから 沈む夕陽へとハンドルを切る 魂の逃亡は 無理に大人を演じてきた 自分への復讐なのか? 用意されたエピソードを選ぶしかない 未来への警告なのか? それとも夢の荒野を走り続けた 無頼漢(ピカレスク)への憧憬(あこがれ)? 俺はいつしか 見知らぬ風景の中にいる 初めて...
ビルを落下するカメラだけに写る真実 13.01.2025 1:22
ビルを落下するカメラだけに写る真実 宇宙の塵になったはずの 人工衛星(スプートニク)から送られてくる ノイズのような暗号 地球では絶滅したはずの 愛の存在を頑なに信じるヒトという種族 涙を音符に見立てて奏でる彼のトランペット 大統領補佐官より論理的(ロジカル)な彼女のジョーク 迷子と逃亡者を識別できる僕のキス 昔天使だったと錯覚させる君のペイン 子供の頃憧れた世界はもっと美しかったと スプートニクの暗号で囁...
天才的なキス 30.12.2024 1:47
天才的なキス 恋に臆病な君の 愛に潔癖な君の なのに 1回目から天才的だったキス 触(ふ)れかけた唇の 和紙のように薄い途惑いの隙間に そっと傾(なだ)れ込む柔らかな息 離れかけた唇の 前の一瞬が編んだ切ない蜘蛛の巣に 捕獲されてしまう次の一瞬 あの夜僕は決めたんだ こんなに凄いキスを 軽い挨拶なんかに 堕落させちゃいけないんだと だからこそ大きな意志を持って 今夜も君とキスをする それがどのくらいの威力かと言えば...
結露 16.12.2024 2:05
結露 君を抱いた 僕の裸と君のハダカが キュキュッと音をたて 僕の心が君のココロに グニュッとくっついた 理科の時間に習ったでしょ? 熱は暖かい所から冷たい場所へ移るんだよ もっと君を抱いた 赤ワインの味がする唇と マルボロ・ライトの息が絡みあって 鏡に映った二人はまるで恋人みたいだった 今は愛の温度が違っていても しばらくこうしていればいっしょになるよね 〜君の正体はノボルに振られて自棄になっている女の子〜...
贅沢な生き物 02.12.2024 1:37
贅沢な生き物 贅沢な生き物…それは人間神が与えてくれたその手で 鉄の馬や石の塔や 美しい未来を造り 進化を持て余した同じ手で それらを破壊する武器を造る 贅沢な生き物…それは人間 身体が健やかな朝 自分が健康だとは気付かず 心が穏かな夜 何て退屈な人生なんだと愚痴を吐く 極上の愛を味わうために まず悲しみで舌を漱(すす)ぎ 自由を貪(むさぼ)りながら満たされず 孤独までをも胃に流し込む 闇に支配された朝 光が消えた...
囁く天使 18.11.2024 0:58
囁く天使 『愛してる』を3000倍強くした 動詞 『淋しい』を北極の風で凍らせた 形容詞 『夢』の影にある迷宮を暗示する 名詞 『ちょっと』と言いながら『もっと』を意味する 副詞 『だけど』と言いながら二人の時間を繋いでゆく 接続詞 そんな言葉が この世にあれば 僕は君を 決して失わなかっただろう あの夜 喋れない僕の代わりに 天使は囁いていた だけどそれは 心の中だけに伝わる 波の様な文字 1976 年作詞作曲家としてデビュ...
ボクの指と彼女の舌 04.11.2024 2:01
ボクの指と彼女の舌 ギターがあると 『天国への階段』を弾きたくなる指 美味(おい)しい物があると 鼓(つづみ)を打ちたくなる 舌影ができれば キツネや鳩になれる指 サクランボがあれば 茎を輪ッカにできる舌 彼女の吸い付くような肌を知っている ボクの指 日曜日のボクの髭(ヒゲ)の味を知っている 彼女の舌 ラムの骨をしゃぶってベトベトの指 フローズン・ダイキリに酔ってレロレロの舌 タクシーに乗った途端 スカートの闇へ...
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