本と舍
本と人にめぐりあうラジオ
毎週木曜20時更新。本と舍(ほんとあらか)は、島根県・温泉津にある無人のシェア文庫です。このポッドキャスト「本と人にめぐりあうラジオ」では、本との出会いをめぐる小さな物語や、町に生きる人びとの声をそっと届けていきます。朗読、本棚紹介、石見神楽の担い手との対話、暮らしに根ざす器と出会う、やきもの祭りのご案内など、日々の営みと季節の風景もおすそわけ。耳からめぐる、懐かしい町と、物語の向こうに広がる見知らぬ風景を行き来する旅へ。
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Episodes
まだ名前のない緑へ——エロール・ル・カインと手塚治虫と植物の本棚 16.04.2026 11:52
本と舍(ほんとあらか)に、今年の春の選書が届きました。テーマは「まだ名前のない緑へ」。 選書してくださったのは、地元・温泉津在住の大賀まき(おおが・まき)さんです。 今回のポッドキャストでは、その大賀さんのご紹介と、今回並んだ本を一冊ずつひもといていきます。エロール・ル・カインと手塚治虫という二人の巨人が、同じ「いばら姫」という物語にそれぞれどう向き合ったか。 島根県の津和野に生まれた絵本作家・安野...
日々に溶けるお茶——小生活 KONAMAIKIの設計思想 09.04.2026 8:14
今回は、本と舍で開発・製造・販売している「小生活 KONAMAIKI」について、その成り立ちと設計思想をお話しします。 島根県は石見の山里に自生する植物を中心に、手摘み・加工・調合されるこのお茶は、いわゆる嗜好品というよりも、日々の暮らしに静かに入り込むためのものです。 ノンカフェインという特徴も、単なる機能ではなく「続けられること」を前提にした設計の一部。自然の効を借りながらも、それに頼りすぎない。 過不足...
山と獣のあいだで——共に生きるという距離感 02.04.2026 9:51
近年、各地でツキノワグマの出没や被害が報告されています。大田市でも再び目撃情報を耳にするようになりました。 今回は、須藤功『山と獣 焼畑と祭りにみる山村の民俗誌』を手がかりに、かつて山村で人と野生動物がどのような関係を築いてきたのかを考えます。 焼畑や祭り、狩猟の営みの中で見えてくるのは、単なる「駆除」や「共存」といった言葉では捉えきれない、距離の取り方でした。 被害に遭われた方々への敬意を忘れずに、...
名を与えられるということ——「日本武尊」と神楽の時間 26.03.2026 7:33
石見神楽で舞われる演目「日本武尊」は、『古事記』『日本書紀』に描かれる神話をもとにしながら、今の時代に立ち上がる物語です。 敵対していた相手から名を与えられるという構造、そして土地に残る神話の痕跡。今回はその背景をひもときながら、追原神楽社中15周年記念公演への出演告知もお届けします。 神話がどのように地域に根付き、舞として継承されていくのか。早春の空気の中で、石見神楽の魅力を静かに語る回です。
家は誰のものか—寺山修司とサザエさん、そして「継がれるもの」 19.03.2026 9:14
寺山修司が『家出のすすめ』の中で描いた「サザエさんの性生活」は、単なる風刺ではなく、「家」と「個人」の関係を鋭く照らし出す試みでもあります。 家族のなかに生きる個人、そして短命である人間が、それでも「家」をつなごうとする意志。その背後にはどのような思想が潜んでいるのでしょうか。 温泉津に残る古い家々や、空き家となった後も手入れされ続ける建物の姿と重ねながら、「家」という存在の持続性と、個人の有限性に...
自分を信じるという旅——『アルケミスト』と温泉津の大人たち 12.03.2026 9:14
あなたは何を信じていますか。 宗教や思想ではなく、もっと静かな問いとして——自分を信じることはできるだろうか。 今回は、アルケミスト(パウロ・コエーリョ)を手がかりに、利己と利他、そして「信じた道を進む強さ」について語ります。 自分のために努めたことが、結果として誰かの助けになることもある。温泉津には、自分の道を信じて歩き続ける大人たちが多くいます。人と人のめぐり合わせの中で、自ら楽しく、楽しみながら...
山陰の陰翳——影がつくる町の美しさ 05.03.2026 8:40
山陰の魅力は、ただ明るいだけではないこと。むしろ、光と影が折り重なるところに、この土地らしさがあるのではないでしょうか。 今回は、陰翳礼讃(谷崎潤一郎)を手がかりに、山陰の風景の中にある「陰翳の美」を語ります。温泉津の温泉街は谷間を縫うように続き、家と家の隙間から石切場がのぞきます。 人の手で切り出された少しいびつな直線が、午後の光を受けて深い影をつくる。その影こそが、この土地の静かな魅力なのかもし...
血の往来——『共喰い』と、逃れられない自分 26.02.2026 8:49
親の嫌な部分に、自分を見つけてしまう瞬間。遠ざけようとして、また似ていく。その往来は、まるで波のようです。 今回は、共喰い(田中慎弥)を手がかりに、「血」というしがらみと、自分を見つめる時間について語ります。長く引きこもり生活を送り、今もPCを使わず手書き原稿で執筆する作家の個性にも触れながら、内省の意味を考える回。 春か初夏かと迷うような空気の中で、自分の奥底を静かに見つめます。
風習を見る目をずらす——岡本太郎と地域の深層 19.02.2026 12:37
自分の人生史には存在しない文化や風習に出会ったとき、私たちはそれをどう受け取ればいいのか。今回は「民俗学的考察」から少し距離を取り、歴史や地形、そして土地に生きる人の怖れ・誇り・喪失の記憶に耳を澄ます視点を語ります。手がかりは岡本太郎のまなざし。写真集とあわせて読む『神秘日本』が、地域の輪郭を立体的に浮かび上がらせてくれます。雪がところどころに残る温泉津の冬景色とともに。
赤い腹の理由——白銀の舞と大蛇の正体 12.02.2026 8:49
白銀の舞に向けて、石見神楽「大蛇」の話を。どんな色の大蛇でも、腹は必ず赤い。その理由を古事記の八岐大蛇からたどります。神話と土地の記憶が交わる時間です。 ぜひ聴いて、会場にも足を運んでみてください。
傍流に灯る芯——『忘れられた日本人』から 05.02.2026 11:44
今夜は「傍流に本質がある」という視点について。 先日の温泉津100年会議で感じた“参加”の重みと、「異論を留保しない」場づくりの手応えを起点に、宮本常一『忘れられた日本人』を手がかりに語ります。松岡正剛『千夜千冊』#239の指摘—村は指導からではなく、名もなき人の手から生まれた—を参照しながら、主流を攻撃せず、周縁の実践をすくい上げる話へ。湯あがりの白い息が見える季節、あなたの「傍流」も思い出してください。フ...
欅の来歴——本と舍一階の主の話 29.01.2026 10:55
本と舍の一階に鎮座する欅(けやき)の銘木について、利用者さまから「正体を知りたい」と声をいただきました。 今回は、その来歴と受け継ぎ方を私の言葉で語る回。その前後をつなぐ導入と締め、温泉津の空き家に眠る資材や本が新しい場に生まれ変わる話まで。 季節は椿の実がはぜる頃。やわらかな時間でお届けします。気に入っていただけたらフォローを。
完全雑談回 スナック菓子は温めると美味しいと言ったEIKOちゃんを信じて 22.01.2026 8:32
※早口です 今回は完全雑談回!スナック菓子は温めると美味しいと言ったEIKOちゃんを信じてやってみました。やりながらおしゃべりをしただけの回です。
忙しさの隙間に—“ほどよく”を選ぶ 15.01.2026 12:16
1〜3月は毎年バタバタ。つい間食が増え、口内炎まで…そんな反省から「ほどよく」をテーマに、甲斐かおりさんの『ほどよい量を作る』を手がかりに働き方と暮らしの速度を見直します。 要点は「作り過ぎない設計」「余白を先に確保」「関係者の満足の総量」。後半は温泉津港の静かな入江を眺める“休み方”の提案を。気に入ったらフォローをよろしくお願いいたします。
遠野の入口で立ち止まる——椎葉で買った一冊 08.01.2026 11:26
今夜は『本当にはじめての遠野物語』(富川岳)を手に、遠野物語への“入り方”を紹介します。9月、宮崎県・椎葉村を初めて訪れた際に出会って購入。椎葉は柳田國男ゆかりの地でもあり、そこから遠野へと視野がつながりました。 書名どおり入門に最適な構成と著者の背景、増補された地図の魅力、本と舍2階の民俗棚の並べ方まで。※作品ネタバレはなし。フォローもぜひ。
遅れてごめんの新年ご挨拶——温泉津より 02.01.2026 12:16
あけましておめでとうございます。1月1日(木)の更新をうっかり失念してしまい、まずは反省とお詫びを。今回は新年のご挨拶に加え、温泉津に約1か月滞在している温泉津のことが大好きなオーストラリア人ジェームスと回った惠珖寺・西楽寺・西念寺の除夜の鐘のことをお話しします。強い風、雪の気配、澄んだ鐘の余韻。番組の今年の進め方も簡単に共有します。気に入っていただけたらフォローを。
西楽寺で語った100年後の温泉津 25.12.2025 12:17
今夜は、冬の港風に背中を押されながら西楽寺へ—。温泉津温泉街のまん中で二日間にわたり開かれた「温泉津100年会議」。小学3年生からご年配まで、町内外の100名以上が集い、「何を遺し、何を築くか」を言葉にしました。進行の骨子やワークのねらい、当日の空気を具体的に紹介します。 西楽寺の灯り、空き家ツアーの視点、本と舍につながる実装例まで。最後は“湧く=温泉津”へ自然に接続。番組フォローもお忘れなく。
霜の朝まで舞う——椎葉神楽を見に 18.12.2025 10:34
宮崎県・椎葉村の夜神楽を鑑賞。村内26地区ごとに異なる夜通しの神楽や、舞手を祝子(ほうりこ)と呼ぶこと、神楽せりうたの高揚、狩猟や焼畑の記憶を宿す所作まで、石見神楽の関わり手の視点で紹介します。 あわせて、「神楽」「温泉文化」ユネスコ無形文化遺産への新規提案(審査見込みは神楽=2030年頃、温泉文化=2032年頃)にもふれます。温泉津では年7回ほど夜神楽を奉納。いつか夜通しでの開催も…という願いをこめて。 神楽...
標識のかすれとシャッター——散歩の流儀 11.12.2025 8:32
今夜は、赤瀬川原平『老人とカメラ:散歩の愉しみ』を手がかりに、“ゆっくり見る”歩き方を温泉津で試してみます。 1階は縁側から出入り自在で開けた本と舍、2階は専門書が多い静かな没入空間。 古い看板や錆、手すりの磨耗—細部に目を寄せるほど景色が立ち上がる話。Instagramでの店主レビューにも少し触れつつ、冬の入口のまち歩きのコツを。気に入ったらフォローを。
新嘗祭の夜、拝殿の灯り——龍御前神社と石見神楽 04.12.2025 11:45
12月6日(土)19:00–22:00、温泉津の龍御前神社で新嘗祭の奉納神楽。舞うのは石見神楽 温泉津舞子連中。本編は、行事の意味、社中の歩み、そして「石見神楽とは?」の超要点をやさしく解説。入場無料・予約なし、演目は5〜6番を予定しています。温泉街から見上げる拝殿の灯り、舞台に漂う大蛇の煙、屋台のうどんの湯気——冬の夜の温度も一緒に。最後に観覧のコツも。 石見神楽温泉津舞子連中公式インスタグラムはこちら https://www...
海風と出資——三豊で学んだ場づくり 27.11.2025 11:07
香川県三豊市の「URASHIMA VILLAGE」を視察し、住民出資で場をつくる実践を学びました。コーディネートは古田秘馬さん。 ローカル資源を再編集し、資本の動かし方を“ハック”する発想、出資のみ/出資+運営/出資+経営責任の3形態、銀行以上の金利+年1回の無料宿泊というリターン設計、移住のベーシックインフラ整備と「町の意思→実行チーム」生成など。 後半は温泉津での応用—既存資源の総編集で「我がコト化」を増やす道筋を語...
声が描く「卍」——谷崎と斉藤範子、そして温泉津小唄 20.11.2025 9:12
今夜は谷崎潤一郎『卍(まんじ)』。物語の構図(園子・光子・綿貫・夫の四角関係)に少し触れつつ、Audible版で斉藤範子さんの朗読がどれほど作品世界を立ち上げるかを語ります。 斉藤さんが谷崎作品『細雪』にて小唄まで声で織り上げる巧みさから、後半は温泉津小唄へ。作詞・野口雨情、作曲・大村能章、歌唱・市丸という来歴と港辺の歌碑にも言及します。 ※相関関係に軽いネタバレあり。気に入ったらフォローを。
野に湧く香り——小生活KONAMAIKIと佐間さま「秋」 13.11.2025 8:16
手摘み・自家焙煎の野草茶ブランド小生活KONAMAIKIを特集。ものづくりの思想(野草と石州和紙の楮を手摘み、温泉津生まれのブランド)と取扱店本と喫茶のゲンショウシャでの楽しみ方を紹介します。後半は温泉むすめ温泉津 佐間(ゆのつ さま)とコラボした「佐間さまブレンド 秋」へ。店頭限定・少量制作の背景と、キャラクターのプロフィールも解説します。気に入ったらフォローを。 小生活 KONAMAIKI 公式ウェブサイト https://s...
根本敬『人生解毒波止場』で学ぶ距離感 06.11.2025 8:49
港町の風と一冊の“毒抜き”。こちらを読みほどき、善意と距離感を考えます。※本編はネタバレあり。 後半は温泉街と本と舍のちょうどいい距離、そして“激熱”の湯へ。感想は Instagram @hontoaraka まで。
地図をひらく——温泉津はどこにある? 04.11.2025 7:12
今夜はよく訊かれる質問、「温泉津(ゆのつ)ってどこ?」に丁寧に答えます。島根県という大きな輪郭から、大田市、そして温泉津のまちへ。過去の選書で親和性の高い“海と民俗”“地図で読む地域”“鉱山と港町の記憶”の本も手がかりにしながら、位置・成り立ち・歩き方を短くまとめます。※ネタバレ要素はありません。 気に入っていただけたらフォローを。
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