一般社団法人 青空朗読

青空朗読

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インターネット上の図書館「青空文庫」の作品を朗読する「青空朗読」は、プロのアナウンサーによる社会貢献活動としてスタートし、最近は、朗読を学ぶ一般の方々からも作品を提供していただいています。2016年5月に一般社団法人となりました。

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Jul 11, 2026

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Episodes

幽霊滝の伝説 著者:小泉 八雲/田部 隆次 訳 読み手:福井 慎二 時間:8分34秒 28.11.2025

幽霊滝の伝説 著者:小泉 八雲/田部 隆次 訳 読み手:福井 慎二 時間:8分34秒  伯耆の国、黒坂村の近くに、一条の滝がある。幽霊滝と云うその名の由来を私は知らない。滝の側に滝大明神と云う氏神の小さい社があって、社の前に小さい賽銭箱がある。その賽銭箱について物語がある。  今より三十五年前、ある冬の寒い晩、黒坂の麻取場に使われている娘や女房達が一日の仕事を終ったあとで炉のまわりに集って、怪談に興じていた...

時代色 -歪んだポーズ  著者:岡本 かの子 読み手:緒方 朋恵 時間:3分18秒 27.11.2025

時代色 -歪んだポーズ 著者:岡本 かの子 読み手:緒方 朋恵 時間:3分18秒  センチメンタルな気風はセンチと呼んで唾棄軽蔑されるようになったが、世上一般にロマンチックな気持ちには随分憧れを持ち、この傾向は追々強くなりそうである。  飛躍する気持になり度い。何物かに酔うて恍惚とした情熱にわれを忘れたい。大体こういう気風である。だが、世上一般の実状はその反対を強ている。それだけ人々は却てそれを欲っするの...

はだかの王さま 著者:ハンス・クリスチャン・アンデルセン/大久保 ゆう 訳 読み手:宮崎 文子 時間:21分43秒 26.11.2025

はだかの王さま 著者:ハンス・クリスチャン・アンデルセン/大久保 ゆう 訳 読み手:宮崎 文子 時間:21分43秒  むかしむかし、とある国のある城に王さまが住んでいました。王さまはぴっかぴかの新しい服が大好きで、服を買うことばかりにお金を使っていました。王さまののぞむことといったら、いつもきれいな服を着て、みんなにいいなぁと言われることでした。戦いなんてきらいだし、おしばいだって面白くありません。だって...

最小人間の怪 ―人類のあとを継ぐもの―  著者:海野 十三 読み手:福井 一恵 時間:8分 25.11.2025

最小人間の怪 ―人類のあとを継ぐもの― 著者:海野 十三 読み手:福井 一恵 時間:8分  この秘話をしてくれたN博士も、先々月この世を去った。今は、博士の許可を得ることなしに、ちょっぴり書き綴るわけだが、N博士の霊魂なるものがあらば、にがい顔をするかもしれない。  以下は、N博士の物語るところだ。  私は大正十五年十二月二十六日の昼間、霧島の山中において、前代未聞の妖怪に出会った。  当時私は、冬山におけ...

畜犬談 ー伊馬鵜平君に与えるー  著者:太宰 治 読み手:西村 文江 時間:41分54秒 24.11.2025

畜犬談 ー伊馬鵜平君に与えるー 著者:太宰 治 読み手:西村 文江 時間:41分54秒  私は、犬については自信がある。いつの日か、かならず喰いつかれるであろうという自信である。私は、きっと噛まれるにちがいない。自信があるのである。よくぞ、きょうまで喰いつかれもせず無事に過してきたものだと不思議な気さえしているのである。諸君、犬は猛獣である。馬を斃し、たまさかには獅子と戦ってさえこれを征服するとかいうでは...

二ひきの蛙  著者:新美 南吉 読み手:室 由美子 時間:4分43秒 23.11.2025

二ひきの蛙 著者:新美 南吉 読み手:室 由美子 時間:4分43秒  緑の蛙と黄色の蛙が、はたけのまんなかでばったりゆきあいました。 「やあ、きみは黄色だね。きたない色だ。」 と緑の蛙がいいました。 「きみは緑だね。きみはじぶんを美しいと思っているのかね。」 と黄色の蛙がいいました。  こんなふうに話しあっていると、よいことは起こりません。二ひきの蛙はとうとうけんかをはじめました。  緑の蛙は黄色の蛙の上にと...

京都の朝市  著者:柳 宗悦 読み手:松岡 初子 時間:21分56秒 22.11.2025

京都の朝市 著者:柳 宗悦 読み手:松岡 初子 時間:21分56秒  私は大正の終りから昭和の八年まで足掛九年も京都に住んだが、今から想うと、もっとよくこの旧都やその周辺の文化の跡を見ておくべきであった。由緒のある社寺はもとよりだが、近辺の聚落やその生活などにも更に親しむべきであった。それに見落したのはこの古い都に今も数々伝わる手工芸の工房である。それを遍ねく訪ねて、技術の工程や出来上る品物を、よく見届け...

運 著者:芥川 龍之介 読み手:二宮 正博 時間:28分8秒 21.11.2025

運 著者:芥川 龍之介 読み手:二宮 正博 時間:28分8秒  目のあらい簾が、入口にぶらさげてあるので、往来の容子は仕事場にいても、よく見えた。清水へ通う往来は、さっきから、人通りが絶えない。金鼓をかけた法師が通る。壺装束をした女が通る。その後からは、めずらしく、黄牛に曳かせた網代車が通った。それが皆、疎な蒲の簾の目を、右からも左からも、来たかと思うと、通りぬけてしまう。その中で変らないのは、午後の日...

腹のへった話  著者:梅崎 春生 読み手:池戸 美香 時間:5分32秒 20.11.2025

腹のへった話 著者:梅崎 春生 読み手:池戸 美香 時間:5分32秒  申すまでもなく、食物をうまく食うには、腹をすかして食うのが一番である。満腹時には何を食べてもうまくない。  今私の記憶のなかで、あんなにうまい弁当を食ったことがない、という弁当の話を書こうと思う。弁当と言っても、重箱入りの上等弁当でなく、ごくお粗末な田舎駅の汽車弁当である。  中学校二年の夏休み、私は台湾に遊びに行った。花蓮港に私の伯...

家族 著者:中原 中也 読み手:小川 幸香 時間:2分53秒 19.11.2025

家族 著者:中原 中也 読み手:小川 幸香 時間:2分53秒  朝な朝な、東の空の紫色の雲の中に、一つの家族がありました。 まづお婆さんが目を覚まし、家中のお掃除を始めます。恰度その時女中は台所で、竈の下を焚き付けてゐます。お婆さんはお掃除が好きで、大好きで、時偶女中がお掃除をしようものなら直ぐまた自分がやりなほすといふふうでした。といつてこのお婆さんは、何もそれ以上に邪慳だといふのでもなく、六ヶ敷屋でも...

国語の自在性  著者:西田 幾多郎 読み手:福井 一恵 時間:4分27秒 18.11.2025

国語の自在性 著者:西田 幾多郎 読み手:福井 一恵 時間:4分27秒  文化の発展には民族というものが基礎とならねばならぬ。民族的統一を形成するものは風俗慣習等種々なる生活様式を挙げることができるであろうが、言語というものがその最大な要素でなければならない。故に優秀な民族は優秀な言語を有つ。ギリシャ語は哲学に適し、ラティン語は法律に適するといわれる。日本語は何に適するか。私はなおかかる問題について考え...

民芸品の部屋で 我々はメキシコ美術をこうみる  著者:芥川 紗織 読み手:宮崎 文子 時間:2分30秒 17.11.2025

民芸品の部屋で 我々はメキシコ美術をこうみる 著者:芥川 紗織 読み手:宮崎 文子 時間:2分30秒  前にタマヨの絵を美術雑誌の原色版で見てそのまか不思議な色彩にひどく惹かれました。  それ以来私は何が何でもタマヨのファンになってしまいました。タマヨのよく使う発酵した様な異様な黄色や紫や桃色にひきつけられたのです。今度のメキシコ展で民芸品の部屋に足をふみ入れると私は“これだ。タマヨの色は”と思いました。民...

ありときのこ  著者:宮沢 賢治 読み手:若竹 明日香 時間:6分3秒 16.11.2025

ありときのこ 著者:宮沢 賢治 読み手:若竹 明日香 時間:6分3秒  苔いちめんに、霧がぽしゃぽしゃ降って、蟻の歩哨は鉄の帽子のひさしの下から、するどいひとみであたりをにらみ、青く大きな羊歯の森の前をあちこち行ったり来たりしています。  向こうからぷるぷるぷるぷる一ぴきの蟻の兵隊が走って来ます。 「停まれ、誰かッ」 「第百二十八聯隊の伝令!」 「どこへ行くか」 「第五十聯隊 聯隊本部」  歩哨はスナイドル式...

桜桃  著者:太宰 治 読み手:福井 慎二 時間:22分57秒 15.11.2025

桜桃 著者:太宰 治 読み手:福井 慎二 時間:22分57秒 われ、山にむかいて、目を挙ぐ。 ――詩篇、第百二十一。  子供より親が大事、と思いたい。子供のために、などと古風な道学者みたいな事を殊勝らしく考えてみても、何、子供よりも、その親のほうが弱いのだ。少くとも、私の家庭においては、そうである。まさか、自分が老人になってから、子供に助けられ、世話になろうなどという図々しい虫のよい下心は、まったく持ち合わせ...

科学者とあたま 著者:寺田 寅彦 読み手:水野 久美子 時間:15分43秒 14.11.2025

科学者とあたま 著者:寺田 寅彦 読み手:水野 久美子 時間:15分43秒  私に親しいある老科学者がある日私に次のようなことを語って聞かせた。 「科学者になるには『あたま』がよくなくてはいけない」これは普通世人の口にする一つの命題である。これはある意味ではほんとうだと思われる。しかし、一方でまた「科学者はあたまが悪くなくてはいけない」という命題も、ある意味ではやはりほんとうである。そうしてこの後のほうの...

月を見ながら 著者:正宗 白鳥 読み手:松岡 初子 時間:12分55秒 13.11.2025

月を見ながら 著者:正宗 白鳥 読み手:松岡 初子 時間:12分55秒  縁側に蹲んで、庭の樹の葉の隙間から空を仰ぐと、満月に近い月が、涼しさうに青空に浮んでゐる。隣家から聞えて来るラジオは流行唄を唄つてゐる。草叢には虫の音が盛んで、向うの松林には梟が鳴いてゐる。さういふいろ/\な物音を圧し潰さうとするやうに、力強い波濤が程近いところに鳴つてゐる。 「あの月は旧の七月の、本当の盂蘭盆の月だな。」  私はさう...

うまれて 來る 雀達 著者:新美 南吉 読み手:室 由美子 時間:3分45秒 12.11.2025

うまれて 來る 雀達 著者:新美 南吉 読み手:室 由美子 時間:3分45秒  その 雀は びつこでした。まだ やつと 飛べるやうに なつたばかりの 頃、いたづらな 少年に とらへられて 片足を ひもで 固く 縛られましたため か弱い 足は きづついて しまつたのでした。  その びつこの 雀が 麥畑の 黄く なる 頃 或る 家の 軒に 三つの 卵を うみました。  雀は うれしくて うれしくて、三つの 卵...

最後の晩餐  著者:フィオナ・マクラウド/松村 みね子 訳 読み手:宮崎 文子 時間:23分3秒 11.11.2025

最後の晩餐 著者:フィオナ・マクラウド/松村 みね子 訳 読み手:宮崎 文子 時間:23分3秒  ふいと見た夢のように私は幾度もそれを思い出す。私はその思い出の来る心の青い谿そこを幾度となくのぞき見してみる、まばたきにも、虹のひかりにも、その思い出は消えてしまう。それが私の霊の中から来る翼ある栄光であるか、それとも、幼い日に起った事であったか、よく見極めようとして近よる時――それは、昼のなかに没するあけぼの...

岡の家 著者:鈴木 三重吉 読み手:水谷 ケイコ 時間:11分1秒 10.11.2025

岡の家 著者:鈴木 三重吉 読み手:水谷 ケイコ 時間:11分1秒  岡の上に百姓のお家がありました。家がびんぼうで手つだいの人をやとうことも出来ないので、小さな男の子が、お父さんと一しょにはたらいていました。男の子は、まいにち野へ出たり、こくもつ小屋の中で仕事をしたりして、いちんちじゅう休みなくはたらきました。そして、夕方になるとやっと一時間だけ、かってにあそぶ時間をもらいました。  そのときには、男の...

橋の上で  著者:小泉 八雲/林田 清明 訳 読み手:福井 慎二 時間:12分43秒 09.11.2025

橋の上で 著者:小泉 八雲/林田 清明 訳 読み手:福井 慎二 時間:12分43秒  お抱え車夫の平七が、熊本の町の近郊にある有名なお寺院へ連れて行ってくれた。  白川に架かっている、弓のように反った、由緒ありそうな橋まで来たとき、私は平七に橋の上で停まるように言った。この辺りの景色をしばし眺めたいと思ったのである。夏空の下で、電気のような白日の光に溢れんばかりに浸されて、大地の色彩は、ほとんどこの世のもの...

私の祖父 著者:土田 耕平 読み手:小川 幸香 時間:3分31秒 08.11.2025

私の祖父 著者:土田 耕平 読み手:小川 幸香 時間:3分31秒  私は、幼いころのお父さん、お母さん、おばあさんの思ひ出は、はつきりしてをります中に、おぢいさんといふ人を少しも知りません。おぢいさんとはいつても、まだ四十二で亡くなつたのですから、私の生れるずつと先のことです。  このおぢいさんは、大そうえらい人だつたと、私の子供のじぶん、誰彼にいひきかされました。 「なぜえらいのか。」 ときゝますと、 「...

猫の事務所 〜ある小さな官衙に関する幻想〜 著者:宮沢 賢治 読み手:福井 一恵 時間:24分39秒 07.11.2025

猫の事務所 〜ある小さな官衙に関する幻想〜 著者:宮沢 賢治 読み手:福井 一恵 時間:24分39秒  軽便鉄道の停車場のちかくに、猫の第六事務所がありました。ここは主に、猫の歴史と地理をしらべるところでした。  書記はみな、短い黒の繻子の服を着て、それに大へんみんなに尊敬されましたから、何かの都合で書記をやめるものがあると、そこらの若い猫は、どれもどれも、みんなそのあとへ入りたがつてばたばたしました。  ...

家族といふもの  著者:亀井 勝一郎 読み手:二宮 正博 時間:9分6秒 06.11.2025

家族といふもの 著者:亀井 勝一郎 読み手:二宮 正博 時間:9分6秒  青年時代に、自我にめざむるにつれて、人は次第に家族から孤立せざるをえないやうになる。自分の友情、恋愛、求道については、両親は必ずしも良き教師ではない。むしろ敵対者としてあらはれる場合が多いであらう。これは家族制度そのものの罪とのみは言へまい。どのやうに自由な家族であつても青年はひとたびは離反するであらう。孤立せんとする精神にとつて...

仙人  著者:芥川 龍之介 読み手:三田 朱美 時間:11分33秒 05.11.2025

仙人 著者:芥川 龍之介 読み手:三田 朱美 時間:11分33秒  皆さん。  私は今大阪にいます、ですから大阪の話をしましょう。  昔、大阪の町へ奉公に来た男がありました。名は何と云ったかわかりません。ただ飯炊奉公に来た男ですから、権助とだけ伝わっています。  権助は口入れ屋の暖簾をくぐると、煙管を啣えていた番頭に、こう口の世話を頼みました。 「番頭さん。私は仙人になりたいのだから、そう云う所へ住みこませて...

臨終まで 著者:梶井 久 読み手:宮崎 文子 時間:19分6秒 04.11.2025

臨終まで 著者:梶井 久 読み手:宮崎 文子 時間:19分6秒  彼は永年病魔と闘いました。何とかしてその病魔を征服しようと努力しました。私も又彼を助けて、共にその病魔を斃そうと勉めましたが、遂に最後の止めを刺されたのであります。  本年二月二十六日の事です。何だか身体の具合が平常と違ってきて熱の出る時間も変り、痰も出ず、その上何処となく息苦しいと言いますから、早速かかりつけの医師を迎えました。その時、医...

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