東京にある大学のY教授の備忘録

アメリカ最高裁の基本的な考え方

Education JA ↓ 69 episodes

ニュースでよく目にするアメリカの最高裁は、どのようにして憲法や法律を解釈しているのか。アメリカ憲法、行政法、刑事訴訟法や環境法の話を中心に紹介していく試み。学生たちとの対話で出てきた疑問などを扱っていきます。AIを実験的に用いているので、文字や読み方や内容で正確性が落ちるため、修正が必要なところが出てくるでしょう。実験版です。最初は、法学部の学生や院生の対話をもとにしていきます。

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Jul 9, 2026

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Episodes

Loper Bright判決について分析して発表してきたけれども、まだ努力が足りなかったか 10.03.2026

2024年、合衆国最高裁判所が下した「Loper Bright(ローパー・ブライト)判決」は、「Chevron(シェブロン)尊重」に終止符を打った。これまで米国の行政実務を支えてきたのは、法律の文言が曖昧な場合には行政機関による専門的な解釈を尊重するという法理であった。これはどこまで変わったのか、キーワードは「知らんけど(関西弁)」である。

トランプ関税違法判決についての考察(トーマス反対意見)その5 05.03.2026

トランプ関税違法判決において、トーマス裁判官はカバノー裁判官の反対意見に同意しつつ、独自の法理を展開した。彼は「オリジナルズム(原意主義)」に立脚し、マグナカルタやロック、ブラックストーンら建国期の思想的源流に回帰することで、憲法本来の原意を回復しようと試みている。 彼の歴史的探究は、憲法第1編8条の関税賦課権が「立法権の中核」に含まれるか否かに終着する。トーマスは、適正手続きが守るべき「生命・自由...

4/4偉大な裁判官として評価されるために:憲法解釈の手法はひとつだけか(憲法と法解釈の硬質性と柔軟性の動態その4) 01.03.2026

以下は、 「憲法と法解釈の硬質性と柔軟性の動態 -ローパー・ブライト判決及び関連判例から得られる洞察-」法政論叢98(2・3)号93頁(2025) を分かりやすく書き直したもの。 現代社会において、最高裁判所の判決はしばしば「保守派の勝利」あるいは「リベラル派の敗北」といった、安易な政治的勝敗のパラダイムで消費される。しかし、ニュースのヘッドラインを飾る「勝ち負け」の背後には、私たちの社会の骨格を規定する「憲法をどう...

3/4偉大な裁判官として評価されるためにシェブロンとローパー(憲法と法解釈の硬質性と柔軟性の動態その3) 26.02.2026

以下は、以下は、 「憲法と法解釈の硬質性と柔軟性の動態 -ローパー・ブライト判決及び関連判例から得られる洞察-」法政論叢98(2・3)号93頁(2025) を分かりやすく書き直したもの。 我々が日常的に接する環境規制、金融監督、労働基準といった行政サービスの背後には、法律の「解釈権」という巨大な権力構造が潜んでいる。過去40年間、米国はこの解釈を専門機関(行政)に委ねることで「沈黙による安定」を保ってきた。しかし、2024...

2/4偉大な裁判官として評価されるために(憲法と法解釈の硬質性と柔軟性の動態その2) 24.02.2026

現代の米合衆国最高裁(ロバーツ・コート)は、単なる「保守化」という語では捉えきれない急激な変容の渦中にある。最高裁で展開されているのは、憲法の意味をめぐる裁判官同士の知的な攻防であり、いわば「憲法解釈の内戦」といえるかもしれない。気候変動、生殖の自由、行政権の限界といった現代的課題に対し、憲法という硬質な文書をいかに適合させるか。その基盤となる解釈理論そのものが大きく揺らいでいる。 保守派の聖典「...

トランプ関税違法判決その2 21.02.2026

ポイント 1)法律の「本来の目的」は資産凍結であり、課税ではない 2)「輸入規制」と「関税」には決定的な違いがある。( 関税とは  本質的に「輸入に対する税」であり、民間当事者間の取引から 税収を得るための手段 である。) 3) IEEPAやTWEAが目的とするのは、「外国の影響力を排除」することである。外国資産を凍結・統制することで、安全保障上の脅威を断つことが狙いである。 4)ゴーゴーサッチの指摘する矛盾 詳細については...

トランプ関税違法判決(その1) 21.02.2026

カナダ産の牛肉、メキシコ産の農産物、そして中国産の電子機器。私たちが日常的に手に取るこれらの輸入品の価格が、ある日突然、大統領による「緊急事態」の宣言一つで激変するとしたら、それはもはや経済政策の枠を超え、立憲主義の根幹に関わる問題となります。2026年2月20日、合衆国最高裁判所は「ラーニング・リソーシーズ対トランプ事件(Learning Resources, Inc. v. Trump)」において、歴史的な判断を下しました。中国製品...

1/4偉大な裁判官として評価されるために、ファンネルというもの(憲法と法解釈の硬質性と柔軟性の動態その1) 19.02.2026

憲法の危機か? 2025年、合衆国では「憲法の危機」が現実味を帯びて語られている。新大統領による相次ぐ大統領令に対し、憲法学者が危機を警告し、ハーバードの教授陣も「まだ起きていない」としつつ緊張感を隠さなかった。ここで「憲法の危機」とは、最高裁の憲法解釈を大統領が公然と無視する事態を指し、法の支配の根幹を揺るがすものと定義しておく。 果たして憲法の危機は生じているか?そのときの最高裁の役割はどうあるべき...

2/6暴走する大統領と憲法の危機(大統領命令の乱発と憲法の危機その2/6) 17.02.2026

以下は、「大統領命令の乱発と憲法の危機 ―アンドリュー・ジャクソン、リンカーンと トランプ大統領、Trump v. J.G.G. と A.A.R.P v. Trump と関連する事件を中心に――」法律論叢98巻6号59頁(2026)の一章を簡単にまとめたもの。 1. 司法の権威が揺らぐ時 現代の政治状況において、司法の独立性が揺らぐ場面は少なくない。だが、かつて「大統領が最高裁の命令を公然と拒絶する」という、民主主義の根幹を揺るがす危機がアメリカに...

1/6暴走する大統領と憲法の危機(大統領命令の乱発と憲法の危機その1/6) 15.02.2026

以下は、「大統領命令の乱発と憲法の危機 ―アンドリュー・ジャクソン、リンカーンと トランプ大統領、Trump v. J.G.G. と A.A.R.P v. Trump と関連する事件を中心に――」法律論叢98巻6号59頁(2026)の一章を簡単にまとめたもの。 1. 憲法の危機か。1000人の法学者が鳴らした警鐘 2025年2月26日、ケント・グリーンフィールド教授の呼びかけにより、1000人を超える憲法学者が連名で「憲法の危機声明」という未曾有の警鐘を鳴らした。...

Skrmetti(米最高裁のトランスジェンダー)判例を読み解く 12.02.2026

米最高裁のトランスジェンダー判例を読み解く。 United States v. Skrmetti(2025)と違憲審査基準を考える。日本だと 日本の場合は、戸籍上は男性だが、性同一性障害と診断され普段は女性として生活する経済産業省の職員が、省内での女性用トイレの使用を不当に制限された として、国を国賠法で訴えた 事案 が挙げられるかもしれない。単純には比較はできないけれども…。

DACAのジレンマ(Department of Homeland Security v. Regents of the University of California)2025/10/30公表 11.02.2026

DACAの申請の受付が始まることで、Dreamersはジレンマを抱えることになる。以下は「 行政機関の憲法学的統制 」を抜粋し、一部を追加した。 最高裁は、 Department of Homeland Security v. Regents of the University of California(2020).で 50-70万人におよぶDACAプログラム対象者は、労働が許可されて、社会保障給付を受けており、これらの利益は裁判所が保護すべき利益に該当し、APA(行政手続法)の審査対象になると判断した...

カリフォルニア州の特別扱いDiamond Alternative Energy, LLC v. EPA 規制の「常識」を問い直す 09.02.2026

目に見えない「壁」と、ある逆転劇 法廷という土俵で、対立する当事者が闘う。対立当事者間の本格的な取組み(審理)が始まる前に立ちはだかる、(目に見えない壁が「原告適格(スタンディング)」と呼ばれる概念である。 分かりやすく言うと「法廷という土俵」にのぼるための資格(髷、廻し)である。これは、訴えを起こした当事者が裁判を戦う正当な利害関係を有しているかを問う憲法上の要件である。もし、自分たちのビジネスを...

Martin v. United States, SWAT が誤った家に突入したら 06.02.2026

深夜、自宅のドアが破壊される轟音で目を覚ます。これは多くの人が抱く恐怖の一つであろう。しかし、もしその侵入者が犯罪者ではなく、誤ってあなたの家を襲撃した政府の特殊部隊(SWAT)だとしたらどうだろうか。これは単なる仮説ではない。米国最高裁判所が判断を下した Martin v. United States 事件は、まさにそのような悪夢が現実となった事例である。この事件は、法の執行という公的な任務の裏で起こりうる、個人の日常を根...

カリフォルニアの特別な力:連邦政府を凌駕する自動車排出ガス規制と全米市場 02.02.2026

カリフォルニア州の自動車規制がアメリカ国内で先駆的である理由を探る。詳細は、『 アメリカ気候変動法と政策: カリフォルニア州を中心に 』を参照のこと。

A.J.T. v. Osseo Area Schools, Independent School District No. 279障害者差別に対する無関心と怠慢 29.01.2026

日本でも、 北海道立ろう学校の生徒らが、母語である「日本手話」での授業を求めたものの、学校側の都合でそれが叶わなかった事例 は記憶に新しい。この裁判で札幌高裁は、国の賠償責任を認めなかった。これと似た構図のなかで、合衆国最高裁は、障害を持つ人々の権利について、極めて画期的な判断を下した。 このA.J.T. v. Osseo Area Schools 事件は、組織の都合によって個人の学習の機会が奪われることに対し、司法がどう向き合...

Bostock、Skrmetti, West Virginia Board of Education v. B.P.J.そして日本の高裁の判断と法解釈 26.01.2026

こちらは、「 合衆国最高裁の裁判官の法解釈の手法 」を参照のこと。 LGBTQをめぐる法律を日米の裁判所の驚くべき解釈の違いが存在している。 ・数十年前、現代のようなLGBTQの権利に関する理解が存在しなかった時代に書かれた法律は、現代の訴訟にどう適用されるのであろうか。 保守派が多数派を占めるといわれる合衆国最高裁の判断手法は日本の高裁の解釈と異なる解釈を示している。特に日本とアメリカを比較したとき、司法哲学...

Case v. Montana自殺をほのめかす家屋への警察の無令状突入 22.01.2026

誰かが家の中で自殺をほのめかしている、という通報を受けたら、警察は令状なしでその家に立ち入ることができるだろうか。この問いに対し合衆国最高裁が下した判断は、どのようなものだったのだろうか。本記事では、Case v. Montanaという具体的な事例を通して、緊急時に警察が人の命を救うために行動する際の法的な判断基準と、その判断が内包するジレンマについて、3つの重要なポイントに絞って解説する。 1)目的が「救助」なら...

議会承認なしの「麻薬戦争」?トランプ政権の驚くべき法的戦略 18.01.2026

米軍がカリブ海で、麻薬を密輸しているとされるボートを攻撃した。このニュースを聞いて、単なる過激な麻薬取締りのための作戦だと感じるかもしれない。しかし、この軍事行動の背後には、合衆国憲法と国際法の根幹を揺るがす、極めて重大な法的問題が隠されている。国家ではない組織に対する「戦争」となった過去はどういったものがあっただろうか? 1. 麻薬カルテルを「敵性外国人」と見なす異例の措置 2. 議会の戦争宣言権限を迂...

CFPBと単独性の行政機関の合憲性について 12.01.2026

FRBのCook氏を大統領が解任できるか、その限界が最高裁で争われるかもしれない。 その1 と その2 も参照のこと。 以下は、「 行政機関の憲法学的考察 」より抜粋。 そこで、問題になるのが、先例であるHumphrey's Executor v. United States, 295 U.S. 602 (1935)とSeila Law LLC v. Consumer Financial Protection Bureau (以下、Seila v. CFPB)である。 Seila Law v. CFPBとはどのような事件か? 争点 合衆国最高裁は、Humph...

Trump too smallという商標は認められるか 05.01.2026

生存する個人の名前を商標に登録する場合に、本人の同意が必要だという規定の合憲性が争われた。Trump too smallといった政治的なメッセージが含まれるような商標は、本人の同意がない場合に、認められるのか?

Murthy v. Missouri事件:SNSに対する政府の圧力は検閲か 01.01.2026

米国の言論の自由を揺るがす「政府によるソーシャルメディア検閲疑惑」。この重大な問題に、ついに合衆国最高裁判所が最終的な決着をつけるとの期待が高まっていた。新型コロナウイルスや選挙に関する特定の言論を封じ込めるため、ホワイトハウス、CDC、FBIといった連邦政府機関がプラットフォームに不当な圧力をかけたのではないか──この疑惑は、デジタル時代の憲法修正第1条のあり方を問う、まさに画期的な訴訟となるはずであっ...

2025年LAでの職務質問について(人種的プロファイリング)NOEM v. VASQUEZ PERDOMO 31.12.2025

人種プロファイリングとは 「明らかな人種や民族性」、 「スペイン語やなまりのある英語で話していること」、 「不法移民が "集まることが知られている "場所(日雇い労働者の送迎スポットなど)にいること」、 「造園や建設など特定の仕事に従事していること」 をターゲットにして職務質問することをいう。 移民国籍法(INA, Immigration and Nationality Act)は、捜査官に対し、「外国人または外国人であると思われる者...

CDC長官モナレス氏解任の深層:政治任用職vs専門職 24.12.2025

CDC長官モナレス氏解任の深層:政治任用職vs専門職 なぜファウチ博士はクビにならず、CDCトップは即解任されるのか? はじめに 2025年8月、ホワイトハウスがスーザン・モナレス氏を解任したというニュースが報じられた。彼女は、米国疾病予防管理センター(CDC)のトップとして上院の承認を得たばかりで、公聴会では「CDCへの信頼を回復することが最優先課題だ」と語ってた。 なぜ、CDC長官のような公衆衛生のトップはこれほど簡単...

オバマケアと「ブロッコリー」の奇妙な関係:連邦議会の権限は州際通商それとも支出課税権限のいずれなのか? 22.12.2025

オバマケアと「ブロッコリー」の奇妙な関係:連邦議会の権限はどこまで及ぶのか? 「健康のために、毎日必ずブロッコリーを買いなさい。さもなければ罰金を科します」――。もし、あなたの国の政府がこのような法律を制定したとしたら、あなたはどう感じるだろうか。 以下は、「 オバマケア三部作と州際通商条項について 」の一部を抜粋して、読みやすく書き直した。AIによる読み間違い、また この内容は第一次トランプ政権をめぐる...

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