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朗読のアナ 寺島尚正

Arts JA ↓ 316 episodes

100万再生突破!ありがとうございます。 ラジオアナウンサーは言葉を読み語る表現者。 文化放送から、四十年にわたってリスナーに語りかけている寺島尚正アナウンサーがさまざまな作品を朗読します。 その声が紡ぎ出す物語に耳をすませ、語りから無限に広がる想像力、日本語の奥深さをご堪能ください。  朗読のお仕事がございましたらお声かけください。

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Oct 10, 2026

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Episodes

坂口安吾 「私の葬式」 01.03.2026

 身近な人を亡くした時の悲しみや悼む気持ちはいつも時代も変わりませんが、弔い方は時代によって変わってきました。昭和の戦後になると冠婚葬祭の様式が一般的に広まって、多くの人が参列する会になりましたが、令和の今は身内だけの小さな会が増えています。何事にも一言ある坂口安吾は、当時の葬儀の形式をあまり好まなかったようです。

山本周五郎 「兵法者」 25.02.2026

 昭和の戦前から線中期に発行されていた武道専門誌「新武道」に掲載された短編です。水戸光圀に仕えることになった兵法者を主人公に、武士の心得、身の処し方が描かれます。武士として自分を磨き腕に覚えがあるほど、自分を殺し主君に使えることの難しさが浮き彫りになります。

岡本綺堂 「河鹿」 19.02.2026

 その箱根の湯の宿は、清流に住む河鹿の声が聞こえてくるような静謐な場所にありました。そこで女三人の親子連れが同宿するようになってから、夜になると不思議な声が聞こえてくるようになったのです。

岡本綺堂 「月の夜がたり」 11.02.2026

 日本人は古の時代より月を愛でてきました。季節ごとに輝きながら満ちては欠ける姿を、人々がこぞって味わう月見の宴がある一方で、夜空に朧と浮かぶ幽玄な姿に神秘を感じ、幾つもの不思議な逸話を生み出しています。古き日本を聞き語る名手の岡本綺堂が、そんな月の夜の逸話を書き留めました。

小泉八雲 「常識」 05.02.2026

 世間の常識―それは世俗的な現実を生きる者にとっては当たり前に身につけねばならぬものであり、世事の些末な事柄から離れ理想や高みを目指す者には目に入らぬこともあります。後者こそ崇高な人物として貴ばれがちです。しかし、想像を超えた出来事に直面した際に、事実を見極め正しい判断をできるのは…。

太宰治 「眉山」 30.01.2026

 仲間たちとたむろする贔屓の店に、言うこと為すことが気に障るどこかあか抜けない若い娘が働いていました。客達はその娘をなにかと揶揄し、悪口に花を咲かすのでした。ある意味では名物娘でしたが、ある日突然店から消えてしまいました。そして客達は、娘の行動には理由があったことをはじめて知るのです。。

土田耕平 「大寒小寒」 22.01.2026

 ”♪おおさむこさむ”は、日本各地で伝承されてきたわらべ唄です。続きは”山から小僧が飛んでくる”や”泣いてくる””やってくる”など、地方によって少しづつ違います。登場する小僧は、北風や木枯しの擬人化とも言われますが、作家の土田耕平の祖母は少し違った解釈をしていました。

夏目漱石 「元日」 16.01.2026

 日本の暮らしには、季節の移り変わりを示す二十四節気をはじめとしていくつもの節目があります。人はそれを何かの区切りとし、年度や月が改まる節目を心機一転の機会として、ともすればややも大げさに捉えたりします。見方をかえれば昨日の続きにすぎないのですが…1月1日の元日はその最たるもの。夏目漱石にとって、その節目はさほど心地よいものではなかったようです。

伊藤佐千夫 「大雨の前日」 08.01.2026

 小説「野菊の墓」で知られる伊藤佐千夫は、墨東低地帯で搾乳業を営む傍ら創作に取り組みました。小説や短歌に加えて墨田区を舞台とした写生文も残しています。その間に子供4人を幼くして亡くし、度々、水害に遭うなどの不幸に見舞われます。これはその水害を前にして、訪れる災いの予感を感じる様子を写し取った作品です。

直木三十五 「寺坂吉右衛門の逃亡」 04.01.2026

 忠臣蔵四十七士で唯一生き残った寺坂吉右衛門。後世様々な研究解釈がなされていますが、直木三十五はこのように見立てています。主君の無念を果たす討ち入りは、武士の本懐ともいえる名誉ある行いです。選ばれて参加するには、それ相応の身分でなければいけません。ところが寺坂はその身分にありませんでした。

坂口安吾 「人生案内」 29.12.2025

 承認欲求を満たすためにSNSに投稿する人が少なくないと言われます。時代をさかのぼると、新聞の「人生案内」や「身の上相談」の欄が同じような役割をしていたようです。坂口安吾が自分の書いたものが新聞に掲載され、多くの人に読まれる気持ち良さに憑りつかれた男について書いた短編です。

森鴎外 「牛鍋」 19.12.2025

 グツグツと煮える牛鍋を囲んでいるのは、夫を亡くした女と幼い娘、そして亡き夫の友人。食欲の思うままに肉を喰らう男は、娘に肉を与えようとしません。人間の本能と欲望が、食卓でのやり取りから浮かび上がります。

梶井基次郎 「小さき良心 断片」 12.12.2025

 その場の勢いで間違いをしでかしてしまい街を彷徨う男の脳裏には、さまざまな出来事が浮かんでは消えていきます。ついさっきまで友人と愉しく飲んでいたのに、状況が一変してしまいました。追い詰められ、自己肯定し、昔を思い出し、男は逃げ続けます。

高村光太郎 「人の首」 07.12.2025

 彫刻家でもある高村光太郎が、電車の中で人間を観察します。人々の顔を見ては面白さを感じ、魅力を発見し、人間を発見していく様子が興味深く描かれます。見知らぬ少女の顔をまじまじと見てしまい、のちにバツの悪さを感じる様子など可笑し味を感じさせる随筆です。

山本周五郎 「酒屋の夜逃げ」 01.12.2025

 以前は近所の商店の御用聞きが家々を回って、日ごろの暮らしに必要なものの注文を取り配達してくれました。支払いはつけで月末や年末に払ったものです。山本周五郎も馴染みの酒屋で頼んでは、後でまとめて払うつもりが懐ぐらいと折り合わず、酒屋の主人の人の良さに甘えて、ついつい支払いをあと伸ばしにしてしまいました。そのうち酒屋がつぶれてしまい…。

尾崎放哉 「石」 26.11.2025

 自由律俳句の代表的存在である尾崎放哉は、一流の経歴を持つエリート人生を歩んでいましたが、家族も仕事も捨てて流浪の人生を送りました。その最晩年は、島の小さな庵に居を移して終の棲家とします。その島に転がる石を見て思いを巡らせたのがこの随筆です。これからしばらくして放哉は人生の幕を閉じます。

宮沢賢治 「セロ弾きのゴーシュ」 20.11.2025

 活動写真館の楽団に所属するセロ(チェロ)奏者ゴーシュは、うまく弾くことが出来ずに楽団長に叱られてしまいます。その日を境に毎晩遅く動物たちが訪ねて来るようになり、怒ったり面倒臭がったりしながらも、動物たちの相手をしながら演奏することになってしまいます。

菊池寛 「身投げ救助業」 14.11.2025

 明治に入り琵琶湖から京都へ水を引くために、疎水工事が行われました。そして岡崎公園近くの疎水にかかった古い橋が、いつしか京都の自殺の名所となります。たまたまその近くに住んだ老婆が、川に身投げした自殺者に竿を突き出して救い、報奨金を得たのをきっかけに、いつしか身投げを救うことが生業になったのです。

芥川龍之介 「お富の貞操」 07.11.2025

 江戸開城後、上野の山に立てこもった彰義隊を新政府が征伐するという前日、住民が避難し閑散となった町に残った乞食は入りこんた町屋で、猫を連れに戻ってきた女と待ち合わせします。そこで乞食が良からぬ気持ちを抱き、女は猫を巡って貞操と尊厳の選択を迫られることになります。

小酒井不木 「犬神」 28.10.2025

 かつて西日本の各地には犬神にまつわる迷信が信じられており、狐憑きのように犬に憑りつかれると、家族まで犬神の筋と呼ばれて地域から特別視され、婚姻などでも特殊な掟にしばられていたそうです。医学博士で日本の探偵小説の黎明期に活躍した小酒井不木が、その犬神信仰を題材に創作した怪奇小説です。

正岡子規 「飯待つ間」 22.10.2025

 歌人の正岡子規は、生来食いしん坊の大食漢で、病の床にありながらも食事を待ちかねています。膳が運ばれて来るまでの間、どこかから聞こえてくる声や、身のまわりの様子に注意を払い、心に置き留めていきます。過ぎていくちょっとした時間をスケッチした掌編です。

江見水蔭 「壁の目の怪」 16.10.2025

 江戸は寛政の頃、上杉鷹山の命を受けた一行が、薬草を探すために山の奥深くの閉ざされた村を訪ねた。藩と繋がりのある村ではあるが、里人にとっては滅多になる余所者の来訪。一行は村一番の長者の家に迎え入れられるが、自分たちを見張るような姿なき視線を感じる。この村には独特の掟があるようだ。

水野葉舟 「テレパシー」 10.10.2025

 歌人で小説家の水野葉舟は、大正期に心霊や怪談の収集研究に没頭します。柳田国男と深い親交を持ち、代表作の「遠野物語」を怪異譚として高く評価しました。近代化に向かう当時の日本各地で伝承されていた怪談にも詳しく、それらの逸話の一つを取り上げた掌編です。

小川未明 「月夜とめがね」 05.10.2025

 お婆さんは一人暮らしの長い夜を、繕いものをしながら過ごします。目が弱ってきて針仕事もつらくなってきたようです。月の出た或る夜、そんなお婆さんに変わった客が訪れます。そしてお婆さんは、いつもと違う不思議な夜を過ごすことになります。

川田 功 「乗合自動車」 29.09.2025

 手練れの掏摸が刑事につけられています。気づいているのかいないのか、混雑した乗り合い自動車(バス)に乗ると、女性客の態度が癪に障り、その立ち居振る舞いに立腹します。そんなさなか目の前に、まさに掏ってくれと言わんばかりのカモが現れました。掏摸は一計を案じ、ひと騒ぎを仕掛けます。

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