スパイシー丸山

声で旅するカレー

Education JA ↓ 42 episodes

カレーは、ただの料理ではありません。 それは香りであり、記憶であり、私たちの生活そのものです。この番組では、カレーとスパイスを入り口に、その向こう側に広がる文化や歴史、そして日々の暮らしに静かに効く「思考の断片」を語ります。語り手は、25年以上「声」で伝える仕事をしてきたスパイシー丸山。 ここでは、レシピを教えることも、料理に点数をつけることもしません。 正解を出さず、結論を急がず。 言葉になる前の「思考の温度」や、文章ではこぼれ落ちてしまう「間」を大切に届けていきます。「カレーが好き。でも、それ以上に、カレーを巡る思索の時間が好き」そんなあなたに向けた、教養と日常のあいだを漂う音声旅。 1話7分前後...

Author

スパイシー丸山

Category

Education

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Jul 10, 2026

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Episodes

第42話 | カレーの社会課題解決② 家庭と地域を再生する、カレーの「巻き込み力」 10.07.2026

社会課題をカレーで解決していく可能性を考えるシリーズの第2回。 前回は「個人のキッチン」を舞台にセルフケアの可能性を紐解きましたが、今回はその一皿を「誰かと共有したとき」に発揮される、カレーの強大な「巻き込み力(ハブとしての機能)」にフォーカスします。 ​日本の家庭における家事負担の偏りや、シニア男性の「食の自立」という課題。ここに、論理的な調理プロセスを持つスパイスカレーを投入することで、義務の家事...

第41話 | カレーの社会課題解決① キッチンから始まる、個人の自立とセルフケア 03.07.2026

新シリーズ「カレーの社会課題解決」がスタート。全3回にわたり、誰もが日常的に食べている「カレーという料理が持つ構造」を、現代社会の歪みを調(ととの)える新しいアプローチとして応用していく真面目な試みを紐解きます。 ​第1回のテーマは「個人の自立とセルフケア」。 効率やタイパが最優先され、自炊の手間が切り捨てられがちな現代。しかし、市販のルーに頼らないスパイスカレー作りには、料理を義務的な「家事」から、...

第40話 | アチャヤ博士が遺した見識 ― 変化し続ける伝統(シリーズ最終回) 26.06.2026

全10回にわたってお届けしてきた「アチャヤ・シリーズ」も、いよいよ今回が最終回です。 ​古代のスパイスから始まり、ムガル帝国の影響、唐辛子やトマトなどの外来種の流入、そして植民地時代の食文化まで、数千年にわたる歴史をたどってきたこの旅。その果てに見えてくる「インド料理の本質」とは、一体何なのでしょうか。 ​アチャヤ博士の足跡から見えてくるのは、無数の食文化が並び立つ巨大な集合体としての姿、そして、私たち...

第39話 | イギリス植民地時代と「アングロ・インディアン料理」の誕生 19.06.2026

アチャヤ・シリーズ第9回。18世紀以降、インドで大きな影響力を持つようになったイギリス植民地時代、台所を舞台に起きていた「食の交差」を紐解きます。 ​もともとインドには存在しなかった「カレー」という単一の言葉。コルマ、ドピアザ、サーグといった多様な汁気のあるスパイス料理を、イギリス人が「カリー」という便利な言葉でまとめて呼ぶようになった経緯とは? ​さらに、西洋式の調理設備がない厨房で、主人の好みに寄り...

第38話 | トマトとジャガイモの衝撃 ― 現代カレーのルックスと質感 12.06.2026

アチャヤ・シリーズ第8回。前回の「唐辛子」に続き、新大陸からやってきて現代のカレーのベースを決定づけた二大名脇役「トマト」と「ジャガイモ」の物語です。 ​いまや当たり前のように口にする、あのとろりと煮込まれた濃厚なカレーソース。そのベースを支えるトマトがもたらした「酸味と旨味の革命」とは? そして、当初は強い違和感を持たれながらも、やがてベジタリアンの世界に無限のバリエーションをもたらしたジャガイモ。...

第37話 | 唐辛子という黒船 ― カレーが「本当の辛さ」に出会った日 05.06.2026

アチャヤ・シリーズ第7回。今回は、私たちが「当たり前」だと思っている常識を揺るがす、スパイス史最大のターニングポイントへ。 ​「カレーといえば、唐辛子の突き抜けるような辛さ」。しかし、16世紀になるまでインドには唐辛子が1本も存在していませんでした。それまでの辛みは黒胡椒や生姜。そこへポルトガル人の船に乗ってやってきた「赤い黒船」が、なぜわずか数十年でインドの台所を支配する「重要食材」へと登り詰めたのか...

第36話 | ムガル帝国と贅沢な香り ― 悦楽のためのスパイス 29.05.2026

アチャヤ・シリーズ第6回。今日は時代を16世紀へと進め、きらびやかなイスラム王朝「ムガル帝国」の宮廷へと旅をします。 ​それまでの「身体を整え、過酷な気候を生き抜くため」だったスパイス。それが、初代皇帝バーブルの到来とともに、五感を満足させる「芸術」へと姿を変えていきます。 ​カシューナッツのペースト、新鮮な生クリーム、そして黄金色のサフラン。圧倒的な富の象徴が生み出したのは、辛さではなく、香りを上品に...

第35話 | 南インドの生存戦略 ― なぜ彼らは「ゴマ油」を選んだのか 15.05.2026

アチャヤ・シリーズ第5回。今日はインドを南下し、過酷な太陽が降り注ぐ南インドの知恵に迫ります。 ​北インドの「ギィ(バターオイル)」に対し、南インドで「良い油」と呼ばれ愛されてきたのは「ゴマ油」でした。私たちが知る香ばしいものとは違う、無色透明な「生搾り」の油。なぜ彼らはそれを使い続けてきたのか?そこには、身体の内側の熱を下げる「涼しさ」の制御と、腐敗から身を守るための、驚くべき生存戦略が隠されてい...

第34話 | 油という名の革命 ― なぜカレーは「煮る」ではなく「炒める」のか 08.05.2026

アチャヤ・シリーズ第4回。今日は、油脂化学者であった博士の真骨頂「油の革命」に迫ります。 ​世界中の煮込み料理が「水」から始まるのに対し、なぜインド料理は頑なに「油」から始まるのか?そこには、スパイスの香りを捕まえるための緻密な科学的理由がありました。「油で設計し、水で拡張する」ーー。アチャヤ博士が解き明かした、フライパンの中で起きている「香気工学」の正体を、声で紐解きます。

第33話 | スパイスがお薬だった時代 ― ヴェーダの聖典と「単一」の知恵 01.05.2026

アチャヤ・シリーズ第3回。今日は紀元前1500年、最古の聖典『ヴェーダ』の時代へと旅をします。 ​かつてスパイスは、料理の具材ではなく、身体を癒やすための「処方箋」でした。アチャヤ博士が説く、スパイスがまだ混ぜ合わされず「単独」で使われていた時代の知恵。美味しいから混ぜるのではなく、健やかさを願って処方された一粒のクミン。キッチンが誰かのための「聖域」だった頃の記憶を、声で紐解きます。

第32話 | 4000年前の「すり鉢」が語ること ― インダス文明の香りと技術 24.04.2026

「アチャヤ・シリーズ」第2回。今日は、人類最古の文明の一つ、インダス文明の台所へとタイムトラベルします。 ​紀元前3000年の遺跡から見つかった、生姜、ニンニク、そしてターメリックの痕跡。そして、現代のインドでも愛され続ける調理器具「シル・バッタ(すり石)」の原型。なぜ彼らはスパイスを「ペースト」にすることにこだわったのか?そこには、現代のカレー作りにも通じる、驚くべき「香気工学」の第一歩がありました。

第31話 | 5000年の香りを辿る旅 ─ 料理史の父、アチャヤの遺産 17.04.2026

今回から始まる新シリーズ。インド料理の歴史を語る上で欠かせない「父」、K.T.アチャヤ博士の知見を紐解きながら、スパイスの深淵へと漕ぎ出します。 油脂化学者という異色の肩書きを持つアチャヤ博士が、なぜ「カレーは科学だ」と断言したのか。インダス文明の遺跡から見つかった痕跡と、博士が説く「油の支配」というコペルニクス的転回。5000年前から現代のキッチンへと続く、壮大な香りのバトン。そのプロローグを、声で旅し...

第30話 | 手食という対話 ― 指先で感じる、料理の温度と質感 10.04.2026

ふとした瞬間、道具を捨ててみたくなることはありませんか。 効率やマナーという硬い殻を脱ぎ捨てて、もっと直接的に、世界に触れてみたい。 ​スプーンという冷たい金属を介さず、自らの「手」で直接カレーに触れるとき、食事は最も原始的で親密な「対話」へと変わります。 指先から伝わるライスの弾力、サラリとしたルウの温もり、そして境界線が溶けていく感覚。 一皿の宇宙を「体温」として理解する、究極の食体験について。 節...

第29話 | 咀嚼の音楽 ― 自分の体内で響く、スパイスの打楽器 03.04.2026

カレーを食べているとき、私たちの耳には自分だけにしか聞こえない密やかな「音楽」が流れています。それは、お店のBGMでも街の喧騒でもない、骨を通じて脳に直接響く「咀嚼(そしゃく)」という名のパフォーマンス。 ​お米が弾けるリズム、根菜が刻む軽快なアンサンブル、そしてホールスパイスが「カリッ」と放つ香りの閃光。 作り手が込めた「譜面」を、私たちが自らの身体を楽器にして「演奏」し、完成させる。そんな、味覚を超...

第28話 | カウンターのお隣さん ― 無言で分かち合う、スパイスの連帯 27.03.2026

駅のコンコースにあるカウンター。国道沿いのゆったりとしたカウンター。 カレー屋の扉を開けると、そこには言葉を交わすことはなくても、同じ熱狂を分かち合う「お隣さん」がいます。 ​背中越しに伝わってくる、スプーンの音や満足げな吐息。同じ釜のご飯と、同じ鍋のルウを味わうひとときは、見知らぬ誰かとの小さな「縁」を結んでくれます。 一人でありながら、決して孤立ではない。そんなカレー屋のカウンターに流れる、名前の...

第27話 | 辛さという魅力 ― 刺激の先にある、透明な景色 20.03.2026

「辛さ」という刺激を、なぜ私たちは求めてしまうのか。 それは、痛みの向こう側に、驚くほど清々しい「静寂」が待っているからです。 ​スパイスが脳内のノイズをかき消し、内側から身体を浄化していく。激しい刺激の波を乗り越えたあとにだけ現れる、素材本来の「光」の旨み。 食べ終えたあとに訪れる、穏やかな落ち着きと透明な余韻について、声で旅をします。

第26話 | 食後のチャイ ─ 熱さと甘味が連れてくる、静かな着地 13.03.2026

カレーを平らげた後に運ばれてくる、小さな一杯のチャイ。それは、高揚した心と身体を日常へと優しく着地させるための、静かな儀式です。 カレーの中で激しく踊っていたスパイスたちが、ミルクと砂糖に出会い、穏やかな「安らぎ」へと変容していく不思議。食事の物語を締めくくる、最も優しい句読点の時間を、声で旅します。

第25話 | カツカレーという、全能感の宿る皿 06.03.2026

カレーだけでも主役。トンカツだけでも主役。その二つが同じ皿に並び立つ「カツカレー」は、単なるメニューを超えた、自分への「全開の許可証」です。 サクサクの衣がルウに染まり、個性がぶつかり合って生まれる圧倒的な肯定感。大人になる過程で忘れがちな「無邪気な欲」を優しく満たしてくれる、ご馳走カレーの物語を声で旅します。 ​※番組は毎週金曜夜に更新しています。

第24話 | カレーの黄色いシミ ─ 生活に混ざる、小さな証拠 27.02.2026

大切にしている服に見つけた、小さな「黄色いシミ」。一瞬の落胆のあとに、なぜか心が緩んでしまうのはなぜでしょうか。 完璧な真っ白よりも、汚れがあるからこそ宿る人間らしい体温。シミを「汚れ」ではなく、今日を全力で味わった「勲章」や「記憶の栞」として捉え直してみる。不器用な日常の愛おしさを、声で旅します。 ※番組は毎週金曜夜に更新しています。

第23話 | 飴色玉ねぎの10分間 ─ 変化を見守る、能動的な沈黙 20.02.2026

カレー作りにおいて、最も劇的な変化が起きる「飴色玉ねぎ」のプロセス。 強火で一気に仕上げる濃密な10分間は、焦げる寸前を見極め、玉ねぎの呼吸と合わせるセッションのような時間です。 パチパチという音から、香ばしい甘みへと変容していく一瞬。 日常の雑多な思考から切り離され、目の前の色を深めていく「能動的な沈黙」の豊かさを、声で旅します。 ※番組は毎週金曜夜に更新しています。

第22話 | 店を出たあとの余韻 ― 身体に刻まれた、見えない香りと温度 13.02.2026

カレーを食べ終えて店を出た瞬間、冷たい外気に触れてハッとしたことはありませんか? 実は、カレーの体験は店を出たあとにも続いています。胃の中に残る熱、衣服にかすかに残るスパイスの香り、そして少しだけ穏やかに見える街の風景。 「食べた」という過去形ではなく、余韻を「生きている」という現在進行形の時間について。一皿の向こう側に続く、身体と風の対話を声で旅します。 ​毎週金曜夜に更新中。

第21話 | 皿に残る名残 ─ 食べ終えたあとの、静かな景色 06.02.2026

カレーを食べ終えたあと、空になった皿をじっと眺めたことはありますか? そこには、スプーンで拭った跡やスパイスの欠片が、あなたとカレーが向き合った「対話の記録」として残されています。 完璧に整えられた完成図よりも、崩されたあとの景色のほうが、ずっと人間味に溢れ、雄弁に物語っている。 お腹が満たされ、お冷を一口飲むまでの、名前のつかない空白の時間。 皿の上に残る「名残(なごり)」を通して、食事が私たちの血...

第20話 | スプーンの音 ─ 皿の上で響く、自分との対話 28.01.2026

カレーを食べる時、スプーンが皿に触れる「カチッ」という小さな音。普段は聞き流してしまうその響きに、耳を澄ませてみたことはありますか? 一口目を掬う期待の音、最後の一口を集める慎重な音。 それは、私たちが一皿のカレーと向き合い、自分自身を整えていく「対話」の音でもあります。 なぜスプーンでなければならないのか。その音が、私たちの孤独や安心とどう繋がっているのか。 7分間の静かな思索とともに、今日の一皿を...

第19話 | 福神漬 ─ 境界に置かれる「赤」の意味 27.01.2026

カレーの皿の隅にある、あの赤い塊。 当たり前すぎて通り過ぎてしまう「福神漬け」という存在について、少し立ち止まって考えてみませんか。 主役ではないけれど、無視することもできない。 カレーと福神漬けの「付かず離れず」の絶妙な距離感。 あのポリポリという音が、私たちの食体験にどのような「句読点」を打っているのか。 味の向こう側にある、一皿の上の「共存」と「自由」を声で旅します。

第18話 | グラデーション ─ 境界が溶けていく場所 26.01.2026

白か黒か。 正しいか、間違いか。 そうやって区切ろうとすると、 カレーは、いつも少し困った顔をします。 辛さも、味も、状態も、 きっぱり分けられない。 そのあいだに、ずっと留まっている。 今回は「グラデーション」という視点から、 カレーが曖昧さを許し続けてきた理由を、 静かに辿ります。 はっきりしないままでも、 ちゃんと成立しているものについて。

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