敗者のつぶやき
敗者のつぶやき
人文学とビジネスの交点を探る——。あらゆる場面で創造性が求められる現代。直感的に奇抜なアイデアを出したり、ロジカルに問題解決を目指すのでなく、社会をよく見て既存の意味のシステムからこぼれ落ちた時代の「敗者」に目を向けることで価値転換を試みる。この考えの背景にある人文学的視座や事例の読み解きを通して、次の時代をつくるアイデアを生み出すヒントを探ります。▼出演山内裕(京都大学経営管理大学院 教授)佐藤那央(京都大学経営管理大学院 特定講師)▼リンク山内裕:https://yamauchi.net/Kyoto Creative Asssemblage:https://assemblage.kyoto/
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Episodes
#53 享楽 (あらためて) 26.07.2025 46:56
意味のシステムの解体に人々が熱狂することを説明するためには、「享楽」の概念が必要です。ニーズ、欲望、享楽の違いを整理し、享楽が逆説的に倫理になる可能性を議論しました。 ▶Topics ニーズと欲望と享楽/「自分が何者か」というトラウマ的問い/自己破壊的な享楽(jouissance, enjoyment)/欲望の対象原因(objet a)/自由/社会批判としてのイノベーション ▶︎References アレンカ・ジュパンチッチ『リアルの倫理』 https://www.kawad...
#52 『バートルビー』の政治 12.07.2025 1:10:07
今回は、バートルビーの政治について議論しました。アメリカの作家ハーマン・メルヴィルの小説『バートルビー』をヒントに、様々な政治が模索されています。Blacknessで議論した、Fugitivity(逃げること)に関連して新しい政治の可能性を探ります。 ▶Topics 革命/出来事(event)/actとaction/ I prefer not to… / Aggressively passiveとPassively aggressive/法は欲望に支えられている ▶︎References Badiou, A. (2009). Logics of...
#51 Blackness 28.06.2025 1:05:08
今回は「Blackness」とエステティック・ストラテジーの目指す政治性を中心に議論しました。 ▶Topics Whitenessとの関係/「人種は存在しない」の危うさ/アイデンティティポリティクス/ダブルコンシャスネス/Fugitivityの政治/パラオントロジー ▶References デュボイス, W. E. B. (1992). 黒人のたましい (黄寅秀, 木島始, & 鮫島重俊訳). 岩波書店. https://www.iwanami.co.jp/book/b247582.html Moten, F., & Harney, S....
#50 意味のイノベーション 14.06.2025 1:20:52
今回は井登友一さん(株式会社インフォバーン副社長、立命館大学経営学部教授)をお招きし、ロベルト・ベルガンティが提唱する「意味のイノベーション」の概念を軸に、デザインが持つ革新力について掘り下げました。 ▶︎ Topics: 意味のイノベーション /テクノロジープッシュ vs マーケットプル/イタリアデザイン/デザインディスコース/デザイン思考・アート思考・意味のイノベーションの違い/立命館大学デザイン・アート学部 ▶︎Ref...
#49 アートの表現 31.05.2025 1:00:55
アートの表現について、エステティック・ストラテジーの考え方とのつながりを中心に議論しました。 ▶︎Topics アート作品の制作とは/意味の連関を宙吊りにする/社会批判としてのアート/批判を表現することなく批判する/象徴の微妙な距離 ▶︎References 判断力批判(全二冊)カント著, 篠田 英雄訳,岩波書店,1964 https://www.iwanami.co.jp/book/b246741.html https://www.iwanami.co.jp/book/b246742.html Kyoto Creative Assemblag...
#48 存在論的デザイン 17.05.2025 1:04:11
京都クリエイティブ・アッサンブラージュのテーマのひとつである「存在論的デザイン」とは何か、なぜ重要なのかを、改めて議論しました。 ▶︎Topics 多元世界・Pluriverse/多文化主義・文化多元主義の問題/表象の限界/最小の差異/思弁的実在論/LARP (Live Action Role-Playing)/世界の不可能性/普遍性の政治 ▶︎References アルトゥーロ・エスコバル『多元世界に向けたデザイン』 https://bnn.co.jp/products/9784802512527 Martin S...
#47 陰謀論 その1 03.05.2025 57:43
今回は現在の政治で注目を集めている「陰謀論」を、精神分析にもとづく社会理論の観点から説明しました。 ▶︎Topics グループとグリッド/大きな物語の終焉/神経症(neurosis)・精神病(psychosis)・倒錯(perversion)/疎外と分離/保守・リベラルの分断 ▶︎References Zizek, S. (2004). What can Psychoanalysis Tell us About Cyberspace? Psychoanalytic Review, 91(6), 801–830. https://guilfordjournals.com/doi/10.1521/prev....
#46 Deep Careと儀礼 19.04.2025 1:11:06
今回は一般社団法人Deep Care Labの川地真史さん、田島瑞希さんをお招きし、「Deep Care」や「儀礼」をキーワードに議論しました。 ▼Topics Deep Care Lab設立の経緯/“Deep Care”とは/「わたし」を中心にケアをとらえる/儀礼をデザインする/神話と儀礼 ▼References Deep Care Lab https://deepcarelab.org/
#45 千年王国論 05.04.2025 1:13:36
アメリカの政治の背景にある「千年王国論」について、その基本的な考え方や歴史的な出来事について議論しました。 ▶Topics メアリー・ダグラス GridとGroup/Trumpismと福音派/前千年王国説と後千年王国説/十字軍と虐殺/ボヘミア/ピューリタン革命/ヒッピー/イーロン・マスク ▶References メアリー・ダグラス『象徴としての身体 - コスモロジーの探究』 https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784314004152 ノーマン・コーン『千...
#44 書体の声 22.03.2025 1:18:24
グラフィックデザイナーの大槻智央さんをお招きし、書体の捉え方や書体デザインの動向についてお伺いしました。 関連コンテンツの対談「時代の表現としての書体」も合わせてお楽しみください。 ▶Topics オリジナルフォント/値札のデザイン/透明に作りながらクセを持たせる/人気書体のクセ/美しいがデザインに使えない書体/服ではなく声としての書体デザイン/ロゴの短命化/技術進歩と書体の変化 ▶References Otsuki Chihiro | Portf...
#43 汚穢と神聖性 08.03.2025 56:11
前々回の「儀礼の(無)意味」に引き続き、文化人類学における儀礼の議論を中心に、排除されたものが汚穢(けがれ)として疎まれると同時に、ときおり神聖性を持つ、という矛盾について議論しました。 ▶Topics 境界性(liminality)/コムニタス(communitas)/ 儀式・呪術・タブーの意味/ 汚穢は創造性の源である/ 排除されたものが神聖性を持つ ▶References ターナー, V. W. (2020). 儀礼の過程 (冨倉光雄訳). 筑摩書房. https://ww...
#42 意味を差し引くコピー 22.02.2025 1:16:56
ゲストに弦間一雄先生(大阪経済大学人間科学部教授)をお迎えし、言葉を使うコピーライティングにおいて「意味を差し引く」ことの難しさ・可能性について議論しました。 ▶Topics 「おいしい生活」「Change Destiny」「丸くなるな星になれ」/コピーにおける無意味とは/コンセプトと最終表現の違い/保守的な記号(例: MAGA)と排除/現実の不可能性を表現する記号/鈴木一朗から「イチロー」へ/これからの社会に求められるコピーとは ▶Ref...
#41 儀礼の(無)意味 08.02.2025 59:21
今回は、儀礼の意味/無-意味について、再帰的近代化というキーワードとの関連を中心に、議論しました。 ▶Topics 文化人類学・宗教学・精神分析との関わり/再帰的近代化/意味がないから意味がある/自己目的性/境界性 ▶References Turner, V. W. (2020). 儀礼の過程 (冨倉光雄訳). 筑摩書房. https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480510136/ 福島真人. (1993). 儀礼とその釈義ー形式的行動と解釈の生成. In 課題としての民族...
#40 認識的不正義 25.01.2025 1:02:46
認識的不正義について、人種主義や学術研究との関わりに触れながら議論しました。 ▶Topics 認識的不正義(epistemic injustice)/証言的不正義・解釈的不正義・分配的不正義/人種主義との関連/組織論・経営学との繋がり/再帰性(reflexivity)/学問の不可能性 ▶References 『認識的不正義』(ミランダ・フリッカー 著,佐藤邦政監訳,飯塚理恵 訳,勁草書房) https://www.keisoshobo.co.jp/book/b620099.html
#39 「敗者のつぶやき」昨年の振り返りと今年の抱負 11.01.2025 27:24
今回は、昨年の振り返りと今年の抱負について話しました。 昨年はXでいただいたコメントを十分に拾いきれなかった点が一番の反省点です。今年は収録の中で積極的に紹介していければと思います。「ここがわかりにくかった」「このテーマについて聞きたい」など、ご意見・ご感想はお気軽に、「#敗者のつぶやき」のハッシュタグをつけてXにて投稿いただけますと幸いです。 今年も「敗者のつぶやき」をどうぞよろしくお願いします。 X...
#38 1960年代 22.12.2024 1:14:23
弦間一雄先生(大阪経済大学 教授、コピーライター)をお迎えし、激動の時代として知られる60年代の雰囲気を、文化/政治/ビジネスなどの側面から議論しました。 ▶Topics Peet's Coffee & Tea/Starbucks/J. F. Kennedy/アメリカン・ニューシネマ/テレビ/Easy Rider/ Woodstock Music and Art Festival/Hippie/McDonald’s
#37 意味を差し引くデザイン 30.11.2024 1:16:01
今回は、11月8日にKYOTO CREATIVE ASSEMBLAGEで開催した対談イベント「社会課題とデザイナー - 佐藤可士和の仕事を読み解く-」を振り返りながら、「意味を差し引くデザイン」について、議論しました。 ▶︎Topics 社会課題のためのデザイン/ALFALINK相模原/永遠回帰/サイコロのひとふり/無-意味の出来事/平等 ▶︎References KYOTO CREATIVE ASSEMBLAGE ダイアログ:社会課題とデザイナー - 佐藤可士和の仕事を読み解く- https://assem...
#36 クラフト 16.11.2024 1:04:08
近年注目が集まっているクラフト・工芸について、具体的な事象や研究を取り上げながら、クラフト・工芸が人気を集めている背景を議論しました。 ▶Topics: 伝統工芸/Material turn/懐石/伝統と革新/ニーチェ「永劫回帰」/ドゥルーズ/ 潜在性virtual/クラフトサケ ▶References: ドゥルーズ『差異と反復』 上: https://amzn.asia/d/dg4HxtF 下: https://amzn.asia/d/0FqTUei Richard E. Ocejo 『Masters of Craft: Old Jobs in th...
#35 続・パララックス 02.11.2024 57:19
今回は「パララックス」について、エステティックストラテジーとの繋がりを中心に、改めて議論しました。 ▶︎Topics: 自身との差異/いかがわしい暗部/主体が客体に埋め込まれること/バートルビーの政治 ▶︎Referenses: 敗者のつぶやき #29 パララックス https://podcasts.apple.com/jp/podcast/29-%E3%83%91%E3%83%A9%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9/id1690969535?i=1000664872324 メルヴィル『書記バートルビー』 https://...
#34 AI 19.10.2024 1:14:06
ベンヤミンが『歴史の概念について』の中で取り上げた自動人形を起点に、機械・AIの文化を議論しました。 ▶Topics エキゾチックな自動人形/ 反乱を起こすロボット/ 機械と女性/ オリエンタリズム/ いかがわしい暗部/ AIの不気味さ ▶References 『歴史の概念について』(ヴァルター・ベンヤミン 著, 鹿島徹 訳/未来社) http://www.miraisha.co.jp/np/isbn/9784624011932 『ロボット(R.U.R) 』(カレル・チャペック 著, 千野 栄一...
#33 ヴァルター・ベンヤミン 05.10.2024 1:05:58
今回はヴァルター・ベンヤミンの「歴史」の概念を中心に議論しました。 ▶Topics イノベーションは「歴史的」である/マルクスの史的唯物論/過去への虎の跳躍/歴史を「停止」させ、別様の歴史を紡ぐ/勝者の歴史が排除したもの(=敗者)の救済/ドイツ悲劇の根源 ▶References 『ドイツ悲劇の根源』(ヴァルター・ベンヤミン 著,浅井健二郎 訳/筑摩書房) https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480084934/ 『ベンヤミン「歴史哲...
#32 1980年代 20.09.2024 1:07:54
弦間 一雄先生(大阪経済大学 教授、コピーライター)をお招きして、時代の転換期としての80年代を政治・経済・文化といった多様な側面から議論しました。 ▶Topics 新自由主義の台頭/ 大きな物語の終焉/「ウォール・ストリート」 / DTM・ダンスミュージックの興隆/コピーにおける口語使用/ 師匠仕込みのネタからその場のノリへ/ 90年代の不況・災害・事件 ▶References ジャン・フランソワ・リオタール『ポストモダンの条件』: htt...
#31 ニーズと欲望 07.09.2024 1:05:19
リフレクシビティ(再帰性・相互反映性)をキーワードに、ニーズと欲望の違いについて議論しました。 ▶︎Topics: ニーズと欲望/リフレクシビティ(再帰性・相互反映性)とは/研究対象と研究者の間の「距離」/まなざしと欲望の対象原因(objet a)/持続可能性と「美学化する距離」/保守的な欲望と進歩的な欲望 ▶︎References: ・イノベーションとは欲望を深めること https://assemblage.kyoto/topics/post/article-do-not-give-groun...
#30 フェミニズム 22.08.2024 57:33
フェミニズムの歴史を振り返りながら、その思想や取り組みについて議論しました。 Topics: Personal is Political/ anti sex - pro sex/ Intersectionality/ 家父長制/ neoliberal feminism References: hooks, B. (2013). Dig deep: Beyond lean in. The Feminist Wire, 115.
#29 パララックス 10.08.2024 1:14:24
柄谷行人氏とスラヴォイ・ジジェク氏のパララックスに関する議論を取り上げ、否認されたXについて理解を深めながら、新しい政治及びイノベーションの可能性を議論しました。 Topics: 柄谷行人/ スラヴォイ・ジジェク『パララックスビュー』/自身との最小の距離/ 否認されたX/ not all (全てでない)/ 綺麗に綴じることの危険性/ バートルビーの"I prefer not to" References: 柄谷行人『トランスクリティーク』 https://w...
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