一般社団法人 青空朗読
青空朗読
インターネット上の図書館「青空文庫」の作品を朗読する「青空朗読」は、プロのアナウンサーによる社会貢献活動としてスタートし、最近は、朗読を学ぶ一般の方々からも作品を提供していただいています。2016年5月に一般社団法人となりました。
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23 okt. 2026
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【青空朗読】日日平安 著者:山本 周五郎 読み手:つかさ 時間:1時間48分54秒 01.05.2026 1:48:54
日日平安 著者:山本 周五郎 読み手:つかさ 時間:1時間48分54秒 一 井坂十郎太は怒っていた。まだ忿懣のおさまらない感情を抱いて歩いていたので、その男の姿も眼にはいらなかったし、呼ぶ声もすぐには聞えなかった。三度めに呼ばれて初めて気がつき、立停って振返った。 道のすぐ脇の、平らな草原の中にその男は坐っていた。松林と竹藪に挾まれたせまい草原で、晩春の陽がいっぱいに当っている。浪人者とみえるその...
【青空朗読】木曾道中記 第十六囘~第二十囘 著者:饗庭 篁村 読み手:ヨシオカ ミエコ 時間:30分59秒 30.04.2026 30:59
木曾道中記 第十六囘~第二十囘 著者:饗庭 篁村 読み手:ヨシオカ ミエコ 時間:30分59秒 第十六囘 とかうして車に乘れば醉と勞にウト/\と睡りかけしがガタリと車は止りて旦那此が小野の瀧でござりますと云ふ心得たりと下り立しが泥濘に下駄は立ずバタリと轉べば後より下りし梅花道人またバタリ泥に手を突きコリヤ歩かれぬと叫くを車夫二人手を取り跡押せし車夫の女房二の提灯を左右の手に持ち瀧のほとりに指上げたり...
【青空朗読】木曾道中記 第十一囘~第十五囘 著者:饗庭 篁村 読み手:ヨシオカ ミエコ 時間:29分45秒 29.04.2026 29:45
木曾道中記 第十一囘~第十五囘 著者:饗庭 篁村 読み手:ヨシオカ ミエコ 時間:29分45秒 第十一囘 見上る山には松にかゝりて藤の花盛りなり見下せば岩をつゝみて山吹咲こぼれたり躑躅石楠花其間に色を交へ木曾川は雪と散り玉と碎け木曾山は雲を吐き烟を起す松唐松杉檜森々として雨ならずとも樹下は濕ひたり此間に在りて始めて人間の氣息緩かなるべきを無法飛せの馬車なれば(是よりして木曾の山中にも無法飛ぶのは馬車...
【青空朗読】木曾道中記 第六囘~第十囘 著者:饗庭 篁村 読み手:ヨシオカ ミエコ 時間:30分19秒 28.04.2026 30:19
木曾道中記 第六囘~第十囘 著者:饗庭 篁村 読み手:ヨシオカ ミエコ 時間:30分19秒 第六囘 石荒坂を過ぎ曲折して平地に出れば即ち長久保なり宿の家並よく車多し石荒坂にて下駄黨も草鞋派も閉口したれば此より車に乘る此邊平地とは云へ三方山にて圍ひ一方は和田峠に向ツて進むなれば岩大石ゴロタ石或ひは上り或は下る坂とまでならねど凸凹多く乘る者は難儀なれど挽夫は躍るもガタツクも物とはせず風の如くに飛び行けば...
【青空朗読】木曾道中記 第一囘~第五囘 著者:饗庭 篁村 読み手:ヨシオカ ミエコ 時間:31分16秒 27.04.2026 31:16
木曾道中記 第一囘~第五囘 著者:饗庭 篁村 読み手:ヨシオカ ミエコ 時間:31分16秒 第一囘 鐵道の進歩は非常の速力を以て鐵軌を延長し道路の修繕は縣官の功名心の爲に山を削り谷を埋む今ま三四年せば卷烟草一本吸ひ盡さぬ間に蝦夷長崎へも到りヱヘンといふ響きのうちに奈良大和へも遊ぶべし况んや手近の温泉塲など樋をかけて東京へ引くは今の間なるべし昔の人が須磨明石の月も枴にかけてふり賣にやせんと冷評せしは實...
【青空朗読】イーハトーボ農学校の春 著者:宮沢 賢治 読み手:黒田 留美子 時間:12分20秒 26.04.2026 12:20
イーハトーボ農学校の春 著者:宮沢 賢治 読み手:黒田 留美子 時間:12分20秒 太陽マジックのうたはもう青ぞらいっぱい、ひっきりなしにごうごうごうごう鳴っています。 わたしたちは黄いろの実習服を着て、くずれかかった煉瓦の肥溜のとこへあつまりました。 冬中いつも唇が青ざめて、がたがたふるえていた阿部時夫などが、今日はまるでいきいきした顔いろになってにかにかにかにか笑っています。ほんとうに阿部時夫なら、...
【青空朗読】季節の変るごとに 著者:片山 廣子 読み手:野見山 丹李 時間:11分32秒 25.04.2026 11:32
季節の変るごとに 著者:片山 廣子 読み手:野見山 丹李 時間:11分32秒 季節の変るごとに、武蔵野はそれより一足先きに春秋の風がふき、霜も雪も早く来る、夏草が茂るのも早い。その野原に近い家で何年か暮して来て、毎日の生活には季節の物をたべてゐるのが一ばんおいしく、一ばん経済であることもおぼえた。 冬から春にかけ、らくに手に入るものは、野菜の中で一ばん日本人好みの大根で、それに白菜、小蕪、ほうれん草、...
【青空朗読】イーダちゃんのお花 著者:ハンス・クリスチャン・アンデルセン/大久保 ゆう 訳 読み手:こがわ めいすい 時間:28分55秒 24.04.2026 28:55
イーダちゃんのお花 著者:ハンス・クリスチャン・アンデルセン/大久保 ゆう 訳 読み手:こがわ めいすい 時間:28分55秒 「かわいそう、あたしのお花がかれちゃってる!」っていったのは、イーダちゃんって子。「ゆうべはすっごくきれいだったのに、今は葉っぱもみんなぐんにゃり。どうなってるの?」って、その子は、ソファのところにいた大学生のお兄さんにきいた。だって、その子はお兄さんがだいだい大好きでね、お兄さ...
【青空朗読】気絶人形 著者:原 民喜 読み手:田中 淑恵 時間:4分24秒 23.04.2026 4:24
気絶人形 著者:原 民喜 読み手:田中 淑恵 時間:4分24秒 くるくるくるくる、ぐるぐるぐるぐる、そのお人形はさっきから眼がまわって気分がわるくなっているのでした。ぐるぐるぐるぐる、くるくるくるくる、そのお人形のセルロイドのほおは真青になり、眼は美しくふるえています。みんなが、べちゃくちゃ、べちゃくちゃ、すぐ耳もとでしゃべりつづけているのです。暗いボール箱から出してもらい、薄い紙の目かくしをはずして...
【青空朗読】言いたい事と言わねばならない事と 著者:桐生 悠々 読み手:谷岡 理香 時間:6分11秒 22.04.2026 6:11
言いたい事と言わねばならない事と 著者:桐生 悠々 読み手:谷岡 理香 時間:6分11秒 人動(やや)もすれば、私を以て、言いたいことを言うから、結局、幸福だとする。だが、私は、この場合、言いたい事と、言わねばならない事とを区別しなければならないと思う。 私は言いたいことを言っているのではない。徒に言いたいことを言って、快を貪っているのではない。言わねばならないことを、国民として、特に、この非常 時に際...
【青空朗読】忘れ難きことども 著者:松井 須磨子 読み手:海老 実穂 時間:6分12秒 21.04.2026 6:12
忘れ難きことども 著者:松井 須磨子 読み手:海老 実穂 時間:6分12秒 先生のことを思ひますと、唯私は悲しくなります。先生は、随分苦労をなさいました。ほつと呼吸をつく間もない位に、殆んど苦労のし通しでした。それを残らず傍にゐて見知つてゐるだけに、皆私には忘れられないことばかりです。 先生は、ずつと以前から、私達一座を率ゐて西洋へ行つて見たいと云ふお考へを持つてゐらつしやいました。はなは、大連から露...
【青空朗読】ラ・ベルとラ・ベート(美し姫と怪獣) 著者:ヴィルヌーヴ夫人/楠山 正雄 訳 読み手:水野 久美子 時間:34分20秒 20.04.2026 34:20
ラ・ベルとラ・ベート(美し姫と怪獣) 著者:ヴィルヌーヴ夫人/楠山 正雄 訳 読み手:水野 久美子 時間:34分20秒 むかし昔、ある所に、お金持の商人がいて、三人のむすこと三人のむすめと、つごう六人のこどもをもっていました。商人には、お金よりもこどものほうが、ずっとずっとだいじなので、こどもたちたれも、かしこくしあわせにそだつように、そればかりねがっていました。 三人のむすめたち、たれも、きれいに生ま...
【青空朗読】わかれ道 著者:樋口 一葉 読み手:伊藤 靖 時間:28分17秒 19.04.2026 28:17
わかれ道 著者:樋口 一葉 読み手:伊藤 靖 時間:28分17秒 上 お京さん居ますかと窓の戸の外に来て、ことことと羽目を敲く音のするに、誰れだえ、もう寐てしまつたから明日来ておくれと嘘を言へば、寐たつて宜いやね、起きて明けておくんなさい、傘屋の吉だよ、己れだよと少し高く言へば、嫌な子だねこんな遅くに何を言ひに来たか、又御餅のおねだりか、と笑つて、今あけるよ少時辛棒おしと言ひながら、仕立かけの縫物...
【青空朗読】ラプンツェル 著者:グリム兄弟/中島 孤島 訳 読み手:中川 ミリー 時間:13分14秒 18.04.2026 13:14
ラプンツェル 著者:グリム兄弟/中島 孤島 訳 読み手:中川 ミリー 時間:13分14秒 むかしむかし夫婦者があって、永い間、小児が欲しい、欲しい、といい暮しておりましたが、やっとおかみさんの望みがかなって、神様が願いをきいてくださいました。この夫婦の家の後方には、小さな窓があって、その直ぐ向うに、美しい花や野菜を一面に作った、きれいな庭がみえるが、庭の周囲には高い塀が建廻されているばかりでなく、その持...
【青空朗読】わがままな大男 著者:オスカー・ワイルド/結城 浩 訳 読み手:藤崎 巧子 時間:18分26秒 17.04.2026 18:26
わがままな大男 著者:オスカー・ワイルド/結城 浩 訳 読み手:藤崎 巧子 時間:18分26秒 子どもたちは毎日、午後になって学校から帰ってくると、大男の庭に行って遊ぶのが常でした。 そこは、柔らかい緑の草が生えた、広くて素敵な庭でした。草むらのあちこちには、星に似た美しい花が立っておりました。その庭には十二本の桃の木があり、春になると薄桃色と真珠色の繊細な花があふれるように咲き、秋には豊かな果実が実り...
【青空朗読】ラッパ 著者:新美 南吉 読み手:あとみ たえこ 時間:2分33秒 16.04.2026 2:33
ラッパ 著者:新美 南吉 読み手:あとみ たえこ 時間:2分33秒 オヂイサンハ イナカニ ヒトリボツチデ クラシテ ヰマシタ。ダンダン ミミガ トホク ナツタノデ、ミヤコニ ヰル ムスコノ トコロヘ、「ミミガ トホク ナツタカラ、ヨク キコエル キカイヲ カツテ オクツテ クレ。」ト イツテ ヤリマシタ。 ムスコハ、イロイロ サガシタガ、アマリ ヨイ キカイガ ナイノデ、ラツパヲ カツテ、「コレヲ ...
【青空朗読】わが母を語る 著者:上村 松園 読み手:坂井 あきこ 時間:15分2秒 15.04.2026 15:02
わが母を語る 著者:上村 松園 読み手:坂井 あきこ 時間:15分2秒 竹を割ったような性格 私の母は、一口にいうと男勝りな、しっかり者でしたな。私は母の二十六歳の時生まれ、四つ年上の姉が一人だけありました。私の生まれたのは、明治八年四月二十三日、私の父が死んだのが同じ年の二月。つまり母は、主人を失ってから私を生んだわけです。父は四条御幸町に店を構え、茶舗を創めたばかりのところでした。そんな時に、...
【青空朗読】ラヂオ漫談 著者:萩原 朔太郎 読み手:富田 美苗 時間:12分4秒 14.04.2026 12:04
ラヂオ漫談 著者:萩原 朔太郎 読み手:富田 美苗 時間:12分4秒 東京に移つてから間もなくの頃である。ある夜本郷の肴町を散歩してゐると、南天堂といふ本屋の隣店の前に、人が黒山のやうにたかつてゐる。へんな形をしたラツパの口から音がきれぎれにもれるのである。 「ははあ! これがラヂオだな。」 と私は直感的に感じた。しかし暫らくきいてゐると、どうしても蓄音機のやうである。しかもこはれた機械でキズだらけのレ...
【青空朗読】若葉の雨 著者:薄田 淳介 読み手:菅野 秀之 時間:6分15秒 13.04.2026 6:15
若葉の雨 著者:薄田 淳介 読み手:菅野 秀之 時間:6分15秒 野も、山も、青葉若葉となりました。この頃は――とりわけて今年はよく雨が降るやうです。雨といつてもこの頃のは、草木の新芽を濡らす春さきの雨や、もつ と遅れて来る梅雨季の雨に比べて、また変つた味ひがあります。春さきの雨はつめたい。また梅雨季の雨は憂鬱にすぎますが、その間にはさまれた晩春の雨は、 明るさと、快活さと、また暖かさとに充ち溢れて、銀の...
【青空朗読】羅生門 著者:芥川 龍之介 読み手:藤田 利和 時間:22分13秒 12.04.2026 22:13
羅生門 著者:芥川 龍之介 読み手:藤田 利和 時間:22分13秒 ある日の暮方の事である。一人の下人が、羅生門の下で雨やみを待っていた。 広い門の下には、この男のほかに誰もいない。ただ、所々丹塗の剥げた、大きな円柱に、蟋蟀が一匹とまっている。羅生門が、朱雀大路にある以上は、この男のほかにも、雨やみをする市女笠や揉烏帽子が、もう二三人はありそうなものである。それが、この男のほかには誰もいない。 何故か...
【青空朗読】わが妻の記 著者:伊丹 万作 読み手:成 文佳 時間:15分35秒 11.04.2026 15:35
わが妻の記 著者:伊丹 万作 読み手:成 文佳 時間:15分35秒 素姓 中学時代の同窓にNという頭のいい男がいた。海軍少尉のとき、肺を病つて夭折したが、このNの妹のK子が私の妻となつた。 妻の父はトルストイにそつくりの老人で税務署長、村長などを勤め、晩年は晴耕雨読の境涯に入り、漢籍の素養が深かつた。 私の生れは四国のM市で、妻の生れは同じ市の郊外である。そして彼女の生家のある村は、同時に私の亡...
【青空朗読】ラジオ雑感 著者:寺田 寅彦 読み手:二宮 正博 時間:17分47秒 10.04.2026 17:47
ラジオ雑感 著者:寺田 寅彦 読み手:二宮 正博 時間:17分47秒 宅のラジオ受信機は去年の七月からかれこれ半年ほどの間絶対沈黙の状態に陥ったままで、茶の間の茶箪笥の上に乗っかったきりになっていた。夕飯時に近所の家から「子供の時間」の唱歌などが聞こえて来ても、宅の機械は固く沈黙を守って冷やかにわれわれの食卓を見下ろしているだけであった。それがやっとこの頃になって久し振りのその沈黙を破って再び元気よくわ...
【青空朗読】若鮎について 著者:北大路 魯山人 読み手:小川 幸香 時間:3分27秒 09.04.2026 3:27
若鮎について 著者:北大路 魯山人 読み手:小川 幸香 時間:3分27秒 あゆの小さなものは、どうかするとうまくないというひともあるが、わたしは一概にそうは思わない。 小田原の手前に酒匂川という川がある。まだ禁漁中にあの近辺のひとが酒匂川のあゆをよく盗み取りするが、わたしはそれをもらうことがあって、たびたび 食ったことがある。大きさはまだやっと一寸ぐらいのものだが、ちょっとあぶって食うと、実に調子の高...
【青空朗読】 ライオンの大損 著者:村山 籌子 読み手:池戸 美香 時間:3分29秒 08.04.2026 3:29
ライオンの大損 著者:村山 籌子 読み手:池戸 美香 時間:3分29秒 ある秋の一日、一匹の威張り屋のライオンが森の中で、お昼寝をしてゐる間に、大切な、日頃自慢のあごひげを、誰にとられたのか、それとも抜け落ちてしまつたのか、とにかく起きて、のどがかわいたので、水をのみに、ふら/\と川の方へ行く途中で熊に会ひますと熊は、ライオンをよく知つてゐるのに挨拶をしないので 「熊君、なぜ、挨拶をしない? 失敬じやな...
【青空朗読】薬局 著者:織田 作之助 読み手:宮松 大輔 時間:2分28秒 07.04.2026 2:28
薬局 著者:織田 作之助 読み手:宮松 大輔 時間:2分28秒 その男は毎日ヒロポンの十管入を一箱宛買いに来て、顔色が土のようだった。十管入が品切れている時は三管入を三箱買うて行った。 敏子は釣銭を渡しながら、纒めて買えば毎日来る手間もはぶけるのにと思ったが、もともとヒロポンの様な劇薬性の昂奮剤を注射する男なぞ不合理にきまっている。然し敏子の化粧はなぜか煙草屋の娘の様に濃くなった。敏子は二十七歳、出戻...
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