TBS RADIO

東京閾値

「ずっとそこにあった東京に気づく」をコンセプトに、ディレクターが毎週、東京にゆかりのある方、普段余り顧みられない東京の一角に赴いてインタビューを試みるドキュメント番組。 20年間、上野公園の階段で似顔絵師をしている男性が語る余りにピンポイントな東京史、東洋一の歓楽街・新宿で生まれ育った玉袋筋太郎さんが語る衝撃の少年時代の思い出などなど、その人の中にしかない「東京」をじっくり伺います。 番組作りの参考のため、以下のアンケートにご協力をお願いいたします。 https://www.tbs.co.jp/radio/podcast/en.html 制作:TBSラジオ

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1 okt. 2023

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Afleveringen

《秋葉原ラジオセンター》御年93の店主が営む、菊地無線電機  #25 01.10.2023

秋葉原駅すぐ隣にある「ラジオセンター」。開業は1949年。様々な細かい電子パーツを扱う店舗が犇めき合うこの小さな商業施設の二階にあるのが今回、お邪魔した「菊地無線電機」。店主の菊地さんは昭和4年(1929年)生まれの94歳。先ほどの阿久悠より八つ年上であり、同級生に誰がいるのかといえばオードリー・ヘプバーンです。放送でもあった通り、さらりと「GHQ」や「進駐軍」という単語を繰り出されます。それこそ「区役所の人」...

台風前、浅草地下商店街にて《後編》 #24 01.10.2023

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台風前、浅草地下商店街にて #23 01.10.2023

大型台風13号が東京に最接近したその日、松重ディレクターと筆者は「こんな日だからこそ、どんな方がいるのだろう」と息巻いて浅草地下商店街へと向かったのです。  誰もいません。本当に、誰も。全休符。ただ錆色の沈黙が広がるばかり。「何で誰もいないんだろうか」など思わず愚問が唇から溢れましたが、答えは今ほど述べた通りでした。台風です。人は、帰るのです。同語反復も良いところです。   加えて時刻はまだ夕方。17時を...

中野駅で松重がタクシーに乗って帰るまで #18 27.08.2023

先ず会議において持ち寄ったネタを吟味しながら「中野サンプラザ閉館のニュースを入り口に、中野ブロードウェイへ向かうのはいかがか」と提案すれば、松重ディレクターは路傍でふやけた湿布みたいな顔をしたまま、何ひとつピンときてくれないので、「いや、まんだらけのお客さんに話を聞くわけでなく、地下にある商店街にいる方々に話を聞きに行きたいのだ」と説明を継げば、少しばかり眉が動き、さらに「要はサブカルチャーの聖地...

野方文化マーケットと《オンリーワン》#16 27.08.2023

「最寄りのコンビニの店員さんが最近、派手な髪色から黒髪に戻してしまったけど(所属しているに違いない)バンドの方向性が変わったのだろうか?」など不要な憶測をしてしまう人が、誰の中にも一人や二人、いらっしゃるはずです。筆者の場合、野方という町にいました。 ちょど中野駅と高円寺駅を底辺に、二等辺三角形を描くような位置にあるのが野方。熱心なハルキストである皆様のことです。「ああ、『海辺のカフカ』で謎の老人...

23区唯一の自然島に人は住んでいるのか《妙見島》#19 27.08.2023

「今日は何も為なかった。心は塞ふさがれている。昼間べか舟で「長」と妙見島へ渡り、土筆を摘んだ。柳も折って来た。慰まない。寝よう。」 「今日昼「長」をのせて青べか舟で大川を漕いだ。妙見島へ上って枯草の上に仰臥て微風の温かい陽を身に浴びた。」 山本周五郎が残した「青べか日記」において、妙見島はこのように登場しております。なお「長」とは今もある吉野屋の四代目主人であった長太郎さんのこと。 この日記が書かれ...

玉ノ井親方(元栃東関)の《これからの足立区》#13 27.08.2023

できることなら、お相撲さんがいる町に住みたいですよね。 唐突に不特定多数に同意を求めてしまいましたが、玉ノ井親方の今回のお話を聞いて殊更にその想いを強くしてしまった次第です。 玉ノ井親方が現役を引退し、部屋を継いだのが2009年。お弟子さんたちの育成は勿論のこと、西新井の地元の方々との交流を大切にされてこられたことは放送中でもあった通りです。 「警察署や消防署とタイアップして色々な行事とかに出てですね」...

五十嵐書店と《早稲田古書店街》#14 27.08.2023

まったく十八歳、十九歳の頃なんて古本屋さんに行くしかありません。それは決して稀覯書の蒐集を趣味とする粋人の遊びという訳ではなく、切実なまでに金がないからです。ガムシロップを水で薄めて飲む生活を送るよりほかありません。そんな十八歳たちにとって一冊十円で文庫本を売っているような古書店は「ここだけ資本主義が届いていない」という驚きを齎してくれるものでした。 そんな早稲田古書店街の中に於いて「五十嵐書店」...

上野公園階段、交わらぬ二人《上野》#11 27.08.2023

これは、ロケ中の話。 「いないじゃないですか、どうするんですか」 松重ディレクターが早くも半狂乱に陥いり、筆者に詰め寄ってきますが、筆者もまた同じ気持ちのため「いないわけない!そんなはずはない」と、負けずに激昂しては、あたりを探し回ります。 なにせ今日は、上野公園階段下にいらっしゃる似顔絵師の方々にお話を伺おうという目論見だったのですが、上野公園階段下に行けどもの、似顔絵師の方がいないのです。かつて...

日本一の高級住宅街で「街ブラ」ロケは可能なのか《松濤》 #17 27.08.2023

日本を代表する高級住宅街である渋谷区松濤。 ここで街ブラロケをやってまいりました。 まず「松濤」の「濤」という漢字を書けるでしょうか。筆者は書けません。さんずいの隣、これどうなっているのですか。予算が余ったし勿体無いから画数を増やしたのでしょうか。とはいえ松濤にお住まいの皆様は当然ながら、この漢字を書けるのです。だって、その方々からすれば単なる住所ですから。手紙などの郵便物はもちろん、自遊空間に新規...

玉ノ井親方(元栃東関)と《足立区梅田・西新井》#12 27.08.2023

玉ノ井部屋に伺う前から、我々の魂胆はもうバレバレでありました。 玉ノ井親方には前日の段階でおおよその「質問事項」を送っておりまして、その内容とくれば、オブラートで何重にも包んではありましたが、早い話が「親方、どうか治安が悪かった頃の足立区エピソードを教えてください」に他なりません。もう、剥き出しでした。 足立区の犯罪発生数が23区でワースト1位の記録を保持。これを80年代のマスメディアがこぞってこれを面...

中野ブロードウェイ地下で58年間商いを続ける「フナリヤ」 #20 27.08.2023

「ちょっとインタビューの間、うろちょろしていてください」 ディレクターの松重にそう言われたので、構成スタッフの筆者は「うろちょろ」を余儀なくされました。場所はサブカルの聖地、中野ブロードウェイの地下に拡がる商店街。 今回、訪れた先は中野ブロードウェイ開業当初から店を構えている珍味、乾物のお店フナリヤさん。そのご主人である坂本さんにお話を伺えることになったのです。諸々の理由を加味した上で「ここは一人で...

日本のソウルバー総本山、「MIRACLE」に行かなくては《赤坂》 #21 27.08.2023

「アレサ・フランクリンは?」「ソウル」 「スティービー・ワンダーは?」「ソウル」 「木梨憲武は?」「曲に依る」 「なぎら健壱は?」「たぶん違う。フォーク」 「所ジョージは?」「絶対違う」   中野ブロードウェイの「フナリヤ」さんの取材が終わった直後。   中野サンモール内の喫茶店で比較的音楽に詳しい松重ディレクターに「ソウル」とはどんな音楽を指すのかを、上記のごとく具体例から掴もうとしたのですが、だんだんと...

創業三百三十年余フクシマ質店と《両国》#10 09.08.2023

東京には江戸時代から続く老舗が数多く存在いたします。江戸時代から続くお蕎麦屋さん、鰻屋さん、呉服屋さん、そして今回お話を伺った「フクシマ質店」はなんと元禄2年(1689年)創業。元禄です。確か、「見返り美人」とかが描かれた時代です。いつだって「日本史B」の薫りがする『東京閾値』でございます。 例えば江戸時代より続く鰻屋さんであれば、味を守るためにタレを継ぎ足し、継ぎ足しするものでして、先日お世話になった...

なぎら健壱と《銀座東》後編#9 03.08.2023

①なぎら健壱は銀座生まれである。 ②なぎら健壱は下町生まれである。 ③よって銀座は下町である。 「なぎら健壱」を間に挟むことで、③のような奇異な結論が導き出されて困惑しておりましたが、さらに④「調べたら本当に銀座は下町だった」という事実にぶつかり困惑はなお加速するばかりです。   そもそも「下町」とはどこを指すのでしょうか。感覚派からすれば、まさに「なぎらさんみたいな人がいるところ」なのですが、これでは「な...

なぎら健壱と《銀座東》前編#8 03.08.2023

果たして私たちは、この方が「フォークシンガー」であると知っていたでしょうか。少なくとも松重ディレクターは『タモリ倶楽部』という特異空間でのみ受肉する「おもしろおじさん」のイデアと思い込んでいる節がありました。 果たして私たちは、この方のご出身が今の「銀座」と呼ばれる地域であると知っていたでしょうか。 少なくとも筆者は、「下町」の権化という認識であったのです。 果たして私たちは、この方のお名前のイント...

水曜九時、《銀座コリドー街》で。 #7 20.07.2023

「あなたにとってコリドー街ってどんな街ですか?」 そんなこといきなり訊かれたら、なんと答えるでしょうか。 仮に筆者であれば「急に言われても困りますし、そもそもあなた誰ですか怖い怖い怖い」と周章狼狽するのみです。 東京都中央区銀座に位置し丁度新橋から有楽町駅間の高架下に連なる飲食店街を称して「コリドー街」。 銀座高級店の流れと新橋の廉価居酒屋群の汽水域であり、立ち寄り易くも瀟洒な雰囲気を湛えた構えの店が...

AI vs《南蒲田》 #6 14.07.2023

生活するということは、昔あったラーメン屋の名前を忘れていくことなのかもしれない。少なくとも、南蒲田においては。 「村上春樹が大田区に生まれ育った場合」みたいな感慨を胸に、私たち番組スタッフはこの街を後にしたのです。 一週間前。「ゴールデンウィーク中、都内で最も人が少ない場所はどこですかね」など例のごとくディレクターの松重が気まぐれに問うてくるので「サラリーマンの聖地、新橋はどうだ」「オフィス街の大手...

江戸和竿専門店「東作」と《稲荷町》#5 11.07.2023

台東区の稲荷町駅よりほど近い江戸和竿専門店「東作」。 「創業は天明3(1783)年。江戸和竿の遺伝子は、初代、泰地屋東作(たいちやとうさく)の時代から240年を経た現在、7代目、松本耕平さんの手に確かに受け継がれているのです。まるで江戸和竿の美しい継ぎ目のように……」   漠然とそんな形で終わる回になるのかと思えば、違いました。   松重ディレクターが質問を開始した十分後にはもう「立教大に入った頃に家が倒産しちゃ...

外山惠理と《向島》後編 #4 10.07.2023

あの日。 外山惠理ちゃんはコタツに入りたい、その一心で墨田区向島言問幼稚園の厳重な警備の目を盗み、脱走。 音にすればそのまま「たちつてと」になりそうな足音で以って、自宅、言問団子までの峻厳たる山道を一心不乱に駆け上ったのです。途中何度もくじけそうになるも、冷えた足先を一刻も早くコタツでもって温めたい、何ならテレビも観たい、お菓子も食べたい、寝たい、稚心に詰め込めるだけの煩悩を詰めて、息も絶え絶えに、...

外山惠理と《向島》前編 #3 10.07.2023

酒を飲む、タバコを吸う、選挙に出馬するなど、世の中には大人になってからでないと出来ないものが多々あり、その中のひとつに「永井荷風を引用する」がある。日本を代表する文豪である。筆者はもう立派な大人なので、臆することなく、早速引用する。   “尋常中学を出て専門の学校も卒業した後、或会社に雇われて亜米利加へ行った。そして或日曜日の午後、紐育中央公園のベンチで新聞を読んでいた時、わたくしの顔を見て、立止ると...

玉袋筋太郎と《西新宿》前編 #1 09.07.2023

番組タイトルをつける上で重要なのは以下の二点とされています。 ①「誰でも読める平易な言葉を用いている」 ②「一目で誰が何をするかがわかる」   では今回始まったこの番組タイトルはというと、『東京閾値』。 読めない。わからない。 ここは番組概要を読むことにしましょう。   「この番組では、任意の座標に赴き、出会った人と共に未知の東京、既知の東京を往復。そこで浮かび上がってくる境界、東京閾値を探ります。」 一体、...

玉袋筋太郎と《西新宿》後編 #2 09.07.2023

多くの人にとって、新宿という街は行って、帰ってくる場所です。 どんなに二次会が長引こうと、どんなに終電を逃そうと、どんなにネカフェの寝心地が悪かろうと、最終的にこの東洋一の歓楽街から私たちは帰ってきたはずです。  『木綿のハンカチーフ』いうところの都会の絵の具。その全てをネオン管に溶かした華やいだ街でも、子供達は生まれ、育つのです。一体、その子はどのような大人へと成長していくのでしょうか。今宵も、そ...

ときめくときを 22.09.2021

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