森雪之丞

森雪之丞 Poetry Readingの世界『感情の配線』

1976 年作詞作曲家としてデビュー以来、昭和・平成・令和の3 世代でジャンルを超えてヒットチューンを生み出し続ける森雪之丞が、自選詩集『感情の配線』の発売を記念して詩を朗読する番組。メロディーを脱ぎ捨てた諧謔とエロスと波動(グルーヴ)詩人・森雪之丞の言葉の軌跡を是非ご体感ください。森雪之丞 自選詩集『感情の配線』2024年1月14日(日)発売特設サイト:https://www.mori-yukinojo.com/emotional_wiring/ハッシュタグ:#感情の配線 #推詩森雪之丞スタッフX: https://x.com/yukinojo_news

Auteur

森雪之丞

Catégorie

Arts

Site du podcast

www.mori-yukinojo.com

Dernier épisode

6 oct. 2025

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Épisodes

未来に触れるなら 21.10.2024

未来に触れるなら 弱さは それを認めた時 強さに変わることがあります 怖さは それと闘ううち 勇気と呼ばれたりもします だから逃げずに壊さずに もう少しだけ騙(だま)していましょうね 自分を 虚しさは 迷子のように抱きしめてやると 意外と夢に染まりやすいのです 醜さは 隠そうとさえしなければ 幾つかの困難からあなたを救います だから恥じずに 暴れずに もう一度だけ触れてみましょう 未来に 1976 年作詞作曲家としてデビ...

蝶の骨 07.10.2024

蝶の骨 少女は 蝶の骨が見たいと言う 闇に齧られた月が 遠くピラミッドの真上に止まり 『祭り』という意味の象形文字を照らす夜 少女は 生贄の様に 窓の下のトウキョウに 白いお尻を晒す 腐りきれず彷徨う この国の片隅で 皮肉に満ちたビートを刻む 少女の心臓よ おまえに恋ができたから 俺はまだ自分を見捨てない 少年は昔 全身にナイフが生えていた 世間という鎖に触れると 金色の産毛が針の様に逆立ち 愛してくれた人を傷だらけ...

空想とノスタルジア 23.09.2024

空想とノスタルジア おもちゃ箱に紛れ込んでいた孤独 タイムマシンと衝突した紙ヒコーキ 引き潮に落ちた透明人間の涙 苺シロップの味がするアンドロイドの接吻(くちづけ) 自分の影を剥がす男 電話で自分と話す女 それは見たこともない懐かしい未来 脳に寄生する『情報』という名の昆虫(キリギリス) 愛から数えて7つ前の憂鬱 お掃除ロボットをショートさせる記憶の塵 ビルを落下するスマホにだけ写る真実 手のひらで燃える氷...

時計の針に挟まってしまった天使 09.09.2024

時計の針に挟まってしまった天使 倖せの1秒は不幸な1秒の半分もない 同じ間隔で時計の針が動くなんて それは物理学者の笑えないジョーク 悲しい想い出を忘れたい夜時は動かない いや動かないどころかあの日に戻ろうとさえする 帰らなきゃいけない君を もう一度きつく抱きしめてしまう時 僕はいつも悲鳴のような声を聞く それはきっと 倖せな時間を止めようとして 時計の針に挟まってしまった天使の悲鳴 1976 年作詞作曲家としてデ...

日曜日のキッチン 26.08.2024

日曜日のキッチン あなたとじゃなくてもよかった マラケシュのジャマエルフナ広場の 親方に叱られた猿使いの少年でもよかった 落日の朱色が似合って 折れそうに指が長くて 生まれたことを憎んでいるような目をしてれば あなたとじゃなくてもよかった 失わないとね 持っていたことに気付かないものってあるの 若さってそうでしょ 若い頃は若さに価値なんてない もうトシだなと感じた瞬間 使い果たしてしまった若さの素晴らしさに 人...

遊園地の幽霊 12.08.2024

遊園地の幽霊(ゴースト) 水のないプールには 枯葉の波が立つ 心が透けないように 鉛色のコートを買った君 セーターを脱げば 夏の記憶がまだ 水着の形をしているのに 頬のペンキが剥げた回転木馬は なんだか泣いているみたいだ 脈絡のない言葉 抑揚のない時間 執着のない疑問 目的のない視線 やがて君を遠くで眺めたとき 点描写されたサヨナラだったと 気づかせるためのものたち 花火の夜 錆びついた観覧車が サークルの天辺で故...

よくあること <江國香織×森雪之丞「扉のかたちをした闇」朗読会ライブ音源> 29.07.2024

よくあること カレーうどんをたべるつもりが 長崎ちゃんぽんを食べています よくあることです 下田へ泳ぎに行ったはずなのに なぜか箱根で風呂に浸(つ)かっているくらい よくあることです ギターが得意なのに バンドでベースを弾かされているように 恋人にしたかった女性が 一生モノの友達になってしまったように よくあることです 優しさを思い出したら おせっかいと区別がつかなくなっていたり 愛だと信じていたものが 憎しみ...

忘れ上手 <江國香織×森雪之丞「扉のかたちをした闇」朗読会ライブ音源> 15.07.2024

忘れ上手 失礼しました! 酸素を摂取し二酸化炭素を排出している そんな大変な最中に キスして申し訳ない! 忘れてるんだね 僕達は たとえば心臓 毎分60から90も拍動する働き者を 安寧(あんねい)の中に置き去りにしている たとえば幸福 それがどんなに素敵なものなのか 失くしてからでないと思い出せない 忘れてるんですよ僕達は 世界のどこかで今も 神のために人間達が殺しあっていることを 平気で忘れちまうんです いつかの恋...

ひとりになるため誰かを愛して <江國香織×森雪之丞「扉のかたちをした闇」朗読会ライブ音源> 01.07.2024

ひとりになるため誰かを愛して 人生が果てない旅だと感じるのは 到達点に“はじまり”とルビを振ってみせた 迷惑な詩人のせいだろう あるいは一本の紙テープだった道筋を 糊で貼りつけ輪っかにしてしま った 幼子(おさなご)の仕業かも知れない 祝祭のある広場にたどり着き 私は恋をする 人いきれに酔い 言葉を応酬し 情熱の灰汁(あく)にまみれた指先で 未来への搭乗券を手渡しあう だがその後 私は猛烈に孤独が恋しくなる 群れを...

五月晴れの空のせい <江國香織×森雪之丞「扉のかたちをした闇」朗読会ライブ音源> 17.06.2024

五月晴れの空のせい 朝 ハムエッグが焦げたのは電話のせい イビキは夢の中で悪霊を追っ払っていたせい 風邪を引いたのは縮んだパジャマのせい きっと詩が書けないのは風邪薬のせい 責任転嫁は了見の狭い心のせい 昼 ワンタン麺が伸びたのはメールのせい パンツのウエストがキツイのはデザインのせい 仕事に遅刻したのは鮮やかすぎる紫陽花(あじさい)のせい バンパーをコスッたのは黒猫が昼寝していたせい 言い訳はいつも素直にな...

六月は死者が囁く 03.06.2024

六月は死者が囁く 死者は生きる 生き残った者達の心の中で その者達が死者になるまで 瑞々(みずみず)しく 六月の雨の夜 あなたはここにいる 老いても美しかった あの少し傲慢な笑顔で 友は爪を噛む 風に煽(あお)られた雨粒が不意に窓を叩き この時を待っていたかのように 私は友に詫びる 疎遠になってしまった最後の数年を 逢いたいのに逢わなかった複雑な感情を 病室で別れも告げぬまま 天国に逝かせてしまった不甲斐なさを...

八月は幻 20.05.2024

八月は幻 キミの斜め後ろにホコロビがある ほつれた紐や針金が数本 空気から食(は)み出している ホコロビを避けながら愛しあった 崩壊の予鈴(よれい)を喘(あえ)ぎ声で殺しあった やがて 冷蔵庫の奥で発火したマッチのように 短く青白くキミは燃えた 八月は幻 そんなこと大人になれば誰でも知ってる 八月は幻 だからボクは詩人になりすませた 奔放なキミが 不意にそんな涙をこぼすまでは ベッドのどこかにシコリがある さっき...

逃亡のような追跡 06.05.2024

逃亡のような追跡 魂がまた逃亡した 残された身体はまず溜息をつき 愛する人に短い手紙を書いてから 沈む夕陽へとハンドルを切る 魂の逃亡は 無理に大人を演じてきた 自分への復讐なのか? 用意されたエピソードを選ぶしかない 未来への警告なのか? それとも夢の荒野を走り続けた 無頼漢(ピカレスク)への憧憬(あこがれ)? 俺はいつしか 見知らぬ風景の中にいる 初めての街には 迷うための道があり 孤独を映すための月が出る 2...

目を醒ませ ここからが夢だ 22.04.2024

目を醒ませ ここからが夢だ 目を醒ませ ここからが夢だ 現実が正しいなら おまえは 下等動物 液晶の青い光に群がる インターネットの夜光虫 キーボードを叩いて世界中にばら撒(ま)いた 「FUCK!」の文字は 無邪気な精神科医に 「たすけて」と翻訳された 10000人を見下して 1人前の快感を手に入れたのか? 10000人に無視されて 1人称の孤独を確かめたのか? 鍵の掛かったドアを 今誰かがノックする その音に… 目を醒ませ ここから...

四月は桜吹雪の中で 08.04.2024

四月は桜吹雪の中で スニーカーで蹴りあげた身体を サドルがしっかり受け止めた 一周一・七五キロのアップダウン 砧公園のサイクリング・ロードは今や 散った桜が景色に流れ浮かぶ 魔法の国に変貌している ぐうっとペダルを踏み込む そこにいた空気が不意に 風だったと正体を明かす 一つ目のカーヴへ ためらわず預ける体重 待ちかねたように上がる速度 前方には積もった花びらが 漂泊の雲を真似て立ち込めている 迷わず突入 心が躍る...

72歳のスピードレーサー 25.03.2024

72歳のスピードレーサー 午前零時のスピードレーサーは ブロンズ像のように寡黙 海に突き出した断崖のカーヴを 華麗なハンドルさばきで制覇した あの自慢話も最近は影を潜めた 助手席で嬌声をあげていた女たちも もう孫のいる齢だ We were born to die 死ぬために生まれた 何も悲観的な話ではない 死ぬためには生きなければいけない なら〝どう生きるか〞と訳すべきだろう だがなぜあんなに急いだのか? スピード・レーサーは パイ...

ONE WISH 11.03.2024

ONE WISH 何かを願うこと それは世界のどこかにひとつ 夢を描くこと 夢があれば未来が生まれる 未来があれば希望が持てる 希望は願いをひとつずつ叶え いつか私達は あの日何を願ったのか忘れてしまう それは素敵なこと 私達はその忘れてしまったものを 〝幸せ〞と呼び直して 次の私達へ手渡せるのだから 1976 年作詞作曲家としてデビュー以来、昭和・平成・令和の3 世代でジャンルを超えてヒットチューンを生み出し続ける森雪之丞...

S O K Oに居た 26.02.2024

S O K Oに居た 俺は S O K Oに居た 1 9 9 0 年のイタリアに居た 異端者達の集うカフェで イタチゴッコを繰り返す警官とスリの間に居た 委託された若さを使い切れずにいた 痛みがコメカミを襲うたび 徒(いたずら) に白い粉を買いあさり 傷んだホテルの階段で売女(ばいた)を抱いた 俺は S O K Oに居た 蒸し暑い午後の伊丹空港に居た 板谷佐織という女が隣に居た 自分の身体には巫女(いたこ)の血が流れていると言っていた その...

二月の文学 12.02.2024

二月の文学 やがて雨が雪に変わると あなたは睫毛を街燈に向け微笑む またひとつ 世界の秘密を見つけたように そんなとき私は 空気として吸い込んでいた言葉が 感情の輪郭を現すのに気づく あわく いびつに ずっしりと それは二月の 文学 物語が舗道に降り積もる そうだったものをそうだと言い直したり 見えないものをあると言い切ったり 言葉にならなかったものを やはり言葉にできなかったり いつしか私は 二月の文学にとじこめ...

例えば闇を太陽の形に切り取ること 29.01.2024

例えば闇を太陽の形に切り取ること 絵画館から続くこの舗道(みち) は いつ未来に繋がったんだろう 暗闇で触れた君の唇は 新しい生き物のように 七月の恋を呼吸していた 傘は捨てよう 湿った空気が雨を予感させるけれど 僕達の手は ぬくもりを囁きあうのに忙しい 立ち竦(すく)むほどの 夜の重さ 自分を責めるだけの夜の長さ 寂しさに溺れるための夜の深さ ひとりきりじゃ生きられないことをどうして君も知っているの? もう少し...

十月の透明な魚 14.01.2024

十月の透明な魚 透明な魚達が跳ねて 刺繍のように波を海に縫い付けると 男は孤独でしかない 風はある時大切な言葉を話すがその時に限って人は耳をふさぎ 禍々しい世界に向けて 悲鳴をあげている その開けた口から太陽はなだれ込み形のない心にも影を作る 光が強いほど影は濃く不気味で こんな怪物のようなものを抱いて これからも生きていくのかと思うと 男はまたひどく憂鬱だ 幾億ものプランクトンの死骸が 哀しみを知らず西日に...

腐らない果実 14.01.2024

腐らない果実 安心していい おまえが飛び込んだ午後 12時38分のプールに 哀しみはひとかけらも紛れ込んではいない 粉々に割れた太陽が水飛沫に変わり 白いスイミングキャップが再び水面に現れた時 夏は見事に完成した パティオに繚乱と咲く原色の草花 パンの屑を啄(つい)ばみながら食卓(テーブル)を闊歩(かっぽ)する小鳥 銀の皿に盛られた果実の中から 奔放に熟れた桃をひとつ選び取り 出来る限り粗暴におまえはそれを齧る ローブ...

盗みたい 14.01.2024

盗みたい 心は盗めないから せめてもと この詩に目を通している あなたの束の間を 盗んでいるのです 《for your ears only ver.》 1976 年作詞作曲家としてデビュー以来、昭和・平成・令和の3 世代でジャンルを超えてヒットチューンを生み出し続ける森雪之丞が、自選詩集『感情の配線』の発売を記念して詩を朗読する番組。 メロディーを脱ぎ捨てた諧謔とエロスと波動(グルーヴ)詩人・森雪之丞の言葉の軌跡を是非ご体感ください。...

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