一般社団法人 青空朗読

青空朗読

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インターネット上の図書館「青空文庫」の作品を朗読する「青空朗読」は、プロのアナウンサーによる社会貢献活動としてスタートし、最近は、朗読を学ぶ一般の方々からも作品を提供していただいています。2016年5月に一般社団法人となりました。

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11. Jul 2026

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【青空朗読】マグノリアの木 著者:宮沢 賢治 読み手:かわなみ のりこ 時間:12分59秒 02.04.2026

マグノリアの木 著者:宮沢 賢治 読み手:かわなみ のりこ 時間:12分59秒  霧がじめじめ降っていた。  諒安は、その霧の底をひとり、険しい山谷の、刻みを渉って行きました。  沓の底を半分踏み抜いてしまいながらそのいちばん高い処からいちばん暗い深いところへまたその谷の底から霧に吸いこまれた次の峯へと一生けんめい伝って行きました。  もしもほんの少しのはり合で霧を泳いで行くことができたら一つの峯から次の巌...

【青空朗読】約束 著者:夢野 久作 読み手:池戸 美香 時間:1分52秒 01.04.2026

約束 著者:夢野 久作 読み手:池戸 美香 時間:1分52秒  「ある人が橋の下で友達に会う約束をして待っていた。そのうちに雨が降って水がだんだん深くなって、その人の胸まで来た。けれどもその人は約束を守って立っていた。そのうちに水はいよいよ深くなって、その人の口の処まで来た。けれどもその人は動かなかった。そのうちに水は口から鼻から眼まで来て、とうとうその人は溺れ死んでしまった。だから約束を守るのはわるい...

【青空朗読】まえがき(『真実に生きた女性たち』) 著者:宮本 百合子 読み手:谷岡 理香 時間:8分9秒 31.03.2026

まえがき(『真実に生きた女性たち』) 著者:宮本 百合子 読み手:谷岡 理香 時間:8分9秒  ここに、四人の婦人の物語がある。何年も前に書かれたこれらの物語をきょう、くりかえし読んでみて、深く深く心を動かされることは、人間社会の歴史は、何 とたゆむことなく前進しているであろうか、ということである。そして、生活は、何と堂々たる偽り得ないものであろうか、ということである。四人の女性の一 人一人の生きた姿は、...

【青空朗読】舞姫 著者:森 鴎外 読み手:藤田 利和 時間:1時間2分4秒 30.03.2026

舞姫 著者:森 鴎外 読み手:藤田 利和 時間:1時間2分4秒  石炭をば早や積み果てつ。中等室の卓のほとりはいと静にて、熾熱燈の光の晴れがましきも徒なり。今宵は夜毎にこゝに集ひ来る骨牌仲間も「ホテル」に宿りて、舟に残れるは余一人のみなれば。  五年前の事なりしが、平生の望足りて、洋行の官命を蒙り、このセイゴンの港まで来(こ)し頃は、目に見るもの、耳に聞くもの、一つとして新ならぬはなく、筆に任せて書き記しつ...

【青空朗読】山羊の歌 汚れつちまつた悲しみに…… 著者:中原 中也 読み手:鈴木 佳子 時間:1分36秒 29.03.2026

山羊の歌 汚れつちまつた悲しみに…… 著者:中原 中也 読み手:鈴木 佳子 時間:1分36秒 汚れつちまつた悲しみに 今日も小雪の降りかかる 汚れつちまつた悲しみに 今日も風さへ吹きすぎる 汚れつちまつた悲しみは たとへば狐の革裘 汚れつちまつた悲しみは 小雪のかかつてちぢこまる 汚れつちまつた悲しみは なにのぞむなくねがふなく 汚れつちまつた悲しみは 倦怠のうちに死を夢む 汚れつちまつた悲しみに いたいたしくも怖気づ...

【青空朗読】山羊の歌 雪の宵 著者:中原 中也 読み手:松岡 初子 時間:1分33秒 28.03.2026

山羊の歌 雪の宵 著者:中原 中也 読み手:松岡 初子 時間:1分33秒 青いソフトに降る雪は     過ぎしその手か囁きか  白秋 ホテルの屋根に降る雪は 過ぎしその手か、囁きか      ふかふか煙突煙吐いて、   赤い火の粉も刎ね上る。 今夜み空はまつ暗で、 暗い空から降る雪は……   ほんに別れたあのをんな、   いまごろどうしてゐるのやら。 ほんにわかれたあのをんな、 いまに帰つてくるのやら   徐かに私は酒...

【青空朗読】山羊の歌 サーカス 著者:中原 中也 読み手:松岡 初子 時間:1分40秒 27.03.2026

山羊の歌 サーカス 著者:中原 中也 読み手:松岡 初子 時間:1分40秒 幾時代かがありまして   茶色い戦争ありました 幾時代かがありまして   冬は疾風吹きました 幾時代かがありまして   今夜此処での一と殷盛り     今夜此処での一と殷盛り サーカス小屋は高い梁   そこに一つのブランコだ 見えるともないブランコだ 頭倒さに手を垂れて   汚れ木綿の屋蓋のもと ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん それの近くの白...

【青空朗読】山羊の歌 生ひ立ちの歌 著者:中原 中也 読み手:松岡 初子 時間:2分17秒 26.03.2026

山羊の歌 生ひ立ちの歌 著者:中原 中也 読み手:松岡 初子 時間:2分17秒    Ⅰ     幼年時 私の上に降る雪は 真綿のやうでありました     少年時 私の上に降る雪は 霙のやうでありました     十七―十九 私の上に降る雪は 霰のやうに散りました     二十―二十二 私の上に降る雪は 雹であるかと思はれた     二十三 私の上に降る雪は ひどい吹雪とみえました     二十四 私の上に降る雪は いとしめや...

【青空朗読】迷子 著者:泉 鏡花 読み手:堀口 直子 時間:9分21秒 25.03.2026

迷子 著者:泉 鏡花 読み手:堀口 直子 時間:9分21秒  お孝が買物に出掛ける道だ。中里町から寺町へ行かうとする突當の交番に人だかりがして居るので通過ぎてから小戻をして、立停つて、少し離れた處で振返つて見た。  ちやうど今雨が晴れたんだけれど、蛇の目の傘を半開にして、うつくしい顏をかくして立つて居る。足駄の緒が少し弛んで居るので、足許を氣にして、踏揃へて、袖の下へ風呂敷を入れて、胸をおさへて、顏だけ振...

【青空朗読】働く町 著者:夢野 久作 読み手:水野 久美子 時間:1分26秒 24.03.2026

働く町 著者:夢野 久作 読み手:水野 久美子 時間:1分26秒  ある国で第一番の上手というお医者さんが、ある町に招かれて来ました。お医者さんは町に着くと直ぐ、 「ここの人はどうして一日を過ごしていますか」  と尋ねました。  町の人はこう答えました。 「別に変った生活もしませんが、私達は日の出前に起床し、日が暮れて床に就き、明るいうちはせっせと働いて日を送っています。又餓じい時はお腹を一パイにするだけ御...

【青空朗読】夏の葬列 著者:山川 方夫 読み手:野中 美木子 時間:19分17秒 23.03.2026

夏の葬列 著者:山川 方夫 読み手:野中 美木子 時間:19分17秒  海岸の小さな町の駅に下りて、彼は、しばらくはものめずらしげにあたりを眺めていた。駅前の風景はすっかり変っていた。アーケードのついた明るいマーケットふうの通りができ、その道路も、固く鋪装されてしまっている。はだしのまま、砂利の多いこの道を駈けて通学させられた小学生の頃の自分を、急になまなましく彼は思い出した。あれは、戦争の末期だった。彼...

【青空朗読】走れメロス 著者:太宰 治 読み手:阿部 利恵子 時間:43分33秒 22.03.2026

走れメロス 著者:太宰 治 読み手:阿部 利恵子 時間:43分33秒  メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと決意した。メロスには政治がわからぬ。メロスは、村の牧人である。笛を吹き、羊と遊んで暮して来た。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。きょう未明メロスは村を出発し、野を越え山越え、十里はなれた此のシラクスの市にやって来た。メロスには父も、母も無い。女房も無い。十六の、...

【青空朗読】泣き虫の小ぐまさん 著者:村山 籌子 読み手:ちくわさん 時間:3分28秒 21.03.2026

泣き虫の小ぐまさん 著者:村山 籌子 読み手:ちくわさん 時間:3分28秒  小ぐまさんは大変泣き虫でした。朝から晩まで、泣いてばかりゐました。  ある朝、目を覚まして、お床のなかでじつとしてゐますと、ふいに、鳥小屋のにはとりが「コケコツコー。」となきました。それをきいて、小ぐまさんは、つい、貰ひ泣きをしました。が、気がついて見ると、自分ながら、あまり馬鹿々々しいので、かう決心しました。 「にはとりのくせ...

【青空朗読】恥 著者:太宰 治 読み手:水谷 ケイコ 時間:30分19秒 20.03.2026

恥 著者:太宰 治 読み手:水谷 ケイコ 時間:30分19秒  菊子さん。恥をかいちゃったわよ。ひどい恥をかきました。顔から火が出る、などの形容はなまぬるい。草原をころげ廻って、わあっと叫びたい、と言っても未だ足りない。サムエル後書にありました。「タマル、灰を其の首に蒙り、着たる振袖を裂き、手を首にのせて、呼わりつつ去ゆけり」可愛そうな妹タマル。わかい女は、恥ずかしくてどうにもならなくなった時には、本当に...

【青空朗読】中原中也君の印象 著者:萩原 朔太郎 読み手:土屋 由美子 時間:4分17秒 19.03.2026

中原中也君の印象 著者:萩原 朔太郎 読み手:土屋 由美子 時間:4分17秒  中原君の詩はよく讀んだが、個人としては極めて淺い知合だつた。前後を通じて僅か三囘しか逢つて居ない。それも公會の席のことで、打ちとけて話したことはなかつた。ただ最後に「四季」の會で逢つた時だけは、いくらか落付いて話をした。その時中原君は、強度の神經衰弱で弱つてることを告白し、不斷に強迫觀念で苦しんでることを訴へた。話を聞くと僕...

【青空朗読】橋 著者:岡本 かの子 読み手:成 文佳 時間:8分38秒 18.03.2026

橋 著者:岡本 かの子 読み手:成 文佳 時間:8分38秒  こどものときから妙に橋というものが好きだった。こちらの岸からあちらの岸へ人工の仕掛けで渡って行ける。そういった人間の原始的功利の考えがこどもの好奇心の頭を擡げさせやすいのかとも考える。しかしそれならなんの履物ででもあれ、その上を渡りさえすれば気が済む筈である。だが私の場合は違っていた。どの橋でも真新らしい日和下駄の前を橋板に突き当てて、こんと...

【青空朗読】仲のわるい姉妹 著者:野口 雨情 読み手:小川 幸香 時間:8分6秒 17.03.2026

仲のわるい姉妹 著者:野口 雨情 読み手:小川 幸香 時間:8分6秒  ある村に、お杉とお紺と云ふ仲の悪い二人の姉妹(きやうだい)がありました。お母さんは、二人の仲がよくなるやうにと、いつも、心配をしてをりました。  ある晩方、つひ見たことのない、七八つ位のお芥子坊主が庭へ来て、 姉のお杉 妹のお紺 仲が悪くば 山の神様の 椋鳥さまに お頼みなされ と、山の方を指さし指さし謡つてをりました。お母さんは、不思...

【青空朗読】函館八景 著者:亀井 勝一郎 読み手:福井 慎二 時間:23分24秒 16.03.2026

函館八景 著者:亀井 勝一郎 読み手:福井 慎二 時間:23分24秒  連絡船に乗つて函館へ近づくと、恵山につらなる丘の上に、白堊の塔のある赤い煉瓦造りの建物が霞んでみえる。トラピスト女子修道院である。やがて函館山をめぐつて湾へ入りかけると、松前の山々につらなる丘の上に、やはり赤煉瓦造の建物と牧場がみえる。これは当別のトラピスト男子修道院である。函館の町を中心にこの二つの修道院をつなぐ半径内が、幼少年時代...

【青空朗読】長い名 著者:楠山 正雄 読み手:まあき、マナミン、ジョン酒巻 時間:6分7秒 15.03.2026

長い名 著者:楠山 正雄 読み手:まあき、マナミン、ジョン酒巻 時間:6分7秒    一  ちょんきりのちょんさんのほんとうの名をだれも知りませんでした。何でも亡くなったこの子のおかあさんが、この子の運がいいように何かいい名前をつけようと、三日三晩考えぬいて、病気になって、いよいよ目をつぶるというときに、かすかな声で、 「ああ、やっと考えつきました。この子の名はちょん。」  といいかけたなり、もう口が利け...

【青空朗読】ばかな汽車 著者:豊島 与志雄 読み手:齋藤 こまり 時間:9分10秒 14.03.2026

ばかな汽車 著者:豊島 与志雄 読み手:齋藤 こまり 時間:9分10秒  ――長いあいだ汽車の機関手をしていた人が、次のような話をきかせました。――      *  汽車の機関手をしていますと、面白いことや、あぶないことや、つらいことや、それはずいぶんいろんなことがありますが、そのうちでかわった話というのは――  そうですね……もうずっと昔のことです。汽車をうんてんして、ある山奥を、夜中に走っていました。機関車の前...

【青空朗読】泣いてゐるお猫さん 著者:村山 籌子 読み手:吉江 美也子 時間:5分3秒 13.03.2026

泣いてゐるお猫さん 著者:村山 籌子 読み手:吉江 美也子 時間:5分3秒    1 ある所にちよつと、慾ばりなお猫さんがありました。ある朝、新聞を見ますと、写真屋さんの広告が出てゐました。 「写真屋さんをはじめます。今日写しにいらしつた方の中で、一番よくうつつた方のは新聞にのせて、ごほうびに一円五十銭差し上げます。」 お猫さんは鏡を見ました。そして身体中の毛をこすつてピカピカに光らしました。そして、お隣の...

蠅 著者:横光 利一 読み手:池田 佐季 時間:17分36秒 12.03.2026

蠅 著者:横光 利一 読み手:池田 佐季 時間:17分36秒    一  真夏の宿場は空虚であった。ただ眼の大きな一疋の蠅だけは、薄暗い厩の隅の蜘蛛の巣にひっかかると、後肢で網を跳ねつつ暫くぶらぶらと揺れていた。と、豆のようにぼたりと落ちた。そうして、馬糞の重みに斜めに突き立っている藁の端から、裸体にされた馬の背中まで這い上った。    二  馬は一条の枯草を奥歯にひっ掛けたまま、猫背の老いた馭者の姿を捜し...

【青空朗読】ナイチンゲール 著者:ハンス・クリスチャン・アンデルセン/矢崎 源九郎 訳 読み手:山城 美奈 時間:49分44秒 11.03.2026

ナイチンゲール 著者:ハンス・クリスチャン・アンデルセン/矢崎 源九郎 訳 読み手:山城 美奈 時間:49分44秒  中国という国では、みなさんもごぞんじのことと思いますが、皇帝は中国人です。それから、おそばにつかえている人たちも、みんな中国人です。さて、これからするお話は、もう今からずっとむかしにあったことですけれど、それだけに、かえって今お話しておくほうがいいと思うのです。なぜって、そうでもしておかな...

【青空朗読】ダゴン 著者:ハワード・フィリップス・ラヴクラフト/大堀 竜太郎 訳 読み手:由良 瓏砂 時間:20分1秒 10.03.2026

ダゴン 著者:ハワード・フィリップス・ラヴクラフト/大堀 竜太郎 訳 読み手:由良 瓏砂 時間:20分1秒  かなりのストレスを感じながら、これを書いている。今夜にはもう、生きていないだろう。金も、頼みの綱のクスリも尽きた。これ以上、苦しみには耐えられない。この屋根裏の窓から、下のうす汚い通りに、身を投げることにしよう。モルヒネ中毒が原因で、身体が弱り、精神も堕落したのだと考えないでほしい。乱雑に走り書い...

【青空朗読】杯 著者:森 鴎外 読み手:馬田 めぐみ 時間:13分1秒 09.03.2026

杯 著者:森 鴎外 読み手:馬田 めぐみ 時間:13分1秒  温泉宿から皷が滝へ登って行く途中に、清冽な泉が湧き出ている。  水は井桁の上に凸面をなして、盛り上げたようになって、余ったのは四方へ流れ落ちるのである。  青い美しい苔が井桁の外を掩うている。  夏の朝である。  泉を繞る木々の梢には、今まで立ち籠めていた靄が、まだちぎれちぎれになって残っている。  万斛の玉を転ばすような音をさせて流れている谷川に...

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