田舎坊主 森田良恒

田舎坊主の読み聞かせ法話

Religion JA ↓ 283 episodes

田舎坊主の読み聞かせ法話田舎坊主が今まで出版した本の読み聞かせです和歌山県紀の川市に住む、とある田舎坊主がお届けする独り言ーもしこれがあなたの心に届けば、そこではじめて「法話」となるのかもしれません。人には何が大事か、そして生きることの幸せを考えてみませんか。

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田舎坊主 森田良恒

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Religion

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Jul 9, 2026

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Episodes

田舎坊主の愛別離苦<花見宴のあと> 24.11.2023

田舎坊主の愛別離苦 まとめ編 <花見宴のあと> ・夜桜 ・突然の遷化 ・信者からいただいた弔句 ・・・・・・・・・・・・・・ 7月からのシーズン3の読み聞かせ法話の本は 2009年に出版した「田舎坊主の愛別離苦」です。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 田舎坊主シリーズ 「田舎坊主の合掌」 ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://amzn.to/3BTVafF⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠...

田舎坊主の愛別離苦<幸せとは> 17.11.2023

田舎坊主の愛別離苦 まとめ編 <幸せとは> ・田舎坊主の再婚 ・半生は二人で生きる ・・・・・・・・・・・・・・ 7月からのシーズン3の読み聞かせ法話の本は 2009年に出版した「田舎坊主の愛別離苦」です。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 田舎坊主シリーズ 「田舎坊主の合掌」 ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://amzn.to/3BTVafF⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ 各ネット書店...

田舎坊主の愛別離苦<5年と1ヶ月と1週間> 10.11.2023

田舎坊主の愛別離苦 まとめ編 <5年と1ヶ月と1週間> ・次女の闘病 ・棺に納めた手紙 ・看病の果て ・・・・・・・・・・・・・・ 7月からのシーズン3の読み聞かせ法話の本は 2009年に出版した「田舎坊主の愛別離苦」です。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 田舎坊主シリーズ 「田舎坊主の合掌」 ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://amzn.to/3BTVafF⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠...

田舎坊主の愛別離苦<尊敬する老僧> 03.11.2023

田舎坊主の愛別離苦 まとめ編 <尊敬する老僧> ・誰からも慕われたN師 ・寺を継ぐよ ・息子の死 ・ご子息への諷誦文 ・老僧の遷化 ・老僧への諷誦文 ・・・・・・・・・・・・・・ 7月からのシーズン3の読み聞かせ法話の本は 2009年に出版した「田舎坊主の愛別離苦」です。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 田舎坊主シリーズ 「田舎坊主の合掌」 ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://amzn.to/3BTVafF⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠...

田舎坊主の愛別離苦<栄枯盛衰は世の習い> 27.10.2023

田舎坊主の愛別離苦 まとめ編 <栄枯盛衰は世の習い> ・欄間職人として ・「おやっさん、おおきに」 ・諷誦文 ・・・・・・・・・・・・・・ 7月からのシーズン3の読み聞かせ法話の本は 2009年に出版した「田舎坊主の愛別離苦」です。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 田舎坊主シリーズ 「田舎坊主の合掌」 ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://amzn.to/3BTVafF⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠...

田舎坊主の愛別離苦<父が逝き、母も逝き> 20.10.2023

田舎坊主の愛別離苦 まとめ編 <父が逝き、母も逝き> ・こころ疲れたY子さん ・ご主人の死 ・Y子さんの死 ・子どもたちに贈った説話 ・・・・・・・・・・・・・・ 7月からのシーズン3の読み聞かせ法話の本は 2009年に出版した「田舎坊主の愛別離苦」です。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 田舎坊主シリーズ 「田舎坊主の合掌」 ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://amzn.to/3BTVafF⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠...

田舎坊主の愛別離苦<よき理解者> 13.10.2023

田舎坊主の愛別離苦 まとめ編 <よき理解者> ・田舎坊主が公民館長になった ・Mさんのこと ・ご家族に贈った讃嘆文 ・・・・・・・・・・・・・・ 7月からのシーズン3の読み聞かせ法話の本は 2009年に出版した「田舎坊主の愛別離苦」です。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 田舎坊主シリーズ 「田舎坊主の合掌」 ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://amzn.to/3BTVafF⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠...

田舎坊主の愛別離苦<突然の別れ> 06.10.2023

田舎坊主の愛別離苦 まとめ編 <突然の別れ> ・医師不足 ・華岡青洲と仁術 ・ご家族に贈る讃嘆文 ・・・・・・・・・・・・・・ 7月からのシーズン3の読み聞かせ法話の本は 2009年に出版した「田舎坊主の愛別離苦」です。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 田舎坊主シリーズ 「田舎坊主の合掌」 ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://amzn.to/3BTVafF⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠ 各ネッ...

田舎坊主の愛別離苦<戦争では平和になれない> 29.09.2023

田舎坊主の愛別離苦 まとめ編 <戦争では平和になれない> ・私は戦争経験なし ・最後の慰霊祭表白文 ・憲法9条を考える ・・・・・・・・・・・・・・ 7月からのシーズン3の読み聞かせ法話の本は 2009年に出版した「田舎坊主の愛別離苦」です。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 田舎坊主シリーズ 「田舎坊主の合掌」 ⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠https://amzn.to/3BTVafF⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠...

田舎坊主の愛別離苦まとめ編<はじめに> 22.09.2023

田舎坊主の愛別離苦 まとめ編 <はじめに>

シーズン3「田舎坊主の愛別離苦」のまとめ編です。 19.09.2023

シーズン3「田舎坊主の愛別離苦」のまとめ編です。

田舎坊主の愛別離苦<終わりに>ーいってらっしゃいー 16.09.2023

ある檀家さんのご先祖の月命日にお参りしたとき、当家の奥さんから突然尋ねられた。 「院家はん、私の実家の母が去年の年の暮れ12月31日に死んだんですわ。2月3日に町内会の旅行で出雲大社へ行くんやけど、行ってもええかなあ。仕上げ(忌み明け)は1月31日に済ませるんやけど49日経ってないし、どないしようかなあ思うてますねん。旅行行ってもええやろか?」 奥さんは続けて、「『行けるとき行かな。行こう行こう。気になるんや...

田舎坊主の愛別離苦<花見宴のあと>ー信者からいただいた弔句ー 14.09.2023

桜の様子を目の当たりにしたとき、この地方に所縁ある西行法師の名句が偲ばれた。   願わくば 花のもとにて春死なむ   その如月の 望月のころ 西行法師がこう詠んだのはー 「死ぬときは春がいい、桜の花の咲く春がいい。そしてできるものなら、旧2月の満月のころがいい。それはお釈迦さまが入滅されたのが旧2月15日だから、その日に死にたい」と考えていたというが、父親の死は、4月7日で翌8日はお釈迦さまの誕生日「花祭り...

田舎坊主の愛別離苦<花見宴のあと>ー夜桜と突然の遷化ー 11.09.2023

<夜桜> 私が再婚して2年後の春、寺の境内にある一本の桜の下で夜桜の宴席を計画した。 そのころ私は役場の教育委員会に非常勤で勤務していて、集まった15人ほどの仲間は宴会が始まると、ほとんど4月の人事異動の話に花を咲かせていた。 宴もたけなわのころ、住職の父親が庫裡からやってきて、「ワシも中に入れてくれんか」と、仲間入りしたのである。 父親は役場勤めも長く、集まったなかに当時の部下もいたこともあって、庫裡で...

田舎坊主の愛別離苦<幸せとは>ー田舎坊主の再婚・半生は二人で生きるー 08.09.2023

■田舎坊主の再婚 その後、私はある女性に恋をした。 その女性は、私が教えていた三味線教室に生徒としてきてくれていた、私とは同年代の人だ。 私はその女性と結婚した。 彼女は、「子どもを難病で亡くし、前の奥さんをガンで亡くしたあなたが、今度こそ幸せにならないと」と、私に言ってくれた。 私たちは二人で結婚式を挙げ、その後友人知人を招き、少し離れた町のホテルでささやかな披露宴を催した。 その日の朝、70歳を過ぎた...

田舎坊主の愛別離苦<5年と1ヶ月と1週間>ー看病の果てー 05.09.2023

次女の七回忌の法事をすませた夜、妻が腹痛を訴えた。 エコーで診てもらったところ、肝臓に小さな影があるということで、念のため、成人病センターで診察を受けることになった。 精密検査を済ませたあと、別室に呼ばれた私に先生は、 「肝臓ガンです。手術をしてもよくて余命は5年以内」と告げられた。私は、先生に「本人にはガンのことは告知しません」と伝え、最後までガンであることは話さないと決意した。 私は病室に帰ってで...

田舎坊主の愛別離苦<5年と1ヶ月と1週間>ー次女の闘病ー 01.09.2023

1980年に生まれた私の次女は、生後まもなく白色便と黄疸が続き、大学病院で希少難病の胆道閉鎖症(たんどうへいさしよう)と診断された。 担当の若い小児科医は「この子は半年で死にます」と、当時の医学書に書かれたとおりのことだけを言って、その病気のことについて他の医療機関などの情報は全く教えてもらえなかった。 ワラにもすがる思いで近くの知り合いの医師に相談しところ、世界ではじめてその病気の手術を手がけた東北の大...

田舎坊主の愛別離苦<尊敬する老僧>ー老僧の遷化ー 29.08.2023

息子の葬儀を終えてから、N師はより老僧に見えるようになった。 跡継ぎが寺務のかなりの部分を勤めてくれるようになったのもさることながら、愛息の死がやはり大きなショックとなったようだ。   それから10年、N老僧の目は一層衰え、夕方になるとほとんど見えなくなってきた。 寺同志の助け合い組合である結集の寄り合いにも出てくることはなくなり、この頃は寺でも床に伏すことが多くなっていた。 老僧の住まいする北側には鎮...

田舎坊主の愛別離苦<尊敬する老僧>ーご子息への諷誦文ー 25.08.2023

N師のご子息の葬儀では私が導師をつとめ、次のような諷誦文(ふじゆもん)を読みあげた。 それ惟(おもん)るに、氏は生前すでに仏縁篤く、 人身受け難きを寺門に受け、その生涯たるや在俗と雖も 相互礼拝、慈悲円明を日夜具現せり。 加うるに性格、熟慮達深、温厚誠実にして 家族朋友の信頼篤きこと、他に勝るものはなし。 家にありては温顔柔和にして親を思い、妻子をいたわり、 外にありては職責重くとも、 寛容なる氏に接するもの...

田舎坊主の愛別離苦<尊敬する老僧>ー寺を継ぐよー 22.08.2023

そんな想いを感じとっていた息子の一人がある日突然、 「わしがあとを継ぐよ」 といってくれたそうだ。 彼は企業の管理職を務めるまでになっていたが、その役職を捨て、一から修行して坊主になるといってくれたという。 N師にとってこんな嬉しいことはなかったが、かといって重要な役職を捨ててまであとを継いでくれるということに、申し訳ない気持でいっぱいになったのも本心であった。 修行を終え、真言僧になるための最大の修...

田舎坊主の愛別離苦<尊敬する老僧>ー誰からも慕われたN師ー 18.08.2023

N師は真言宗山階(やましな)派の末寺の住職である。身の丈一五〇センチあまり。小柄な体格で、外出はいつもソフトフェルトの中折れ帽をかぶり、法衣や和服の上にウールのオーバーを羽織った、おしゃれな坊さんだ。  どこに行くにもその姿で大黒さん(住職の妻のこと)と一緒だから、どこで出会ってもN師は一目で分かるのだ。  N師の寺の檀家は和歌山県かつらぎ山系の山あいの麓に散在し、バイクも自動車も乗らないN師は、高低...

田舎坊主の愛別離苦<栄枯盛衰は世のならい>ー諷誦文ー 15.08.2023

葬式ではSさんの威徳を讃えるとともに、兄弟たちを三本の矢に喩え、意を込めて、次のような故人に対する祭文、諷誦文(ふじゆもん)を読み上げた。 敬って白(もう)す諷誦文(ふじゆもん)のこと それ飯盛龍門の峰々、今、初冬のよそおい急ぎ秋葉を落とし、 人世の有り様まさに自然の移ろいを通して諄々たる諭しの教え説くが如し。 季節の輪廻、やがて爛漫の春巡り来たると雖も、 人の命たるや再び青春の日は訪れず。 顧みるに氏は大正...

田舎坊主の愛別離苦<栄枯盛衰は世のならい>ーおやっさん、おおきにー 11.08.2023

Sさんが亡くなったと連絡が入った。 当家に着いて枕経をあげようとすると、次から次へとかつての弟子たちがお悔やみにやってきた。 「おやっさん、おやっさん」と故人を親しく呼ぶ彼らは、今ではそれぞれが一国一城の主(あるじ)として建材や建具業を営んでいる人たちである。 横たえられた白布の「おやっさん」に職人らしいゴツゴツした手を合わせ、口々に世話になった礼を言うのである。 その人たちから出てくる言葉は、全てが「...

田舎坊主の愛別離苦<栄枯盛衰は世のならい>ー欄間職人としてー 08.08.2023

大正のはじめ五人兄弟の長男として生まれたSさんは、幼くして欄間職人に付き、人一倍の努力を重ね、若くして自分の欄間製造工場を持つようになった。 もともと欄間に適した良質の杉や桐がとれる土地で、周辺には材木屋や建具屋が軒を連ね、Sさんは周辺の山を買い、製材部門とともに欄間工場を成長させていった。 しかも職人上がりのSさんが作る欄間彫刻は、その繊細さにおいて右に出るものはいないともいわれ、ある時には現代の...

田舎坊主の愛別離苦<父が逝き、母も逝き>ーY子さんの死ー 05.08.2023

子どもたちが施主となり、無事葬儀を済ませ、中陰(ちゆういん)の飾りもまだ半ばの四七日の日に、今度はY子さんが亡くなったと電話が入った。 ご主人が亡くなったショック、自分自身が退院まもなく体力が回復していなかったこと、ご主人の最期の世話をできなかった心残り、すべてがこの日の死に結びついたのかも知れない。 しかし、子どもたちにとって母の死の原因はそれだけではなかった。父が母を連れていったと思ったのだ。そし...

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